遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

現代詩「無用の威嚇」

2010-09-03 | 現代詩作品
無用の威嚇



下駄箱の隅に追いやられたものとはいえ、
当分は裸足の人生が消えてしまうことはないだろう。
ゲタ、ゲタと笑おうと、ソーリ、ソーリーと叫ぼうと
無用は存在の否定にはあらずだ


靴下やアンダーを身につけないという
露悪趣味には関心はない、だが
美しいものは美しいといえなくなったらおしまいと、
得意げに「つぶやき」を発信つづけるよりはましだろうか。


下駄や草履の感想が詩になるわけではない
裸足になって砂浜を駈けても、向こう岸まで泳いでも、
溺れる者を救えるとは限らないはずだ。。
無用なものの威嚇する淋しさは
誰にも向かわず、詩になるとはかぎらない。


読む者の思いこみで生死を区切られる、詩とは
無限の遠さをめざすものだから。
つま先一歩か二歩ぐらいの新しさは
下駄箱の隅にさがしてどうなるわけでもない。