新説百物語巻之三
3、縄簾(なわのれん)といふ化物の事
2021.12
京都には、昔から不思議なことがある。
雨などそぼふる夜、ある所を通ると、何やら頭へ懸るものがあった。
縄のれんの様であった。
ともかく、顔へかかって、まっすぐに歩きにくかった。
無理に、通り過ぎようとすると、又うしろより、傘のロクロを押さえ持って引き留められ、動けなかった。
何とかして通り抜ければ、後は何の不思議、不都合もなかった。
昔より今に至っても、絶えず幾人もの人が遭遇したとの噂である
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