読む日々

テーマばらばらの読書日記

34丁目の奇跡

2011-09-30 | 
「34丁目の奇跡」ヴァレンタイン・デイヴィス作/片桐しのぶ訳

どっかで聞いた事のあるタイトル、と思ったら、古い映画の題名でした。
その原作、というか、映画の企画として持ち上がったものをもとに作ったストーリーとのこと。
さらにリメイク版の映画が1994年に作られているそう。

うん、いいお話でした。
本物のサンタクロース「クリス・クリングル」が夢や親切、信じる心を忘れかけた現代人を変えて行く物語。
同時にクリスに関わった母子を幸せにしていくサイドストーリー付。

リメイク版でいいから、テレビで放送しないかしら


満足度80

骨の記憶

2011-09-29 | 
楡 周平「骨の記憶」


戦後の貧困な時期に岩手の山奥で育った長沢一郎が主人公。
村の名士、曽我家の長男弘明と、山の中でやっていた事が大変な事故につながる__________

しかし、見ている者はなく、お互いに口を閉ざしたまま別れる進路。
長沢はひょんな事から別人として生き、成功するが、心にはいつも弘明の妻となったであろう清枝の姿が。

そして60代を迎え、一郎は50年前の秘密を清枝に明かす手紙を送る。



うーーん。
面白いです。とっても。高度成長期の日本がよくわかるし、一郎の秘密がなければ経済小説とか一代記とか、そんな感じ。
でも、小学生の時の秘密を常に抱えて生きる一郎には、暗さが付きまといます。

でもなあ。
何かが釈然としない、というか、続きが知りたいというか。あと、清枝にそこまで執着する気持ちがわかんないんあ。


なので満足度は70

2011-09-28 | 雑感
・・・・・・。
・・・・・・・。


虫は、あまり好きではありません。特に死んでるヤツ。
なのになのに、息子ったら





トノサマバッタとカマキリです
教頭先生が作ってくださったそうです・・・。

確かに先日「死んだ虫、教頭先生が標本にしてくれるって」って言ってた息子。
てっきり学校に置いておくもんだ、と思うじゃないですか。

それがなんと、息子の為に放課後作ってくださったそうで。
見事 おもちかえりでした


ははは・・・・

午後の音楽

2011-09-27 | 
小池真理子「午後の音楽」

文庫本を買いました。
裏書きより引用______________________

父や母、妹との距離感がつかめなかった少女時代。夫に別の女性がいたとわかったときの喪失感や娘に与えてしまった心の傷。胸の中にそっととどめておいた様々なことを、いつのまにか打ち明けてしまっていた。音楽をふたりで奏でるように、メールで言葉を紡ぎ合う。こんなにも共鳴し合える人に出会ったことの驚きと喜び。それなのに相手は義弟、妹の夫・・・。メールで綴られる新しい形の恋愛長編。
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形式は全部、メールの文章のみなので、普通ここまでお互いが承知している事をわざわざ書かないでしょう?っていう位、状況説明だらけなのはちょっと気になりますが、でも私的にはヤバい位ズン、と来た本でした。

小池真理子さんの小説は大抵衝撃度が大きいんですが、今回はもう・・・。
実際会ったりすることなく、言葉の往復のみでお互いが深く理解し合っていく様子が切ない。
最後まで、しっかりと理性を保ち、別れるというよりも乗り越えて行くといった姿がまた切ない。

そしてお互いが「抑えられる」人だからこそ、好きになってしまった、この主役の二人がとてもいい。
いいんだけど、もどかしいし、切ないし。で、また泣いちゃった。
もっと別な言い方したいけど、でも何も言えない。

満足度100以上。



家日和

2011-09-27 | 
「家日和」奥田英朗

家族をテーマにした6つの短編。


おもしろい

展開もスムーズで、読みやすく、そして「よかった」という帰結。なんといっても楽しんで読める。
これはかなりいいな。初めて読んだ作家さんですが、しばらま嵌るかも。


「サニーデイ」・・・・ネットオークションに嵌り、夫が大事にしてたギターなどを売っちゃう妻。でも冷たいと思ってた夫や子供達の想いを知り。。。。。途中、心配したけど、解決解決

「ここが青山」・・・・東京の青山かと思ったら、人間いたるところに青山あり という格言だった。会社が倒産した30代の父親の話。人間の居場所はどこにでもある、という話。この父親は家事に向いている自分に気づいちゃった。

「家においでよ」・・別居を機に、今までできなかった自分好みのインテリアに塗り替え、その居心地のよさに同僚達が入り浸る話。楽しそう~。

「グレープフルーツ・モンスター」・・・内職の担当営業が代わり、随分ぶしつけな若い男が現れるけど、その男の柑橘系のコロンになぜかクラクラする主婦。そいつ(と言っても過言じゃないような男)が現れた日はグレープフルーツに襲われる夢を見るが、それが刺激的で、男があらわれる日を楽しみにしてしまう。 まあ浮気とか不倫とかに発展しなくてよかったね。

「夫とカーテン」・・・山師のような夫がまた始めた怪しい商売「カーテン屋」。でも夫が何か始めると、イラストレーターの妻はなぜかいい作品がかける。わかるような気がする。

「妻と玄米御飯」・・・成功した作家とその妻。妻は近所の美人の主婦の影響でオーガニックやヨガに嵌る。いーかげんしろ、という夫の想いがいい小説に昇華するんだけど、妻が怖くて書きなおす。あはは。


家族っていいなあ、と思わせる、いいお話ばかりでした。

満足度90