あやし小児科医院 第2ホームページ

あやし小児科医院第1ホームページに載せきれなかった情報、横道にそれた話題をランダムに掲載します。

おたふくかぜ、4年半ぶりに全国的な流行

2016-02-23 19:19:27 | Weblog

 
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)の患者が増えていて、4年半ぶりに全国的な流行の兆しを見せている。

今月4〜10日に全国約3000の小児科から報告された患者数は3771人で、1医療機関当たり患者数は2011年7月以来で初めて1を超える1.20に達した。

20道府県が1以上で、注意報レベルの3を超えたのは佐賀(5.00)、宮崎(4.23)、石川(3.31)、沖縄(3.21)の4県。

東日本でも山形(2.50)、千葉(1.77)などで患者が多い。

 

おたふくかぜはムンプスウイルスに感染することで発症する。

潜伏期間が2〜3週間と長く、耳やあごの下が腫れて熱が出る。

近年は4〜5年周期で流行しているが、周期の理由ははっきりしない。

春から夏にかけ患者数が増える傾向がある。

 

特効薬はなく、安静にして腫れた部分に冷湿布を当て、柔らかい食事を与え、うがいをたびたび行って口中を清潔にしておけば、1週間くらいで熱や腫れが引いて治癒する。

通常は2週間以内に自然に治るが500人~1000人に1人程度の割合で難聴になる。

難聴は通常片側のことが多いが、治療はなく回復は難しい。

ウイルスが頭部に移行して脳炎や髄膜炎をおこすと、頭痛、嘔吐、意識混濁、けいれんなどの症状を呈する。

成人、年長児が罹患した場合には精巣炎や卵巣炎をおこすことがあり、両側の精巣が侵されると男性不妊症の原因となる。

 

発熱の初期から解熱後1週間までは飛沫感染の危険があり、耳下腺の腫れが完全に消失するまでは幼稚園や学校を休ませる。

予防には弱毒生おたふくかぜワクチンが有効である。なるべく2回接種することが望ましい。

一度かかれば終生免疫が得られる。


インフルエンザ、全国警報レベル 患者164万人に

2016-02-16 16:42:39 | Weblog


2016年2月16日08時56分

    朝日新聞デジタル
  
 
国立感染症研究所(感染研)は15日、インフルエンザの流行が全国的に警報レベルに達したと発表した。

感染研によると、全国約5千カ所の定点医療機関から直近の1週間(1~7日)に報告されたインフルエンザの患者数が、1医療機関あたり34・66人となり、警報レベルの「30人」を超えた。

全国の患者数は推計で約164万人で、前週(1月25~31日)と比べ約57万人増えた。年齢別では5~9歳が約40万人と最も多かった。

都道府県別でみた1医療機関あたりの患者数は、神奈川の48・95人が最も多く、埼玉47・52人、愛知45・24人、千葉44・91人、福岡44・40人と続いた。このほか、北海道43・75人、沖縄42・03人、新潟41・39人、東京39・43人、長崎39・41人、山口38・42人、茨城37・61人、大分37・59人、山梨36・33人、広島35・10人などで多かった。計24都道府県で警報レベルになった。

直近の5週間に検出されたウイルスは、2009~10年に新型として流行したA09年型が最も多く、次いでB型、A香港型だった。


ジカウイルス感染症に関するQ&A (厚生労働省)

2016-02-06 20:32:17 | Weblog

  
問1 ジカウイルス感染症とは、どのような病気ですか?

答  ジカウイルスが感染することによりおこる感染症で、軽度の発熱、発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛などが主な症状です。


問2 どのようにして感染するのですか?

答 ジカウイルスを持った蚊がヒトを吸血することで感染します(蚊媒介性)。基本的に、感染したヒトから他のヒトに直接感染するような病気ではありませんが、稀なケースとして、献血や性交渉による感染が指摘されています。また、感染して全員が発症するわけではなく、症状がないか、症状が軽いため気付かないこともあります。
妊娠中の女性が感染すると胎児に感染する可能性が指摘されていますが、その感染機序や感染時期はわかっていません。

 
問3 世界のどの地域が流行地ですか?

答 アフリカ、中央・南アメリカ、アジア太平洋地域で発生があります。特に、近年は中南米及びその周辺地域で流行しています。

 

問4  日本国内での発生はありますか?

答  日本国内で感染した症例はありません。海外の流行地で感染し、発症した症例が、 2013 年以降、3例国内で見つかっています。
IASR(2014年2月号)フランス領ポリネシア・ボラボラ島帰国後にZika feverと診断された日本人旅行者の2例
IASR(2014年10月号)タイ・サムイ島から帰国後にジカ熱と診断された日本人旅行者の1例


問5 感染を媒介する蚊は日本にもいますか?

答 ヤブカ属のネッタイシマカやヒトスジシマカが、ウイルスを媒介することが確認されています。ネッタイシマカは、日本には常在していませんが、ヒトスジシマカは、日本のほとんどの地域(秋田県および岩手県以南)でみられます。

 

問6 治療薬はありますか?

