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2006年09月08日 | 保険
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9月14日(木) =追記有り=

● 昨日の「朝日新聞」一面トップは「消費者金融 自殺で保険金3600件」の見出しのかの「消費者信用団体保険」の記事だった。内容的には「毎日新聞」の後追い記事だが、「週刊朝日」がかつての「5000万円武富士疑惑」で、消費者金融絡みの記事は手を付けにくいことを考慮すると、本家となる「朝日新聞」が社のカラーからしても取り上げておきたい内容だ。

● TVのワイドショーなどでも取り上げられることがあるが、この「自殺者の保険金件数」は「=自殺者数」ではない点に注意をしておきたい。記事にもあるがこれはあくまでも「延べ件数」であり、例えば複数の消費者金融から借り入れがあると個々の消費者金融毎に件数カウントがされるので、仮にこれが2件だと「自殺者数は半減する」ことになる。3件なら1200件(人)というところだ。この実数は、生保側か消費者金融側が、名寄せでもしないと正確な人数は掴めないはずだ。にしても、実に痛ましい話ではある。 

● しかし、この記事にはいわゆる「切れ」がない。この程度の記事内容なら「毎日新聞」の記事をリライトしたレベルだ。例えば、消費者金融の幹部が「住宅ローンの団体信用生命保険と同じで、遺族への借金返済の負担が及ばないようにする借り手のへのサービス」とあるが、これに対する宇都宮健児弁護士の言い分もさることながら、やはり「朝日新聞」のカラーからすると、「保険料・保険金支払い・配当金還元」の闇に迫って欲しいところだ。

● つまり、保険料は消費者金融側が負担することから「損金扱い」になるが、1年間の決算での剰余金は、配当金として消費者金融側に払い戻されることになる。もちろんこの率は個々の団体で異なることになるが、おそらく「自殺で保険金3600件」と見出しにあるも、全体からするとこの件数は微々たることから、この配当金還元は相当の金額になるものと思われる。

● 流石に、消費者金融の決算書など見たことはないが、推測するに支払った保険料の半分以上が配当金として還元されているのではないだろうか。つまり、この根底には、消費者金融側の「借り手の死亡による借金担保と配当金収益」の実に旨味のある構図が垣間見える。

● 本来はこの辺の微妙な内容になると、週刊誌の出番なのだが、いかんせん消費者金融の広告が営業政策上あるがために、触れられないところだ。それだけに今後の「朝日新聞」の記事に期待したいところだが、果たして13日の記事が単に「ガス抜き」に終わるのかどうか様子を見守りたい。

=追記=

● 「消費者信用団体生命保険」について本日付(9月14日)の「毎日新聞」が一面トップで取り上げている。中身を読むと、昨日の「朝日新聞」との取材力の差が歴然だ。

・アコム (主幹事生保:明治安田)契約から1年以上で債券50万円以下
・武富士 (主幹事生保:AIGスター)契約から2年以上
・アイフル(主幹事生保:明治安田)契約から1年以上で債券50万円以下 
・プロミス(主幹事生保:日本)契約から1年超で債券100万円未満。債券10万円未満。
・三洋信販(主幹事生保:三井)契約から1年超で債券10万円未満。

(右側は「診断書・検案書なしで死亡確認」)

● 生保としての姿勢を問われかねないのが「明治安田生命」だ。一般契約者向けには「保険金不当不払い」をし、その一方で「消費者金融には、診断書・検案書無しで保険金を支払っていた」ことになる。しかも大手消費者金融5社のうち2社の主幹事生保というのでは、余程思い切ったアッピールをしないと、ダーティーなイメージは払拭されない。この際、思い切って「消費者信用団体生命保険撤退宣言」でもするしかないと思われるが如何か。

● また、「日本生命が有するプロミス、三洋信販」などの株式保有も如何なものか。少なくとも「消費者信用団体生命保険」の問題がなければ、株式保有も経済活動の一つと割りきれないこともないが、「人の命を担保」にというイメージはやはり契約者心理からすると快いものではない。

