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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  115

2021-03-17 20:38:47 | 短歌の鑑賞
   清見糺鑑賞18            鎌倉なぎさの会  

115 「新世紀エバンゲリオン」観てみんと筍ごはんを食べてでかける
                       「かりん」97年7月号

 何でも新しいものに興味を示す作者の進取の気性がよく出ている歌だろう。季節の筍ごはんは食べたし、よしこれから若者に流行しているアニメを老年にさしかかった俺も観に行くぞという弾んだ気分のように思われる。
 ちなみに「新世紀エヴァンゲリオン」は私も一緒に観た。「エヴァンゲリオン」とは、「福音」の意味だそうだ。SFと宗教と哲学と科学がごったまぜになったようなアニメでよくは理解できなかった。一四歳の少年・少女が人型の兵器のパイロットとして登場し、人類の命運をかけて闘うのだが、全体に暗いトーンで話が進行する。登場するのは明るく前向きの無敵のヒーローではなく、トラウマの塊のようなネクラだったり、感情をそぎ落とされたような者ばかりでおよそ人間的な暖かみやふくらみをもっていない。そもそも彼らは人間ではないのかもしれないし、おそらくクローンであろうと思われる何度も死んでいる少女が登場したりもした。もっともアニメとしてはそこが現代的で新しく人気を博した理由だったのかもしれない。(K)
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