(驚いたことに、ガールやL・A GUNSのシンガーでもあるフィリップ・ルイスが、サッポロにやってきた際、バックでアコースティック・ギターをつとめたという申し分なき猛者。
改めてメンバーの紹介をば・・・・。
グレン・リョゴ・ヒューズ
(VO。
シュアーSM58マイクを持参。
メンバー中一番ロッカー然としたスリムで長身のルックス。
全身を真っ黒に革ジャン装着したワイルドなファッションは、初期ホワスネのカーバーディルみたい)
他にも、モトリ―クルーのカバーバンド「ロウ・トラックス」として活動中。
絶対にアングラのカバーバンドも結成したい、という壮大なる夢を描いてもいる。
常に大股開きで構えアグレッシブにシャウトをぶちかますスタイルを誇示
イアン・オカチャン・ペイス
(DR。
毎回ユニフォームとして、ディープパープルのマシンヘッドとプリントされた黒Tシャツを着こんだ姿が神々しい)
一番若いんだけど皆からの信頼度は絶大の頼れる男なのだ
パワフルな手数王の如きドラミングは神の領域に達した感あり
ジョン・アッキー・ロード
(KB&CHO。
真っ赤な名器KORG NORDを最近は導入。
ここから飛び出すハモンドの音が、たまらないくらいに臨場感満点でグッときちゃうよん。
これ、彼女の自宅に長い間眠っていたんだけど、ひょんなキッカケでめでたく復活を遂げ活躍してくれた運命の1台)
男顔負けな超絶技巧派とは彼女の事
いつも笑みを絶やさないけれどもいざとなった時の真剣な表情はキーボードの魔術師そのもの
派手な姿のグレン・マサ・グローヴァー
(B&CHO。
キルテッドメイプルのオイル仕上げスペクターを長年にわたり使用。
ワイヤレスも2機使用。
コーラスワークにヘッドセットマイクのシュアー&ベースは最近購入した名器ボス
これシンちゃんとのお揃い)
そして、
リッチー・シンちゃんブラックモア
(G。
備え付けの赤いツイード・フェンダー・アンプを使用。
特注のシンライン・ストラトキャスターでプレイ。
ナチュラルのボディにメイプル指板。
リヴァース・ラージ・ヘッド!!
エフェクターボードは最近入手したツアー仕様のごっつい代物。
電源&ケーブル類を大金かけ新調して気分も一気にリフレッシュだ)
ポンバンドのアベニューさんとギター談義に花が咲いていた
薄暗いステージには、メンバー5人のシルエットが浮かび上がるというアンバイ。
名刺交換代わりとばかり、事前に決めておいたサウンドチェック用の曲で各自は調整。
シンちゃんは例の曲のエンディングをなぞる。
バンド仲間たちに、シンバル・スタンド類の運搬やセッティングを手伝ってもらったオカちゃんは、試しにスティックで連打。
オーディエンスは来たるその時を、息ひそめての注視。
「ちょっとウォーミング・アップさせてください」とマサ。
小手調べとばかりに「ブラックナイト」のサワリをサラッと披露。
まずまずの仕上がりだ。
オカちゃんが演奏を止めて随時、スタッフらと綿密なる詰めを図る。
各楽器の音出し調整を経て、マイクチェック、音量バランス、機材やモニターの返り、オープニングのタイミングを確かめる。
これ大事な事さ。
よし、申し分なし。
三輪くんとタッチャンへ、マサがアイコンタクトを送って、準備万端整いました!!
もうこれはライブレポートの域を超越しているね。
文字による実況中継のはじまりだ。
PURPLE BRINGERはライブの度に、あちこち捻りや新たなアイディアを加えている。
ダラダラと惰性に任せて、ライブの垂れ流しは決してしない。
新鮮な息吹が漲る実験も加味。
サイトウ氏が事前にマサから受け取っていたメッセージ文を読み上げる。
(サイトウ氏もこのバンドのライブを密かに楽しみにしていた)
遂に爆発する時が訪れた。
格別な音像をお届けしようじゃないか。
皆、覚悟はいいか!
行くぜ!
OK,LET'S GO ARE YOU READY!COME ON BABY!!
