あやし小児科医院 第2ホームページ

あやし小児科医院第1ホームページに載せきれなかった情報、横道にそれた話題をランダムに掲載します。

ロタウイルスワクチンは生後6~12週に!(13週以後は接種すべきでない)

2012-05-30 21:19:36 | Weblog

2011年11月にグラクソスミスクライン(GSK)社から発売されたロタウイルスワクチン(ロタリックス)。

その添付文書には 「生後6週間から初回接種を開始し、少なくても4週間の間隔をおいて2回目の接種を生後24週までに完了する」 と記載されている。

 

 

しかし1998年にアメリカで、ワイス社から「ロタシールド」というワクチンが発売され、これを生後13週以降に接種された乳児10万接種あたり22人に腸重積が発生した。

そのためワイス社は同ワクチンを回収した=「ロタシールドの悪夢」と名付けられている。

 

現在、WHO、ACIP、欧州小児科学会、欧州小児消化器病・肝臓・栄養学会は生後生後12~14週を接種限界としている。

GSK社の添付文書の接種期間を大きく越えるものであり、生後13週以降に1回目、2回目を接種されるとすれば、今後腸重積の発生が懸念される。

このワクチンはロタウイルス胃腸炎の重症化を防ぐものであり、感染を抑えるものではない。接種料金は1回12000円から15000円と高価なので、接種する必要があるのかどうか迷うところである。

 

自主的な防衛策としては、是非 「ロタウイルスワクチンは1回目も2回目も、生後6~12週に接種する」 と決めておきたい。

 

ロタウイルスワクチンと腸重積の関係については以下の論文が出ている。

◆初承認されたロタウイルスワクチン(ロタリックス)の接種時期に関する添付文書の懸念

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座准教授  中込とよ子
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座教授  中込 治

http://www.jmedj.co.jp/article/detail.php?article_id=13704

 


◆わが国にロタウイルスワクチンは必要か?

Rotavirus vaccine : Is there a need in Japan ?
モダンメディア 54 巻11 号2008[ウイルス] 317

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
感染免疫学講座分子疫学分野
中込 治、 中込 とよ子

http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0811_01.pdf#search='

 

■ロタウイルスワクチンの腸重積症リスク

「New England Journal of Medicine」12/1号


ポリオ 不活化ワクチンの接種回数

2012-05-01 20:56:14 | Weblog

第3回 不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会

平成24年4月23日(月)  厚生労働省健康局結核感染症課
不活化ポリオワクチンの導入に関する方針について(案)

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002935e-att/2r9852000002937t.pdf#search='

 

不活化ポリオワクチンの導入に関する方針について(案)

【薬事承認上の用法・用量】

■ 単独の不活化ポリオワクチン
・通常、1回0.5mLずつを3回以上、皮下に注射する。
・接種上の注意:初回免疫については、生後3ヶ月から初回接種を開始し、3週間以上の
間隔をおいて3回接種する。なお、国内臨床試験を実施中のため、4回接種(追加免疫)後
の有効性及び安全性は現時点では確立していない。
※3回接種時に薬事申請が行われたため、現時点では暫定的にこのような用法で承認
されており、4回接種のデータが整った際に見直される予定。

■ 4種混合ワクチン
・現時点で未定であるが、現在の3種(百日せき・ジフテリア・破傷風)混合ワクチンと同様に
なることが想定される。

※参考:3種混合ワクチン
・初回免疫
通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも3~8週間の間隔で皮下に注射する。
・追加免疫
通常、初回免疫後6か月以上の間隔をおいて、(標準として初回免疫終了後12か月
から18か月までの間に)0.5mLを1回皮下に注射する。
接種方法・接種間隔等


複数のポリオワクチンの接種に関する対応(案)

○ 生ポリオワクチンを1回も接種していない者は、原則として単独の不活化ポリオワクチンを
4回接種することとする。 <通知で示す>
※ 4種混合ワクチン導入後は、3種混合ワクチン未接種者については、原則として4種混合
ワクチンを使用する。<通知で示す>

○ 生ポリオワクチンを1回接種した者については、4回の不活化ポリオワクチンの接種のうち1回
の接種を終えたものとみなし、残り3回の不活化ポリオワクチンの接種を行う。<通知で示す>
※生ポリオワクチンを1回接種した者は、既に3種混合ワクチンの接種を開始している者が大半
であると考えられることから、原則として単独の不活化ポリオワクチンを使用することとする(注)。
<通知で示す>

○ 3種混合ワクチンを1回以上接種した者については、原則として単独の不活化ポリオワクチン
を使用することとする(注)。<通知で示す>

○ 生ポリオワクチンを2回接種した者については、追加接種不要とする。 <通知で示す>
(注) 今後、国内における臨床研究によって、単独の不活化ポリオワクチンと4種混合ワクチンを
併せて使用することについて、同等の効果が得られることが明らかになった場合には、4種混合
ワクチンの導入までに、「例外として、接種スケジュール上支障がない場合には、単独の不活化
ポリオワクチンと4種混合ワクチンの併用ができる」ことを周知することとする。

 

不活化ポリオワクチンの導入時期(案)

○ 単独の不活化ポリオワクチンの定期接種としての導入は、平成24年9月1日とする。
○ 4種混合ワクチンの定期接種への導入については、単独の不活化ポリオワクチンの導入後
できるだけ早期に導入を目指すこととし、4種混合ワクチンが発売され次第、導入する(11月
目途)。
○ 単独の不活化ポリオワクチンの導入後、4種混合ワクチンが未導入の段階においては、
3種混合ワクチンの未接種者についても、単独の不活化ポリオワクチンと3種混合ワクチンを
併用することで対応する。