読む日々

テーマばらばらの読書日記

サンタ・エクスプレス

2010-08-31 | 
重松清「季節風*冬*サンタ・エクスプレス」

なんだかんだ言って。春夏秋冬読みつくしました~
今回は、意外にアッサリしてて、よかったです。

特に「コーヒーもう一杯」というお話の中で、初めてなのに懐かしい情景について、
「いま懐かしいわけでなく、これから懐かしくなる、未来の懐かしさを予感している、だから何も思い出せないのに懐かしい」というような記述が、目からウロコでした!

すごいなあ、重松さん。

あとは、もうじき家に双子がやってくる5才の女の子の心情が「なんでわかるんだろう」と感じた表題作もよかったです。私もおねーちゃん、だったので、ちょっと泣けた。健気なんだよね、上の子って。

「泣き」は少なかったけど、かえってよかったです。
満足度90

子役白書

2010-08-30 | 
早乙女朋子「子役白書」。

劇団所属の11才の少女の目を通してみた「商業演劇」の世界のお話。

早くから大人の世界を見てしまった子供の、リアルな感情が描かれていて、なんとなく「可哀想に・・」と思ってしまいました。

作者は実際に子役として活躍した人だそうです。私よりも年上の方なので、記憶にはないですが。

読みやすくっておもしろかった。あ、小学校の担任がムカつきます。でも、いるんだろうな、こういう先生。完全に主人公より子供うちは、子供の先生には恵まれててありがたいなあ、と関係ない感想も持ちました。

満足度80

スウィート

2010-08-27 | 
ルーシー・エルマン/小林令子 訳「スウィート」

・・・。読み切れませんでした。あしかけ3日、格闘したけどダメでした。
最近、選書の嗅覚が鈍っているのかな

イギリスの本です。帯見るとおもしろそうだったんだけど・・

「彼との関係で手に入れたものといったら罪悪感と苦痛、そして自尊心の低下・・あたしはいろいろな意味で飢えを感じていた!・・本文より」って。

私があと15才若かったら、楽しく読めたのかな・・

内容も訳も別にダメってことではないので、単純に、私がオバサンなだけでした

満足度10

季節風:秋・少しだけ欠けた月

2010-08-23 | 
重松清「季節風:秋・少しだけ欠けた月」

春・夏と少し前に読んで、いよいよ秋を読了。冬はもう少し後にしよう。

毎度お馴染の泣けるお話12篇。最初の「オニババと三人の盗賊」がよかったかな。
むかし よくあった小さい文具店が舞台の、店主のオニババと、花火を盗もうとした三人の男の子のお話。オニババがよかった。

私の通った小学校の近くにも似たようなお店があって。おばさんは別にオニババではなかったけど、お話の中の店内の様子が懐かしくて。あのお店は まだあるのかな・・。

表題作は、離婚する両親と一人息子が最後にそろって食べるホテルでの夕食のお話。少し欠けた月を眺めながら痛む息子の心がせつない。子供は父親が大好きなのに、自分の意思とは関係なく今後の生活は母親と二人きり。母親の友人に「お母さんを守ってね」と言われ、「何から?」と悩んでしまったり。子供にとって、そりゃあつらいよね、親の離婚は。たまに頭をよぎるけど、やっぱり子供の事を考えると躊躇しちゃうかなぁ。

久々に重松ワールドに浸れたので、満足度は75

海賊と刺繍女

2010-08-21 | 
ジェイン・ジョンソン作/ 最所篤子 訳「海賊と刺繍女」。

ものすごく、おもしろい!!続きが早く知りたくて、途中飛ばし読みをした箇所もあるので
もう一度読み返します

17世紀、海賊にさらわれてモロッコへ連れさられた若い女性キャサリンの物語と、キャサリンが書き記した刺繍の図案書への日記をもとに彼女の運命を知ろうとモロッコへ旅立つ現代女性ジュリアの物語が順番に書かれていて、もう夢中で入り込みました。

17世紀の海賊カシムと、現代のモロッコ人イドリスが格好よすぎ。いいなあ
史実が織り交ぜられていて臨場感タップリ、なおかつエンターテイメントとしても物凄く面白くて、映画化してもらいたいな~。

キャサリンとジュリアは同一人物で、と思ったけど10代と30代じゃ無理があるかな・・・。


訳者あとがきで知りましたが、ストーリーの下敷きは実際に作者の家に伝わる伝承のようですし、作者自身が取材へ赴く中、モロッコ男性と知り合い結婚されたそうで、さらにこの本を読んだ人達も続々と愛に関する不思議な体験をしているとのこと。沢山の人が読んで、様々な感動を味わい、様々な体験をしたら凄いですね。壊れかかった夫婦仲が改善されたという体験をされた方もいたとのこと。・・・うちは無理かな

満足度100