帯刀のカッパ 「ありのまま」
2025.4
原題は、「大小刀を横たへたる河太郎」(侍の姿をした河童)であるので、帯刀の河童とした。
このカワタロウである源左衛門(げんざえもん)は、大小刀を帯びていたそうである。眷属は三百ばかりある事を語ったそうである。その後、しばしば来たが、その身に臭気があった故に近づいて来る事を嫌い、竹縁に座らせて話をしたそうだ。
肥後(熊本)の渋江、筑後の釜屋(この二人は、ともに陰陽師の如き者だそうだ)が率いていた川童のようである。
ついでに言っておこう。播州(兵庫県)の玉屑は、川童の毛をもっていた。その色は、狐の毛のようであって、水に入れれば、その形は見えないようになった。あやしいものであった。
「ありのまま」 広文庫 より
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