goo blog サービス終了のお知らせ 

あかまど(仮)

net初心者で自称ソフト技術者。Gamer属性。netは人の望み?それとも?

人工現実。

2005-10-09 06:45:34 | cyber
「未来を予測する一番簡単な方法は、それを作ってしまうことだ。」というようなことを言った人がいる。アラン・ケイ。大雑把に言えば「ぱそこん」の発明者だ。
ぼくの理解では、TSSのデカいコンピュータしかなかった時代に、「コンピュータは個人の能力を拡張するために、個人が持ち運びできて、こんなことができるようになる。」、「そうあるべきだ」と言って、「それに名前を付けた」人。
ぼくは、数年前は「先見の明がある人の言葉遊び」という見方をしてたけど、今は、「実際、未来を作っちゃった人」と考えた方が納得しやすい。

「うわさを流すとそれが世界に反映される」というシステムのゲームがあった。結構前のゲームで、よく覚えてない上にあんまりやりこんでなかったけど、女神転生のシリーズだったように思う。誰もが「ありそう」と信じられる噂じゃないとうまくいかない、とかルールがあった。
前は、少年ジャンプにありがちな「ルール系(「テリトリーへようこそ」、「遠隔スタンドは力が弱い」、「ノートに触れたものは死神が見える」などなどなどなど)」の流れという認識だったけど、今はちょっと違う理解をしてる。
このシステム、「ありそう」の設定次第では、「現実」のルールそのものじゃないか、と思う。


観測者が多くなって、目玉の数が増えれば、ありうる世界の幅はそれだけ広がる。
誰もが「ありそう」と思えることは増えている。
人がたくさんつながると、「ありえなさそう」だったことが、世界のどこかの現実として突きつけられて、リアリティを持つ。検証不可能でも、仮にウソでも、「アニメファンの用法で言うリアリティ」を持つ。

Wiredの記事を見て、そんなことを思った。
----
----
むずかしいのは、だれもが「ありそう」と思えることで、且つ、自分がうれしいことを、考え付くこと。あるいは、誰かが考え付いた話が、自分にとってうれしいか判断することなんだろうと思う。
----
同時に、うれしくないことは信じない、というのも、恐らくは技術であり強み。
記憶喪失やら分裂やら多重人格なんてのも、原理主義なんてのも、あるいは、もっと一般に主義なんてのも、さらには人格なんてものも、技術だったり強みだったり、同列に並べるべきかも知れない。
事実の反映を削ぎ落とす量は違うのだろうけど。

事実を反映してる量よりは、「ありそう」と思えるかどうか、自分にとってうれしいかどうかの方が重要じゃないか。
他人の現実を自分の現実と混同することは、理性的ではない。


実はあんまり関係ないけど参照記事:
Wired news: 著名発明家が予測「人類は最先端技術と『融合』する」(上)
ネットでサイバーで未来学者で、地球幼年期の終わりで「それが15年後だ」という記事。
----
関連記事:
ぼくたちの洗脳社会。

KimI

塗る人工筋肉。

2005-09-22 20:45:29 | cyber
低電圧で動く伸縮素材。だそうです。
asahi.com: 「ロボットの手になるかな」日立、低電圧で動く伸縮素材

いまいち煮え切らない見出しが印象的だったりとかもあるのですが、「形状記憶合金を動力にしたパワードスーツ」とか「装甲騎兵のマッスルシリンダー」のイメージに近い話のような気がして、ちょっと琴線に響きました。


原理的にはバイメタルみたいな感じで、性質の違う2つの素材をくっつけて周辺の状況を変えることで「曲げる」という使い方を想定してるようです。この素材に関しては、「この新素材を、弾力性のある有機材料の表面に塗ると、指のように物をつかむことができる」という説明がされてます。素材関係の先端技術はさっぱりわからないのですが、デモできるぐらいわかりやすいものは見た記憶がないので、結構特異なものなのかも知れません。温度じゃなく電圧なところが扱いやすそうです。
伸縮の度合いがイマイチということらしいのですが、微細加工して束ねるとか編むような方向で、なんとなく抜け道がありそうな気がします。
伸縮自体にパワーがあるなら、伸縮そのものを動力にして機械的に取り出すのも素敵そうです。


