江戸観光案内

古地図を片手に江戸の痕跡を見つけてみませんか?

今川橋

2011-10-22 | まち歩き

今川橋は日本橋三越の前の大通りを神田方面に500m程進み、以前に龍閑橋のところで紹介した龍閑川(竜閑川の表記もある)を渡る所に架かっていた橋です。今では橋は無く、少し先の交差点に今川橋の名前が付けられていることくらいが、かつてこの地に橋が在ったことを示す数少ない証となっています。


今川橋は、池波正太郎著「罪ほろぼし」(剣客商売(十二)に収録、新潮社)の中で登場していますが、併せて注目して欲しいのは、「八丁堤」という火除けの土手の存在です。と言うのは、この火除けの土手は、明暦の大火の後に防火を目的に築かれた長さ八丁(約870m)の土手なのですが、龍閑川は後年にこの火除けの土手の側に生まれた広道(明地)を開削して造られたもの[1]だからです。


今は川も土手も橋も在りませんが、かつての川沿いには何ヶ所か案内板が設置してありますので、散歩をしながら龍閑川や今川橋等の由来を知ることが出来ます。


今川橋が登場するその他の作品

  • 藤沢周平著「老賊」(風雪の檻に収録、講談社)

[1] 参考:千代田区教育委員会案内板


今川橋跡 東京都中央区日本橋室町4-2-9付近

JR神田駅から約250m 徒歩4分


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今川橋が在った場所。龍閑川は手前から奥に見える細い通りのところを流れていました。