■ 大知一成の公式「ブログ 保険・かわら版 」■=「間違いだらけの生命保険選び」=

=保険会社決算分析・保険商品分析・保険販売・保険金詐欺事件等保険業界のウラオモテを知る評論家「大知一成の公式ブログ」!=

■「日本の保険業界の真実」=第120回=■

2008年10月30日 | 保険
10月30日(水) 訪問者数612人(閲覧者数1,519人)

■ 「ソニー生命」単体の9月末「その他有価証券の評価益」は、338億円!

● 9月末の株価が11,259円だったこともあり、「ソニー生命」の国内株式の評価益は241億円となった。但し「転換社債」等の評価損は204億円。もっとも現在の8,000円台では、株式の評価損が228億円(24日現在)となっている。 

■ 「AIG」株、辛うじて1.55㌦とー0.28㌦!

● 昨日の東証で値を上げたAIG株だったが、結局NY市場では前日比ー0.28㌦と1.55㌦に下げて終わった。資産売却も含め、不透明な展開になってきた。

■ ややこしくなってきた「米国の保険会社への資本注入」?!

● 米国の生保業界が米政府の金融機関向けに用意された2,500億㌦の資金注入枠を巡って騒がしくなってきている。既に第1弾の資本注入として今月14日に、1,250億ドルが米銀大手9行に配分され、さらに1,250億ドルがより小規模な金融機関向けに振り向けられた。これに保険会社が対象に含まれることになれば、信用危機の深刻化に伴い、7,000億ドル規模の米金融安定化策の柱となる財務省の問題債権購入計画(TARP)の範囲拡大を意味することになる。

● ところが、AIGは既に政府管理下にあり、またメットライフやプルデンシャルを含む米生保会社は時価総額の半分以上を失っている。もっとも水面下では保険会社にも資金注入を求める声もある。しかし、ややこしくなるのは資金枠の拡大にともない、AIGへの米国保険会社からの買収候補が手を挙げにくくなることだ。もっとも、米国損保協会は、資金投入の必要はないとのコメントを出したことで、AIG買収の可能性と期待は残ることにはなる。もちろん、資金投入を受けた生保がAIGを買収してはいけないということはないが、やや不自然に写ることは避けられまい。


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10月29日(水) 訪問者数581人(閲覧者数1,363人)

■ ”ジェットコースター相場”では、平衡感覚を失いかねない?!

● 「株、為替、金利」の情報に神経をとがらせる日々が続く。もちろん私の仕事とは直接関係ないとはいえ、このご時世では多いに関係する情報だ。しかし、ここ最近の動きは文字どおり「ジェットコースター」状態だ。とにかく「為替」が毎日何円単位で動くとなると銭単位で動いていたころが懐かしい。

● 昨日のNY市場も889㌦のプラスで一気に9065㌦で終えた。当然のことながら東証も500円前後上げて8130円当たりを付けている。為替も一気に円安に振れた。また辛うじて「AIG」の株価もNY市場では1.83㌦と0.5㌦上がり、東証でも201円から始まった。1㌦を割るような展開は極めて危険水域に突入することを意味することから、どうにか一段落だ。

■ WBCの監督問題「原監督」でまずはめでたしだ!

● どうも星野氏はなぜ自分が嫌われているかがよく分かっていないようだ。単に北京での4位がその原因ではないことが分かっていない。まあ、どうでもいいことだが。

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10月28日(火) 訪問者数654人(閲覧者数2,016人)

■ 「AIG」株、1㌦割れ待ったなしか?!

● 「AIG」の株価がNY市場で1.35㌦で終えた。前日に引き続き0.35㌦安だ。今夜ももし0.35㌦以上安くなると、1㌦割れとなる。こうなると再生よりも他の選択肢が蠢くことになりかねない。果たしてどうなる。

● 今日の東証では、126円の安値を付けたが、終値は156円と辛うじて戻した。しかし、終値ベースでの最安値となった。果たして今夜のNY市場はどうなるのか。もし、見出しに書いた「1㌦割れ」となるようだと、相当厳しい状況に陥ることになるが、東証の上昇基調を引き継げば、一気に2ドル台も視野に入る。もちろん、それでも安心といかないところが、今回の金融不安の根の深さだ。
 いずれにしても生保3社の現場からの悲鳴が聞こえてくる。


■ 山崎元氏の生命保険に関する解説は、やはりおかしい!

● 「AIG 」の生保関連でのマスコミ発言で「大丈夫」を連発していた山崎氏の生命保険に関する認識はやはりおかしいことがこれを読めば分かる。
↓ 
http://diamond.jp/series/yamazaki/10052/

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10月27日(月) 訪問者数666人(閲覧者数2,003人)

■ 終値は7,162円(ー486円安)!生保、株式含み損発生!日本生命、明治安田生命も!
③● 終値が7,162円と、バブル崩壊後の最安値を付けた。これで「明治安田生命の7,400円」をも割ったことになり、計算の上ではほとんどの生保が「株式の含み損」を抱えたことになる。
 もちろんこれより更に下落が続くとなると、巨額の含み損を抱える保険会社も出てくることになり、かなり予断を許さない事態となるのは避けられない。


