逃散
ここを離れてどこの領地で人間らしく暮らせるだろうか
豊穣な詩の収穫を待ち望む領地の民は既に滅びてしまい
身を危機に晒してまで越境する理由はどこにあるのか。
輸血より真っ赤な血で染まる日本海の一瞬の冬の情景は
定型という疎隔感にさえ背を向ける領地なき放浪の詩か
逃走心を乗りこえて懐かしい因幡の白髪少年が兎になる
無知だ蒙昧だと蔑まされようと泥にまみれるほかになく
詩はこの世の領地の人のものではない今世紀もおそらく
来世紀も変わらず永遠のひとに捧げられる言葉であろう
ここを離れてどこの領地で人間らしく暮らせるだろうか
豊穣な詩の収穫を待ち望む領地の民は既に滅びてしまい
身を危機に晒してまで越境する理由はどこにあるのか。
輸血より真っ赤な血で染まる日本海の一瞬の冬の情景は
定型という疎隔感にさえ背を向ける領地なき放浪の詩か
逃走心を乗りこえて懐かしい因幡の白髪少年が兎になる
無知だ蒙昧だと蔑まされようと泥にまみれるほかになく
詩はこの世の領地の人のものではない今世紀もおそらく
来世紀も変わらず永遠のひとに捧げられる言葉であろう