BGMが徐々に小さくなり暗転。
メンバー同士が合図を送りあって・・・・
オカちゃんの爆音フィルを目印に、マサ&アッキーはジャンプ一閃。
Dのキーで全員一丸となっての覚醒。
マサが静寂の頃合いを見計らって「HEY!YEAH!!~ロックンロール!!!」
リョゴには、まるでグレン・ヒューズが憑依したかのよう。
シンちゃんが普及のリッチー節搭載のリフを掲げる。
指の調子があまり芳しくなかったようだけど、そんなこと微塵も感じさせないほどの熱演ぶり。
「BURN」
(邦題は紫の炎・・・って、今更こんな解説は野暮ってなあもんだね。
でも一応ね・・・。
1974年発表、日本でも大ヒットしたヘヴィーメタルの代名詞)
今この時、波状攻撃の狼煙がぶち上げられた。
王道を貫き通すセットリストの一発目には、申し分なき一撃。
脳天直下で一同が騒然としている。
テイクは「メイド・イン・ヨーロッパ」
アッキーは念願が叶い、嬉しくて仕方ないご様子。
マサはイントロから中高生時代へと一気にタイム・スリップ。
オカちゃんは、ぶっ飛びまくりのハイテンション・マックス。
素早き華麗なるタム回しや、ブレイクのタイミングは、お見事の一語に尽きる。
リョゴも、感無量のことだろう。
だからなのか、思いのたけを込めていつも以上に吠えまくる。
魂の咆哮とはこのこと。
ヒステリック過ぎるほどのハイトーンが、天空にまで突き抜けるほど。
メンバー達は、彼にいつも敬意を表している。
今までにもそれぞれにパープル経験はあっても、反則技で女性シンガーだったらしい。
普通の男性シンガーでは難しいからねえ。
それをいともあっさりとこなしちゃうんだから驚愕だ。
シンちゃんのギターソロはギター小僧達、垂涎のラインが飛び出してくるから憧れちゃうね。
アッキーは、指先から次々と過激かつ気品溢れるフレーズを、これでもかあというほどに紡ぎ出す。
華麗なる鍵盤さばき。
女性版ジョン・ロード(このご時世に、こういう発言は問題ありか!?)
突き刺さる大胆なグリッサンドも見ごたえあるド迫力
(多発する指先の擦り傷は名誉の負傷扱い)。
シンちゃんとの火花散りまくりなユニゾンパートも、正確無比でバッチリだ。
間奏部の「GmーCmーFーB♭ーE♭ーCmーD7」コード進行は、バッハの楽曲から引用。
それにしても、素早いパッセージは痺れるなあ。
あらゆる遊び心と、アドリブを絡めることも忘れてはいない。
ギターソロ直後にブレイクしてギターとハイハットの刻みに追随して、フロントの3人も大きくコブシを振り上げる!!
マサも咄嗟にアッキーのコーラス用マイク・スタンドに掛けてあった蛇柄ストールを目一杯に振り回す。
アッキーも負けじと、左人差し指を頭上高くに掲げて、コール&レスポンスの要求。
これらのシーンは「ホワイトスネイク」を参考にした。
とにもかくにも、序盤から良い意味でレッドゾーンを振り切っている。
マサとアッキーは、コーラスワークもひたすらに頑張ったよ。
何度も前方に駆け出して、左足をモニターや手すりに載せ、仰け反るマサとリョゴ。
リョゴはブームではなく、こだわりのストレート・マイク・スタンドを使用。
それをありとあらゆる角度に動かし、豪快なる雄叫び。
まるで体の一部のように器用に操る。
アッキーは、トレードマークの満面スマイルポーズで、カメラマンたちにシャッターチャンスを与えるサービスぶり。
圧倒された観客は、金縛り状態で息を飲む。
その空気感がステージ上にまで、ビンビンと伝わってくる。
顔なじみの連中は「マサさんはSTA以外にプレイする姿を見たことがなかったから、ビックリで新鮮だったよ」とのこと。
そうさあ、15年ほどSTA以外ではほとんど、まともなバンド活動をしていなかったからねえ。
それも致し方なし。
これで、ルーツの一部が垣間見えたかな。
マサは所狭しと前後に動き回って、ホップステップ・アクションの連続。
(ドラムとギターの間は天井から冷風が吹いてきてなんまら気持いいさあ!)