②● 遂に、株価が26年ぶりの最安値を付けた。その後切り返し現在は7,600円前後だが、もし7400円を割ることになると、先に書いた下記のような事が大々的に報じられる事になる。
 しかも円も独歩高の状態であり、ほとんどの生保にとってダブルパンチ状態だ。
今日の市場から目が離せない。


①● 「シカゴ日経平均先物12月限(円建て)」の 終値は、7,410円だった。大証の終値より210円安だ。このままだとこのような見出しが現実のものとなることになる。とはいえ、これ以上下がらずにリバウンドするようであれば、逆に「明治安田生命と日本生命」の株式保有がかなり優位なポジションにあることを皮肉にも教える事になる。ただ、為替の動向は不透明なままだ。

■ オランダ「エイゴン」にも資金注入を模索か?!「ソニー生命」との提携に影響か?!
■ 「AIG」資産売却どころか、さらなる融資申請か?混迷の度を増す生保3社、エジソン・スターの合併も棚上げか?!

● 東証でも一気に100円台突入!最安値163円で推移している。

■ 英プルーデンシャルの本音?!

● 「英プルーデンシャル」のこのようなニュースに付いて、意見が分かれている。
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米AIGのアジア資産以外にも注目=英紙
2008年 10月 24日 11:46 JST
 [ロンドン 24日 ロイター] 英保険大手プルーデンシャル(PRU.L: 株価, 企業情報, レポート)は、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)のアジア部門以外の取得も検討している。24日付の英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が、プルーデンシャルのマーク・タッカー最高経営責任者(CEO)の話として報じた。
 同社は今週に入って、AIGのアジア事業の一部取得に関心があると表明していた。FTによると、タッカーCEOは、この関心がさらに広範に広がる可能性があると語った。
 FTはまた、関係筋の話として、プルーデンシャルがAIGの米生命保険事業の一部取得にも関心があると伝えた。
 同紙によると、タッカーCEOは「資産全般について検討している」と述べた。
 関係筋によると、プルーデンシャルは、AIGのアジア資産の中では日本と台湾の事業にはあまり関心がないという。
 AIGは今月初め、米政府から受けた緊急融資の返済のため、海外事業の一部を売却する方針を明らかにした。
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● 私はこの英プルーデンシャルタッカーCEOのコメントの真意を図りかねている。米国政府への遠慮があるように思えてならないのだが。

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10月26日(日) 訪問者数524人(閲覧者数1,336人)


■ 生保、株式含み損発生!日本生命、明治安田生命も!

● 明日の東証次第では、このような夕刊の見出しが躍る可能性が高くなってきた。更に円高が時価評価の差損益を大きく左右することになる。とにかく株の乱高下と為替のこれも乱高下は予想すること事態が不可能と言ってよい。このような状況になると、リスク性金融商品は持たない方がよいと言いがちだが、実際に資産運用をする立場の人間からするとそうも言っていられまい。

● とはいえ、やはりこのような「株安・円高」が長期化するようだと何らかの手だてを打たないと生保の場合諸財務商標を直撃することになる。その結果、S・M比率の減少を引き起こすことにでもなると、やはり生保を取り巻く環境は姦しくなることは避けられない。
 
■ 「AIG」株価遂に1ドル台の攻防に突入?!

● 遂に「AIG」の株価が10月24日の取引で、1ドル台に終始し、2ドル台を付けることはなかった。やはり借入枠は増大していく中で一向に資産売却の具体的方向性が見えないことが株主心理を冷やしていると思われる。
 さらに「米大手生損保にも財務不安 メットライフなど評価損発生」のニュースが飛び込んできた。「メットライフ」は、9月末で債券投資などで170億㌦の評価損が発生とある。また「オールステート(損保)」も41億㌦の評価損を抱えていることを明らかにした。結果、株安から格付け格下げの負の連鎖が生じかけている様子だ。

 
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10月25日(土) 訪問者数551人(閲覧者数1,348人)

■ 日経平均7649.08円の株式保有の危険水域、為替も90円台突入!

● 余りにも急激な変化でおそらく当事者も対応のしようがない、というのが本音だろう。いわゆる「株安・円高」が保険会社を直撃したわけで、このままの推移は12月末、来年の3月末の決算に甚大な影響を与える事は間違いない。

● 今週号の「週刊ポスト」や「読売ウィークリー」にもコメントした「危ない生保のシグナル」だが、「ソルベンシー・マージン比率、格付け、情報開示」の3ポイントが重要だ。
 ややもすると「ソルベンシー・マージン比率」については、生保の経営体力を正確に反映していないという批判もあるが、当初よりもかなり向上した点は評価できる。もっとも、詳細な部分を指摘しても一般の契約者には理解しがたい部分もあり、現状のS・M比率で大まかな察知をするのが賢明だ。

● ポイントは「価格変動準備金」の動向だ。もし、前回の公表資料より払戻があるようだと、有価証券の穴埋めに使われたと見てよい。また「危険準備金」も払い戻されているようなら危険水域に近いあるいはそこに至っていると考えるべきだ。
 もっとも好調生保の取り崩しについては、準備金の限度に達した場合にあえて取り崩すこともあるのでこの点は注意が必要だ。

