D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Teaser('75)/Tommy Bolin

2011-04-13 20:16:00 | zep purple-connection
ここ数回はこれのアップのための前振りでしたね。
Tommy Bolin(トミー・ボーリン)の1stソロ作“Teaser”です。
これって実はパープル加入直前に録られてたんですね。

ボーリンは'51年8月1日アイオワ州スーシティ生まれ。
Zepher等の活動を経てJames Gangに参加し、Billy Cobhamの“Spectrum”で抜擢され一躍衆目を得ました。
その縁でDeep Purpleに参加し、解散後'76年12月3日ヘロイン過剰摂取にて没・・わずか25年の生涯だったようです。
しかも実質7年間あまりの活動で、世に残した音源は余りにも少なすぎますよね。
それにも増して、彼が世に与えた影響の大きさといえば、これも余りに大きく儚いものでした。
そいや・・あのRandy Rhodesも同じ感じでしたね。

この作品は、彼の絶頂期に制作された作品であり、彼の全てが詰まっていると云える最高傑作として世に認識されていると聞きます。
参加した面子をみれば、それもさもありなん・・かもですね。

personnel:
Tommy Bolin(g,vo,pf)
Stanley Sheldon(b)
Jeff Porcaro(d on#1,2,3,5)
David Foster(pf,kb on#1,2)
Paul Stallworth(b on#4,8,9)
Prairie Prince(d on#48)
Jan Hammer(kb on#6,7,d on#6)
Dave Sanborn(sax on#6,7)
Michael Walden(d on#7)
Phil Colins(per on#4)
Bob Berge(d on#9)
and others

今ではかなりのビッグネームが名を連ねてますが、当時はほとんどが、まだまだ駆け出しのレヴェルだったという事実。
やはり、あの“Spectrum”でかなりの注目を集めたのが効を奏したと言えるかも。
類は友を呼ぶのか、これらの面子はその後のミュージックシーンを牽引して行く連中ばっかです。
個人的には元JourneyのPrairie Princeが名を連ねているのが嬉しいですね。

tracks:
1.The Grind
2.Homeward Strut
3.Dreamer
4.Savannah Woman
5.Teaser
6.People,People
7.Marching Powder
8.Wild Dogs
9.Lotus

この作品を聴くまでは、ボーリンのギタリストとしての一面しか注目していませんでした。
しかし、何度も聴くにつれ、彼にとってはギターがさほど大きな意味を持つものではなかったような気がしてなりません。
それ自体は、あくまで自分が音楽を奏でるための一つの方便であって、彼にとってはそれ以上のものではなかったんじゃないでしょうか。
それほどに、彼の熱いヴォーカルが身に染みます。

それに、ハードロックなんてスタイル自体が、彼の意識のほんの一部でしかなく、例えばその日の気分だったり、毎日のある瞬間の感情の一面であったとしか言い様が無いほど、その音楽性の深さに引き込まれてしまいます。
たとえば、#4“Savannah Woman”。
これって、サルサかな?
キューバンなノリが凄いし、まるでWes Montgomeryバリのジャジーなソロが凄いですね。
少なくとも、ハードロッカーが創る音楽じゃありませんぜ。
Tommy Bolin - Savannah Woman [Studio Version]

で、こんなレゲエなんかも演ってますね。
PEOPLE PEOPLE BY TOMMY BOLIN


それにこれなんか、Naradaのドラムが、まるであのJeff Beck御大の“Led Boots”ばりじゃんね。
・・ギターも熱すぎ。
Tommy Bolin - Marching Powder [Studio Version]


ま、そんなこんな言いつつ、一押しはやっぱタイトル曲でしょうね、
Tommy Bolin - Teaser [Studio Version]

これはカッチョ良すぎですね。
“シザ、ティ~ザ”めっさ良い感じです。(笑)

全ての曲が、スタイルの違いを孕みながら、それでも一つの姿を容創っているのが凄いです。(当て字:笑)


定番ながら、もし彼が生きていたら、ってのが、一番残念な印象でしょうか。
・・素敵な作品ですよね、ホント。



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