オカちゃんのところに何度も向かって行き、走り寄ったかと思えば、バスドラへ片足をのせて猛アピール。
シンちゃんとも目を合わせて、お互いに不敵な笑みを浮かべる。
リョゴとも背中合わせでがっぷり四つに組む。
このアグレッシブなフォーメーションが快感だ。
ホワイトスネイク怒涛のメドレー風「嵐の使者」
これ、一昨年11月には時間がたっぷりとあったので、フル・バージョン・プレイしたんだけど、この日はエディット挿入。
バーンのキーボード・ソロ後に披露。
この曲は1974年リリース、第3期セカンド・アルバムのtitleでもある。
イギリスでは最高チャート6位を記録。
リッチー在籍時、最後の曰く付きな1枚だ。
当時は賛否分かれたけど、マサはすこぶるとお気に入り。
特にこの曲なんて、申し分なき完成度を誇っている。
随所にパープル節の真骨頂が満載なのはさすが。
ずっしりとしたウネリまくりの重量感と、構築美が誇らしいよ。
そこから再びBURNへ戻るという、心憎い展開を繰り広げる。
この辺にたどり着いた時点で、会場中は異様な雰囲気に包まれている。
今更ながらも「パープル・ブリンガー・ワールドへようこそ!」状態だ。
今回も魔物はチラホラと顔を見せていた。
・・・・・・・・まあそれらも、ご愛敬程度かな。
全く深刻な事故にはならず、笑い話にしちゃうところが、したたかすぎる軍団。
エンディングを迎えたところで万雷の拍手が沸き起こる。
皆、エキサイトしているねえ。
間髪入れず、アッキーによる荘厳なるハモンド・オルガンの響き。
彼女がいうには「お祈りのコーナー」らしい。
これは絶対に無視のできない、クラシカルで神聖なるひと時。
どれも曲が長いから組み立てに苦慮した。
でも最大に美味しいところは残して披露。
黄金の第2期と第3期で攻める所存。
一切の妥協を排した研究成果が、花開いた瞬間だね。
****対バンの友人達がマサに「戦慄が走ったよ。パーフェクト!」とメッセージをくれた。
ポンバンドさんたちも「カッコ良かったよ」とお褒めの言葉を投げかけてくれた。****
緊張感が絶頂に達した頃合いを見計らっての、オカちゃんハイハット打ちによる巧みなるカウント。
「SPEEDKING」
(1969年に書かれ、1970年6月に発表されたアルバム「イン・ロック」の冒頭に収録。
シングルカットもされた。
日本はアルバムのみ。
パープルの潮流を生み出した重要なる曲の一つで、のちのスピードメタルやスラッシュメタルのスタイルを形成した貴重なる曲と考えられる。
これって実は,リッチーが敬愛するジミヘン「ファイア」へのオマージュなのは有名。
KNEEL&PRAYが当初のタイトルだった。
歌詞はイアン・ギランが初めて書いたもの。
多くのオールディズ人気曲から断片的に拝借して繋ぎあわせた)
ビートにのって,ヘッドバンギングの応酬。
マサは右腕を激しくグルグルと振り回してみせる。
腰をグッと落として、観客を睨みつけてのピッキング。
極上なるハードロック・シーンは情け容赦なく続く。
しかし、まあ果てしなきメガトン級の采配だなあ。
やっている本人たちが言うんだから、これは間違いない。
聞かせどころは中間部でのキーボード&ギターによる、壮絶なソロバトルに尽きる。
(この部分は、かなり話し合ったらしい)
真剣勝負を挑み合う、ストイックなご両人。
丁々発止な雪崩込み。
陰と陽、強弱のしのぎを削り合う頂上決戦。
リョゴは一歩下がって、片膝をついている。
マサはアンプの前に膝まづいて、虎視眈眈と状況を見つめる。
導入部では押さえ気味にバトンを受け継ぐ。
シンちゃんは、自由自在元気一杯、伸びやかに弾きまくる。
滑らかに指板を駆け巡る姿は、惚れ惚れするほど。
普段のアキはチャーミングなレディ、シンちゃんは温厚で冗談好きな男なんだけど、いざ演奏ともなると阿吽の呼吸で面構えが近寄りがたいほどストイックな別人格に豹変するのだ。
シンちゃんが慎重に大きくうなずく。
オカちゃんがひたすらに刻み続ける、リムショット・アクセントが渋い。
事細かに、イアン・ぺイスのジャジーなドラミングを再現。
その様は愛を込めて虎視眈々。
唯一無二なるソロは徐々に熱を帯びはじめて、エクスタシーに達する。
恍惚感に浸る暇もなく疾走。
息もぴったりに爆走。
繊細なるやり取りは、もはやアートの領域。
アクセルを緩める手段なんてありえない。
手抜きなんて許されないシビアな環境。
ワイルドなリョゴは、やや斜に構えたポーズが妙に似合っていて心憎いほどだ。
後半での笑い声もニヒルに轟いた。
ラフにソリッドに、時にはストレートなやりとりも板についてきた。
「キーン!!・・・」と鳴り響くキーボードに包まれてのエンディングでマサはキック、ベースにパンチ、ネック振り上げにジャンプと大忙しにバリエーションを提供。
マサによるMC
今後のライブ告知も含めて、演奏中とは違う和気あいあいの側面を覗かせる。
「皆さん、こんにちは!