● 例えば10月10日破綻した「大和生命」の場合は、18年末には「価格変動準備金15.18億円、危険準備金32,31億円」があったが19年度末では「1.67億円、ー億円」となっている。急激な準備金の取り崩しの必要があったことを窺わせるのである。
 もう一つの事例を挙げると「アリコ・ジャパン」のケースだ。この場合は年度決算では異常は見られないが、20年度第1四半期の業績で「価格変動準備金」が20年3月末には226.6億円あったが、これを取り崩し6月末には「13億円」しかない。

● 当然のことながらこれらの準備金の取り崩しは直接「ソルベンシー・マージン比率」を下げる要因となることから、「大和生命」は、18年度末の836.2%が555.4%に急減している。また「アリコジャパン」も20年3月末の913.3%が僅か3ヶ月後に809.6%へと100%以上も下落しているのである。
 
● 当然のことながら、「S・M比率」の激減は「格付け評価」に反映されることが少なくない。さらには、自社に不都合な情報は出来るだけ出したくないとする心理が働くせいか、先送りにする生保も要注意だ。
 実際に「大和生命」は20年度の第1四半期の業績報告を発表しなかった。 


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10月24日(金) 訪問者数643人(閲覧者数1,842人)

■ 日経平均7649.08円の株式保有の危険水域!

● 日経平均があっさり8,000円を割り込み、7,649円で終えた。この水準では、ほとんどの生保が「株式の含み損」になる日経平均だ。理論上では「明治安田生命と日本生命」が辛うじて「含み益」となり、他は軒並み「含み損」ということになる。もっともまだ救われるのは、9月末あるいは12月末ではないことだ。また、生保によっては株価を月中平均や月末で計算するため、単日だけの株価の変動に左右される必要はないものの、しかしこの状態が恒常化すると相当ややこしい事になる。

■ またぞろ出るか恒例の「ソニー生命売却」説?!

● 「ソニー生命」が保有する株式の減損損失計上などでも、営業利益が約600億円分押し下げられる見通しとのことだ。確かに20年3月末の「含み損になる日経平均株価が9,489円」で「有価証券含み益は1,278億円」だったが、9月末水準の株価が年度末まで続くとなると、600億円の営業利益が失われるという計算だ。

● 実は「ソニー生命」の株式保有は少ない方ではない。3月末の「時価ベースによる有価証券保有占率」では「7.1%」だ。リスク性資産運用は100%ダメと決めつけるスタンスでは私はないが、しかし、親会社が「ソニー」というエレクトロニクス企業である以上、出来るだけこのようなリスクからは遠ざけるのが「ソニー生命」の役割でもある。

● この「時価ベースの株式保有」が多い生保は、こうなっている。

・ 32.1%(損保系生保)
・ 22.2%(大和生命=破綻)
・ 11.2%(外資系生保)
・  7.1%(ソニー生命)

 ちなみに、親会社が異業種の「オリックス生命」は株式保有占率は0。また上の損保系生保以外の損保系生保はおしなべて株式保有は少ない。特に「東京海上日動あんしん生命、損保ジャパンひまわり生命」はゼロだ。(詳細は近々発行の「保険・かわら版」を参照)

● このようなことから、ソニーの本業回帰には足かせになりかねない「ソニー生命」を中心としたSFHに付いての評価が取りざたされる可能性が高い。

● これらのソニ株式会社の発表を受ける形で、SFHは「ソニー株式会社の2008年度連結業績見通し修正発表に関して」というリリースを出した。どうやらソニー株式会社の数字は米国会計基準であり、SFHの日本会計基準とは異なるというのが言い分だ。そして現在連結業績予想値については検証中とある。
 どちらの言い分が正確かは分からないが、とはいえ今日のSFHの株価は最安値圏で動いていることだけは確かだ。部外者から見るとソニー株式会社にとってソニー生命を中心としたSFHは”鬼っ子”のように写るがどうか。


 
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■「日本の保険業界の真実」=第119回=■

2008年10月23日 | 保険
10月23日(木) 訪問者数603人(閲覧者数1,671人)

■ 閲覧者3,025人?!とは・・・考えられないのだが! !

● このブログには訪問者のカウンターがない。そのため手作業で最近日付の横に「訪問者数・閲覧者数」を翌日書き込むことにした。しかし、10月21日には「閲覧者3,025人」と記録があった。もっとも閲覧者となると「延べ人数」と思われることから、同じ人が何回もクリックするとこの数は増えることになる。がしかし、だいたい2,000人もあれば多いにもかかわらず、3,025人とは俄には信じられない数字なのだ。

● まあ、所詮は機械がやることだから間違いもあるだろう。とはいえ、そもそも最近は「訪問者数」が急増した。ややマイナーに書きたいことを書くブログと思っていたが、いろいろな方からメールなどを貰うようになった。やはりこれもブログのお陰だ。中には私のブログを心面白くない方もいるだろうが、しかし、逆に賛同してくれる方に取っては少々でも役に立てばと思い、出来るだけ毎日書き込むことにしている。
 今後ともご支援を!! 

■ 「AIG生保3社」の買収先のウワサが姦しい!

● どうも混沌としているが、諸条件をかぶせると対象はそう多くはない。どうやらかって日本でもやったようなZ社をA社に、Y社をB社にというような要請をやっているという情報も入ってきたが、少なくとも株式上場しているところは、この手の話に乗ると危険だ。余りにも高値掴みさせられるからだ。
 しかも、買ってからネガティブなコメントがわんさか噴出というのは目に見えている。高みの見物が賢い!