答 ジカウイルスに対する特有の薬は見つかっておりません。対症療法となります。

 

問7 罹ると重い病気ですか?

答 ジカウイルス感染症は、感染しても 症状がないか、症状が軽いため気付きにくいこともあります。症状は軽く、2~7日続いた後に治り、予後は比較的良好な感染症です。 

 

問8 妊婦や胎児にジカウイルス感染症はどのように影響しますか?

答  ブラジル保健省は、妊娠中のジカウイルス感染と胎児の小頭症に関連がみられるとの発表をしており、 2016 年1月 15 日には、米国 CDC が、妊娠中のジカウイルス感染と小頭症との関連についてより詳細な調査結果が得られるまでは、流行国地域(問 3 参照)への妊婦の方の渡航を控えるよう警告し、 妊娠予定の女性に対しても主治医と相談の上で、厳密な防蚊対策を推奨しました。

1月21日には、 ECDC (欧州疾病対策センター)は、流行地域への妊婦及び妊娠予定の方の渡航を控えることを推奨しました。また、 2月1日に、 WHO は、緊急委員会を開催し、小頭症及びその他の神経障害の集団発生に関する「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態( PHEIC )」を宣言しました。現在、小頭症や神経障害とジカウイルスとの関連についての調査が行われています。

 

問9 どのように予防すればよいですか?

答 海外の流行地にでかける際は、蚊に刺されないように注意しましょう。長袖、長ズボンの着用が推奨されます。また蚊の忌避剤なども現地では利用されています。

近年、ブラジルにおいて小頭症の新生児が増えており、ジカウイルスとの関連が示唆されています。このため、妊婦及び妊娠の可能性がある方の流行地への渡航を控えた方がよいとされています。やむを得ず渡航する場合は、主治医と相談の上で、厳密な防蚊対策を講じることが必要です。

 

問10 予防接種はありますか?

答 ジカウイルス感染症に有効なワクチンはありません。

 

問11 海外旅行中(流行地域)に蚊に刺された場合はどこに相談すればよいですか?

答  すべての蚊がジカウイルスを保有している訳ではないので、蚊に刺されたことだけで過分に心配する必要はありません。

心配な場合は、帰国された際に、空港等の検疫所でご相談ください。また、帰国後に心配なことがある場合は、最寄りの保健所等に御相談ください。なお、発熱などの症状がある場合には、医療機関を受診してください。

 

問12 日本国内でジカウイルスに感染する可能性はあるのでしょうか?

答 日本にはジカウイルス感染症の媒介蚊であるヒトスジシマカが日本のほとんどの地域(秋田県および岩手県以南)に生息しています。このことから、仮に流行地でウイルスに感染した発症期の人(日本人帰国者ないしは外国人旅行者)が国内で蚊にさされ、その蚊がたまたま他者を吸血した場合に、感染する可能性は低いながらもあり得ます。ただし、仮にそのようなことが起きたとしても、その蚊は冬を越えて生息できず、限定された場所での一過性の感染と考えられます。なお、ヒトスジシマカは、日中、野外での活動性が高く、活動範囲は50~100メートル程度です。国内の活動時期は概ね5月中旬~10月下旬頃までです。

 

 


パドルテニスへのお誘い

2016-02-01 20:41:08 | Weblog

パドルテニスという比較的マイナーなニュースポーツをご紹介します。

 

パドルテニスは1898年にアメリカで考案されたスポーツで、すでに100年以上の歴史があります。

もともとは親と一緒にテニスクラブに来た子供のため、テニスコートを二等分して遊ばせたのが始まりだと言われています。

これが意外に面白かったことから次第に大人の間でも人気が高まり、コートの大きさやルールも統一され、独自のスポーツとして確立しました。

 

世界的にみるとアメリカの西海岸地区で最も盛んです。

その他はヨーロッパ及びアジアの一部で行われている程度で、競技人口はまだ多くありません。

 

日本には1975年頃に導入されました。

1979年1月に日本パドルテニス協会が設立され、当初関東を中心に普及が始まりました。

指導者養成の講習会を全国各地で開催することで、北海道から九州まで徐々に競技人口が増えつつあります。

 

全国大会も年1回開催されており、昨年軽井沢で第24回大会が行われました。

仙台地区では2000年頃からサークルがいくつか立ち上がり、2014年4月に正式に仙台市パドルテニス協会が設立されました。

現在仙台市では次の4つのサークルが活動しています。

パドルビー(火曜午後)、パドルテニスクラブ青葉(水曜午後)、TSパドルテニス(日曜午後)、仙台パドルテニスクラブけやき(日曜夜)。

複数のサークルに参加しているメンバーも多数います。

 

「テニス」と名のつくニュースポーツには、ミニテニス、バウンドテニス、フリーテニス、エスキーテニスなどがありますが、それらの中で、最も硬式テニスに近いのがパドルテニスです。

使用するボールは硬式テニスのボールと外観・大きさ・材質が同じです。

ただし空気圧はテニスボールより若干低く(1.8mの高さから落として78.7cm~84.0cmの間にバウンドするよう)設定されています。

そのため指で押すと若干凹み、身体に当たってもそれほど痛くありません。

 

