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生後6か月頃から2歳半までが最もやけどを受けやすい年齢です。体が小さいために、やけどの占める割合が広く、重症になりやすいのが特徴です。外見上はやけどがなくても熱い空気を吸い込んで気管がやけどしていることもあります。また、皮膚が薄いため、深いやけどになりやすく、治っても瘢痕を残しやすいので注意が必要です。
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お湯(ポット、湯飲み、やかん、鍋など)、食卓の上のスープやみそ汁、ラーメンなどをこぼして起こることが多いです。親がうっかりこぼしたり不注意でこどもにやけどをさせることが多くみられます。2歳頃になると行動半径が広がり、ストーブ、アイロン、フライパンなど熱いものに触れたり、炊飯器の蒸気に触れたりしてやけどをします。最も重症なものとして熱い風呂への転落事故によるやけどがあります。
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軽いやけどの場合は皮膚があかく(発赤)、はれぼったく(腫脹)なります。そして熱感と痛みがあります。もう少し深くやけどをしますと、水ぶくれ(水泡)ができ水泡の底の面が赤くなったりひどい場合は水泡の底が白く見えます。
火傷3度といってもっとも深いひどいやけどの場合は、皮膚が蒼白で薄くなり(羊皮紙様)、痛みもなく、場合によっては皮膚全体が炭化しています。
やけどの占める割合を簡単に知る方法として、やけどした子どもの手のひらの大きさを体全体の体表面積の1%として計算する方法があります。たとえば手のひら2個分のやけどの範囲であれば、体表面積の2%の受傷とおよその範囲を概算します。
病気の程度はこのやけどの深さとひろさにより軽症から重症まであります。
次のような症状がある時は、まず水道水でよく冷やし、ナイロン袋に氷水を入れて冷やしながら、直ちに医師の診察を受けて下さい。
皮膚の赤くなっている範囲が子供の体にとって大きい。
水ぶくれができている、または水ぶくれがやぶれている。
やけどの部分が白色に変わっている。
やけどの部分が黒くなっている。
顔にやけどをした。
手足の関節にやけどをした。
外陰部にやけどをした。
水ぶくれができていてもつぶさず、皮膚に衣服がついていても、無理に衣服を剥がしてはいけません。また、やけど部分に、消毒剤、軟膏、油など一切つけないようにして下さい。
ショック状態は
呼吸が苦しそうである。
痰に黒っぽいものが出る。咳がかすれている。
ぐったりして元気がなく、呼びかけても反応が悪い。
顔面が蒼白で唇が青白い。
手足も青白く、冷たい。
冷や汗をかく。
以上のような症状が出た時は、やけどによりショック状態になっています。
毛布などで保温し、少し足を高くして安静にし、直ちに救急車を呼んで下さい。