遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

歌謡詩「早くノートを返さなきゃ」

2010-04-27 | 富山昭和詩史の流れの中で
早くノートを返さなきゃ



急に病院から 電話があったの
父に付き添って あげなさいと 
  安心して父さん すぐかけつける
  大学だったら やすみます
その前に 借りたノートを 返さなきゃ
あのひとに 大事なノートを 返さなきゃ

父と二人だけの ちいさな暮らしを
なんで悲しみが ひきさくのよ
  負けないでね父さん 苦しいでしょが
  わたしも一緒に たたかうわ
その前に 借りたノートを 返さなきゃ
父のこと 言い訳なんかに したくない

見てよこの春の 入学写真よ 
父がなんまいも 撮ってくれた
  そばにいるわ父さん 回復までは
  あせらずじっくり 直してね
その前に 借りたノートを 返さなきゃ
あしたから  逢えなくなること 伝えなきゃ