■ 「AIG」の株価が2.11㌦!

● 「AIG」の今朝方のNY市場終値(22日)は、2.11㌦だった。それを受けるかのように今朝の東京市場では、安値200円を付けた。株価だけを見ると極めて危険水域に近い株価である。冷静に株価への材料となるとやはり資産売却の朗報だろう。それもそこそこの大型案件が売れないと先の展望が見えてこないから一刻も早い「生保3社」の売却は確定させたいところだ。
 そして次々に売却が決まりだし、融資枠の返済に目処が立ち始めると株価も反騰する姿勢に入る可能性がある。

● もちろん、いつまでもこのような蛇の生殺し状態が続くようだと「AIG」そのものの評価がますます低くなり、文字どおり再起不能の烙印を押されかねないから要注意だ。
 
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10月22日(水) 訪問者数577人(閲覧者数1,778人)

■ 「AIG」の株価が最安値の223円!

● NY市場でも2ドル台が定着してきた「AIG」株だが、今日の東京市場でも223円と最安値を更新した。確かに先の見通しが出来る状況ならそろそろという見方も出来るが、融資枠は当初の850億㌦をほぼ使い切り、肝心な資産売却は停滞したままだ。もっともAIGには2人の担当官がFRBから派遣されたと言うことで資産売却のスピードが速くなるとする見方もあるが、その資産売却額と融資枠とそれに対する手数料等支払額がトントンになる可能性もあると思われ、果たして優良企業としての損保事業を傷付けずに温存できるかも極めて怪しくなってきた。

■ 日本の生保3社売却問題、「2週間」が経過したが入札も何も起きなかった?!

● 既報の通り「10月4日に1-2週間で入札」と言うニュースが流れたが、極めて時間的な制約が厳しく半信半疑だったが、結局2週間経過した現在のところ、具体的な話は表面化していない。
 そもそも入札の準備が出来ていたかどうかも疑わしい。
 かつて「旧千代田生命」を買収する際には、AIGは「高い買い物をさせられた」と怒ったものだが、確かに「GE」と「東京海上」が競る形で条件を煮詰めた経緯から結果的に高い買い物になった。

● その体験則から、いろいろな”工夫”をしているのかも知れないが、今回はそう余裕がある状況下ではない。とはいえ、もし英プルーデンシャルとなれば、相当大がかりな背景が動いたことにはなる。

■ 何か、おかしい!世相を斬る!

● 「朝日新聞」の保険記事には何かと物言いを付けている私だが、しかし今回の橋本大阪府知事の発言はやはりおかしい。確かに「朝日新聞」の社説というと、やや”決めつけ的”なところが鼻につくが、しかし「廃業すれば日本が良くなる」という断定的言い方は明らかに橋本知事の思い上がりだ。まあ、プライドの強い両者の争いということを考えると、高みの見物が利口なようだ。

● WBCの監督問題が賑やかだ。どうも先日の会議が「出来レース」で「星野監督で決まり」が規定路線だったかのような言い分が少なくない。ところがその後イチローが物言いをしたことで「星野監督」の既定路線の前提が崩れようとしている。野球人はなぜ第1回のWBCが日本中を釘付けにしてしかも優勝したことで感動を与えたかを考えるべきだ。一言で言えば「監督になりたい人に監督をやらしてもあれだけの感動は生まれるわけがない」ということだ。
 どうしても王さんがダメなら、日本シリーズで優勝したチームの監督でもいいし、もっと言えばメークドラマを作った原監督でもよい。要は見る者に「手応え」がある試合運びが出来る監督がいいのだ。すると、かの一流選手の集団でも誰かがまとめ役になり強いチームになるのだ。第1回はその役割をイチローが果たした。
 ビジネスで監督をやりたい人には、やはり感動を呼び起こすことなどは無理なのだ。既に星野監督には北京という大舞台のチャンスを与えた。監督に”リベンジ”はない。星野、甘えるな!である。


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10月21日(火) 訪問者数521人(閲覧者数3,025人)

■ 「週刊ポスト」「読売ウィークリー」の生保特集記事・プラスα!

● 先週は文字どおり数珠つなぎの取材が続きややお疲れ気味だったが、まずこの2誌にコメント等が掲載された。一時期に取材が集中して困ることは、全く同じ内容の取材の場合だ。しかし、そのように内容がかぶるケースはそれだけ世間の注目度が高いということを教えてもいる事になる。
 もっとも、「週刊ポスト」も「読売ウィークリー」もテーマがかぶるようでもありながら内容が異なる記事になっていたためコメントした当事者としては胸をなで下ろした次第。

● 気になるのはもう一誌で、思いっきりAIG関連を取材していったが、果たしてどうなるのやらまだ記事の詳細が分からない。また、最近の保険問題とは全く関係ないTVの録画も行ったがこれまた少々先の話でどのように編集されるのかどうか分からない。