小樽公会堂は2度目のパープル・ブリンガーです!!
ディープ・パープルのコピーをやっています。
今日はですね、このバンド結成して16回目のライブということで、え~有名どころを満載でお届けしようと思いますが、ディープ・パープルは、昔のバンドだけに曲が長いんですよ。
なので、しゃべりは少なめでバンバンバンバンやっていこうと思います。
次の曲はあれです・・・・・いいですか!!??」
オカちゃんによる豪快なハイハット4カウントが盛大に打ち鳴らされる。
「BLACK NIGHT 」
どの曲もハイライトナンバーばかりで大サーヴィス。
これはライブ・イン・ジャパンのテイクをお手本としている。
(当時は未発表だった)
初出はアルバム「24カラット」
(1970年に発表。本国のイギリスでは2位まで上ったヒットソング。
日本でも約10万枚を売り上げる異例のヒットを記録。
ブルース・マグースの「恋する青春」と、何から何までもが瓜二つなのは、いやはや何ともだ・・・・。)
バンドメンバー中、一番年上のマサは、黄金期のパープルをタイムリーに知っている。
(後で気付いたんだけど・・・30代、40代、50代、そして60代が在籍。
でも自然で当たり前に接しているところがひたすらユニーク)
大袈裟に言ってしまえば、生き証人のようなもの。((´∀`*))
だからレパートリーは新曲当時を知っているし、パープルの変遷史やメンバーの動向、ファミリーツリーにもけっこう精通している。
この曲のスタジオ盤もたしなんだ口。
オカちゃんは日本の「UCCブラック・無糖」のコマーシャルで知ったらしいよ。
世代に多少の差はあれども、皆パープルのライブ演奏経験があるのは強みだね。
しかし、正直な話、これには手を焼いた・・・・というのも相当前のこと。
今ではお互い手の内が、比較的読めるようになってきたから、余裕しゃくしゃくだけどね。( ´艸`)
当然、我らパープル・ブリンガーは迷うこともなく、ライブバージョンの手ほどきを受けた。
イントロは、スタジオバージョンではベースとドラムのみ。
でもそれでは、あまりにも寂しいから、厚み強化ということで、ギターも加わって度肝を抜くほどのモンスターサウンドにと提案。
そろそろ、進行にも馴染んできたのか、メンバーらは肩の力も抜けてきて、プッツンしながらリラックスモードでエネルギー全開。
やや走り気味だけど、冷静沈着に暴れまくっちゃおう。
とくとご覧あれさ。
印象に残るスタンダードが繰り出されるわけだから、ドツボにハマることは請け合いだ。
で、このコンパクトな構成の曲は、ライブバージョンともなると、じゃじゃ馬のごとき、捻りが加わってくる。
センスのない輩が演奏すると、リズムがお囃子のノリになっちゃうからお笑いだ。
ここいら辺にきても、リョゴの喉は強靱。
(雄叫び大好き人間と述べる頼もしさ)
ボーカリストになるため、生まれてきたような男なんだね。
神に選ばれし者の宿命の特権。
一向に衰え知らずで、益々狂暴性を発揮。
どのようなトレーニングを積んでいるんだ。
今度、こっそり教えてもらおうっと。
ギターソロでは、狂喜のアーミングが炸裂。
延々と恐ろしくも、悲鳴に近いくらいの唸りをあげる。
常識を凌駕する場面。
追い打ちとばかり、アッキーのキーボードが、熾烈に火を噴くがごとく張り合うのだ。
ボーカルに怪しく絡みつく、ギターのオブリガードも効果抜群にはじけまくる。
名物ともいえる3番でのドラム連打はワクワクするね。
皆、わかっているから「そろそろくるぞ!」と待ち構えているしなあ((´∀`*))
大好物さ。
イアン・ぺイスは、ありとあらゆるジャンルのエッセンスを、ふんだんに盛り込んでいるから、オカちゃんの本領発揮だ。
血湧き肉躍るエンディングでも、最高の仕上がりを見せた。
見せ場、聞かせどころとばかりに、リョゴの喉も絶好調。
ルーズな破壊力溢れる構成は、流行なんて全く関係ないね。
さりげない、チューニングタイムを経て・・・・出た!!
