黒駒 寺社参拝記

畿内を中心とした寺社参拝記です。主に西国三十三所や聖徳太子霊場を巡礼中です。

最後の仁和寺宮門跡

2008-12-28 18:22:44 | 歴史
今年も軸や短冊などを数点入手しましたが、今年最後は軸です。
漢詩の軸で筆者は江戸後期から明治中期の皇族である小松宮彰仁親王です。

彰仁親王は弘化3年(1846)に伏見宮家の第8王子として誕生して
嫡男でない王子であるので仁和寺に入寺して門跡となりました。
この前に仁孝天皇の猶子となって親王宣下を受けて純仁親王と号しました。
そして明治維新を迎えてすべての宮門跡は還俗(僧籍から俗世に戻ること)
を命じられたので純仁親王も仁和寺を離れて、それからは軍人皇族として
戊辰戦争から日清戦争まで戦地に出征して陸軍大将・元帥にまで昇進して
明治36年(1903)に薨去しました。
なお明治に入ってから小松宮彰仁親王と改名しています。
江戸後期から明治時代の典型的な皇族の生涯です。

さて軸は漢詩。彰仁親王の印があるので明治に入ってからの作品です。




「人 梅華に立ちて 月 正に高し」で良いですかね?
月の文字が三日月の様に書かれているので、梅の花が咲いている夜の
三日月の情景を詠んだものでしょうか。晩翠というのは彰仁親王の雅号です。
大変立派な書跡ですね。3月に床の間に掛けたいと思います。


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