● 参考 以下はインターネット申込の「武富士」のケース

第23条(消費者信用団体生命保険の加入)
会員は、当社を保険契約者、保険受取人とし、会員を被保険者、会員の債務額を保険金とする「消費者信用団体生命保険」に、当社の費用負担により加入することに同意するものとします。ただし、生命保険会社の加入承認が得られる場合に限るものとします。
1.会員が死亡または契約日以降の傷害または疾病による高度障害により、保険金が支払われた場合、約定返済期日にかかわらず、保険金を本規約にもとづく会員の債務の弁済に充当しても異議ないものとします。
2.次の各号のいずれかの事由がある場合は、保険金が支払われないことを承認するものとします。
(1)消費者信用団体生命保険の加入日から1年以内に自殺したとき。
(2)告知義務違反があったとき。
(3)故意または契約日より前の傷害または疾病により高度障害状態になったとき。
(4)戦争その他の変乱により死亡または高度障害状態になったとき。
(5)入院または通院中に債務額の増額が行われ、かつ、保険事故発生日の保険金相当額が最初の入院または通院を開始した日の保険金相当額よりも大きいとき(その増額部分のみ支払われません)。
(6)詐欺の行為により被保険者になっていたとき。
3.次の各号のいずれかにあたる事由がある場合は、消費者信用団体生命保険より脱退します。
(1)死亡または高度障害状態になったとき。
(2)満70歳になったとき。
(3)告知義務違反等で加入資格を喪失したとき。
(4)契約が終了したとき。

【消費者信用団体生命保険について】
1.消費者信用団体生命保険とは
この保険は、アコム株式会社(以下「アコム」という。)を保険契約者および保険金受取人とし、債務者を被保険者とする生命保険契約で被保険者の方が保険期間中に死亡または所定の高度障害状態になられたとき、生命保険会社が所定の保険金を保険金受取人であるアコムに支払い、その保険金を債務の返済に充当するしくみの団体保険です。

2.保険金が支払われない場合
被保険者が次のいずれかに該当した場合は、保険金が支払われません。
(1)告知義務違反があった場合
(2)契約日から1年以内に自殺されたとき
(3)戦争・その他の変乱により死亡または高度障害状態になられたとき
(4)被保険者の故意により高度障害状態になられたとき
(5)契約日前の傷害または疾病により高度障害状態になられたとき
(6)保険契約について、被保険者の詐欺の行為があった場合
(7)入院または通院中に債務額の増額が行なわれたとき(増額部分のみ)

3.脱退要件
被保険者が次の各号のいずれかに該当した場合には、この保険契約から脱退となります。
(1)死亡または高度障害状態となったとき
(2)満85歳になったとき
(3)本契約が消滅したとき

4.共同取扱契約について
消費者信用団体生命保険は、保険契約者が指定する複数の生命保険会社が共同で引き受けることができる契約形態の団体保険です。幹事会社が委任を受けて事務を行ないますが、引受会社はそれぞれの引受割合に応じて保険契約上の権利を有し義務を負うものであり、相互に連帯しません。なお、共同取扱会社については、アコムへお問い合わせください。

● 以下は「アコム」のケース。

【生命保険会社の個人情報の取扱い】
本書面に記載の個人情報<氏名、性別、生年月日、健康状態等>(以下「個人情報」という。)は、保険契約者であるアコムが取得し、利用残高とともに契約者が保険契約を締結する生命保険会社(共同取扱会社を含みます。以下同じ。)に提供いたします。
アコムは、当該保険の運営において入手する被保険者の個人情報を、本保険契約の事務手続(申込・諾否決定の確認・保険金請求計算等の維持管理)に利用します。
生命保険会社は、アコムから提供された被保険者の個人情報を、各種保険契約の引受け・継続・維持管理、保険金・給付金等の支払い、その他保険契約に関連・付随する業務に利用し、アコム、他の生命保険会社および再保険会社に上記目的の範囲内で提供します。なお、今後、被保険者の個人情報に変更等が発生した際にも、引き続きアコムおよび生命保険会社においてそれぞれ上記に準じ個人情報が取り扱われます。
引受保険会社は、今後、変更する場合がありますが、その場合、被保険者の個人情報は変更後の引受保険会社に提供されます。
なお、幹事会社である明治安田生命保険相互会社の個人情報の取扱いにつきま しては、ホームページ(http://www.meijiyasuda.co.jp)をご参照ください。

 

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9月10日(日)

● 「9月11日」というと化の米同時テロだ。古い記憶を辿ると、テロの翌年には全米170以上の都市でテロ犠牲者の追悼と国民の連帯・団結を確認する公式行事が行われ、そのテロに対する矛先がイラクへと向けられていった。
 結果、イラク情勢は文字通り泥沼化し、関係する国にとっては抜き差しならない状況に陥っている。何とか日本の場合は、サモアに駐留した自衛隊からけが人を一人も出すことなく撤退することができたが、どうも「米国盲従」の政治姿勢には疑問を禁じ得ない。

