ダプール・バリ 神々の島の台所

インドネシア・バリ島から愛をこめて。

Tolak Reklamasi(2)

2014-10-24 00:20:36 | ベノア湾埋め立て問題・Tolak Reklamasi
さあ、昨日に続いて『ベノア湾埋め立て反対!』のお話です。
昨日のTolak Reklamasi (1)をまだ読んでいない方は、そちらをぜひ先にどうぞ。

さてみなさん、今年の始めあたりから、バリ中のあちこちの道路脇に、
こんな看板が立っているのに気付いていましたか?



デザインは他にもいろいろ。



私の周りにも「ああ、見た見た!これなんだろう?と思ってた!」という日本人の方々の声が。
この看板は、ベノア湾埋め立てに反対するバンジャール(町内会みたいなもの)の青年団たちが、
おのおのお金を出し合って立てたものです。
よく見ると、バンジャールの名前と、STT.◯◯◯という単語が見えますね?
このSTTというのは、バリ語で「Sekeha Taruna Taruni」の略で、
Sekeha = 集まり、集団  Taruna = 青年(男子)  Taruni = 青年(女子)という意味があり、
そのバンジャールの青年団(高校生〜結婚するまでの男女全員)の名称が、STT. の後に続くわけです。

さて、この看板というか、ポスターというか、そこに書かれているポイントを解説しましょう。

TOLAK = インドネシア語で「反対」
REKLAMASI = 同 「埋め立て」または「干拓」、

BATALKAN = 同 「撤回する」「取り消す」(基本形は BATAL)
さあ、ここからがちょっと難しいです。
PERPRES No, 51 / 2014 とあるのは、
まず、Perpres というのは、Peraturan Presiden の略で、
日本語に直訳すると「大統領令」、要するに大統領の権限で発令された命令。
この「大統領令」というのは、インドネシア国において「法律」「政令」と並んで効力が強いものです。
つい先日、ジョコウィ政権に代わりましたが、この大統領令「No.51 / 2014」というのは、
今年に入ってから前大統領であるスシロ・バンバン・ユドヨノが発令したものです。
どんな命令だったのでしょう?
それは、バリの主要県である「Sarbagita=デンパサール・バドゥン・ギアニャール・タバナン」の
4県においての都市開発に関わるもので、まさにベノア湾一帯を「開発可能区域」に定めたものなのです。
だから、「Batalkan Perpres No, 51 / 2014」とあるのは「大統領令 No, 51 / 2014を撤回せよ」という
意味になるんですね。

ちょっと長くなってしまいますが、ここでもうひとつ、重要なポイントがあります。
実は、先の2011年に、ユドヨノ大統領自らが「Perpres No 45/2011 」という大統領令を発令したのですが、
それは「ベノア湾一帯を保護水域(保全水域)とし、開発してはいけない」というものだったのです。

あれれ?
なんだか変ですよね。
せっかく自分で保護水域に定めたのに、
デベロッパーが巨大な開発計画を持ち出すや否や、
勝手に「開発していいよ〜」と命令を変えてしまったんですよ。

では「Perpres No 45/2011 」と、それを変えた「Perpres No, 51 / 2014」の違いを見てみましょう。
左側がベノア湾一帯を水域保護区に定めた「Perpres No 45/2011 」
右側がそれを大幅に変えてしまった「Perpres No, 51 / 2014」。
紫色の区域が、水域保護区を表しています。



デベロッパーTWBI による一大レジャー施設建設の予定地が、
まるごと保護水域から外されているのが一目瞭然です。


そして2012年12月、ついに、バリ州の州知事である I Made Mangku Pastika までもが、
水域保護区開発計画を許可してしまったのです。
何の発表も無しに。バリの市民にも誰にも知らせないまま、裏でこっそりと。

そりゃバリ人は怒りますわな。
金のニオイがプンプンですわ。
どこぞの国と全く同じです。
もう、私の反骨精神がブリブリ音を立てて奮い立っております。

長くなったので、続きは明日。

脱力画像脱力画像プリーズっ!!!(はあはあ)









バリ島ウブドの情報はここ!

【APA? インフォメーション・センター】 お宿・アクティビティやスパのご予約、トランスポートなど、日本語で安心&快適滞在をお手伝いします。