現在小学校6年生に接種中のジフテリア・破傷風(2混)ワクチンについてお話します。
ジフテリア
【疫学】
ジフテリアはロシア、東ヨーロッパに多く発生します。
ジフテリアは、ジフテリア菌の飛沫感染で起る急性細菌性疾患です。
ジフテリアは感染した10%程度の人に発症し、残りの人は不顕性感染のため保菌者となり、その人を通じて感染します。
【症状】
潜伏期間は2~10日間で、主な症状は、高熱、喉の痛み、嘔吐などです。
時に窒息死することがあります。
発病2~3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経麻痺を起こすことがあります。
熱帯地方では皮膚型(細菌が皮膚に限局した)が多く、接触感染の危険性があります。
【予防】
ジフテリアを予防するには予防接種をお勧めします。
過去に3種混合ワクチンを3回接種した方が、2種混合ワクチン(DTワクチン)を追加すると10年間免疫が有効になります。
破傷風
【疫学】
破傷風は全世界で発症していますので、全ての人にお勧めです。
破傷風菌は世界中の土壌中に分布し、先進国でも傷口の約2%から破傷風菌が検出されています。
舗装道路の少ない発展途上国で問題となっています。
【症状】
嫌気性菌で、主に傷口から進入して体内で増殖。傷口が治る頃に毒素を生産します。この毒素が神経を麻痺させます。
潜伏期間は、通常4日~3週間です。
【予防】
破傷風を予防するには予防接種をお勧めします。
過去に3種混合ワクチンを3回接種した方が、2種混合ワクチン(DTワクチン)を追加すると10年間免疫が有効になります。