
今回のクランケはウォーキングステレオの祖、ソニーの初代ウォークマンです。1979年発売。今でこそ歩きながら音楽を聴くというのはごくありふれた行為ですが、当時はセンセーショナルなものでした。それまで音楽は部屋で大仰なステレオセットか、単一電池を何本も入れたラジカセで聴くものでしたから。音楽をもっと身近にカジュアルにということで、ボディカラーもブルージーンズ(昔はGパンと言ってた)に合わせ、当時のナウなヤングの必需品となりました。年がバレますが、当時、私は
今回はヤフオクで不動品をゲット。届いてすぐに開腹しました。

中はメカがぎっしり詰まってます。当時のソニー技術陣の執念が30年の時を超えて伝わってくるようです。

駆動用ゴムベルトはご覧のとおり変形してしまってます。コールタールのように溶けてなくて良かった。

このようなブツは、ゴムベルトだけ交換すればOKというわけにはいきません。モーター軸も固着しております。モーターのカバーを外し、軸にエレクトリッククリーナーを吹きかけ、手でグリグリと回します。軸がゆるくなってきたら、実験用電源で印加。しばらく回転させます。5分もすると滑らかに回転するようになります。

モーターを取り付け、千石で仕入れたゴムベルトを装着。裏蓋を閉める前に、テストテープ+簡易オシロでテープスピードを調整します。調整用半固定ボリュームは上部にあります。

無事、生き返りました(写真中)。再生音はやはり高音が伸びません。カタログスペックでハイエンドは12,000Hzまででしたから。しかし、歩きながら聴く分には問題ありません。
実は今回のウォークマンは3台目。過去に初代ウォークマンのWalkmanロゴがないやつ(こっちのほうが古い。写真左)と、2代目ウォークマンが品薄のときに、その品不足を補うように発売されたウォークマンデラックス(WM-3。メタル対応。写真右)を修復しております。いやあカッコいいですね。おっさんにはたまりません。
ステレオという概念を知らなかった私は、小型のカセットレコーダー(モノラル)でテープを聴いていました。「walkman買わないの?」って言われても「?、これで聴いても一緒じゃないの?」と思ってました…。
ヘッドフォンで聴いて「ステレオ」と言うのを理解したのは、数年後のことでした(爆)。
その音質の良さに驚いて検索して訪ねました。
仕様の40Hz~12,000Hzが信じられません。
当時の技術レベルを考えると、この小さな機体からこの音は驚異ですね。自分は「メイドインジャパン」という言葉を聞くと、まっさきにこの機種が頭に浮かびます。
次のWM-2でひとつの完成を見るのですが、他社はしばらく太刀打ちできませんでしたねえ。
当時のソニーはホント良かった・・・
ホント、最近のソニー製品には気品が感じられないんだよなあ。その点を重視しているアップルにことごとくやられてるし・・・残念ですね。
この機種はゴムベルトを2本使っています。そのサイズはメモが残っていないので、はっきりとしたことは申し上げられません。確か、千石電商の太さ0.95ミリのもので直径が・・・
1 35ミリと40ミリを1本ずつ
2 40ミリと45ミリを1本ずつ
のどちらかだったように思います。間違ってたらごめんなさい。。。また、これがベストなのかどうかもわかりませんので悪しからずm(__)m
無事に復活することを願ってます(^O^)