● さて、今回のような記事では、記事のコメントを裏付けるデータが不可欠となる。あるいはそれを裏付ける説明も必要だ。とはいえ、それらを誌上で延々と解説していたのでは、ページがいくらあっても書ききれない。それらを記者氏がうまくコンパクトにまとめて記事にするのだが、やはり保険業界人としてはデータや説明資料の中身を知りたい方もいると思われる。当然のこととしてそのデータ等には具体的な保険会社名もあるわけで、これを知ることでなるほどという説得力が増すことは間違いない。そこで、早速「保険・かわら版」で現在編集中だ。
 
● もう一点記事を補足するポイントがあるが、これは「AIG生保3社の売却先」だ。もちろん記事には入れられない部分だが、かの3社がどのような形でどこに納まるかによって今後の日本の保険業界の合従連衡は大きく変わる、と考えられるのだ。もっともAIG生保3社関係者でここに来て「なぜ、英プルーデンシャルなのか」のワケ(「保険・かわら版=第66号=」)すら知らない管理職はいないと思われるが、果たして思惑どおりそこに納まるかどうかが当面の大きな関心事だ。実はこれが失敗するようだと極めて厳しい状況にAIGは追い込まれると思われるのだが。
 
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10月20日(月) 訪問者数643人(閲覧者数1,839人)

■ 「英プルーデンシャル」が「AIG」のアジア市場を買い取るか?!

● 19日付英紙サンデー・タイムズが「英プルーデンシャルが株式売却で協議」を報じた。それによると、戦略的投資家2社と、発行済み株式20%の売却で協議している。それによると、プルーデンシャルは株式売却で調達した資金を米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のアジア資産の競売で提示する86億ポンド(149億3000万ドル)の原資に充てる。
 サンデー・タイムズによれば、プルーデンシャルはUBS、クレディ・スイスとアドバイザー契約を結んでおり、2社は現在、中東と中国の投資ファンドと交渉を行っいる。また、プルーデンシャル株の取得金額は少なくとも12億ポンドと見込まれるという。

● なお、英プルーデンシャル生命の日本法人は「ピーシーエー生命」だが、なぜ英プルーデンシャル生命がAIGの保険会社に食指を動かせるかについては、「保険・かわら版=第66号(8月10日発行)=」を参照頂きたい。
 また、「保険・かわら版」の(図表⑤ー③)の「AIGを対象とした提携」の筆頭に可能性「C」(その後の状況変化により「B」に変更)としたが、このニュースが事実でそのような動きが始まるとすると、「英プルーデンシャル」が、AIG関係の保険会社買収の筆頭に躍り出ることになる。
 
■ 「AIG」8.4兆円を使い切る!

● 「AIG」のFRBからの借入額が当初予定した貸出枠の850億㌦にほぼ相当する829億㌦に達したことがわかった。これで9日の追加枠である378億㌦を足し込んでも399億㌦しか枠がないことになった。一方、資産売却は具体的な話が出てきていないことから今後かなり厳しい状況が続くと考えられる状態だ。
今日の東証で、最安値230円を9時20分ころ付けている。「AIG」は株価の面でも厳しい状況に追い込まれだした感が強い。

■ 「T&D]に大量保有の報告が!

● 「T&D」の株価が10月10日、大和生命破綻を受ける形でストップ安まで売り込まれたが、その後はどうにかその状況を脱しつつある。ところで「T&D」の株式大量保有の開示で「オービス・インベストメント・マネジメント(ビー・ヴィー・アイ)・リミテッド」の資産運用会社が5.03%の「T&D」株式を保有していることが分かった。もちろん表面上は純投資と言うことになるだろうが、この金融情勢下では、いろいろな思惑を呼びかねない大量保有だ。

■ オランダ「ING」にも公的資金1兆3600億円投入!

● オランダ政府は19日、同国金融最大手のINGグループに対し、100億ユーロ(約1兆3600億円)の公的資金を注入すると発表した。議決権のない出資証券を政府が全額引き受けて救済する代わりに政府は監査役2人を派遣し、経営監視を強める。取締役は全員、今年のボーナスを辞退する。株価急落に対し、自己資本増強で信用回復を目指す、という。
 これで、英国のロイヤルバンク・オブ・スコットランド、スイスのUBSに続き、世界有数の欧州の金融グループが公的資金で救済されることになる。

● INGのティルマント最高経営責任者は「我々の自己資本は規制を満たす十分な水準だったが、この数週間で市場環境が大きく変化し、求められる水準も変わった」と述べた。しかし、出資証券は3年後に、INGが発行価格の1・5倍で政府から買い戻すか、普通株に転換される、ということからするとINGは十分な重圧を背負うことになる。

● INGは財務上の懸念から最近は株価が急落。7~9月期の純利益が5億ユーロ(680億円)の赤字になるとの見通しを発表した17日には前日比で27%も値下がりした。オランダ政府は金融機関への公的資金注入として200億ユーロを用意しており、その半分を活用する。政府はすでに、金融大手フォルティスのオランダ現地法人の完全国有化も決めている。(記事ベース:2008年10月20日10時31分 読売新聞。)

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10月19日(日) 訪問者数450人(閲覧者数913人)

■ 「大和生命」のスポンサー8社が名乗り!

