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2023年度北海道ヒグマ狂想曲

2024-02-26 15:12:48 | ヒグマの被害など
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2023年度北海道ヒグマ狂想曲。





最近、年余にわたり乳牛60頭を襲撃した恐怖のヒグマオソ18がついに駆除されましたが、この個体の検討から近年の自然環境の変化にともないヒグマの食性も大きく変化しつつある(恐らくエゾシカの激増が多くの意味で関係している)ことがわかってきました。激増したエゾシカに本来ヒグマが食べていた植物を大量に摂取され、一方では狩猟での射殺や交通事故の後、野外に放置されたエゾシカを食べるヒグマが増えているという。


本来菜食中心であったヒグマは肉食にも興味をしめすようになり、家畜や動物 ( おそらく 人間も? ) を襲うことは滅多にないという旧説は、もはや過去の幻想かも知れません。


知床で特に飼い犬を狙って食害し続けている悪名高いヒグマ RT はハンターたちの執拗な追撃を巧みにかわして今も健在です。


2023年、北海道では連日のように、郊外はもちろん公園学校人家近くにヒグマ目撃だの、民家敷地内侵入や工場生ゴミあさり、渓流釣り師襲われて瀕死の重傷だの、ハンターがヒグマに逆襲され重症だの、イトウ釣り師が喰い殺されただの、登山中大学生が喰い殺されただの、ナイフで反撃ヒグマを刺し殺しただのヒグマ記事は枚挙にいとまがなかった。


ヒグマやたら増えすぎたので減らせ( 私はずいぶん前からこの気持ちです )の声が高まるなか都会に住む非当事者お人良しさんたちからのヒグマ殺すなといった的外れクレームの嵐だの、草刈りだの電気柵だのヒグマにGPSを付け人家に近づいたら追い払おうだの( 誰がやるの? )、新聞・テレビ・マスコミは玉石混交のヒグマの記事ばっかりでうんざり、このところ食傷気味でした。


これまでこまめに切り抜いてきたヒグマ関連の新聞などの記事や、Web上のニュースの収集も今年は数が多すぎて、心底、ヒグマ情報の収集分析に疲れてしまいました。



本州、秋田県などでは増え過ぎたツキノワグマによる被害が深刻とのことですが、これと北海道のヒグマの状況をごちゃ混ぜにしたり、果てはカナダの安全クロクマのビデオまで登場させる低レベルテレビ番組すらありました。つい最後まで見てしまい、露骨な視聴率アップ作戦に加担してしまいましたが。



ただ昨今のヒグマ問題は、ほとんどのヒトにとっては所詮興味本位(ニュース性はとても高い)の他人事なのでしょうか。死人・怪我人も出ますが交通事故死や自殺者のほうが数においては、圧倒的に深刻である一方、一般的なニュース性はとても低い。



不運なヒグマ事故の当事者たちや、私のようにオショロコマをもとめて日常的に山奥(ヒグマの巣窟)へ入り込む人間以外にとっては、まさにどうでもよいいわば多少興味をひくニュースに過ぎないのかも知れません。



私は、ずいぶん以前よりヒグマが北海道に残された自然の収容能力をはるかに超えて増えており駆除が必要と考えてきました。みなさんやっと2023年あたりになって事態がのっぴきならない状況になっているのにほんの少しは気づいてくれたようです。


人間においても標準分布曲線のはじっこあたりに位置する危険な悪い人は必ず存在します。ヒグマにおいても個体数が増えれば所謂悪いヒグマは一定頻度で出現するでしょうし、ヒトとの軋轢でパニックに陥り突然悪いヒグマになる個体もでるかと思います。トラブルをおこすヒグマの多くはそのような個体で、これらを万難を排して駆除するのはヒグマと人間の共存をはかる上での必要条件です。



しかし、はっきり言ってもう手遅れ。ヒグマ問題は本質的には、いまやどうにもならなくなったエゾシカ問題と同じことになるかもしれません。



エゾシカは人間を襲うことはないがヒグマは違いますし、朱鞠内湖の釣り人死亡例では実際に人間を腹一杯になるまで食べています。その後湖周囲の山に設置したテレビカメラには、さらに多くのヒグマが映っており関係者を驚かせ、警戒させているようです。


道南の大千軒岳で大学生が食べられた事故のヒグマは、おいしい人間を狙って、さらに別の登山グループを襲撃した可能性が高いと考えます。



野生動物管理としては、いわゆる専門家とかいわれる方々も含めて、毎度のことながら結果として本当にお粗末。いまだに現状では事実上不可能になったヒグマとの共存を大前提に、山のドングリ不作 etc とクマ鈴、ホィッスル、草刈り、電気柵レベルの旧態依然の域をでないさみしいコメントしかないのは、失笑するほどにさびしい。


いわゆるヒグマ研究者の多くはヒグマを心の底から愛している方が多く、どうしても増え過ぎたヒグマを駆除するという発想に至るにはとりわけ慎重で、いわば決して駆除の方向には心が動かないのは心情的に理解でき、考えてみれば当たり前のことです。増えたというが、その科学的根拠は ? etc……というほうの時間稼ぎのほうに気がいってしまうのは当然と言えば当然です。



ヒグマが人間との軋轢なく好ましい状況で生存できる広大な自然環境は現在の北海道では十分ではありません。長年、ヒグマ駆除の手綱をゆるめた状況が続いた結果、増えたヒグマが、人間と共存できる収容能力を遙かに超えて増えてしまったことは、いまや小学生でもわかる理屈ではないでしょうか。



またこういったヒグマ問題に本気の熱情をしめす人の顔が、私の知る限り、専門家といわれる方々も含めてどこにもまったく見えてこないのもとても気になります。現在、最も情熱を示しているのはもしかすると北海道新聞のヒグマ担当記者さんたちかもしれません。




おそらく運悪く心ならずも行政(お役所)レベルのヒグマ担当者とされた方々は、私たちだって片手間ではなく一生懸命やっているのだ、ということでしたら、どうぞ聞き流して下さい。実際問題としては、そういった皆さんがたに頼るしかないのが現状なので、誠にごめんなさい、今後に期待します と言うより仕方がないのがつらいところです。



いろいろ述べましたが、かくいう私自身も問題ヒグマ駆除( ところで一体だれがやるの?  ただみたいな報酬や、諸経費、万一の場合の補償などの費用はどうするの? )以外には名案がないのがさみしいところです。



それでも、やっとヒグマが増え過ぎたとの認識がなされたようで2025年から環境省の絶滅の恐れのある地域個体群LP ( レッドリスト) から除外される見通しになり、2024年4月からは国からの助成金が期待される管理鳥獣指定となる予定で、人間の居住地に近い地域を中心に行われる春グマ猟も解禁になりましたがこれらの成果に期待したいところです。



この際、駆除数や棲息状況のモニタリングはこれまで以上にしっかり行う必要があるのは言うまでもありません。



12月に入り雪が降り、多くのヒグマたちが冬眠に入ってくれると 2023年度ヒグマ狂想曲も多少はおちつくと思われます。2024年はどのようなヒグマ協奏曲になるのでしょうか。北海道新聞のヒグマ担当記者さんたちの活躍に期待します。



問題の性格上、長ながとしたお話になってしまい申し訳ありません。



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