段ボールの備忘録

'80~'90年代のYAMAHAに乗ってます、メンテ記録のメモ代わりなブログです。

オイルポンプ-内部構造

2017年11月27日 | 1KT(TZR250)

さて、オイルポンプ…オイルがどこから入って、どこへ出て行くのか、その仕組みである。

写真左:ポンプ下側  右:ポンプ上側 であるが写真右の、回転するシリンダーが納まる丸い円筒に小さな穴…

同じく写真左の、シリンダーが納まる丸の上に小さな穴。

これはポンプ底部に溜まったオイルが通るポートで、内部でつながっている。

反対側から見ると同じように小さな穴が開いている。

こちらの穴は下から上まで貫通しており、途中にポートが設けてある。

オイルチャンバーとでも呼ぼうか、ポンプ底部に溜まったオイルがここを通って

ポンプ上部に上がってくるわけで、赤いノズルの先にエア抜き用のスクリュがある。

スクリュの反対側は上部への貫通はない。

オイルチャンバーから円筒内のポートにつながって終わりである。

赤いノズルは円筒内へオイルの入ってくるポートのある方向で

 黄色のノズルは円筒からオイルが出ていく方向である。

円筒内のポートまで入ってきたオイルを、いかにして吐出側ポートに運ぶのか…

これをやっているのが、下の回転するシリンダーとプランジャーである。

シリンダーにプランジャーをセットすると、プランジャーの先のピストンがちょいと見える…

プランジャーのピンが、シリンダーのカムに乗ると、ピストンが引っ込み、この空間にオイルが入る。

回転シリンダーのカムの高さは、約2ミリくらいか…

…と、するとプランジャーのピストン径×2ミリがこのポンプの最大吐出量になる。

全開時は、この量が供給されるわけだ。

ピストンと回転シリンダの間にはオイルシールが入る。

ここはシリンダーが回転しながらピストン自体が上下に動くため

大きさの割りにはシール性負荷が大きいのではないか…オイルポンプの心臓部とも言える

ここが漏れてしまうと「吸引・圧送」に影響がでる。

さて、実際に吸引・吐出ポートと回転シリンダ、プランジャの3つの動きを合成して見てみる。

写真、左右方向に吸引ポート、手前と奥方向に吐出ポートである。

プランジャのピンは上フタに溝が切ってあり、その中で上下に動くので回転シリンダと一緒に回ることはない。

プランジャのピンがカムに乗る直前のこの位置は、回転シリンダのポートと

ポンプ・ボディ側のポートが重なり始める位置である。

上の写真でいえば、回転シリンダのポートから、プランジャ・ピストンがチラっと見える状態である。

ここでウォームギアにより、シリンダーが回転するとピンがカムに乗るわけだが

この時、ボディ側、シリンダ側の二つの重なり合う円を通ってオイルがシリンダの中に吸引される。

つまり、カムの斜面の長さ=2つの円の交差してる時間 でもある。

シリンダが回転しカムが下がり始める頃に

吐出ポートとシリンダポートが重なり始め…

シリンダ内のオイルは、ピンがカムを降りる間に吐出ポートに吐き出され

オイルはニップル内のチェックボールを押してポンプ外に出る。

空になったシリンダは次の供給ポートへ向かい…

プランジャが上がることにより、シリンダ内にオイルを吸い込み…

写真奥の吐出ポートに着く頃…

プランジャがカムを降りて、オイルが奥のポートに吐き出される…

プランジャのピンは、上フタの中の溝の中で上下に動くので、常に一定の向きで動くのだが

ここはオイルシールの外なので、組み上げ時には忘れずにグリスを注さないと磨耗しそう…

上フタのオイルシールは回転シリンダとしゅう動はするが、上下方向の動きは無いので

回転シリンダ内のシールよりはラクかもしれない。

ポンプの頂点からオイルが漏れてる場合は、どちらかのシールが終わってるということか…

しっかし…DTのポンプがチェックボールにゴミが溜まったということは、

あのポートをすり抜けたということか…ある意味、すごいことかもしれないw

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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