遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

現代詩「不羈ーあるいはサルビア」

2010-09-16 | 富山昭和詩史の流れの中で
不羈ーあるいはサルビア



それでも守られているのだから
拒んでみたり
蔑んでみたりせず、
和めという
仇にならない親和性から
距離を置いてきたが
季節を知らせる
裏の庭の
サルビアの紅いろが
今朝は鮮明に胸に飛び込んでくる


いっきに、
観念の距離をまたぐ淋しさ
いまも淋しい世界のどこかで
みえない鮮血がながれる


不断は忘れていて
振り向く時は
不要な時か、
不適切な折りばかりだが
当てにならないのは
他人ではない
自分のなかのなにか、
ことばの、
思想といってみる
観念の距離をまたぐ失敗もあれば


誰が誰を
裏切ろうと振り回そうと
自分のことで精一杯の日々
見えない鮮血もながれていたか


同じ轍を
踏んではならないと似たようなことで
しくじる
他者をせめるよりは
せめあぐねる
不器用ものには
ならないようにしかならないのではない
ならないようにさえならない
裏庭の、
世界という不可侵




*今朝は珍しく小雨が降っています。
涼しくなりましたね。