Soho Designer の長いつぶやき

SOHOでのフリーデザイナーとして30年。
地方で超零細企業としての日々のつぶやき。

時には意味なしでも

2008-03-31 12:38:53 | 仕事話_制作
商業デザイナーとして制作物を作るにあたって、「自由に雰囲気よければいい」みたいな物は基本的には作れません。あ、えらい先生様になれば別かも。

たとえばマークなどを作るのに、会社やお店、の「意味づけ」をしておかなくては、と、いわゆるコンセプトづけを行います。
ある程度いろいろ調査し、そこから発案を生みだし、形にする。
まあ後から言い訳をつけるような場合もありますが。

マークはもちろんですが、一般的なデザイン物でも「これはなんでつけたの?」「どういう意味合いなの?」って聞かれることも。
この世界に入ったときから、この「意味」をいつも説明できるようにスタンバイしてる自分がいました。(そう教育されたのです)

また昔の話になりますが、ある制作会社に勤めていた頃、後輩と組んで仕事をしたときの事です。
あるフリーペーパーのレイアウトの冒頭の見出しにアイキャッチみたいのをつける時、悩んでいたらその後輩が「こんなのでもいいんじゃないですか?」と見せてくれたのが、外国の雑誌でした。見出しに幾何学的なマークがついててオシャレな本でした。
私は聞きました「意味は?」
後輩「なくてもいいんじゃないですか。ただのポイントですっきりしててオシャレなら。(このフリーペーパーはオシャレが基本)」
…私の頭は固かった。私の先輩もです。すべてに意味づけしなくてもコレもアリなのね、ってのをこの後輩に教わったようなものです。
今まで自分は、他者に「意味は?」と問われた時に「言い訳」できるデザインをいつもしていたような気がしました。

後輩といってもあまり年齢も違わない人だったのですが自分とは違う能力や考え方を持った人でした。
他者と組む、一緒に考える、影響しあう…、今は一人で仕事していますが、自分だけで煮詰まった時、このときのことを思い出します。一人もいいけど、協力しながら仕事した頃のことを。

写真はその時のフリーペーパー。タイトルロゴは私が制作。(えらいデザイナーの方のディレクションの元で)本文レイアウトも担当。
コメント (2)
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