● 10月10日に破綻した「大和生命」の再建支援企業(スポンサー)として8社が名乗りを上げた。保険会社2社と投資ファンド6社だが具体的な企業名はおう表されていない。管財人は、この中から2,3社のスポンサー候補を絞り込み、大和生命の財務調査にはぃつてもらい、年明け早々にはスポンサー候補を確定したい考えだ。
 
● ここまでの流れから見えることは、「大和生命とAIG3生保」との違いだ。もちろん、破綻した生保と売却する生保との違いはあるものの、AIG3社は売却が発表されてから”その先”が見えない状況が続いている感は否めない。
 更に言えば「AIGの資金調達が拡大」する可能性が高い報道がある。このままの推移は結果的にAIGのほとんどの資産を売却せざるを得ないところにまで追い込む可能性すら出てきた。

● となると、当初は「損保事業を核にAIGの再生を図る」とした計画が大きく頓挫する可能性も出てくることになる。となると気になるのが「AIU」の動向だ。極めてAIGの保険会社の中では評価が高い損保会社だ。しかも自動車保険は厳格な査定をすることでも知られている。当然のことだが、このような損保会社を核として再生を図るとなると、将来への可能性も出てくるが保有する資産を軒並み売却せざるを得ないということにでもなると、文字どおり今回の事件は「AIG解体」へと直結することになる。


■ 「俺たちに明日はない」を30何年かぶりに見た!

● ギャオが赤字だという。それを理由になくなることにでもなると困るので久しぶりにクリックしてみると、サントリーがスポンサーの昭和TVに「俺たちに明日はない」があった。もちろん以前から見られることは分かっていたがなかなか2時間を費やすことにためらいがありそのままになっていた。

● ポニーとクライドの物語である。今回見る気になったのは、1931年ころのアメリカ大恐慌の時代の映画ということもあった。相当芸能ぼけしている私でもやはり、ポニーのフェイ・ダナウェイには感動する。記憶を辿れば映画館で上映し始めに見た記憶があるのだが、さすが30数年も経過するとその中身はかなりうすらいていた。確実に記憶にあったのは、ラストシーンでだれかにはめられて蜂の巣状態で殺される場面だったが、今回その場面をみてようやく状況が飲み込めた。

● 大恐慌の30年代テキサス。ウェイトレスだったボニー(フェイ・ダナウェイ)は、刑務所から出所してきたクライド(ウォーレン・ベイティ)と運命的に出会う。ボニーはクライドから銃の扱いを学び、やがてふたりはコンビを組んで銀行強盗をはじめる。仲間にC・Wを入れるが、ついに逃げる途中で殺人を犯してしまい…。これを読むと単なるアクション映画と思われるかも知れないが、そこに流れる時代背景と人間関係を考えると何とも味わい深い映画である。進むにつれて妖艶になっていくポニー(フェイ・ダナウェイ)のうまさも光るものがある。     時間があれば是非観ていただきたい映画の1本だ。


http://www.gyao.jp/sityou/catedetail/contents_id/cnt0068214/

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■「日本の生保業界の真実」=第118回=■

2008年10月17日 | 保険
10月17日(金) 訪問者数573人(閲覧者数1,556人)

■ AIG生保3社の現場からの悲痛な声が聞こえる!

● 既にブルームバーグから報道されたAIGに対する諸支払金に対し、厳しい決断が次々に出されている。元副会長への10億円の退職金の凍結やパーティーや施策などの資金使用停止などだ。
 
● ところが、日本の3社の現状はどうかとなると、旧態依然とした「施策のオンパレード」だ。確かにこの窮地に保険契約を獲得した人を評価しようとする販売戦略は分からないでもないが、果たしてこの状況下でニーズにマッチした保険契約が取れるかどうかは常識的な判断だ。
 しかも、「アリコジャパン」に至っては「売却が決定した」にもかかわらず相も変わらぬCMの垂れ流し状態が続いている。

● どうしても「AIGの親会社は失敗」したが「アリコジャパンは健全」とアッピールしたいところだろうが、いずれにしても親会社が100%の株式を保有している以上は理由の如何を問わず一蓮托生なのだ。
 この期に及んでの不可解な大量CMは、マスコミに対する圧力としか写らない。 むしろ、よりベターな売却先を求めるのであれば、むしろ内部堅めを徹底するのが契約者に対する仁義ではないのか。

● このような時に目先だけの保険契約を積み上げても、継続率の悪化につながるのは間違いなく、逆に不信感を増すだけだ。要はちゃんとした売却先が決まらないことにはAIG3社で現在働いている営業員、代理店は宙に浮いたままの時を過ごすだけになりかねない。このようなときに保険契約をどのようにして取れというのか極めて疑問だ。


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10月16日(木) 訪問者数608人(閲覧者数1,676人)

■ 米AIG 不正支出の疑い NY州司法当局が調査

● 米ニューヨーク州司法当局は政府による救済を受けた米保険大手AIGに不正支出の疑いがあるとして調査を始めた。15日にニューヨーク市内で会見したクオモ同州司法長官が明らかにした。検察官2人をAIG担当として任命、経営困難な企業に適用される債務者・債権者法(州法)にAIGが違反していないかどうか調査を始めた。政府から緊急融資を受けた9月以降も、AIG幹部が狩りやゴルフなど「豪華なイベント」を開いていた点も追及する。「ニッケイネットニュースより抜粋」


■ 「日経平均7,000円割れ」が教える「生保版!株価スパイラル!」の危険な生保!