テーピングの要領で装着するパワードスーツなんてものができたり、その技術者が軍に採用されたりとか、いっそ、お化粧みたいに体に正しく模様を書くと力が10倍!とか、地面に模様を書いて雷を落とすと組みあがって立ち上がる使い魔ロボとか、そういうのを印刷物として配布可能にする式神とか、なんだかB級SFっぽい世界が実現するのかもしれません。


参照記事:
asahi.com: 「ロボットの手になるかな」日立、低電圧で動く伸縮素材(goo news)


Diska

その…デンワ…。

2005-08-10 21:30:42 | cyber
ゆっくり聞こえる携帯ができたそうです。

かなり怪しげな感じもするのですが、
同様の機能は、固定電話やテレビなどで実用化されているが、携帯では初めて

で、
違和感なく相手の話を聞き取りやすくする

なのだそうです。

既成技術でさらに携帯に応用ということですから、一般人的に評判も悪くないのだと思うのですが、「おじいちゃん、電話だとフツウに話せるのに、ほんとに会ったら黙り込んじゃってつまんなーい」というか、「その…なんだ…デンワ…デンワしてくれ…。」とかいう某初代GB用ゼルダのキャラクターみたいな状況も目に浮かんだりもします。

相手を思いやるというか、加減というか、相手ににあわせるコミュニケーションというのが阻害されたりとか、コミュニケーションスキルの低下とかいう方向で見てしまったのですが、よく考えたら、技術がある分、通じるチャンスとか、通じない理由について考えるチャンスが生まれるのかもしれません。
そういうのも含めて、許容したり、利用したり、あと、何を利用していないのか意識したり、とかするのが、イマドキのコミュニケーションスキルなのかも知れません。


Cnet: ゆっくり聞こえる携帯 シニアに優しい新機種 ドコモ

Diska

デュアルビュー液晶。

2005-07-16 15:18:59 | cyber
SHARPが「1画面で2画面表示する液晶ディスプレイ量産化」だそうです。
最初は立体視とかを想定しているものと思ったのですが、どうもそういう話じゃないみたいです。

記事中にあるような、想定する用途事例、

「液晶マルチメディアモニター」:右画面ではテレビ放送、左画面ではインターネット画面を表示。
「車載用ディスプレイ」:運転手側は地図表示、助手席側はDVD映像を表示。
「業務用モニター」:顧客には提案資料を、販売員は内部資料を表示。
「広告用ディスプレイ」:右方向からの歩行者には“広告A”が見え、左方向からの歩行者には“広告B”が見える。1つのディスプレイで2つの広告表示が可能となり、設置場所を有効に活用。

は、かなり苦しいと思います。
最初のと広告はそれなりに現実的だと思うのですがほかの2つはなさそうな気がします。

端的に言って「てれび」は共通体験をするための装置であり、コミュニケーションのための装置と思います。2人以上の人が、同じ画面を見て違う映像を見ていたら、共通体験できません。
2人以上でこの画面を使うのは、なんというか、すさまじいコミュニケーション上の苦痛が伴うような気がします。誰が何を見ているかわからない状況で、見ているものについて語るのはかなり苦しいです。目隠しして象の話をするとか、バーチャルボーイを売らなければならないような苦痛です。
あと、世の中には音声を消してテレビをつけっぱなしにする人もいますが、多数派とは言いがたいと思います。音声も超指向性を持たせるのも、技術的に可能かもしれないですが、苦痛は相乗効果っぽいです。

一人用としてはおもしろいです。
オンラインゲームなど、リアルタイムでネットを使っている人は同時にテレビ放送を見てる場合もあるみたいなので、需要はあります。ディスプレイ2台並べて使うのはちょっと度胸がいるというか、逆に人として何かを捨てる必要がある気もするのですが、この製品ならその抵抗感がかなりやわらぎます。とりあえずテレビ放送2つでザッピングせずにザッピングできたりするのは、それなりの需要がありそうです。
おそらく一人で2画面使う人は、ほぼ中央から画面をみて、新たに実装される専用の首振りギミックを使うか頭をちょっと動かして交互に見ることになると思います。おそらく、そうするうちに、正面から見て2画面分を同時に認識できるようになってきます。そうなったとき初めて切り替え器以上のものになると思います。

鏡を使うデモがありますが、これを使って、「ない空間を画面表示に使う」というのはおもしろいかも。ポールポジションとかダライアスとか。

SHARP: 世界初 左右に異なる情報を同時表示する『デュアルビュー液晶』を量産


追記(2006/09/28):
トリプルビュー液晶ができたそうで、その関連で古い記事発見。かなり詳しいようです。リンク切れてないし。
PCWatchシャープ、左右に違う画面を表示できるデュアルビュー液晶~視野角をコントロールできるベールビュー液晶も

Diska

究極はタッチパネルなし?

