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■ 4月から「銀行窓販完全全面解禁」の勝つ生保、負ける生保!

2011年02月03日 | 保険
■ 「銀行窓販が勝つか、銀行窓販に勝つか?!」=4月から長期戦が始まる!=

■=②=■ 以前、私に対し「銀行窓販に賛成ですか、それとも反対ですか?」という質問を受けることが少なくなかった。確かに関係団体が「銀行窓販反対!」を強調している中では、立場上「賛成」とは言いにくいものの「既に(銀行窓販は)既定路線である以上、反対だけを唱えていてもこの銀行窓販の件は解説するわけではない」とも解説してきた。案の定というか時の流れから当然というか、いよいよ4月からは完全全面解禁になるところまで「銀行窓販」は進捗してきた。
● ところで、現在の「銀行窓販」における主力保険商品は「定額個人年金保険と一時払終身保険」である。もし、この保険商品の販売傾向がこのまま続くと考えている関係者がいるとしたらこれは大きな誤りだ。
 つまり、比較的手数料が少ない保険商品を「銀行窓販」で販売し、手数料が多い保険商品は営業員・代理店で販売するという暗黙の線引きがあったが、4月以降はこれが崩れることになる。
● 金融機関としては、どうせ販売するなら「手数料が高い保険商品」と考えるのは自明の理だ。当然のことながら、生保に対しそのような保険商品の販売を強調否強制してくることになる。つまり、金融機関サイドが要求する保険商品を提供できない生保は「銀行窓販」の枠から撤退するしかない。
 そしてそのヒントは「法人市場」である。
● この仕掛けがもう既に一部の金融機関で静かに進行中だ。断っておくが、この販売手法は特別なケースを除き何ら問題はない。むしろ金融機関が堂々と営業を展開出来る正当な営業戦略である。
 もちろんそうはいっても4月以降ヨーイドンでどの金融機関もこの絵偉業戦略に乗れるわけではない。当初は極限られた金融機関しか参入できないはずだ。しかし、その成功例と手数料の良さに多くの金融機関が気付くのにそう時間はかかるまい。
● そしてその販売手法が「地銀・信金・信組」にまで行き渡ったら、現在の「販売チャネル」の姿は大きな変貌を遂げていることになるのは避けられない。なにも手を打たないあるいは危機感がなき営業員・代理店は、自分の優良顧客を金融機関に攻略されていくことになる。
 中でも「損保代理店」として「損保(主に自動車保険)と生保」を兼営している代理店の場合、優良顧客の脱落は同時に自動車保険の契約までも失う可能性が出てくる。
● 実は、今回のセミナーで「なぜ自賠責保険を?」の声もある。しかし、間違いなく25年度の大幅自賠責保険料値上げを考えると、今の段階からしっかりした説明を顧客特に優良顧客にはしておく必要がある。
 ところが、「自賠責保険料値上げ」についての解説はトンとお目にかからない。もう決まったこととして、容認している業界関係者が大多数だ。しかし、事実は果たしてどうか?!答えは「値上げはおかしい」のである。
 この事実を把握しないまま「自賠責保険料値上げ」を鵜呑みにして顧客対応をするようなら25年度では「自賠責保険料も高くなるから自動車保険は安いのに切り替えるよ」という事態になりかねないのだ。
● はっきり言えば、損害保険会社としては、どの販売チャネルから「自動車保険」が契約されようとも構わないタフな構造になっている。いわゆる3メガ損保にはそれぞれに「直販損保」を抱え、最近では多種多様のCMも打ってきている。損保代理店からの自動車保険1件も通販型自動車保険も1件に変わりはないのである。
 しかも3メガ損保といえば聞こえはよいが、要は「損保業界の寡占」がこれから相当の期間続くことになる。「損保代理店の圧縮」をより強固に推し進めながら、当面の最終章は他の通販損保の出方を待ちながらの「通販型自動車保険の値上げ」が出来れば、まず第1段階の仕掛け終了となる。
 ここまで言えば誰がこれらの流れの中で貧乏くじを引くかは言わずもがなである。今できることは、今しておく必要があるのである。


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■=①=■ さすがに最近は「銀行窓販の是非」を問うような話題は耳にしなくなった。ここまでくると保険会社としては「販売チャネル」の一つとして位置づけをせざるを得ないのが実情だ。
 問題は「契約者」にとってどの「販売チャネル」が「契約者本意」の保険商品・保険設計をしてくれるかだが、4月以降の「銀行窓販全面完全解禁」後は、このままではじわじわと「銀行窓販チャネル」がシェアを拡大してくる可能性が高い。
● もちろん、既存の営業員・代理店の販売チャネルもすぐにこれまでの牙城が崩されることはないとはいえ、時間の経過とともに営業シェアが狭くなるのは避けられまい。ではどうするか、となるがはっきりしていることは、優良顧客は少々遅まきながら今すぐにでも対応をしておく必要が不可欠だ。
 徹底した「守り」をしながら「攻め」の営業を展開していかないと、自らの保険市場が食い荒らされていくことになりかねない。ただ、残念なことはここまでの「危機感」がまだ既存販売チャネルにはないことだ。
● はっきり言えば、これまでと同じような「販売手法・販売商品」で「銀行窓販」をやるような「金融機関」なら既存チャネルは痛くも痒くもない。ところが・・・!? 


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