かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 301(トルコ)

2019-07-15 20:39:59 | 短歌の鑑賞
      馬場あき子旅の歌40(11年6月) 【夕日】『飛種』(1996年刊)P132~
      参加者:N・I、鈴木良明、曽我亮子、藤本満須子、H・T、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:藤本満須子 司会とまとめ:鹿取 未放
                     

301 エーゲ海の入江に藻なく波音なしひたしくる闇にわが身沈みつ

        (レポート)
 波音の無く暗く沈んだ夜のエーゲ海、その闇に自分の身体が沈んでいくよ、前の2首「夜に入りて知るエーゲ海に波音なし魔のごときやみが人奪(と)りにくる」「何といふことなく昏れてエーゲ海波音のなき凄さ夜に知る」から更にいよいよ海の暗闇と一体化してゆく作者の感覚がうたわれている。(藤本)


     (当日意見)
★藻がないというのは比喩で、生もないことを言っている。(慧子)
★いや、藻は比喩ではないと思います。エーゲ海は死んだ海ではないので藻はなくても魚などはい
 ると思うので「生」が無いことにはならないけど。レポートの「一体化」ですが、それだと心地
 いいんだけど、ここは取り込まれて いく感覚かなと思います。(鹿取)


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