以前にアップしたモノに加筆、修正して再度掲載します!
ジョン・レノンがビートルズに対する興味も失せてやる気がなくなったためメンバーたちに脱退の意思を宣言した頃、ヨーコ・オノと結成したプラスティック・オノ・バンドで同年3月2日、ケンブリッジはレディ・ミッチェル・ホールにおけるフリー・ジャズ・フェスティバル出演に続く2度目のコンサートを実現、この模様は音源&映像ソフトとして発表されています。
時は1969年9月13日カナダはトロントのヴァー・シティ・スタジオアムにおける野外ステージ。
2万5000人もの観衆を集めて盛大に催されたこのイベントはラインナップも豪華なうえにビートルズの1人が登場するだけに当時ウッドストックをはじめ数多くのロック・フェスティヴァルの中でもかなりの注目を集めることとなりました。
実際には会場に向かう飛行機の中でジョン達はリハーサルを行い、ジョン自身かなりのプレッシャーのために嘔吐していたとか。
実際の演奏内容もかなりミスが目立ったりで、荒削りな内容は否めませんね。明らかに練習不足。まあ、ジョンの数少ないソロ・ライブということを考慮すれば貴重以外の何ものでありません。
メンバーも物凄いメンツ。妻のヨーコさんを筆頭に、この時はスーパーバンド、ブラインド・フェイスに在籍していたエリック・クラプトン、イエス加入前のアラン・ホワイト、リボルバーのジャケットを描いたことで有名になったクラウス・ブアマン。
音源タイトルは「LIVE PEACE IN TORONTO 1969」
映像は「SWEET TORONTO」(他のミュージシャンのライブ映像含む、57分)、共に8曲入り。
上記に記した映像ありの他ミュージシャンは大御所達から列挙しますと、ボ・ディドリー、ジェリー・リー・ルイス、チャック・ベリー、リトル・リチャードの4人。
そしてジーン・ヴィンセント、ザ・ドアーズ、アリス・クーパー、ロード・サッチ(!)。
ここに何とデビューしたばかりの新人バンド、シカゴも出演しています。奇しくもこの日はピーター・セテラ25歳の誕生日。
私がこのライブ音源を発見したのは80年代初期、新宿の地下レコード店においてです。
いつものようにシカゴのコーナーを物色していたらいきなり輸入盤で地図にチケットが描かれた盤に遭遇。メーカーも違うしロゴは描かれていないので胡散臭く思っていたのですが曲目に目をやるとこれはまぎれもないシカゴのライブ盤。
しかも、デビュー作のレパートリーがほとんどを占めているではありませんか!?。もちろん購入して喜び勇んで帰宅、即拝聴。
その瞬間、迫力ある若さみなぎる音圧に圧倒されたことは言うまでもありません。
音のバランスや多少のラフ差を差し引いても余りあるその勢い、凄まじさに何度も何度も繰り返し酔いしれました。「解放」が収録されているのも嬉しいですね。
絶対今ではライブ体現できることは不可能ですから。そしてこの時はまだ未発表の「長い夜」がボビーの紹介によって演奏されています。
この音源はその後、レコードからCDにいたるまでとんでもない数が発表されています(私も相当な数をコレクションしていますがいまだに追いつかず・・・)。それこそジャケット、タイトル、メーカー、発売国、曲目、曲順もさまざま。中にはピクチャーレコード、カップリング物、缶入り物、曲のタイトル・ミス&メドレー形式に編集した掟破りなものまで。
この現象は今でも継続中。その後レコードでもCDでも国内発売されていました。今回は本の一部のLP盤を写真でアップしてみました(サンプル盤あり)。現在のライブでも重要な位置を占めている曲多数あり、7曲入り。
改めて聞けば聞くほどにテリーの神がかったギタープレイは異彩を放っています。やっぱりこの人は別格ですなあ。
ただしこの代物はシカゴ公認ではありませんので、正式なアルバム・カウントには組み込まれてはいません。でも結成50年を経たシカゴの長い歴史上、絶対に無視することのできない貴重な初期ライブの記録であることに間違いありません。
残念なことに大物出演者等の映像はオフィシャルで発表されていますが、シカゴはいまだに未見です。存在するのならば是非とも見てみたいなあ・・・。
そしてビートルズを敬愛するボビーの作「サウス・カリフォルニア・パープルズ」後半の歌詞にインサートされている「アイ・アム・ア・ウォルラス」の一節をジョンは聞いてくれたのかな??