かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 185(中国)

2019-03-13 20:57:16 | 短歌の鑑賞
  馬場あき子の旅の歌24(2009年12月実施)
    【向日葵の種子】『雪木』(1987年刊)124頁~
     参加者:K・I、N・I、Y・I、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:T・S 司会とまとめ:鹿取 未放



185 向日葵の種子の香の息かすかなる西安の鸚鵡肩に置かまし

      (まとめ)(2009年)
 鸚鵡は街角で売っているのだろうか。それともペットとして人々が肩に乗せて街を連れ歩いたり、公園などで遊んだりしているのだろうか?そんな場面で「私の肩にもちょっと乗せてみてよ」とでも言ったか、言わなくても思ったか、結句の面白がりようが楽しい。「向日葵の種子の香の息かすかなる」は傍に寄ってみた発見か、向日葵の種を食べていたのでそう思ったのか?最近のブログ旅行記を読むと、向日葵の種子を炒ったものを今もよく街上で売っているらしい。100グラム2元(34円くらい)で買ったという記事もあった。炒ったものは香ばしいそうだ。もっとも小さな種の殻を一個一個剥くのがめんどうらしい。(鹿取)


       (レポート)
 向日葵の匂いのかすか感じる人がいま通り過ぎた。肩に鸚鵡を乗せるとどうだろう。一緒に向日葵の種を食べながら。馬場先生はそんな空想をした。(T・S)


      (当日意見)
★「向日葵の種子の香の息かすかなる」は「西安の鸚鵡」にまで掛かっている。だから向日葵の息 をしているのは鸚鵡です。結句は「置く」に助動詞「まし」が付いた形。「まし」にはいろんな 意味があるけど、ここは「ためらいの意志」くらいか。訳すと「肩に置いてみようかしら。」 (鹿取)
  




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする