D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Presence('76)/ Led Zeppelin

2008-05-17 17:14:30 | zep purple-connection
この歴史的名盤も'76年にリリースされてたんですね。
Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)の集大成であり、彼らはこの後暫く活動を停止することになります。

personnel:
Robert Plant(vo,b-harp)
Jimmy Page(g)
John Paul Jones(b,kb)
John Bonham(d,per)

さしてヘヴィーなファンでない私でも、ギター小僧にとってはある意味バイブルであった彼らの作品は一通り聴いております。
個人的には“聖なる館”が一番好きですが、作品のクオリティとしてはこの“プレゼンス”が群を抜いていると感じます。
非常にヘヴィーな曲ばかりで、まさにハードロックの歴史を代表する作品じゃないでしょうか。

tracks:
1.Achilles Last Stand“アキレス最後の戦い”
2.For Your Life“フォー・ユア・ライフ”
3.Royal Orleans“ロイヤル・オルレアン”
4.Nobody's Fault But Mine“俺の罪”
5.Candy Store Rock“キャンディ・ストア・ロック”
6.Hots On For Nowhere“何処へ”
7.Tea For One“一人でお茶を”

ハードロックとは言え、この頃になると初期の音からは随分進化していると思います。
どの曲でも絶えず16ビートを感じるアレンジになってるんですよね。
そして一本調子のリフは鳴りを潜め、複合的なパターンで攻めて来ます。
場合によっては微妙に変拍子をも織り交ぜ、まさにプログレッシヴに展開してゆきます。



ハイライトがいきなり#1“アキレス最後の戦い”であるということは皆さん異論がないと思います。
この作品の制作がバンド史上最短の18日間であったということからも、この曲を起点として一気に畳み込む展開を狙っていたのではないでしょうか。
テーマとなる“アキレス”はギリシャ神話に出てくる俊足の軍神で、この“Last Stand”はまさに“アキレス腱”を射抜かれながら予言どおり死に向かう彼の姿を歌ったものだと思われます。
ベースとなる16ビートのリズムは、まさに天駆ける軍神たちの姿でしょうね。
重ねまくったギターが織り成すライヴな音空間が、まるで戦車の如く怒涛のドラムと相まって実にドラマチックですね。
もうカッチョええとしかいいようが御座いません。(笑)

続く#2“フォー・ユア・ライフ”では、珍しく、ペイジがアームを多用したバッキングを構築しています。
#6“何処へ”のソロでも意外に激しくギョンギョンやってますね。
この次の作品に収録された“In The Evening”が、雰囲気などは違えど、これらと共通のテイストを孕んでいるのが興味深いですね。

#3“ロイヤル・オルレアン”は実にファンクな曲ですね。
その“何処へ”と並んで、Zepの向かっていた“重量”に対し、もう一つの側面である“動”を体現するようなナンバーの咬ませ方が絶妙です。

#4“俺の罪”は次点かな。
ちょっと“カシミール”に通ずるガンジ~な(笑)テイストが幻想的に効いてます。
しかも、凄くブルージーなプラントのハープがすんごくカッチョええし、ブレイクがたまりませんな。

あと、#5“キャンディ・ストア・ロック”と、#7“一人でお茶を”なんてのは、昔好きだった小野弥夢さんのコミックネタとして使われてたのが懐かしいです。
ロックスターの悲哀をテーマに展開されるお話が多かったと記憶してますが、主人公は多分プラントがモデルだったんでしょうネ。
・・音とは全く関係ないお話で恐縮です。(笑)

とまあ、最後まで一気に音の塊がどっと押し寄せてくるような作品です。

ペイジの崇拝者として有名な渋谷陽一氏がこの作品に寄せたライナーにもあるように、“重く圧倒的に確かな存在としての音”を追い求めた姿がそこにあるように感じられます。
圧倒的な存在としての“音”・・これはまさしく“神”ですよね。

それから、ヒプノシスが手掛けたこのジャケやインナーに繰り返し登場する黒い“モノリス”とは実際何を意味していたのか、是非ペイジに聞いて見たいと思ってるのは私だけでしょうか?
・・“知”とか“真実”はたまた“愛”なんてのは、在り来たりすぎて何だかなぁって思うんですよね。


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6 コメント

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こんばんは (daika)
2008-05-17 20:53:15
個人的にZEPで一番好きな曲と言えば、ZEPⅢに入っている『貴方を愛し続けて』なのですが、このアルバムの『俺の罪』もなんとなくブルージーな雰囲気が『貴方を愛し続けて』に似ているような気がして好きなんです。

アキレス・・・は超名曲ですね。イントロから『ぞくっ!』ときます。
ただ、数枚の海賊盤で聴くアキレスは、かなり寂しいものがあります(笑)
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daika様 (elmar35)
2008-05-18 11:15:47
コメントありがとうございます。
>『貴方を愛し続けて』
ブルージーですね。
プラントのスタイルがブルーズに嵌り易いのかもしれないですね。
彼はロカビリー好きな割りに、かなり黒いのが面白いと思います。
・・ライヴはま、しょうがないっしょ。(笑)
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アキレス最後の戦いは素晴らしいのですが (ジャンボ)
2008-05-18 23:40:14
このアルバムは本当に素晴らしいアルバムなのですが、私は特にフォー・ユア・ライフとロイヤル・オルレアンが限りなく好きです。プレゼンスといえば真っ先にこの2曲を思い出します。
なぜでしょう。わかりませんが。
確かに重いファンクですね。
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ジャンボ様 (elmar35)
2008-05-19 21:37:04
コメントありがとうございます。
フォー・ユア・ライフってⅡとかⅢに入ってそうな感じがしませんか?
キャッチーでブルージーなせいではないでしょうか。
ロイヤル・オルレアンはあなたの血が呼ぶんじゃないですか。(笑)
どちらも強力な佳曲ですね。
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Unknown (evergreen)
2008-05-20 16:02:51
いざコメントとなると
困っちゃうZEPなんですが
このアルバムは、全ZEPのなかで
一番好きなアルバムなんですよ~
いやまてよ・・・
違うな~・・・
といった具合にZEPのアルバムを位置ずけることって
めちゃくちゃ難しいのですよね~

ただ・・・当時、終焉に向かう
ZEPの危機感を持ちながら聴いていた事は
確かです。
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evergreen様 (elmar35)
2008-05-20 20:08:41
コメントありがとうございます。
なるほど、それほど切迫した状況だったのですか。
・・音からは想像もつきませんが。
私が彼らを聴きはじめたのは、丁度ネブワースで復帰した頃、しかもIn Through The Out Doorだったりします。
ノホホンと聴いてただけですが、既にあの頃終わってたのかもしれないですね。
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