黒駒 寺社参拝記

畿内を中心とした寺社参拝記です。主に西国三十三所や聖徳太子霊場を巡礼中です。

桂離宮参観記2 御幸門~御輿寄

2010-04-16 18:33:15 | 京都の寺社・御所・離宮
通常の一般参観者ルートは待合室から出て最初に御幸門を見て庭園に出るのですが、今日はこの八条宮家山荘を
後水尾院が行幸された時のルートをたどってみたいと思います。まず院の輿は御幸門を通ります。


簡素な藁葺きの門ですが「御幸門」と名付けられた門は院の行幸のために造られた門です。当時の門は
失われたので今残るのは後世に姿そのままに再興されたものです。右手前に石が見えますが「御輿石」という
輿を置いた石らしいです。院以外の訪問者はここで輿を下りたのか、もしくは院もここからはお歩きになった
のかもしれないですね。

御幸門をくぐって右に折れればまっすぐな「御幸道」を進みます。そして左手に庭園の池があるのですが、
池への視界をさえぎるように「住吉の松」あるいは「衝立松」と呼ばれる松があります。これは客人には
ゆくゆくその美を楽しんでもらおうという趣向といわれています。庭園をわざと隠して「見たい」という衝動を
起こさせる演出が随所にあります。見事ですね、そのセンス。


そして院の輿はやがて中門に到ります。中門の先には玄関である御輿寄せがあるのですが、門よりずらして
建っているのでまだ見えず、簡素な手水鉢だけが見えます。これは客人に視覚的・心理的な余裕をもたらす配慮です。
門の直前に敷石が見えますが「あられこぼし」といい、桂川の川原石が平らな面を上にして敷かれています。
目に楽しく歩きやすいように工夫してあります。写真は門前のものですが「御幸道」には一面に敷き詰められています。




そして「御輿寄せ」 御殿である書院の玄関です。上がり口の沓脱ぎ石は一度に6人分の沓(くつ)が並ぶので
「六つの沓脱石」ともいいます。


                                                参考文献:小学館『日本庭園をゆく』

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