● 急反発したと思ったら昨日のNY市場は史上二番目の733㌦の下落だ。このようすだと今日の東京市場もかなりの下落が予想される。先ほど市場が開いたがとりあえず300円弱の下げだ。
 ところで株価の暴落が気になるのは生保・損保も同じだ。20年3月末時点での「含み益が0になる株価」がもっとも低いのは、「明治安田生命の7,400円」だが、もしこれを割ってくるようなら、株式を保有する生保のほとんどが「株式の含み損」を計上することになる。

● もちろん、この0になる日経平均が高い生保は、かなりの含み損を抱えることになり、生保によっては「価格変動準備金」を取り崩す事になる。最近の例では破綻した「大和生命」が18年度末には15.18億円あった「価格変動準備金」のほとんどを取り崩している。さらには32.31億円あった「危険準備金」もそっくり取り崩しているのだ。
 また、AIGの株価下落の影響が直撃した「アリコジャパン」も、20年度第1四半期(4月ー6月)では「価格変動準備金」の226億円の大半を取り崩している。

● とかく、生保経営の行き詰まりは突然起きるかのように思われがちだが、実際はじわじわとその経営体力を蝕んでいることが分かる。もちろんその先にあるのは「格下げ」あるいは「ソルベンシー・マージン比率」の引き下げだ。
 このようにして生保の経営体力の低下が徐々に表面化してくることになる。   
● このような観点からすると、地合の悪い最近の株式相場では、もし7000円を割るような事態には要注意ということになる。含み益が0になる日経平均が高いそれでいて株式保有が多い生保は必然的に要注意ということになる。
 もちろん更に株価が下がり6,000円台にでもなろうものなら各生保は間違いなく相当の”株式含み損”を抱えることになり文字どおり「生保恐慌」に突入する恐れもある。また説明するまでもなくこのことは株式を上場している「損保」も同じような状況に置かれるわけで、極めて厳しい対応を保険会社は迫られることになるのである。


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10月15日(水) 訪問者数611人(閲覧者数1,584人)

■ 「AIGのグリーンバーグ元CEOが代替救済案を提示へ」は、売却行き詰まりか?!
● 資産売却の発表までは関心が高かった「AIG問題」だが、ここにきてすっかり影を潜めた感が強い。話題性が失われるに従い株価も3ドル台から2ドル台で落ち着いている。昨日も「始値2.96㌦ー高値2.96㌦ー安値2.51㌦-終値2.80㌦」という動きだ。株価を刺激するには具体的な資産売却がどんどん決まっていくことだが、この金融状況下ではおいそれと買収資金を出す企業もなかなか出まい。

● そんな折、AIGのハンク・グリーンバーグ元最高経営責任者(CEO)が、AIG救済策の代替案を発表する見通しとのニュースを英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。それによると、グリーンバーグ氏は同案を米証券規制当局に提出し、さらにポールソン米財務長官や主要議員にも提示する意向というが、中身については明らかにされていない。同紙によると、「9月の米政府による850億ドルの救済策の修正を含むものになるとみられている」とのことだ。


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10月14日(火) 訪問者数680人(閲覧者数1,765人)
■ 大和生命の変調は見抜けなかったか?

● 破綻の理由が「資産運用の失敗」とされている。しかもあたかも全く予想だに出来ない破綻であったかのような”市場の急変”が主要因とする書き方の新聞もある。では、本当に「破綻は予測不可能」だったのか。否である。しかし、破綻しない前にその「兆候」をこのようなマイナーなブログであっても書くことはためらわれる。

● では、一体どのような兆候があったのか。まず、このブログの8月20日(水)を読んで頂こう。
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8月20日(水)
■ 「生保第1四半期業績(決算)発表」に「朝日生命」も発表しほぼ全社出そろう!
● 8月19日に「朝日生命とカーディフ生命」が発表し、まだ未発表は「大和生命」だけとなった。ちなみに「チューリッヒ生命」は8月15日に発表済み。これでほとんどの生保が第1四半期業績(決算)が出そろったことになる。
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つまり「第1四半期の業績報告」が発表されなかったのである。しかも、9月3日には、大和生命に金融庁の検査が入っている。もちろんこれだけで「破綻確定」と判断するには無理がある。というのもリスク性の高い資産運用はその運用環境が一変すると「損から益」に豹変する可能性があるからだ。良し悪しはともかく資産運用は結果がすべてであるからだ。

● しかし、「大和生命」の場合は、それが完全に裏目に出た。さらに決定的な経営悪化を示唆したのは「格付け会社R&Iの格下げ」だった。実はこの格下げは10月1日付だ。この格下げ理由の中でも「第1四半期決算を開示していない」ことと「運用環境の悪化による基礎的な収益力は見劣りする」と説明されている。つまり、極めて厳しい生保経営を強いられていることが理解できる。

● 実は「R&I」の「大和生命格下げ」と「AIGの格下げ」があったことから急遽「保険・かわら版」の「生保/損保格付け一覧」を10月7日付で編集・発行したが、10月10日には「大和生命」は破綻してしまった。
 ところで、もう一つのシグナルもあった。「ソルベンシー・マージン比率」である。実は「大和生命」の「ソルベンシー・マージン比率」は19年度末で555.4%だった。もちろんこれなら200%以上で安全圏と言える。しかし、よしんばこの555.4%を鵜呑みにしたとしても、それ以降の変化を知ることは、当事者以外は誰にも出来なかったのである。とすれば、やはり「ソルベンシー・マージン比率」が低い生保には用心した方が賢明という事になる。