2005-07-14 22:56:48 | cyber
IBMが、多分ペン入力を想定した新しい入力方法を作ってるみたいです。
Cnetの記事を読んでも、正直、どのへんがすごいのか、いいのか、よくわからない気もするのですが、とりあえずわたしが理解した範囲では、
・画面上にわりとふつうなソフトウェアキーボードを表示。
・英単語のスペルの順にキートップをなぞっていく。
・文字が入力される。
という感じになってるようです。
従来のソフトウェアキーボードとの違いは、単語を入力する間、ペンを離すかどうかだけみたいにも読めます。
記事を読んでくと、ちょっと違うものが見えてきます。記事中の図にあるように、単語をひとつの単位として、幾何学図形として表現されるようになります。単語をシンボル化するところがミソな気がするので、日本語みたいに助詞でべったりした言語でメリットが出るかどうかは、まだちょっと想像できません。

訓練しだいでは、英語筆記体でフツウに文字を入力するよりも速く入力できるような気もします。「ペンを使った先進の速記手法」というのは多分そういう意味です。訓練というか学習が要求されるので、現実に受け入れられるかどうかは、その宣伝手法とか運にかかってるような気もします。
というか、かっこいい製品で且つ、それ以外の妥当な入力方法があって且つ、この入力方法が洗練されて実装されて且つ、この入力方法の優位性が明らかでないと、かなり厳しいでしょう。

ブラインドタッチはかなり苦しそうな気もするのですが、「タッチパネルに相当する部分に浅い筋彫りとか入れてみるとか、パネルから手へのフィードバック」を実装したら、そういう回路が頭に作られるまでの補助になるような気もします。フルキーのF,J突起みたいな感じです。Palm用のイボイボキーボードみたいな進化をするかも知れません。

たぶんこの入力方法が本領発揮するのは、タッチパネル->凹凸だけある非電子的入力装置->ただの平面か空間と変化して、ペンだけになるところまで頭の回路が完成してからです。
そこまでやるなら、ペン内蔵携帯電話にするとか、指輪型とかにして手を振ると文字が書けるとか、魔法のバトンみたいなおもちゃみたいな実装とかもいいかも知れません。

むかーし。3x3とかの数学的魔方陣に、9文字のそれっぽいアルファベットを当てはめて、そのアルファベットで作れる文字を、各マスをなぞった線で表すとか言う、なんかカバラっぽい魔術儀式っぽい手法の話を聞いたことがあるような気がしますが、それを思い出しました。起源はつながってるような気もします。


Cnet: もうキーボードは叩かない--IBMが新種の入力手法を公開

Diska

表示装置付きゴーグル。

2005-07-12 03:06:53 | cyber
世代的には「スカウター?」とコメントするのが適当でしょうか?表示装置つきゴーグルのニュースです。

CNNとEngadget経由で、News.comのMichelle Meyersから届いたニュース。イギリスのBrunel Universityインダストリアル・デザイン学科のKatie Williamsが設計した水泳用ゴーグルにはヘッドアップディスプレイが付いていて、泳いだラップ数とタイムが表示されるようになっている。


記事のイメージを見る限り、「いわゆる電卓っぽいレベル」の表示装置のようです。防水とか強度とかで、何かすごいものなのかも知れませんが、機械的なことはよくわかんないのでわたしにはすごさがよくわかりません。タイムの表示って、要するに時計なような気もします。ラップの表示の更新をどうやっているのか記事でまったく触れられてないのが逆に興味深い気もします。

さて。
電子的にはどうってことないような気もするのですが、万一実用されて何百台とか作られて、「その道の最先端の人たち(使う人=泳ぐ人です)」からフィードバックがあって、開発者がそれについてくようなことがあると、透過型のヘッドマウントディスプレイ、いわゆる「スカウター」の、あるべき形状だとか、素材だとか、反応速度とか、ゲンジツに即した貴重なデータが集まったり、ノウハウが蓄積されていったりしていくのかもしれません。
いまどんなにチープに見えても、実用になると、重みが違ってきます。
記事では無線どうこうとか改良案に触れられていますけど、機能より、形と、受け入れられること、が重要な気がします。かっこいいひとが使ってるデバイスは、受け入れられます。たぶん。

