「ぐるくん」のひとりごと

大好きな海のこと、沖縄のこと。 また今関心を持っている韓国語の学習、韓ドラ・レビューなど気ままな雑記

<1362>映画『最終兵器 弓』

2011年12月17日 | 韓国映画

 今年の秋夕(9/12~)の連休に向け、公開された多くの映画の中で、『最終兵器 弓/최종병기 활』は、8/11の封切からわずか35日間で観客600万人を超える観客動員の記録を出し、更に44日目には、700万人を超え、今年の大ヒット映画の一つとなった。

 この人気から3ケ月のロングラン公開となり、最終的には745万人を超える動員を記録し、今年の韓国映画中、最高興行作品となった。

   

 10月14日~17日の日程で開催された大鐘賞映画祭では、男優主演賞(パク・ヘイル)をはじめ、映像技術賞(ハン・ヨンウ)、音響技術賞(チェ・テヨン)、新人女優賞(ムン・チェウォン)など、4賞を獲得している。

 また、11月25日に開催された青龍映画賞授賞式は、主演男優賞男優助演賞新人女優賞技術賞韓国映画最多観客賞など5部門を席巻した。

 監督は、 『極楽も殺人事件』『携帯電話』など、独特なスリラー映画で有名なキム・ハンミン監督。

 この作品で、史劇だが現代劇を上回るスリルとスピード感のあるアクションを演出したと言う。

 映画ティーザー → http://www.youtube.com/watch?v=NtiSlThYsss

 

 面白かった!!

 これまで見てきた韓ドラで培った豆知識が、大いに役立ち、時代背景なども把握できたのが、何気にうれしかったですw

 まず、時代背景は『チュノ』と同じ、1636年~37年にかけての中国、後金(のちに清)による朝鮮侵略「丙子胡乱」前後の設定。

 過去記事 → http://blog.goo.ne.jp/dive-gurukun/e/ee0283bd73f62626922629e8f6ba9bf2

 

 ナミ(パク・ヘイル)と妹チャイン(ムン・チェウォン)の父は、大陸で台頭してきた女真族など、外国の動向に精通していた事から、逆賊とされ、ある夜、朝廷の討伐隊が、屋敷を襲う。

    

 父は、兄ナミに幼いチャンイを託し、自分の友人のもとを頼って、逃げ延びるように言い、体を張って、わが子たちを逃走させる。

 屋敷を見下ろせる裏山に何とか逃げてきた兄妹は、多勢の討伐隊に取り囲まれ、殺される父の姿を見る事に…

 更に、自分たちを追ってくる討伐隊。

 父が、ナミに預けた家宝の神弓…うまく射る事もできないナミだったが、妹チャインを守って、何とか父の友人キム・ムソン(イ・ギョンヨン)のもとにたどり着く。

    

 ムソンには、同じ年頃の一人息子、ソグン(キム・ムヨル)がいました。

 それから、13年…

 ナミは、弓の使い手に成長。

 ソグンは、大好きなチャインと結婚できる事になって…

 その婚礼の日、ナミは、自分の使命を果たしたとして、妹をソグンに託し、幸せを祈りつつ、靴をプレゼントに残して、去っていきます。

   

   

 しかし、そこに清軍の侵攻が…

 山中で清の大軍を目撃したナミは、急いでチャインのもとに駆け戻りますが、すでに町は襲われ、殺されなかった民たちは、皆、奴隷として、清軍に引き立てられていきます。

   

 チャインを助けるため、その後を追うナミ。

 途中で遭遇し、ナミが弓で倒した兵の亡骸を調べた清軍の名将チュシンタ(リュ・スンニョン)は、敵(ナミ)が、弓の名手である事を悟る。

  

 

 彼もまた弓の名手だから…

 

 この映画では、清の兵たちがしゃべる言語を、歴史に忠実に「満州語」としています。

 ハングルの字幕が出ますが、「中国語」とは、素人の私が聞いていても違う感じで、初め、古朝鮮の言葉なのかな?と…

 実は、「満洲語」は、中国でも10人余りだけが使うだけとなった滅びゆく言語だそうです。

 韓国の高麗(コリョ)大学校民族文化研究院で、学術研究が継続されている事から、語学指導の支援を受けたそうです。

 撮影に入る前に、台詞のすべてが「満州語」となるチュシンタ役のリュ・スンニョンssiをはじめ、一言、二言の台詞だけの端役俳優さんまでもが、「満州語」の講義を受け、発音の猛特訓をしたそうです。

 「満州語」は、韓国語や日本語と同じ語順で、よく似た単語も多いそうです。

 

 ナミとチャインは、父のおかげで、「満州語」が話せる!!

