本日の「電源入りました。」

 ジャンクオーディオを修理しては放置するという非生産的なことをやってます。最近飽きてきた・・・

テープスピード調整について

2012年04月28日 00時57分03秒 | メンテノウハウ等
 National RX-5700の記事に"たかゆさん"から「テープスピードはどこで調整するの?」というご質問をいただきましたので、久しぶりにカキコです。

 ラジカセのテープスピードはRX-5700に限らず、ほとんどがモーター(DCサーボモーター)内にある半固定ボリュームで調整します。


 上の写真はRX-5700のメカですが、モーターの尻に穴があることがわかります。通常、ここはホコリ等が入らないように十字に切れ込みを入れたゴム膜でカバーされています。ここにマイナスドライバーを突っ込んで、内部の半固定をグリグリすればよいわけです。

 
 参考としてモーターを分解した写真を(他機種のもの)。ハウジングの中にはモーターそのものと基板が入っています。


 その基板です。スピード調整用の半固定が付いていますね。隣のICは多分細かい電圧変動を除去するリニアレギュレータだと思います。供給された電流は一旦この基板で電圧を均してからモーターに供給されます。ですから、プラモデルのモーターと同様に考えて、極性を逆にして印加するとICがぶっ壊れます(やっちまったことあります)。

 このようにモーター内にスピード調整機構が付いているのが一般的ですが、中にはそうでないものもあります。


 これは先日修理したサンヨーのMR-U4。モーター内に基板は入っておらず外付けでした。単体のカセットデッキでもこういうタイプは多いです。

 また特異な例として、テープスピード調整機構が付いていないというのもあります。


 こちらはToshiba RT-S50Dのメカ。モーターに穴がなかったので、メイン基板に半固定を探しましたが見当たりませんでした。こういう場合、ゴムベルトの選定には気を使います。きつめだとスピードは落ちるし、緩めだと十分なトルクが得られません。

 なお、テープスピードの調整は、通常3kHzの正弦波の録音されたテストテープ(業務用)を再生して、その周波数をオシロで見ながら調整します。しかし、テストテープは入手が難しいので、信頼のおけるデッキ及びテープでテストテープを自作して使用するってのが我々アマチュアには一般的です。正弦波の生成はefu様がフリーソフトとして公開してくださっている「WaveGene」を使用すれば簡単にできます。また、オシロも同じくefu様のフリーソフト「WaveSpectra」を使用すれば事足ります。

ボリュームの分解清掃

2012年03月18日 10時56分14秒 | メンテノウハウ等
 オルガン男さんにボリュームの分解清掃のやり方についてコメントをいただきました。コメント欄に返信を書いていたのですが、妙に長い文章になってしまったので、こちらに新規投稿という形でカキコ。

 ボリュームのガリは、古いモデルでは必ずといっていいほど発生します。どのような方法がベストかはわかりませんが、私の自己流清掃方法は以下のとおり。

A 完全に分解できるタイプのもの(基本の清掃方法)
 1 アルコールに浸した綿棒で扇動子とカーボン面を清掃
 2 カーボン面にタミヤの接点グリス塗布

B ある程度までしか分解できないタイプのもの
 1 アルコールに浸した綿棒でカーボン面を清掃
 2 扇動子とカーボンの隙間にアルコールで濡らした紙を挿し込み、これを前後にスライドさせて扇動子の汚れを溶かす
 3 更に乾いた紙で同じ事を繰り返し、汚れを取り除く
 4 カーボン面に接点グリス塗布

C 全く分解できないタイプのもの&分解するのが面倒くさいタイプのもの
 1 隙間からエレクトロニッククリーナーを噴射、シャフトをグリグリ回転。
 2 隙間から接点復活剤を少量噴射、シャフトをグリグリ回転。
 3 最後にエアダスターで余分な接点復活剤を除去(接点復活剤は揮発性が全く無いため)。

 以上のことをやってもガリが取れない場合、超音波洗浄器にぶち込むという荒業もやったことがあります。

 ちなみに自分はカーボン面に鉛筆の芯(これもカーボン)を塗るってことはやってません。あれ、プラグ等の動かさない部分には有効かも知れませんが、ボリューム等のスライドする部分では塗りムラが心配ですし、また、芯粉が定着せず扇動子で削れてしまうからです。

 ご参考になりましたでしょうか・・・・?