ルールもサービス以外は基本的に硬式テニスと同じです(サービスはアンダーハンドで1球のみ)。

ゲームはダブルス中心に行われますが、バウンドテニスのようにペアが交互に打たなければならないという縛りはありません。

スコアのコールもテニスと同じです。そのため硬式テニスの技量がそのまま応用できます。

 

ラケットは「縦長が46.0cm、横幅が24.0cm以下」とする寸法だけが規定されており、重さ・材質・表面の形状についての規定はありません。

ただしガットを張ったものは使用できません。

卓球のラケットを大きくしたようなラケットの形が舟の櫂に似ており、櫂をパドル(paddle)と呼ぶことからパドルテニスの名称がつけられました。

  ↑左から硬式テニス、バウンドテニス、パドルテニスのラケット

 

コートの大きさは縦15.24m×横6.10mで、約28坪となります。

ちなみにテニスのダブルスコートは縦23.77m×横10.97m(約77坪)ですので、パドルテニスはテニスの36%の面積(1人当たり7坪)をカバーすれば良いことになります。

従って「走ってなんぼ」の硬式テニスから引退を考え始めているプレーヤーには特にお勧めしたい競技です。

ネットの高さは中央で76.2cmと、テニスのネットより15cmほど低くなっています。

 

宮城県にはまだ専用コートはなく、市民センターなど小体育館のバドミントンコートを利用しています。

パドルテニスのコートはバドミントンコートと幅が同じで、長さが1.84m長いことから、マーキングテープで縦方向に延長して利用します。

基本的に室内競技であり、天候、季節に関係なくプレーできるのは大きな利点です。

 

さらにパドルテニスには以下の特長があるために生涯スポーツとして急速に普及してきています。

①体力と健康の維持増進のための運動量が充分にある。

②他のラケットスポーツに比べて技術的に易しい。

③年齢性別にかかわらず、それぞれの体力と運動能力に合わせて競技を楽しめる。

④用具費と設備費が安価なので手軽に始められる。

⑤テニスの入門段階、特に児童にテニスを教える手段として極めて有用である。

 

宮城県内では仙台市の他、鳴子、小牛田、多賀城、鳴瀬、涌谷、南郷などにチームがあり、各チームの交流・親善を図るため年1回、県大会が開催されています。

平成27年12月6日には第17回大会が美里町トレーニングセンターで開催されました。

 

その大会には三鷹市や田村市、にかほ市など県外からの参加者を含む130名の選手が集い、日頃の練習成果を競い合いました。

参加者の年齢は、最年少が8歳、最高齢が80歳と幅広い年齢層となりました。

 

拙文を読んでパドルテニスに興味を持った方がいらっしゃれば、仙台パドルテニス協会が定期的に開いている体験会にご参加されることをお勧めします。

下記のサイトに体験会の日程、参加申込みの連絡先が記載してあります。プレーの動画も見られるようになっています。

一人でも多くの方にパドルテニスの面白さを知っていただければ、この上ない喜びであります。

仙台パドルテニス協会 https://sites.google.com/site/sendaipaddletennis/ 

 

参考:パドルテニスクラブ青葉創設の頃の記事(2006年10月)↓

http://blog.goo.ne.jp/daisuke-nana/e/643286407f082dc5e064e0b1e41fd187

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


光の春

2016-02-01 20:32:57 | Weblog

今日から2月。

今朝、車の窓が凍っていたが、その後は日が射してよい天気になった。

この冬、仙台は1月中旬まで雪が降らなかったが、1月18日から3週連続で週末に降雪があった。

しかしその翌日か、翌々日からは晴れ、根雪にはならなかった。

鶴嘴(つるはし)で氷を割ることもなかった。


思えば去年の冬は何度も鶴嘴を振るった。

氷は塊のままだとなかなか溶けないが、砕いておくとすぐに溶ける。

氷の下がアスファルトの場合、それを傷めないように鶴嘴を寸止めする。

それには少々コツがいるし、腰を傷めやすい。

 

寒い日はまだ続いているが、少しずつ日は長くなり、夕方5時でも明るくなった。

日の光の中にも、どことはなしに春を感じるようになった。



近所の公園にも遊ぶ子供たちの姿があった。

気象予報士、故・倉嶋厚の「気象歳時記」に次のような記載がある。


・・・・・二月の光は誰の目から見てももう確実に強まっており、風は冷たくても晴れた日にはキラキラと光る。


厳寒のシベリアでも軒の氷柱から最初の水滴の一雫が輝きながら落ちる。


ロシア語でいう「光の春」である。


ヨーロッパでは二月十四日のバレンタインの日から小鳥が交尾を始めると言われてきた。


日本でも二月にはスズメもウグイスもキジバトも声変わりして、異性を呼んだり縄張りを宣言する独特の囀りを始める。


ホルモン腺を刺激して小鳥たちに恋の季節の到来を知らせるのは、風の暖かさではなく光の強まりなのである。


俳句歳時記の春の部には「鳥の妻恋」という季語が載っている。

 

「光の春」の元のロシア語は「ベスナー・スペータ」と言います。