「陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり
たれ故(ゆえ)に
乱れそめにし 我ならなくに」
万葉集にうたわれている詩です。
この句の中の「もじずり」というのが
この花のことだと言われています。
牧野さんの植物図鑑でも
「ネジバナ」で探してもでてきません。
ここでも「もじずり」という名前で
表示されています。
じゃあ、なぜそういうのでしょうか。
いやそもそも「もじずり」って何でしょうか。
いろいろ節もありますが、
万葉集に込められた悲しい恋物語に
関連する「もじずり」とは、
恋人の顔が浮かび上がった石に
布を押し当てて染める作業をすると、
細い模様が印刷されるので、
その姿がネジバナに似ている
という説があります(諸説あります)。
昔から強い花でこの花は
人の目にもよく映ってきました。
そしてこの花は、何とランの仲間なんです。
なので野草として咲いていても、
なんかとっても人の心をひきます。
右回り、もしくは左回りにねじれて
花が咲く姿も印象的なんです。
そのねじれの右回り、左回りの比率は
ほぼ1対1なんだそうです。
根茎で強く咲きすぎて20年も
咲き続けると花として、
長期間はとてもくたびれてくるようで、
一斉に亡くなったりします。
doiron家に咲く花も、つかれているのかな。
かなり古くて、今年咲いている
花の中には、全くねじれていない
花もあったりします。
牧野さんなら「新種かえ」ってなりますかね。
「ねじれんそう」ていう名がつけられたりしてね。
そしてこれはねじれまくっている個体
なんかやはり疲れた感じ
で、この草にも牧野さんの
学名がついているかというと、
そうではなかったですね。
Spiranthes sinensis (Pers.) Ames
まあ、昔から見られている花だしね。
それに日本全土、ヨーロッパ東部から
シベリアにかけて、
温帯・熱帯アジア全域、
オセアニアなどにも広く分布するから、
すでにつけられていたんでしょう。
こうして、我が家にも和歌山御坊出身の
ネジバナが咲くのですが、
もう一か所とても意外な場所に
さくところがあります。
それは、doironがトレーニングで
神々と共に走るスタジオの横にある
空き地なんです。
30平米くらいの空き地で、
年に何回か草刈りされたり
するところなんですが、
気づいてから5年くらいは
毎年花を咲かせます。
我が家の庭のネジバナが咲いたなあ
と思っている1週間くらい後に、
ここにも今年のネジバナが咲きました。
こんな感じです。
入っていけない草むらなんで
望遠だったらなんか写真がくちゃくちゃ
全部の数を数えたら10本くらいで、
まだまだ子供の株なんで、
これからも咲き始めるかもしれませんが、
いまはそんな感じです。
いつもトレーニング中に
この空き地を見ていると、
ハルジオンが咲いたり、
チチコグサがさいたりします。
まあ地味な花が多いのですが、
そん中でこの花は唯一花やかな姿で
目を楽しませてくれます。
外に出て草むらを眺めていると、
トレーニングでローラー台を
走っている人から
「何やってんの?」と言われたりします。
へへ、
野生のランが咲いてるねんというと、
ジムをぐるぐる回って走ったり、
空き地の草を眺めたりと
変なおっさん感丸出しで、
日々楽しんでいるわけです。
それにしても、よくもまあこんな
空き地に咲くものですね。
今年も初めて見かけた時は
「やあ、今年も咲かせたね」
と思わず声をかけそうになりました。
そうなると草に声をかけてる、
さらに変なおっさんに
なってしまいますね。
でもねえ朝ドラのおかげで
doironの変さ加減も
少しは認められるように
なったかもわかりませんね。
しばらくはそんな花を見ながら
ニコニコとトレーニングしましょう。
もし、町のどこかでこの花を見かけたら、
がんばってるねえと花にも
声をかけてあげてください。
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