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本日の「電源入りました。」

 ジャンクオーディオを修理しては放置するという非生産的なことをやってます。最近飽きてきた・・・

Return To Forever @ 東京国際フォーラム

2011年09月29日 23時56分02秒 | ライブレビュー


 今日は東京国際フォーラムにチック・コリア率いるReturn To Foreverを聴きにいってまいりました。再結成モノですね。

 メンバーは以下のとおり。

 Chick Corea(Key)
 Stanley Clarke(b)
 Lenny White(ds)
 Jean-Luc Ponty(vn)
 Frank Gambale(g)

 要するに、第二期のエレクトリックに大きく舵を切ったときのメンバー+アルファです(ディメオラはいませんが)。「浪漫の騎士」からRTFを聴きだした自分にとっては、ドラムはやはりレニーがベスト。できればジョー・ファレルも天国から参加してほしかったですが。今回はポンティがRTFのサウンドにどう絡むのかということと、スタクラのバカテクが興味の中心でした。

 今日は日本ツアーの2日目ということで、セトリ等はネタバレになるので書きません(終演後、会場に貼り出されてました)。で、メンバーそれぞれの感想を少々。


【チック】やはりいい意味でやってることが当時と変わりません。しかし、この人の音楽的な幅の広さはすごいですね。アコースティック、エレクトリック双方のフィールドでここまでできる人はいないでしょう。

【スタクラ】やはり千両役者です。特にウッドベースのサムピングは圧巻です。メインストリーム系のベーシストでもウッドでサムピングする人がいますが(チャーネット・モフェットとか)、スタクラのそれは曲芸的かつ芸術的です(次元が違います)。以前、ブルーノートでも間近で見ましたが、どのようにに弾いてるのか全くわかりませんでした。(余談ですが、ブルーノートのときはクールファイブの前川さん、宮本さん、小林さんも観に来てました。小林さんってベーシストだもんね)

【レニー】自分の中では、あまりタメをきかせず、たとえ手数が多くなっても決して熱くならず、淡々と叩くのに何故かきちんとグルーブするドラマー、というイメージがありました。で、やっぱりイメージどおりでしたw

【ポンティ】やはりジャズバイオリンの第一人者ですな。正直なところ、バイオリンって楽器は室内音楽的なイメージがあって、ホントにジャズに馴染むのかいな?と思っていましたが、今回の演奏で「バイオリンってあり!」と考え方を改めました。ネックがあんなに短いってことは、音程を取るのも難しいと思うのですが・・・。ところどころ、チックのシンセと聞き違えてしまうのは自分の耳が悪いせい。

【ギャンバレ】チックのエレクトリックバンドでのプレイや、超バカテクベーシストのジェフ・バーリンと長年一緒にやっていた方です。あまり目立たず。ガンバレ!と言いたくなる。


 ・・・えー、セトリは書かないつもりでしたが、ちょっとだけヒント。


 1曲目は私が一番最初に聴いたRTFの曲でした。このオープニングは興奮します。

 本編ラストの曲はチック作のフュージョン(クロスオーバーって言ったほうがいい?)の超有名曲です。リフのところは必ず手拍子したくなる?

 アンコールの曲はスタクラの代表曲。アレンビックをスパニッシュギター風にかき鳴らすアレです。盛り上がりますぞ。

Keeny Barron Trio @ COTTON CLUB

2011年09月06日 22時42分38秒 | ライブレビュー

 今日はコットンクラブにケニー・バロンのトリオを聴きにいきました。ケニー・バロンというと、自分の中ではどうしてもサイドメンという印象が強いです。一番最初にはっきりと意識したのが、スタン・ゲッツが死ぬ直前にバロンとデュオで録音した「People Time」というアルバムでしたから。このアルバムでは肝臓がん末期のゲッツ(とてもそのようには聴こえない)をうまくリードしながら、自分の個性も発揮するというバロンの芸達者ぶりが素晴らしく、一時期馬鹿みたいに聴いておりました。ホントはドラムレスってあんま好きじゃないのですが。その後、「Wanton Spirit」という割と新しめのリーダーアルバムも買ったのですが、何故かしっくりきませんでした。評判のいいアルバムなんすがね。あと何枚かリーダーアルバム持ってたかな。

