D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

TheAcatamaExperience('07)/JeanLucPonty&HisBand

2007-05-19 18:56:56 | allan holdsworth
待ってた作品が、予定より速くしかも安く入手出来ました
・・恐るべしTower Records!
いまやフュージョン系ヴァイオリニストとして名高い、Jean Luc Ponty(ジャン・リュック・ポンティ)の新作“The Acatama Experience”が本日のお題です。



彼、ポンちゃんは、'42年9月29日、フランスはノルマンディ地方の都市アヴァランシュ生まれで、現在・・なんと64歳なんですね。
クラシックの殿堂である、国立パリ音楽院出身・・いわゆる“のだめちゃん”の大先輩というわけですね。(笑)
アメリカに渡り、ステファン・グラッペリとの共演をはじめ、マハビシュヌオーケストラやザッパのバンドでの活動で有名になり、現在まで自身のバンドを率いてソロ活動を地道に続けておられます。

今回のスタジオ録音による新作には、Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)、Philip Catherine(フィリップ・キャテリン) という二人の大御所ギタリストがゲストで招かれています。
そのホールズワース先生目当てで聴いてみたのですが、参加は1曲のみでした。
・・しかし、内容が非常に良かったので、とても嬉しい限りです。
gwさん、ナゴヤハローさん、桃猫さんをはじめ、情報を提供してくださった方々に感謝致します。



もう一人のギタリスト、フィリップ・キャテリンは3曲参加となってます。
この方はベルギー人で、'70年代後半にCharles Mingus(チャールズ・ミンガス)のバンドにLarry Coryell(ラリー・コリエル)らと参加してた関係で、私も名前は見覚えがありましたが、ミンガス以外では初めて耳にする音でした。
グラッペリとの関係もあったりするようで、ポンちゃんとはその辺からの繋がりなのかな?と思います・・よく知らないので、この辺でやめときましょう。(汗)

バンドのメンバーは、はっきり申し上げて全く知らない名前ばかりです。
William Lecomte(ウイリアム・レコンテ:pf,kb)Guy Nsangue Akwa(ギィ・ンサンジェ・アクバ:b)Thierry Arpino(ティエリ・アルピノ:d)Taffa Cisse(タファ・シゼ:per)らがクレジットされてます・・読みはテケトーです。(爆)
・・名前からして、フランス本国で集めた面子なのかもしれません・・多分。(汗)





そんな面子で演られた今回の音源は、'06年1月から'07年2月にかけて世界各地をバンドと共にめぐり歩き、それぞれの地で触発された題材を元に書いた曲で構成されてるそうです。

1.Intro
パリの街角の音のSE・・#2への前振りですね。

2.Parisian Thoroughfare
Bud Powell(バド・パウエル:pf)の'49年頃の作品(“The Amaging Bud Powell Vol.1”収録)を、ピアノのレコンテの編曲で演ってます。
雑音風に入るアンヴィエントなパーカッションが少々耳障りですが、ソフィスティケイトされた上質のアレンジとなるファンクナンバーです。
フィリップの参加曲その1で、正攻法のヴァップ風ギターと、アップ・トゥー・デイトなピアノ、クラシカル・アプローチのヴァイオリンらのソロ回しが、実に楽しげですネ。

3.Premonition
かなり無理がある不安定なコード進行ながら、妙に爽やかな一曲です。
・・なぜかビートルズのイメージを思い浮かべてしまいました。

4.Point Of No Return
くだんのホールズワース先生参加による変態チック・・でもないけど、奇妙な感じの曲です。
ポンちゃんのソロに続き、まず先生の濃密なギターソロ・・音色が明らかにいつもと違って深いですね。
・・バリトンギターなのかもしれません。
引き続き、二人でバトル・・というより対話のように聴こえます。
7分弱の長い曲です・・実にいい感じで楽しめました。



5.Back In The 60's
マンボ?風のラテン・ナンバー・・クールな展開ですね。
エレピとヴァイオリンの掛け合いが、徐々に熱を帯びて盛り上がってゆくのがいいですね。
バッキングのみフィリップが参加してるようです。

6.Without Regrets
ベースオリエンテッドなスローバラード・・歌うようなヴァイオリンとの掛け合いがいいですね。
ピアノソロの濃密さとも相まって、実に美しい逸品ですネ。

