Dr. Mori Without Borders / Mori-san Sans Frontieres

森 一仁が医学・国際政治経済金融・人文教養教育など関心問題を国際的・学際的に考える。

人間万事塞翁がイナバウアー

2006-02-27 00:06:23 | 総合芸術論:音楽・演劇・笑い
トリノオリンピックがまだまだ熱いようだ。特に日本ではスポーツキャスターかコメンテーターか判らない、あのテニスプレーヤーが熱いせいかも知れない。オリンピックとあって日本人の身体機能を考えると、本当によく健闘していると思う。稲作と米食を基調とすると言う事は、元々は日本人は厳寒地仕様ではないと言う事だろう。その証拠に比較的温暖な東南アジアではコメを主食としているではないか。油脂類や乳製品を摂取する厳寒地仕様の北欧人・欧米人は生理学的に強いばかりではなく、政治的・社会的にもオリンピックに強い事を忘れてはならない。

最近ではジャンプの原田選手が、ルール変更と言う災難に遭遇した。災難とは言い過ぎかも知れない。しかしながら、前例を見てみよう。鈴木大地選手のバサロ泳法、荻原健司選手のノルディック複合のケース、そして数年前から得点に加算されなくなったと言う背中を反らすあの「イナバウアー」・・・。日本人選手の得意科目・得意な手技が封じられていくなかで、それでも健闘しているのだ。

トリノでメダルが1個しか取れない等と言うなかれ。身体機能・政治社会的要因と言う逆風の中で、日本選手団は近代オリンピック史上ずっと頑張り続けている。開発途上国は、出場する資金すらない。練習にかかる諸費用も賄えない。練習する設備すらない状況で、それでも先進国と同じレベルの高いお遊びに参加しようとする・・・。

金持ちの子供集団に貧乏な子供が入ってきた。金持ちはプレイステーションもIポッドもNINTENDO-DSも持っているが、貧乏な子供は持てない。挙句の果てには、それらのおもちゃを持っていない子供にはグループに入る権利すら与えられない・・・。金持ち集団を先進国に、プレイステーションやIポッドをコカコーラやマクドナルドやCNNやその他大企業群に置き換えてみよう。この大げさな世界的お遊び=オリンピックに参加出来ない多数の選手達が世界中にいる事を、私達は忘れてはならないだろう。

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