 そんなバロンですが、現在は日本人ベーシストの北川潔と組んでおります。この北川氏がメチャクチャいいベーシストで、澤野工房から出したリーダーアルバム「Ancestry」は私の愛聴盤なのです。これはバロンとブライアン・ブレイドとのトリオなんすが、技巧派3人ががっぷり組んでかなり聴かせてくれます。ベーシストのリーダーアルバムってややもすると退屈になりがちなのにね。

 で、バロンのトリオではありますが、北川潔のプレイを楽しみにしつつ、今日この日を待っておりました。

 メンバーは以下の3人
 Kenny Barron(pf)
 Kiyoshi Kitagawa(b)
 Johnathan Blake(ds)

 ドラムがブライアン・ブレイドでないのがちょっと残念ですが、そこは多くを求めてはいけないというもの。それでもかなり聴き応えがありましたよ。特に北川さん。

 演奏曲は以下のとおり。間違ってたらごめんなさい。

1 How Deep Is The Ocean?
2 New Samba
3 My Funny Valentine
4 New York Attitude
5 Fragile
6 Calypso
7 Voyage

 上記のうち、3~5曲目が特に素晴らしかったですね。3曲目はバロンの美しいピアノが堪能できましたが、やっぱりベースソロが良かった。曲想を壊さず(当たり前ですが)、イマジネーション豊かでふくよかなベース。北川さんって、見た目は織田無道みたいなんですが(失礼!)、すごく繊細な音を出します。ため息でますぜ、旦那!

 4曲目はバロンのオハコですね。3人揃って怒涛のプレイ。自分はバロンに対し、弾きまくるピアニストってイメージなかったのですが、淡々とした表情で右手を激しく動かします。で、やっぱりここでもベースソロがいいですね。ものすごいドライブ感。途中でドラムがブレイクするのですが、ベース1本であのドライブ感はすごい。日本人離れしたプレイです。

 なんだかんだでベース中心に聴いてしまったバロントリオ。東京にいながら、ニューヨークの「どジャズ」が聴けてハッピーでございます。今年聴いたライブのベスト3には間違いなく入るでしょう。

MIKARIMBA @ COTTON CLUB

2011年08月29日 23時55分53秒 | ライブレビュー

 本日はコットンクラブにMIKARIMBAを聴きにいきました。ミカリンバというのはマリンバ奏者の吉田ミカとSteve Gaddのプロジェクトだそうで、今回はガッドの僚友、Eddie Gomezもご一緒です。吉田ミカという方については全く知らなかったんですが、ガッドとゴメスが間近で見られるということでwktkしながらこの日を待っていました。ちなみに日本ツアーの最終日とのこと。

 メンバーは以下の通り。

 吉田ミカ(マリンバ)
 Steve Gadd(ds)
 Eddie Gomez(b)
 Stefan Karlsson(key)

 マリンバという楽器、ジャズではあまり馴染みがありません。こんな喩えはマリンバ奏者に怒られそうですが、ビブラフォンの木製版というか、木琴の豪華版というか・・正直、マリンバという楽器及び吉田ミカという方に対する無知から、当初はあまり期待していなかったんです。自分の中ではメインはあくまでもガッド&ゴメス・・・が、しかし・・

 ブラボーです!吉田ミカ!!
 