「SMOKE ON THE WATER」
(オカちゃんのTシャツに描かれている1972年発表のアルバム「マシンヘッド」に収録。
アメリカでは翌年の5月ビルボード・ホット100において4位を達成。
この曲に関するエピソードはすでに語りつくされた感あり)
リョゴは「クラップ・ユア・ハンド!」と手拍子を要求。
アッキーも追随して、両手を高々と掲げてそれに呼応する。
ハードロックを聞かない人でも、この曲は耳に馴染みがあることでしょう。
熱狂は頂点に達した感あり。
これぞ基本コンセプトに掲げていた、究極なるライブバンドのしたたかさ。
イントロのギターからドラムとキーボード、更にベースへと折り重なるような進軍には何度聞いても戦慄が走る。
ドラミングのオカズは、第3期以降でのフレーズで刺激的。
チャッカリとリョゴはオリジナルのギランではなく、グレン・ヒューズの節回しを導入してドスを効かせているね。
ちなみにパープルというバンドはカリスマのリッチー、キーボードの革命児ジョン、鋼の強靱なるボーカル、そして手数王ことぺイスにスポットライトが当たりがちだけど、ベースも中々に奥が深い。
よくよく突き詰めて聞いてみてくださいよ。
いぶし銀のようなフィンガリングが控えめながらも、そこかしこに這いずり回っているから。
悲しいかな、それはベースというパート上、宿命なのかもしれないけど
(クィーン、ツエッペリン、ザ・フーしかりだ)。
その最たる作品がこの曲。
まるで地響きのようなベース・ラインが、これでもかあというほど、ふんだんに導入されているんだから。
イエスのクリス・スクワイアとは別角度での解釈で、リッケンバッカーのトーンを生かしきった名演が山積みだ。
(室蘭のブルースベースマン、ヒラノくんも以前から興味津々だった)
エンディングでは「キーボード!アキ―!!」とリョゴは指差しで紹介。
それに反射的に対応したアッキーも、左腕を誇らしげに突き上げてソロを奏でる。
淡々とバッキングをつとめるオカちゃんとマサ。
締め括りは、怒涛のギターとキーボードによる熾烈を極めるソロ・リレー。
エモーショナルなシンちゃんのチョーキング。
アッキーは咄嗟にしつこいくらいの荘厳なる音数で応戦。
タメにタメを効かせて、突然のフィニッシュ・クラッシュ。
そのままの余韻を引きずりながらも、ナイスなタイミングでオカちゃんのスネアが控えめにロールされる。
「ラストです!
HIGHWAY STAR!!」
足元のドリンクを一飲みしたマサが、ダメ押しとばかり盛大に告げる。
この焦らし具合の加減も面白い。
ライブ・イン・ジャパンとスタジオバージョンを、程よくブレンドしてグイグイと牽引。
(1972年3月リリースのアルバム「マシン・ヘッド」トップに収録。
日本ではシングルもヒットした。
今までのライブでは、何故だか、イントロでトラブっていたけど、やっとまとまったよ!
この曲、今でもトミーが在籍する「蝦夷紫」のセットリストに組み込まれているそうです。
トミーの鬼門ともいえる曲。
で、リョゴは初めてライブで歌ったのがこの曲らしい。
自身のテーマソングのごとく、五臓六腑に染み込んでいるもんなあ。
フルスロットルにリョゴがパトカーのサイレンを高らかに演じる。
ここにきてまでも一体全体、何オクターブまで出るんだ!?
タフネス・ガイだね。
そのアグレッシブでエネルギッシュな様に、横に陣取るメンバーらも俄然刺激を受ける。
リハでリョゴが指摘していたシンコペーションも、自然に溶けんでいた。
オカちゃんが最近提案した半音下降最後の緊迫感最高のユニゾン突っ込みもバッチリ!