7.Celtic Steps
アップテンポでダンサブルな一曲・・でもクールですね。
どの辺がケルティック?って感じもしますが、このフィドルチックなあたりかな・・。
ベースのアクバ君が大活躍・・まるでスタンリー・クラークみたいです。

8.Desert Crossing
少々クラシカルな雰囲気・・ポンちゃん、5弦のアコースティック・ヴァイオリンでのほぼ独演。
何ていう技か知りませんが、最後のあたりで凄いことを演ってるみたいです。

9.Last Memories Of Her
エレピと5弦エレ・ヴァイオリンのデュオによるメランコリックなバラード。
・・こういう雰囲気大好きです。

10.The Acatama Experience
アルバムタイトルの曲・・って言うかSE?
クレジットによれば、南米チリ北部のアカタマ砂漠の風景に触発されて創ったモノだそうです。
・・砂丘の輝き・・みたいなイメージでヴァイオリン&シンセで幻想的に。
毎回、こんな感じのヤツを入れてたんじゃないのかな?

11.On My Way To Bombay
確かにインド風かな?・・#3や#4のヴァリエーションかもしれないですネ。
随分伸びやかでファンキー・・難を挙げれば、ドラムの芸の無さでしょうか・・残念!

12.Still In Love
三度、フィリップのギターと楽しげに・・フュージョンチックに一発キメてますネ。
まさに、夏のヴァカンスでのひとこまって感じでしょうか。

13.Euphoria
ファンキーなワルツ・・ピアノのレコンテの作品です。
思わず体が動き出します・・実にファンキー。

14.To And Fro
かなりエレクトリックなイメージのロックチューンで締めとなってます。
・・メロウに行ってても良かったかもネ。

そんなこんなで、なかなか聴き応えがある作品でした。

ポンちゃんの作品は、この他は“Enigmatic Ocean”と“Individual Choice”しか聴いてませんので、作品の傾向など詳細は分りません。
しかしながら、以前に比べるとバンドらしいというか、パーソナルな部分の比重がかなり薄くはなってるのではないかな、と感じます。
クラシックベースのテクニシャンですから、聴かせるという点ではさすがにソツがありませんネ。

ただ、変化というか、もう少し進化した姿を彼に求めるのは、酷なのでしょうか?


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5 コメント

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早速!ですね。 (桃猫)
2007-05-19 23:08:35
どもども。わたしが気が付くまでもなく(笑)もう入手されていたとは、恐れ入りました。個人的には、ザッパ・ファミリーだということで、ポンティーは大好きで前から、いろいろと聴いておりましたが、今作品も久方ぶりとはいうものの、完成度合いはなかなか良いと思います。かつては、どっちがバイオリン?的なホールズワースとポンティーの聴き分けが録音的に難しかった時代もあった(笑)んですが、音楽性やエフェクトの進化共にあったようで、懐かしさいっぱいの本作に感無量ですね。
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桃猫様 (elmar35)
2007-05-20 11:16:13
コメントありがとうございます。
いえいえ、滅相もございません。(笑)
随分前にgwさんにも教えて戴いてましたのでネ。
記事にも書きましたが、トータル的には聴き易く耳障りも良いのですが、かつて程の独創性は無くなった感じもします。
でも、良い作品ですよ、ホント。
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はっやいですねっ! (ナゴヤハロー)
2007-05-20 23:00:36
うげげ。もう出てたんですかっ!!しかもレビューまで!!
ポンティ萌えを自称してるブログやってる身としてはちと悔しいなっ(笑)
早速明日買いに走ろ(爆)
アラン参加曲はなかなかいいみたいですね…。
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ナゴヤハロー様 (elmar35)
2007-05-21 20:28:34
コメントありがとうございます。
・・はい、出てます。(笑)
私も偶然発見し、この目を疑いました。
先生のHPでも5/22リリース予定と書いてあったので、一旦家で色々調べてから買ってしもたわけです。
・・タワーへお急ぎ下さい!今なら2090円です!(爆)
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早速 (ナゴヤハロー)
2007-05-21 23:07:08
買って来ましたー。今から聴きます!
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