 素晴らしいですね、この方。華奢な体で時には優しく、時には激しくマリンバを叩きまくります。幅2メートルにもなるマリンバを右に左にリーチを伸ばしながら4本のマレットで自由自在に演奏します。音楽的にはクラシック~現代音楽をよく勉強した方と見受けられます(もちろんジャズも)・・なんて書くとお行儀のよい演奏と思われてしまいそうですが、実にエキサイティングな演奏です。いやー、知らなかったなあー日本人でもこんな人いるんだ。嬉しくなってしまいました。

 もちろん、ガッド&ゴメスも良かったですよ。ガッドは相変わらずのガッド節。気持ちいいのなんの。ゴメスも匠の技。ピッチも正確で、メロディアスなフレーズてんこ盛りでした。

 さて、曲目ですが、ある程度紹介があったので書き留めました。といってもゴメスとガッドのMCなのでうまく聞き取れず。

 1 Jubilation(だと思う。曲紹介がなかったけどオリジナルみたいです。)
   吉田とガッドのデュオ。ガッドのリム打ちをガイドにマリンバを奏で始め、次第に熱を帯びていきます。
 2 Crazy Marimba
   これもデュオ。映画音楽などで最近有名な大島ミチルさんの作曲とのこと。
 3 Very Early
   ご存知ビル・エバンスの有名曲。吉田を外したピアノトリオで演奏。ゴメスがエバンストリオにいた関係からでしょうか?カールソンのピアノ(カーツウェルですが)が当初はエバンス風ですが、ダブルテンポになると弾きまくり。圧巻。
 4 The Duke
   ガッドが叩きながらスキャット。ん、これはガッドのソロアルバム「Gadd About」に入っていた曲ですね。懐かしい。
 5 Take The "A"Train
   これはA列車がテーマなのですが、もはやあのメロディーは単なる記号でしかない。面白いアレンジ。
 6 Morning Love
   覚えてないw
 7 Caravan
   エリントンナンバー。
 8 映画「Once Upon a Time in America」からのナンバー。聞き取れなかったorz。美しい曲です。
 9 Mika Suite(って言ってたと思う)
   冒頭と途中にゴメスのボウイングあり。実を言うとゴメスのピチカートの音色は好きではない。弦そのものの音だけをアンプで増幅したみたいな音なので。しかし、ボウイングの音色はすごくいい。すごく色っぽいんですな。某巨匠R.C.と違いピッチも正確です。ところで、この組曲の後半の曲は聴いたことがあるのだが・・・思い違い?
 10 曲目不明???

 時間の経つのが早かった今回のMIKARIMBA。もうちょっと聴きたかったな。期待していなかったなんて失礼ですね。CD、買わせていただきます。

 余談ですが、客席に渡辺真知子さんがいらっしゃいました。吉田さんがオーディエンスに紹介したのですが、できたらMIKARIMBAをバックに「唇よ、熱く君を語れ」と「ブルー」を歌ってほしかったな。好きなんだよね、真知子節。
   

Abdullah Ibrahim Trio @ BLUE NOTE TOKYO

2011年08月08日 23時57分52秒 | ライブレビュー

 本日はブルーノートにアブドゥーラ・イブラヒムを聴きにいきました。アブドゥーラ・イブラヒムといってもピンとこない方もいるかもしれません。このイスラム名を名乗る前はDollar Brandって名乗ってました(本名ではない)。そう、あの名盤「African Piano」のダラー・ブランドです。

 イブラヒムというかブランドのレコードは実のところ、「African Piano」と「Cape Town Fringe」しか持っておりません。しかも、Cape Town Fringeは自分の所蔵LPリストに載ってはいるものの、どんな内容だったか全く記憶にありません。よって、自分の中ではブランドはAfricon Pianoのあの独特なうねりの強烈ソロピアノのイメージ、ということになります。これがトリオというフォーマットではどうなるのか興味津々でした。最近のブランドって知らんし。

 メンバーは以下の3人。
 Abdullah Ibrahim(pf)
 Belden Bullock(b)
 George Gray(ds)