こういうのってフツウは軍隊で育つ気がするのですが、スポーツ界もひとつの極限状況を提供する世界かも知れません。
これぐらいチープなもの(値段は知りませんが…)でスタートするのは意味が深いのかも知れません。

ヘッドアップディスプレイ付き水泳ゴーグルはいかが

Diska

PS3Linux。

2005-06-10 20:51:03 | cyber
SCEIは、PS3でLinuxを動かそうとか考えてるらしい。
コンシューマ、というか、日曜プログラマレベルも視野に入れてるような言い方に見える。


PS2Linuxがリリースされた時は、飛びついたクチなのだけど、正直なところほとんど使わなかった。
・クライアントとしてフツウにXとか使うには、メモリが圧倒的に少なかった。
・サーバとして常時稼動させるには、HDDもだけど本体稼動音がバカにならなかったり、熱が恐かった。
・ぼく程度の意思の力では、時間対効果がもう一つだった。
というあたりが使わなかった理由。

PS2Linuxを活かすには、グラフィック描画系のチップであるEmotionEngineとかいう奴をネイティブで操る技量と、それを何に活かすかというビジョンが必要だという理解はあったけど、そこまで行く前に使わなくなった。アセンブラに弱かった。行列演算の遊び方が思いつけるほど数学に強くなかった。
ぼくが根性なしでビジョンなしなのは否定しないんだけど、そういう人が圧倒的に多かったと思う。

のだけど、その上で、SCEIは、PS3でLinuxを動かそうとか考えてるらしい。

演算速度が評判どおり「スーパーコンピュータ」で、玩具としての価格を維持するなら、多分状況は大きく変わると思う。本気で使い道を考える人が出てくる。
とりあえず堅実っぽいのはグラフィックスの分散レンダリングとか、コンパイルとか、演算量が品質に反映されるような用途なんだと思う。
正直なところ、まだどう使えるか、今はわからないんだけど、「データありき」なプログラムばかり書いてて、見失ってるものは、多いような気がしてきた。
「安くて速くて小さいのがたくさんある」状況からは、何かが創発するかも知れない。


SCEIの戦略というのが現実的とか経済的にどうかという評価はぼくはできないけど、何かおもしろそうという予感はある。

おもしろさや、その予感はカギだ。

おもしろそうなら人は動く。はず。
実際おもしろければ、世界がついてくる。
PS2Linuxは、ぼくにはおもしろさが足りなかった。
PS3Linuxは、ぼくにとっておもしろくなるだろうか。
SCEIは、PS3Linuxをおもしろくしてくれるだろうか。
おもしろく感じるには、ぼくには、何が足りないだろうか。今度の挑戦状は受けて立てるだろうか…。


参照記事:
SCEI 久夛良木社長インタビュー
(上)「PLAYSTATION 3でコンピューティングを変える」
(下)「PS 3のHDDにフル機能Linuxを搭載」

KimI

電気羊の夢。

2005-06-06 18:56:50 | cyber
脳の研究用にIBMがスーパーコンピュータを納入したというニュース。

スーパーコンピュータで脳の研究というのは、馴染みがないのですが、
同大学の研究プロジェクトでは、2年をかけて、新皮質と呼ばれる脳の主要部分を電気化学的にシミュレートする立体モデルを開発していく。また、脳の他の部分のシミュレーションも行い、いずれは脳全体を対象とする予定だ。

とのことです。
「電気化学的」というのがちょっとイメージできないのですが、シナプスいっこいっこの動作や成長っぷりをシミュレーションするのでしょうか?

