本日の「電源入りました。」

 ジャンクオーディオを修理しては放置するという非生産的なことをやってます。最近飽きてきた・・・

YAMAHA KX-640(その2)

2010年12月29日 14時15分51秒 | カセットデッキ
 前回KX-640の記事をアップしましたが、あれは引っ越し前のブログ(FC2。現在は閉鎖)に今年5月に書いたものの再アップバージョンでした。で、その後数カ月も放置していたこのKX-640ですが、昨日から修理を再開。

 手順としては、1.コントロール系の修理、2.ディスプレイの修理、3.各種調整です。


 コントロール系がダメダメなのはタクトスイッチの劣化がまず疑われます。んで、全て取り外し。

 通常ならば新品交換するところですが、生憎この2本足タクトは手持ちがありません。今から通販してもモノが届くのは年明けになってしまうので、取り外したタクトを私が独自に開発(大袈裟)したリフレッシュ方法で再生することにしました。

 手順はとても簡単。サルキャン(猿でもできる)です。
 1.タクトをクリンボーイまみれにする。
 2.数時間後、超音波洗浄機でクリンボーイを除去する。
 3.今度は接点復活剤まみれにする。
 4.再度、超音波洗浄機にかけ接点復活剤を除去する。
 5.エアスプレーでタクト内部の水分を吹き飛ばす。
 6.自然乾燥させる。


 (注)料理ブログではありません。
 
 このリフレッシュ大作戦により、見事タクトスイッチ復活!基板に取り付けたところ、ストレスなくコントロールできるようになりました。YATTANE!!

 
 さあ、調子が出てまいりました。お次はディスプレイだ!!


 あれ、なんか焦げてる・・・


 ディスプレイ不点灯の理由は麦球のタマ切れ。かなり熱を発するんですねー。煤で黒くなっていました。私のアタマもこのくらい黒いといいのですが・・・


 麦球はどうしてもタマ切れしてしまうので、一瞬、LEDに交換しようかなと思いましたが、電源がACなので整流回路が必要。自作するのもメンドーなので、ここは素直に麦球を使います。手持ちのリード線付12V麦球を取り付け。しかしどうも輝度が足りません。テスタで電源電圧を測ったところ、AC7Vちょいだったので耐圧8Vの麦球に変更します。


 リード線が付いてない麦球でしたので、取り付けが超メンドーでした。ちなみに8Vの麦球にすると明るさはアップしますが耐久性は12Vに劣ります。


 点灯式。おー明るい。


 最後に天板以外を組み上げ、テストテープを使って各種調整。まずはテープパスから。


 問題ありません。まあ今回はピンチローラー交換等はしてませんから当然っちゃー当然。


 はい次。テープスピードとアジマス調整。


 スピードがちょっと速かったのでモーター裏の半固定ボリュームをグリグリ。アジマスもヤバいほど狂ってましたので、写真のようにリサージュが右肩上がりになるよう調整しました。ちなみに私はオシロスコープを持っていませんので、efu様が作成した超有名フリーソフト「Wave Spectra」を使わせていただいております。非常に便利。efu様、ありがとうございます。


 左右の再生バランスが若干ずれていましたので、再生AMPの半固定ボリュームを弄ります。この機種は基板に各部品の機能が記載されているのでありがたいです。


 仕上げとして、CDを録再してみて音質に問題がないか確認します。一緒に写っているのはポータブルCDプレーヤーの1号機、ソニーのD-50(希少)。


 はい修理完了。パチパチパチ。


 修理が終了しましたので、また放置プレイです。この機種はそーゆー運命にあるのです。グッとくるものがないとウチのメインシステムにはなりえません。アデュー。





YAMAHA KX-640(その1)

2010年12月26日 10時30分56秒 | カセットデッキ

 ヤマハのカセットデッキKX-640です。1990年に54,800円という低価格で発売されたものですが、3ヘッド、クローズドループデュアルキャプスタン、ドルビーHXプロ搭載と価格以上の内容を備えた機種です。今年の春に厚木のハードオフで「電源入りました。テープ回転しません」のコメント付きで売られていたブツをゲット。315円なり。


 テープを入れる前にヘッド周りを確認。なぜかヘッドに赤いインクみたいのがべっとり。無水アルコールで清掃。


 テープを入れスイッチオンしてみたところ、確かにモーターの回転音はするのですが、テープが回転しません。しかも、ディスプレイも点灯しませんでした。これはやられたなと思いつつ開腹。内部はスッカスカ、ケースは薄くてペナペナでした。


 摘出したメカブロックです。非常に安っぽい。一応3モーター。


 バックテンション用のベルトが伸びてました。指でつまもうとしたところ・・・


 溶けててやんの。指真っ黒(T_T)


 フライホールベルトは溶けてなかったけどビロンビロン。


 アルコールでガンガン掃除していきます。ヘッドはPC-OCC巻線のパーマロイです。


 この機種はモードコントロールを専用モーターでおこなってます。接点もふきふきして接点グリスを塗布。


 この後、新品ベルトを装着して組み上げ、動作確認テスト(ディスプレイ修理は後回し)。すると、電源を入れたとたん再生モードになってしまいました。どのボタンを押しても止まらない・・・orz  結局、飽きてしまってそのまま放置。ローコストモデルなので修理に気持ちが入らないんだよね・・・





