今年(2015年)3月~4月にかけて、伝染性紅斑の患者数が5週連続で増加しています。
これは過去10年間の同時期で3番目に多い数です。
特に、妊婦が感染すると流産を引き起こすことがあるため、注意が必要です。
◆過去10年で3番目に多い感染者数
「リンゴ病」は「伝染性紅斑」の通称です。
最近では、幕内力士の大砂嵐がこの病気の疑いで入院し、話題となりました。
国立感染症研究所感染症疫学センターの報告によると、リンゴ病患者が過去5週連続で増加しています。
◆リンゴ病とはどんな病気?
リンゴ病は、ヒトパルボウイルスB19を病原体とする感染症です。
罹患することが多いのは4~5歳を中心とする幼児や学童ですが、大人にも感染します。
特徴的な症状として、両頬が発疹で赤くなる症状(紅斑)から「リンゴ病」と呼ばれるようになりました。
一度かかれば免疫がつき、一生かかりません。
●感染経路
主に飛沫感染もしくは接触感染(まれにウイルス血症の時期に採取された血液製剤からの感染)です。
●潜伏期間
感染から5日~10日間前後。
この時期に血液中にウイルスが混じり、体液などの飛沫によって他者に感染します。
●症状
感染後1週間前後から両頬に紅斑が生じ、続いて腕や脚(まれに体幹部にも)紅斑が見られます。
大人の場合は発熱、頭痛、関節痛などが(1~4週間)起こりますが、子供の場合は紅斑以外の症状は出ないか軽微です。
ワクチンがないので子供のうちにかかってしまった方が楽です。
●妊婦の場合
妊婦が感染すると流産する可能性があります。
妊娠前期がより危険性が高いですが、後期でも胎児感染が生じる場合があります。
●治療
ウイルスに対する決定的な治療法はなく、感染したら自然治癒を待つしかありません。
◆どうしたら感染を防げる?
上記のように、症状が現れる前に他者に感染してしまうため、リンゴ病の予防は極めて困難です。
外出時はマスクを着用し、うがいや手洗いを徹底しましょう。
人混みにはなるべく近づかないことが大事です。
免疫のない妊婦さん場合、学校や幼稚園などでリンゴ病が流行している場合は、その流行が収まるまでは子供を休ませるなどの対策も検討すべきです。
もちろん、病気が流行している学校や幼稚園に自ら近づくのも厳禁です。