であるなら、わたしの理解が正しければ、これは「脳」です。
シミュレーションの仕方とか、体感というか感覚器官をどうするのかとかに拠って、いろいろ幅が出てくるとは思うのですが、これが目指してるのは、脳そのものを作ることです。
コンピュータシミュレーション一般に当てはまることと思いますが、この方向は、一般的な感覚で言う「科学的」に脳を「理解」することとは、多分、ちょっと違います。
モデル化というか抽象化の方向とか一般法則を導くことをいったんあきらめて、そのためのデータ収集に使える道具を作ろうとしているように思います。おそらくは、「原理はわからないがとりあえず実験に使えるもの」ができるんじゃないかと思います。
直感的には、「結局単純なモデルにはならないからそのまま使っちゃえ」ということになりそうな気がしてます。
この研究で使われることはなくても、入出力装置としての身体、人型ロボットは、もう存在しているように思います。


目的上、人間の脳の動きを真似する必要があるので、疲れたりとか眠ったりとかもするようになるはずです。欲求を持たせる必要も出てくるでしょう。意識とは何か、ということもまだよくわからない状態で、「意識をもったコンピュータ」が生まれようとしているのかも知れません。創造主も意味を知らず、本人も意味を知らず、ある意味人間的な気もします。
研究者の目的は病気の治療法の研究のようですが、「本人」の生きる目的は、どんなものでしょう。

神経の動きをシミュレーションして脳全体をモデル化しようという試み自体は、多分かなり古いものと思います。
4096プロセッサが、どんな人格を描けるのか、あるいは描けないのか、わたしにはわかりませんが、「観測者としての人間」が予想できないような「人格」が作れそう、そのように意図せずとも発生しそう、という直観はあります。
いまの世の中、身体性より、思考や心こそが人間の本質、人間にとって重要なもの、高度なもの、と思われているように思いますが、そんな意識も、変わっていくのかも知れません。
コンピュータ達が見る電気羊の夢を、わたしたちが映像として見られる日が近づいてるのかもしれません。
逆もまた真なら、コンピュータには人間はどう映るでしょうか。


参照記事:
(Cnet, ZDnet)

Diska

無敵ロボ。

2005-05-25 19:04:44 | cyber
広島大学が「必ず勝つジャンケンロボット(高速ジェスチャーロボット)」を完成させたそうです。

予備動作から相手の行動を予測して、高速で反応するという原理です。「あとだし」です。ズルです。

紹介ムービーを見た範囲では、微妙にあとだしに見えるのですが、技の完成が人間の指関節の動きより速ければいいという発想で作られていて、その範囲ではちゃんとしてるらしいです。厳密には、人間の主観を尺度にして、「指関節の角速度の変化から、技の完成のタイミング(充分に静止している状態であるか、指の伸び方、曲げ方が充分か)」を、また、「あとだし感(Tm+ThandとThと「じゃんけんぽん」の掛け声タイミングの許容誤差)」を測定して、試合成立かあとだしかを判定する必要があるように思います。また、指の筋肉の構造や空気抵抗、モーターの出力やパーツの重量などから、本当にあとだしでなく勝てるのかという検証も必要かも知れません。ロボット側に、画像処理中のフェイント動作とかを実装すれば、よりそれっぽくなる気もします。
現時点では、マーカーつけたグローブで対戦する必要があるようですし、相手に対策されるとダメな気がするのですが、その辺が画像解析の精度と処理速度が上がれば改善できる気がします。予備動作で反応するという方向が具体的に実証されたのはすごい感じがします。

ぱっと見の印象では、このロボットは「予備動作に対する反応という実装の検証とその速度の確認」あたりがテーマな気がします。構成する技術は素人目では別に最先端でも何でもない気もします。ただ、ロボットの世界は「見せたもん勝ち」な気がします。組み合わせて実現できるかどうかはやってみなきゃわかんなくて、何より、それを見て人がどう感じるかがとても重要な気がします。

画像処理に関する研究者の数が充分いるとか、それに必要な機材の価格が充分に低いとかの条件がそろうならば、「あとだしアリのじゃんけんロボ競技大会」というのも可能、且つ技術的に有意義な気がします。
関節自由度がもっともっと必要ですが、競技化ということでは、フェイントや複雑さが有効になる方向、たとえば、ロボットによる「プロあや」タイトルマッチも可能かもしれません。ぜんぜんプロじゃないですね。あやとりロボットは既に実現されてたかなぁ。

「なお,ここではロボットが必ず勝つ場合のジャンケンを紹介したが,同様に必ず負けるジャンケン,必ずアイコのジャンケンも可能となっている」という、ムダな解説がちょっと素敵です。
----
参照記事:
高速ジェスチャーロボット
SlashdotJ