● 周知のように「格差社会の代表は米国」であり、第2位は「日本」である。つまり「勝つ人と負ける人の差」がドンドン開いていく国策が現在進行中なのだ。とりわけ、これからの高齢者の生き方には注意を要する。今は「普通の人」でも長い人生、どこに「落とし穴」が隠れているかわからない。
 とかく「現在の生活」をベースに「生活設計」を立てるが、その過程には「死亡」という取り返しのつかないアクシデントもあるが、多くの人生ではそこに至る過程で実に様々な出来事にぶつかることになる。

● 今払える保険料なら、できるだけ「解約返戻金がある保険に加入すべし」と解くが、数的には「目先の保険料が少ない解約返戻金がないか少ないタイプ」を選択する契約者が多い。もちろん、この背景には勧めるあるいは設計する営業員や代理店が「あなたにはこの保険が一番安心できる!」と、言い切れない説得力の弱さがある。これは、保険商品の価値観を脆弱化した保険会社の責任が大きいのだが、いずれにしても、人生の中で困る局面にぶつかって地団駄を踏むのは結局契約者と言うことから、「売れれば勝ち」という風潮が蔓延していくとなるとこれは由々しきことなのだが、もう誰もこのような正論を吐く業界人がいなくなった!
 

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9月8日(金)

● 「TBS」がおかしい。今朝の「みのもんたの朝ズバッ!」を見ていたら「消費者金融のグレーゾーン金利問題」を取り上げていた。ゲストは、宇都宮弁護士と自民党の保岡こうじ議員。もちろん問題点は、「9年間を要して金利を下げる」という点。
 ところが、保岡議員がその”正当性”を淡々と且つ延々としゃべり、それに対し手短に宇都宮弁護士が反論し、これにみのもんた氏が再度保岡議員に異論を挟むと再度淡々としゃべり出す展開。言わずもがな保岡議員は「急な資金貸し出しで助かった人も多い」というような言い分で、これを急に金利を下げるのは問題、という文字通り消費者金融会社の代弁を解くことになる。

● 「TBS」の問題点は、ここで極めて”長いCM”が入り、ようやくスタジオが写ったと思ったら、話も何もまとまらないうちに、「はなまる」に変わってしまったことだ。生番組であることから、果たしてあの長いCMの裏で何が行われたのか。推測されることは、「宇都宮弁護士や他のコメンテーター」にしゃべらせない工夫を”長いCM”でさせなかった、かということ。

● 確かに民間放送は広告収入で成り立っている。それがために視聴率が取れる「亀田兄弟の試合を実態以上に膨らまして関心を煽った」ことなどは、敢えてここでは目をつぶろう。しかし、「自殺で債権回収、3649件」とされた消費者金融問題だ。何故に「消費者金融寄りの主張だけを垂れ流す」のか。これではもはや「TBS」に公共の電波を使わせる意味はない。

● まさか「みのもんた朝ズバッ!」のCM提供社が横やりを入れたとは考えたくないが、どうも最近のTV業界は、放送内容の向いている方向が違ってきている。明らかに業界よりなのだ。これでは益々、インターネット情報が重宝されることになる。

● 今回の利息制限法の論議で「後藤田正純氏」の「政務官辞職」にスポットが当たっている。これまでの履歴を見るとややパフォーマンス優先が感じられるが、その真意は今後の言動を見守りたいところだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E8%97%A4%E7%94%B0%E6%AD%A3%E7%B4%94

● 本日の「日本経済新聞」に『消費者信用団体生命保険』についての記事がある。記事には「生保協によると、3月末時点で利用する消費者金融は27社。被保険者数は2千2百万人。生保19社が取り扱っており、保有契約高は8兆4000億円。」とある。
 この数字を鵜呑みにすると、「消費者金融向けの消費者信用団体生命保険」は「生保19社・8兆4323億円」となる。つまり、これまでにこのブログで明らかにしてきた生保数は、以下の7社に「アリコ」を含め8社だ。
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○ 日本生命     2,010万件   16,211億円 
○ 第一生命     1,698万件    7,509億円
○ 明治安田生命  1,631万件   28,403億円
○ 住友生命     1,011万件    3,798億円
○ 太陽生命(注)  (8月24日参照)
○ 大同生命     1,325万件    3,460億円
○ 三井生命     1,365万件    5,368億円
○ 朝日生命        ー          ー
○ 富国生命      273万件     156億円
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● このことからあと、生保11社が取り扱っていることになる。本日の「日本経済新聞」の記事によると、「意思確認、義務づけ」とあるが、むしろこのことは「取立のための理由を明確」にできることから消費者金融側にすると「暗黙の取立追い込み」に使える材料となりかねない。
 
