土佐の狸の怪 3.
小八木(こやぎ)屋敷の古狸 その(2)
2023.4
さて、又、先程の小八木屋敷の古榎の下の狸については、以下のような話もある。
ある時、山田某と言う武士が、夜更けて榎の所に行って、小便をした。
すると、たちまちに何であろうか大変大きなものに、体をひた押しに押付けられたような心地がして、全身がすくんだ。
なんとか立ち上がろうとしても、出来なかった。
仕方なくて、しばらく、そのままにしていたが、町巡りの廻番の男が、拍子木を打ちながら来た。
それで、声を掛け、手をひっぱってもらい、この時にやっと立つ事ができた。
しかし、その後は何も変わった事がなかったそうである。
「土佐風俗と伝説」 古狸 より
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