パドルテニスという比較的マイナーなニュースポーツをご紹介します。
パドルテニスは1898年にアメリカで考案されたスポーツで、すでに100年以上の歴史があります。
もともとは親と一緒にテニスクラブに来た子供のため、テニスコートを二等分して遊ばせたのが始まりだと言われています。
これが意外に面白かったことから次第に大人の間でも人気が高まり、コートの大きさやルールも統一され、独自のスポーツとして確立しました。
世界的にみるとアメリカの西海岸地区で最も盛んです。
その他はヨーロッパ及びアジアの一部で行われている程度で、競技人口はまだ多くありません。
日本には1975年頃に導入されました。
1979年1月に日本パドルテニス協会が設立され、当初関東を中心に普及が始まりました。
指導者養成の講習会を全国各地で開催することで、北海道から九州まで徐々に競技人口が増えつつあります。
全国大会も年1回開催されており、昨年軽井沢で第24回大会が行われました。
仙台地区では2000年頃からサークルがいくつか立ち上がり、2014年4月に正式に仙台市パドルテニス協会が設立されました。
現在仙台市では次の4つのサークルが活動しています。
パドルビー(火曜午後)、パドルテニスクラブ青葉(水曜午後)、TSパドルテニス(日曜午後)、仙台パドルテニスクラブけやき(日曜夜)。
複数のサークルに参加しているメンバーも多数います。
「テニス」と名のつくニュースポーツには、ミニテニス、バウンドテニス、フリーテニス、エスキーテニスなどがありますが、それらの中で、最も硬式テニスに近いのがパドルテニスです。
使用するボールは硬式テニスのボールと外観・大きさ・材質が同じです。
ただし空気圧はテニスボールより若干低く(1.8mの高さから落として78.7cm~84.0cmの間にバウンドするよう)設定されています。
そのため指で押すと若干凹み、身体に当たってもそれほど痛くありません。
ルールもサービス以外は基本的に硬式テニスと同じです(サービスはアンダーハンドで1球のみ)。
ゲームはダブルス中心に行われますが、バウンドテニスのようにペアが交互に打たなければならないという縛りはありません。
スコアのコールもテニスと同じです。そのため硬式テニスの技量がそのまま応用できます。
ラケットは「縦長が46.0cm、横幅が24.0cm以下」とする寸法だけが規定されており、重さ・材質・表面の形状についての規定はありません。
ただしガットを張ったものは使用できません。
卓球のラケットを大きくしたようなラケットの形が舟の櫂に似ており、櫂をパドル(paddle)と呼ぶことからパドルテニスの名称がつけられました。
↑左から硬式テニス、バウンドテニス、パドルテニスのラケット
コートの大きさは縦15.24m×横6.10mで、約28坪となります。
ちなみにテニスのダブルスコートは縦23.77m×横10.97m(約77坪)ですので、パドルテニスはテニスの36%の面積(1人当たり7坪)をカバーすれば良いことになります。
従って「走ってなんぼ」の硬式テニスから引退を考え始めているプレーヤーには特にお勧めしたい競技です。
ネットの高さは中央で76.2cmと、テニスのネットより15cmほど低くなっています。
宮城県にはまだ専用コートはなく、市民センターなど小体育館のバドミントンコートを利用しています。
パドルテニスのコートはバドミントンコートと幅が同じで、長さが1.84m長いことから、マーキングテープで縦方向に延長して利用します。
基本的に室内競技であり、天候、季節に関係なくプレーできるのは大きな利点です。
さらにパドルテニスには以下の特長があるために生涯スポーツとして急速に普及してきています。
①体力と健康の維持増進のための運動量が充分にある。
②他のラケットスポーツに比べて技術的に易しい。
③年齢性別にかかわらず、それぞれの体力と運動能力に合わせて競技を楽しめる。
④用具費と設備費が安価なので手軽に始められる。
⑤テニスの入門段階、特に児童にテニスを教える手段として極めて有用である。
宮城県内では仙台市の他、鳴子、小牛田、多賀城、鳴瀬、涌谷、南郷などにチームがあり、各チームの交流・親善を図るため年1回、県大会が開催されています。
平成27年12月6日には第17回大会が美里町トレーニングセンターで開催されました。
その大会には三鷹市や田村市、にかほ市など県外からの参加者を含む130名の選手が集い、日頃の練習成果を競い合いました。
参加者の年齢は、最年少が8歳、最高齢が80歳と幅広い年齢層となりました。
拙文を読んでパドルテニスに興味を持った方がいらっしゃれば、仙台パドルテニス協会が定期的に開いている体験会にご参加されることをお勧めします。
下記のサイトに体験会の日程、参加申込みの連絡先が記載してあります。プレーの動画も見られるようになっています。
一人でも多くの方にパドルテニスの面白さを知っていただければ、この上ない喜びであります。
仙台パドルテニス協会 https://sites.google.com/site/sendaipaddletennis/
参考:パドルテニスクラブ青葉創設の頃の記事(2006年10月)↓
http://blog.goo.ne.jp/daisuke-nana/e/643286407f082dc5e064e0b1e41fd187