● ただ、上場している消費者金融会社だけからの借り入れだけで「取立→自殺」という構図は考えにくいことから、生保業界としてはもっと抜本的な仕組みを立ち上げないと、このダーティーなイメージは拭えない。

● 金融庁の今回の生保に対する案は、特に「被保険者が死亡した場合、遺族に保険金支払いを連絡」というのは一歩前進ではあるが、当然のことながら「申込時の書類」は、一般の高齢者等の申込書と同等の様式にすべきだ。
 また、生保の開示項目に「消費者信用団体生命保険」の明細をディスクロする義務を課すべきだ。でないと、痛くもない腹を生保は徒に探られることにもなりかねない。

● 少なくとも「消費者金融会社の株式保有による利益」を狙い「死亡による保険金補填」で収益の安定による株価高騰などを生保が担保するようでは、生保の社会的道義が問われることになる。各社の保有契約高を見ると、一目瞭然だが昨年「保険金不当不払い」で行政処分を受けた「明治安田生命」が、ダントツというような「利益最優先」を思わせるような取扱は、その生保に自浄作用があれば取扱も減少するはずだ。

● もう1点は、「団体保険からの毎年の配当金問題」だ。果たして「団体保険の年間保険料約1兆2641億円」のうち、保有契約高の保有占率2.2%から弾き出した「約27.8億円」の内、どれほどの金額が「配当金還元」されているのか気になるところだ。

 
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9月6日(水)

● 「消費者金融5社の債権回収、自殺保険金3649件」が、「毎日新聞」の一面トップだ。記事によると 「アコム、アイフル、武富士、プロミス、三洋信販の消費者金融大手5社が、借り手の自殺によって平成17年度に3649件の生命保険金の支払いを受けていたことが6日、金融庁の調査で分かった。保険金で債権を事実上回収したことになる。」とある。
 さらに、「大手消費者金融会社は、生命保険会社との間で「消費者信用団体生命保険」という保険契約を結んでおり、借り手が死亡した場合には消費者金融会社が保険金を受け取る仕組みになっている。17年度に消費者金融側が受け取った生命保険は、全体で3万9880件だった。」

● 記事だけでは、実際の「自殺死亡者数」と「死亡保険金支払者数」が延べと思われることから明確でないが、少なくとも「経済的に追い込まれた債務者が自殺し、その返済に生命保険が使われている」ことだけは確かのようだ。
 しかも「消費者信用団体生命保険」の太宗が、国内”大手”生保ということと(17年度末約77%・保有契約高)、また複数の大手生保が消費者金融会社の大株主と言うことを考え合わせると、「保険金の支払い」については双方の利害が一致することにもなる。

● 主要国内生保の「消費初心用団体生命保険の保有契約高」は、このブログの8月24日に記載してあるが、もちろん残りの約1兆9400億円余り(約23%)は他の生保が契約しているわけだが、追々わかる範囲でここに掲載して予定だ。
 とはいえ、全生保が「消費者信用団体生命保険」の契約高を開示しているわけではない。

□ アリコ  2,510億円

 と言うようにディスクロされている生保はむしろ珍しい方だ。計算上はこれで1兆6907億円が残りの生保と言うことになる。

● 記事によると「金融庁は民主党の長妻昭衆院議員からの問い合わせを受け、消費者金融5社と生保から聞き取り調査した」とあるが、やはり問題は「保険契約加入時の説明と保険金受取」の際のルールだ。
 
● さらに記事では「借り手が気付かないまま、消費者金融と保険会社が団体信用保険の契約を結んでいた事例もあるため、金融庁は本人の同意を得ることを徹底するよう消費者金融会社に指導した」とあるが、このことは何も消費者金融に限った話ではない。いわゆるクレジットカードや信販等を含む貸借関係が生じる貸借契約では往々にして用いられているのだ。まだ根は深い。

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