 器量の良いチャインは、清軍の総大将、王子トルゴン(パク・ギウン)の幕舎に召し出されますが、抵抗します。

 

 『チュノ』で初の悪役をこなした、トルゴン王子役のパク・ギウン君…戦いに経験不足ながら傲慢な王子のキャラをうまく演じていました。

 過去記事 →  http://blog.goo.ne.jp/dive-gurukun/e/d5c1aea692cb7aaaeb068bdb27c3a45b

 

 一方、別のグループで捕虜となっていたソグン。

 余興を楽しむが如く、わざと逃がした捕虜たちを狩ろうとする清軍兵にソグンは対抗…兵を倒します。

 ソグンに襲いかかる敵兵…危機一髪のところに、どこからか飛んできた矢!

 ナミの登場で、捕虜たちが次々と反撃に出る。

 ついに、捕虜たちが敵兵を負かしてしまう。


 ソグンと下男たちカビョン(イ・ハヌイ)、カンドゥ(キム・グテク)を助け出し、4人でチャインを救出しようとする。

 王子に捨て身で抵抗しているチャインの前に現れた兄ナミ…

 王子を人質に、ソグンらと先に逃げろとチャインを促すけれど、女だてらに、共に戦おうとする勝気なチャイン…

 後で落ち合う事を約束して、ソグンと脱出させ、ナミは、人質の王子に火をつけて、その隙に脱出。

 このシーンあたりで、R-15に指定されたのかも…

 捕虜たちの逆襲で全滅していた小隊…そこでも、敵の弓の存在を見つけるチュシンタは、急ぎ陣営に駆けつけるも…そこには無残な王子の焼死体が…

 チュシンタは、自分の弓小隊を率いて、恐るべき弓の使い手を仕留めんと更なる追跡を開始する。

 敵ながら、名将チュシンタは、部下にも信頼されている。

 ナミが手なずけていた?も登場…

 この追跡シーンは、監督の狙い通り、本当に、緊張感とスピード感があって、見ごたえ充分でした!!

 

 飛んでくる方向を予測できない「曲射」を使うナミと,凄じい破壊力を持った「ユクリャンシ(六兩矢)」を使うチュシンタの弓の戦い…

 

 個人的に、この「弓」が大好きなぐるくん 

 『朱蒙』『善徳女王』『チュノ』などなど、これまでも、弓を射るシーンにときめいてきました。

 最初は、平凡な感じのパク・ヘイルssiが、どんどん、かっこよくなってきましたw

 

 ナミが駆使する「曲射」は、矢が曲がって飛んで来るため、敵に予測不可能な攻撃ができます。

 『チュノ』の時にリサーチした「子供弓」、普通の矢より1/3ほどの大きさですが、スピードがあり、貫通力があります。

 一方、チュシンタの使う矢は、一般矢尻が10~11g程度であるのに対し、およそ240gとヘビー。

 盾を破壊するために使われるパワーのあるものでした。

 過去記事 → http://blog.goo.ne.jp/dive-gurukun/e/3a2e6138c629dcee422a480c24a17627

 

 夫人(プイン)チャインを守るソグンも、よかったです…

  

 

 『個人の趣向』では、ホモセクシャルのダンディなチェ館長を演じていたリュ・スンニョンssiも、素敵でした。

 清の慣習、弁髪にして…山中を駆けまわり、アクションに挑んでいます。

  

 ストーリーも雰囲気も『チュノ』が思い出されますが…約2時間の中に凝縮されていて、見ごたえは充分!

 


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