あやし小児科医院 第2ホームページ

あやし小児科医院第1ホームページに載せきれなかった情報、横道にそれた話題をランダムに掲載します。

2種類のインフルエンザワクチン

2004-12-28 17:26:41 | Weblog
Q. 子どもにインフルエンザワクチンを受けさせようと思っていますが、新聞記事に防腐剤として有機水銀化合物が添加されているという記事を読んで気になっています。

A. 問題の有機水銀化合物はチメロサールと言い、過剰摂取すると神経障害を引き起こす事が知られています。アメリカで自閉症との関連があるのではないかと言われたこともありましたが、因果関係は否定されています。
ワクチンへの添加量は微量ですが、こうした防腐剤はなければない方がよいわけで、アメリカではチメロサール無添加のワクチンの使用が進んでいます。
日本でも早期の添加中止に向け、代替製品の開発をメーカーに要請しています。
現在、日本では4社がインフルエンザワクチンを製造していますが、チメロサール添加量は異なっています。北研は2003年からチメロサール0の製品を出しました。一方で切り替えが遅れているメーカーもあります。各社の添加量は次のとおりです。(2004年8月現在)

メーカー    チメロサール(mg/ml)
化血研      0.005
デンカ生研    0.004
阪大微研     0.008
北研       0.005または0
         (含有量0の製品に切り替え中)

ごらんのようにインフルエンザワクチンと言っても中身はいろいろです。チメロサール含有量が多い製品は一般に安価です。医療機関によって接種料金が異なる要因にもなっています。(チメロサール無添加の製品は、仕入値が高価で生産量の少ない事がネックです。)
阪大微研の製品は現在のところチメロサールの含有量が最も多いと言えます。ワクチンを受ける前にどこのメーカーの製品を使用しているかご確認されてはいかがでしょうか。当院では北研の製品を使用しています。

なお当院で使用している日本脳炎、2種混合、3種混合ワクチンは全てチメロサール・ゼロのものを採用していますのでご安心下さい。
麻疹、風疹などの生ワクチンについてはチメロサール含有の製品は製造されていません。

(写真)左がチメロサール含有、右がチメロサール・ゼロ(シールに「S」と書いてあります)の製品。仕入れ値は右が左の3倍となります。