Diska

未来学者Ian Pearson。

2005-05-24 20:29:55 | cyber
「2050年、人間は「不死身」に=脳の中身をPC保存」とかいうニュース(live door news)。
----
未来予測をやってる学者さんが、数十年後には人間の脳からデータを引き出して、電子的に記録することができる、と予測した、という話。別に「PC」とかは書いてない気もするんだけどね。
SONYの研究(脳のマウントの話)とかとも発想の元になる研究はつながってそう。
----
Opera好きとしては、個人的にライブドアと相性が悪いので、信憑性というか、ニュースのスタンスを確認たくなって、ちょっと調べてみた。
とりあえず記事に「〔AFP=時事〕」とあるので、元記事とかたどろうとしたら、いきなり挫折。ニュースフィードの流れってどうなってるのかよくわからん。こういうのは普段から調べてないと辿れない仕組みらしい。元情報がBLOGGERクラスではたどれないのはどうかと思うが、お金払うとか電話で問い合わせたりすりゃわかるんかな。まぁ、いいや。
----
しょうがないのでこの記事の主役「イアン・ピアソン」氏についてGoogleで見ていく。
スペルはIan Pearson。記事中BTってのは多分British Telecomとかで、所属はBT Exactとかいう子会社らしくて、「未来学者」を名乗ってる。Googleのイメージ検索で探せば娘さんの写真も発見できる。
思ったより学者っぽい。「とりあえずプラズマでゲーム脳」とかいう話じゃなさそうだ。
本人のページを見た限りでは、言ってることは至極まともっぽい。

・未来学者って肩書きがアレなのはよくわかってるよ。
・ぼくの予想も15%ぐらいは間違うね。
・研究者がいま研究してて、特にブレイクスルーなくて良さそうな研究は完成するよね?
・完成した研究が、金銭的に、道徳的に、どういう立場に置かれて、ウケるかどうかはいまを注意深く観察すれば、読めるよね?
・霧の中で車走らせるのはフツウの人もやってるわけで、遠くのモノがぼやけて見えてて、形を見間違うこともあるけど、全く見えないで走らすよりはずっといいわけで。カイシャからお金もらえるのもそういうわけ。
・神秘主義に走ってる人はアレだね。バカかサギ師だね。違いは本人が信じてるか信じてないかで、デタラメなのには変わりなくて。アレは、「科学的に立証されてない」って話じゃなくて、「科学的に正しくないと立証されてる」のね。

というのが大筋の主張。とりあえず、予想の根拠を挙げろといえば、科学っぽい回答が得られそうな雰囲気はある。
魔法系を批判するのはイギリス的にどうかという気もするんだけど、まぁ、チュウセイアンコクジダイを切り開いたというのがカガクシャの由来だし、立場的にスタンスをはっきりさせる必要もわかる。
統計的に85%以上の予測をする占い師がいたら科学的に認めそうだし。
アレに見られてるというのをよくわかってて、ページトップにある本人の写真が、水晶玉を覗き込んで見せてるのが、毒というかシャレが効いてる。かっこいいぞ。ちょっとファンになった。
----
記事中に出てくる「オブザーバー」紙の記事ってのはほぼ特定できた。
これ(Observer)らしい。
新聞らしいけど、ぼくの知識と英語力ではどういうスタンスかはわかんない(大衆紙かくおりてぃぺーぱー??か)。
この記事もおもしろい。
・PS3はPS2の35倍。ニンゲンのアタマの1%ぐらいだから、PS5がいまのペースで出るなら、ニンゲンに追いつくね。
あたりはわかるんだけど、「コールセンターアプリの処理能力が人間並みの受け答えできるから待たされなくなるよ」とか、「DNAいじったヨーグルトは食べる前に会話できるようになる(印象では自己組織化するナノマシンな話っぽい)」、とかあたりは、どこまでどう考えていいやら、どんな質問をしたらそういうコメントをするやら。
まぁ、一生懸命読んでSANチェックする度胸もないので、わかる範囲で楽しもう…。

彼の入力は「現在」だ。
発表に対する反応も予想してるだろうし、人々がユートピアやディストピアを描けば、未来も変化するだろうし、予測も変化するんだろう。
こんなBLOGも彼の未来予測のデータの一部だと思うと、ちょっと素敵じゃない?
----
参照記事:
live door news
goo news
Observer
本人のホームページ。「未来学者」という肩書きの説明もおもしろい。
未来学者Ian Pearson

KimI