柳橋に在るお稲荷様で、江戸切絵図[1]には「篠塚イナリ」と描かれています。江戸の名所ガイドブックともいえる江戸名所図会にも載っており、そこに描かれている絵や切絵図から想像すると江戸時代の境内は今よりもかなり広かったようです。
かつて柳橋は花街として賑わっていましたが、1999年に最後の料亭が廃業し、その歴史に幕が下ろされました。今では花街として華やかしき時代の面影はほとんどありませんが、篠塚稲荷の社を囲う玉垣には、今でもかつて存在した料亭の名前を見出すことが出来ます。
池波正太郎著「夕紅大川橋」(剣客商売(十三)に収録、新潮社)の中で、浅草・平右衛門町の篠塚稲荷として登場しています。
[1]東都浅草絵図、安政四年(1857年)
篠塚稲荷 東京都台東区柳橋1-5-1
JR・都営浅草線 浅草橋駅から約270m 徒歩約4分
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