National RX-5700

2010年12月21日 23時49分15秒 | ラジカセ

 本日はナショナルのステレオラジカセRX-5700(1980年発売87,800円)を修理しました。


 症状は、カセット不動、右チャンネルの音が小さい、左チャンネルのメーター不動、ボリュームのガリの4つ。ジャンク中のジャンクです。早速開腹。


 まずはカセットメカを摘出し、不動の原因を調べます。


 ゴムベルトが外れてました。かけ直して動作確認してみましたがモーターが回りません。テスタを使っていろいろ当たってみたところ、モーターに電源が供給されていませんでした。どうやら前所有者がいじくって電源供給のコネクタ内端子を壊したようです。コネクタ交換はメンドーなので応急処置で対処。


 次に右チャンネルの音が小さい原因を探ります。とりあえずボリュームをテスタで確認。問題ないようです。しかし、ガリが出ているので6個全てを取り外して分解掃除。接点グリスを塗布。


 通電状態で半固定ボリュームをひとつひとつ叩いていったところ、接点不良のものがいくつかありました。かなり汚れているので全て(13個)取り外し、特殊洗剤でクリーニングしたのち、超音波洗浄器(メガネ屋の前にあるやつの小型版)で洗剤を完全に取り除きました。取り付けてテストしたところ、無事、右チャンネルも音が出るようになりました。


 この際なので電解コンデンサも全交換。交換後、コンデンサの極性が間違っていないか一つ一つチェックし、OKのものは赤マジックで印を付けていきます。ヒューマンエラーはどうしてもつきものなので。トランジスタ(2SC945)も数個交換。


 メーター不動の原因はどうやらメーターの裏のコンデンサのようでした。


 コンデンサはいつもの東信製を使いましたが(安いので)、唯一、ツイーターのハイパスコンデンサは音響用のミューズを使用しました。


 最後にテストテープで、テープスピードとアジマスの調整を行い完成。結構いい音。メーターもビンビン振れます。やはりアナログメーターは雰囲気がありますね。

シチズン サーモセンサーのメンテ

2010年12月19日 16時28分45秒 | 腕時計
 私の趣味のひとつに、70年中期~80年代前半に発売されたデジタル腕時計の収集があります。全部で50個くらい持ってるかな。

 これもオーディオと同じく単なる懐古趣味。この時代のデジタル腕時計は価格も高く、作りも丁寧でした。

 今日は、1982年にシチズンから発売されたサーモセンサーのメンテ(というかニコイチ)を行いましたので、その顛末を・・・


 さて、この機種は「温度も測れる」というのが売りの、いわゆるデジアナタイプの時計です。そのメカニカルなマスクから今でも人気があり、数年前にデザインを新たにして復刻されたので、そちらを持っている方も多いのではないでしょうか。かく言う私も持っている一人ですが、ここはやはり当時モノを持っていたいのが人情。で、ヤフオクでジャンクを2個入手。一つはデッドストックで外観はものすごくキレイですが、液晶漏れを起こした完全不動品。もう一つはアナログ部分のみ不動で、外観が傷だらけのもの。
 
 ※写真を撮るのももどかしく分解。バラけているのがデッドストック品(黒い文字盤)。右上のものが傷だらけ品(白い文字盤)。傷だらけ品は社外品のベルトでした。

 まず最初に、傷だらけ品から液晶を剥ぎとり、デッドストック品へ付け替えてみることにしました。これで動けばデジ・アナ双方の動く、新品同様のブツが出来上がるからです。

 液晶漏れを起こして真っ黒。


 傷だらけ品も分解。液晶を剥ぎとります。こっちはキレイ。

 
 上がデッドストック品の液晶。電極もやられてます。
 

 剥ぎ取った液晶をデッドストック品に組み込んで電池を入れてみましたが・・・やっぱり作動しませんorz・・・ 電池漏れも起こしていたので、ムーブメント自体がやられているようです。


 仕方なしに作戦変更。液晶を元に戻し、傷だらけ品のムーブメント自体をデッドストック品に移植することにしました。文字盤も取り替えるので、針を外さなければなりません。これ、外すのはいいけど、取り付けるの超メンドーなんだよね。


 針を付けるだけで小一時間かかりましたがなんとか完成。不動のアナログ部分はこの際目をつぶります。


 当時のポップが残っていましたので取り付けてみました。このまま店頭に飾られていても不思議でないほどになりました。針動かないけど・・・

Pioneer SK-900(その2)

2010年12月11日 21時54分17秒 | ラジカセ
 このところものすごく忙しくてジャンクいじりができません。疲れが溜まっていて休日はほとんどベッドの中。ブログの更新も停滞中。

 久しぶりの更新ですが、このブログにはSK-900を検索してたどり着く方が多いようなので、期待を裏切らないためにもSK-900ネタを。


 バラしてみて判明したのですが、この個体は前オーナーが修理を試みて、志半ばに断念したもののようです。いろいろ問題がありました。

 まず、グライコのボリューム。クリック感を出すためのベアリング(2ミリ径)が2つ無くなっていました。これはスプリングで加圧されているので、ボリューム分解時に飛んでいってしまうことが多いのです。幸い手持ちのもの(東急ハンズで購入)がありましたので事なきを得ました。


 端子もベースがら外れていましたので、エポキシ系の接着剤で補修。


 デッキ部のケミコンが2つ吹いてました。吹いてからまだそれほど時間が経っていないようです。自分でやっちゃったのかな?即交換。


 デッキからのケーブルを挿し込むコネクタのピンが一本折れてました。写真では分かりにくいですが、一番上のピン。


 このコネクタは2ミリピッチの15ピンもの(2番目のピンは不使用)ですが、これだけを通販で買うのも馬鹿馬鹿しいので、他の部品を買うときに一緒に注文するつもり。よって、その時までSK-900修理はしばらくお預け・・・