 一曲目はソロピアノ。否が応にも「African Piano」のような世界を期待してしまいますが、ひたすら内省的、思索的。一つ一つ音を確かめながら弾いているという感じ。「African Piano」のようなアーシーさは薄く、ちょっと拍子抜け。でも美しい。

 二曲目からトリオ演奏になりましたが、これが超難解。ハードバップのようなテーマ~アドリブ~テーマ~四小節交換みたいな展開はありません。というか小節自体がわからんし。ブランド(イブラヒムって書くのメンドい)の内側から湧き出る音を、サスティンの効いたベースがバックアップし、その上にドラムが色とりどりの音を乗っけてくって感じ。途中を漫然と聴き流してしまうと訳がわかんなくなってしまうような、聴き手に神経集中を強いる音楽です。しかし、それは決して疲れるものではなく、むしろカタルシスをもたらせてくれる良質な音楽、って言えるでしょう(寝てる人もいましたが)。メロディーなんかも、「次はこういくんじゃないか?」という予想を軽く裏切ります。まさにワン&オンリー。

 全体的に内省的、思索的な演奏でしたが、時折激しくブロックコードをバラランバラランっと弾くところなんかは、デューク・エリントンの影響が垣間見えます。また、たまにモンクっぽく右手でパーカッシブな不協和音を繰り出しますが(タイム感は違います)、ここらへんがルーツなのでしょうか?

 3曲目がひたすら長く(メドレーなのか?)、アンコール入れて全部で4曲。しかも、最後までMCなし。メンバー紹介もなし(愛想が悪いわけではありません。お茶目な面も見せてくれましたよ)。ブランドの哲学者または宗教家といった風情と、そのひたすら美しい演奏は、予想以上に強烈な印象を残してくれました。

 明日はコットンクラブに出演です。日本で生演奏が聴けるのはこれで最後かも。聴いて損はないと思いますが、どうでしょう?

Gary Burton Quartet @ BLUE NOTE TOKYO

2011年07月20日 22時46分03秒 | ライブレビュー


 えー、夏になるとおいらはバイブ(ビブラフォンのことね)が聴きたくなります。あの涼やかな音色が体感温度を下げるんですね。特にBobby Hutchersonの「ハプニングス」。A面1曲目「Aquarian Moon」とB面1曲目「Maiden Voyage」の2曲を延々とループさせて涼をとっている今日この頃ですが、本日はバイブのもう一人の雄、4本のマレットを操る男Gary Burtonのライブにいってまいりました。

 ゲイリー・バートンちゅうと「Duster」や「Alone at Last」、才女カーラ・ブレイの曲を演ってた「Genuine Tong Funeral」、そしてチック・コリアと組んだ「Crystal Silence」なんかをよく聴きましたが、近作は全然聴いてません。熱心なファンではないのですね。でも、一流ジャズメンだもの、来日してくれたら聴きにいきたくなるのが人情ってーいうもの。台風近づいているっていうのに。

 で、メンツは以下のとおり。
 Gary Burton(vib)
 Antonio Sanchez(ds)
 Julian Lage(g)
 Jorge Roeder(b)

 感想は・・いやあ、良かったですな(こればっかり)。特にギターのジュリアン・レイジ。バートンとのコンビネーションは抜群です。バートンのアドリブ・ソロでのバッキングなんかは絶妙(バートンもバッキングうまいよ)。センス良く弾きまくることもできますしね。

 バートンによると彼は現在23歳。10年前から一緒にやっているそうな。いわゆる神童ってやつですかね。「Gladwell」という彼のセカンドアルバムが最近出たようなので早速アマゾンで注文してしまいました。

 全部で何曲演ったのか覚えておりませんが、一瞬たりとも飽きさせない演奏でした。最後はバートンの敬愛するMilt Jacksonの「Bag's Groove」で締めてくれました。とにもかくにもジュリアン・レイジ、覚えていて損はしないギタリストですね。