さあ、したたかで貫禄漲るキーボード・ソロには、風格さえ漂ってきた。
まあ、これもアッキー1流のチャームポイントの一つかい。
羨ましそうにヒコちゃんが「クラシック・ロックは、俺たちの青春そのものであり原点だね」と回想していたっけね
だから中盤部分における変態的なJ.S.バッハのコード進行は、何度聞いても感涙にむせんじゃうのさ。
バッハとジミヘンの融合。
この手合いは日本人の琴線を振るわせるのだ。
まるでギタリスト向けの教則本のよう。
その証拠に観客たちは、シンちゃんのギターソロで万雷の拍手を浴びせていたよ。
熱狂のあまり勢いよく最前列にまで雪崩れ込んできたオーディエンスたち
嬉しい限りだね。
レッドゾーンが振り切れたシンちゃんの、豪快なギターソロに熱視線が向けられる。
プレッシャーも何のその。
見事に跳ねのけ、大役をこなしてみせた。
誇らしげにギターを高く掲げる至福の瞬間。
余力を振り絞っての、不敵なるリョゴ高音ヴォイスは全く衰え知らず。
オカちゃんのドラミングは信頼度高しのボトムライン。
安心して各自がプレイに専念できるというもの。
アッキーもシンちゃんも、まだまだ自己主張し足りないよ、とでも言いたげ。
引っ張りに引っ張ったエンディングで堂々の爆発的なフィナーレを迎えた。
「WOW!!
ありがとうございました。
パープル・ブリンガーでした!!」
FINALEは完全燃焼で真っ白な灰になって燃え果てた。
やれるだけのことはやりつくした。
満足感に溢れたメンバーらの表情を見れば、それも一目瞭然。
心地よい汗を流せたね。
すぐにでもまた、ステージに戻ってきたいなあ。
お疲れ様でした!!!
16回目のライブも大団円!!
ステージ後、会場内で、方々からメンバー達は称賛を受けたそうです。
以前にオカちゃんは、ドラムの先輩でもあるセッキーから大賛辞をたまわり、モッチンからも「札幌のぺイス君」と呼ばれる始末さ。((´∀`*))
知らないお客様からも「良かったよ。
また来年も必ずこの会場に戻って来てね」と声をかけられ励まされたそうです。
しかも去年8月の小樽北運河サウンドエナジーで、オカちゃん&リョゴは全く知らない人からビールをご馳走になったそうだ。
次々に訪れてくる人々から写真撮影や握手攻め、お菓子のプレゼントと、しばらくオフステージは賑やかでしたなあ。
すでに次のライブに対する期待が、目いっぱいに膨らんでいるしなあ。
でも、これに甘んじることなく、今後も精進の日々に専念していこう。
ライブ後は、会場内にて討論会を繰り広げ、時の経つのも忘れてしまった。
あまりにもヒートアップし過ぎたね。
追記・・・・オカちゃんは「スピード・キング」「ブラックナイト」「スモーク・オン・ザ・ウォーター」をメドレーで、トミーはホワイトスネイクの「バーン」「ストーム・ブリンガー」のスペシャル・ミックスをライブで演じたことがあるそうです。
リョゴは、ずっとヘヴィメタル系をたしなんでいる。
シンちゃんも若い頃はもっぱらパープルの虜、アッキーは正直な話、あるライブにおいてパープルを知りジョン・ロードにぞっこんとなり、マサは高校生の初ライブでパープルを夕張商工会館ホールなどでプレイ。
結局は各自、思い入れの強い別格バンドなのは間違いなし!!。
そんなわけでして、ライブのたび選曲や曲順、持ち時間に苦慮するという、贅沢なる嬉しい悲鳴にあえいでいるのだ((´∀`*))
追記・・・
シンちゃんが名物ナルトのジャンボな唐揚げを買ってきてくれた
めちゃくちゃに美味しくて栄養満点!!
ありがとう。
そして、ご馳走様!!
おかげさまでエネルギーの補給もバッチリだよん
((´∀`*))
****予定にない閃きが沸くこともあれば、事前に考えていたことがすっぽ抜けることもあるのがライブの醍醐味。
その積み重ねは永久なんだよね。
満足に満たされることなんてありえない・・・・。
ライブは生もの、水物。
何10回も繰り返してパーフェクトなリハでも、たった1回のライブでとちることはザラ。
だからこそ、一旦その魅力にハマったら抜け出せないのがライブなのさ。
これだけは断言できる・・・努力は決して裏切らない。
継続は力なり。
石の上にも3年。
快進撃はまだまだ続くよ!!****