開山の天駒(一) 「南紀土俗資料」
20205.4.6
由良の開山興国寺(和歌山県日高郡由良町)の森には、昔から元狗がいると伝えられている。
安政元年(1855年)の大地震及び大津波は、 丁度闇夜の子の刻(ねのこく:午前0時位)で、何も見えないという暗さであった。
しかし、この山におおよそ畳一枚ほどの燈火が二つ点(とも)って山陰(やまかげ)の所までも明かりが晃々(こうこう)照らされて、人々の避難には、まことに好都合であった。
これは全く天狗の所為(しわざ)であったのだ、と言われている。
以上、「南紀土俗資料」土俗編、呪詛伝説 より