● もちろん、このような見方を契約者はすべきだというのは簡単だが、実際問題ここまでを推察して対処するべきと言うのは酷な話だ。しかもTVに映し出された契約者の多くは高齢の方が少なくなかった。私のこのブログどころかインターネットにも馴染みがないとすると、まさに”寝耳に水”というのが実態だったと思われる。
 ややもすると「風説の流布」として、公式発表があった事実までも記事にすることをためらわれる風潮がマスコミにはある。スポンサーとしての保険業界の隠れた力かも知れないが、当然のことながらその対局に「何も知らされない契約者」がごまんと鎮座しているのである。

● 「保険・かわら版」の第64号で「新聞生保決算記事の不可解さ!」という見出しで「全国紙が記事にした業績項目」を批判した。理由はこぞって”意味不明の業績”を並べていたからである。おそらくこの業績がどのような生保経営体力を表すか、記事をまとめた記者氏が解説不能な代物だ。
 少なくとも「ソルベンシー・マージン比率」や「総資産」くらいは項目に入れて欲しいものだ。

● ところで、現在「AIG」の問題が大きくクローズアップされているが、特に「アリコジャパン」の売却に付いては関心が高い。ややもすると「AIGとアリコ(ジャパン)は別物」というようなアリコの健全性を吹聴する傾向があるが、やはり8月14日に発表された「第1四半期の業績」をみると、経営の厳しい状況が垣間見えるのである。その一つが約213億円の「価格変動準備金」の取り崩しだ。これだけが理由ではないが、「ソルベンシー・マージン比率」は年度末に比べ103.7%減っている。

● 実は、「アリコジャパン」と「大和生命」には奇しくも共通する点があった。ところがもう1社同じ共通点がある生保があるのである。おそらく近い将来売却されもかも知れないが、いずれにしても混沌としてきた保険業界になってきたものである。


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10月13日(月)=体育の日= 訪問者数618人(閲覧者数1,711人)

■ AIGの資産売却はどうなるのか?!

● 「ウォール・ストリート・ジャーナル」が、AIGについて「FRB、AIGのリスクを読み誤る」と解説している。つまり、当初設定した融資枠850億㌦に10月8日には378億㌦を追加して1,228億㌦とした。
 そしてわずか3週間でAIGは703億㌦を借り入れた。実は最近のAIGのニュースといえば、「借入枠と借入額の増加」がほとんどで、肝心の「資産売却」の話は聞こえてこない。

● この点について、「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「同社の事業部門を売ろうにも、金融市場が悪化しているため、買い手を見つけるのが困難になっている」と解説している。そしてその要因として「AIG救済策の検討にかかわったある人物は、『米連邦準備制度理事会(FRB)は、資本市場が機能不全に陥ることや、株式相場が下落し続けることは、想定していなかった。この両方がAIGの資金繰りを困難にしている』と語った、とある。

● 確かに記事にもあるように、「AIGは当初の借入金を主に2つの目的に充て、1つは、信用リスクを移転させる取引手法であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の取引相手に支払う担保。もう1つは、貸し証券の損失の穴埋め。貸し証券による損失の恐れが高まったため、FRBは今週再び介入する必要があった」ことは疑いようがない。

● もしこの傾向が継続するとなると、AIGのFRBからの貸付枠と貸付額はますます増加の一途を辿ることになりかねない。このことはAIGにするとFRBへの手数料の増加とさらなる取引相手への支払い増加を余儀なくされることになる。
 もちろん、「資産売却」が順調にいけば単なる杞憂に終わるが、金融市場悪化も手伝い結果的に850億㌦と378億㌦の返済にシグナルが点灯するリスクも否定できなくなってきた。

● 国内生保3社の売却意向は明らかにされたものの、その後の進展がとんと聞こえてこない。水面下で特定の保険会社と話が固まりつつあるのか、あるいはどこからもオファーがないのか。普通は高く売りたいケースでは、具体的な金額が漏れ出してくるものだが、それがないということは後者の可能性もある。
 確かに「破綻前に買収」するよりも「破綻させてから買う」方が負担が少なくて済むことを教えたのは、経営が逼迫した日本の生保を買い取る際の外資系保険会社のビジネスモデルだった。当然のことだがFRBはAIGが約束を履行できない場合は強制売却を決断するしかないと思われるのだが。


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(お詫び)
 下記部分は「富士火災の時価評価額が間違っていましたので削除致します。」
■ AIGの時価総額8,991億円!富士火災の7,693億円に限りなく拮抗する可能性大?!
● 何とも奇妙な事になったものだ。AIGと富士火災の時価総額の差が僅か1,300億円しかないのだ。(東証ベース)
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● 「富士火災の時価評価額は769億円」であり、「AIG」とは10倍以上の違いがある。ちなみに他の大手損害保険会社の時価総額は、「東京海上HD:2兆4,940億円、三井住友H:1兆2,723億円、損保ジャパン:6,953億円」と大手2社はAIGの時価総額を大きく超過している。
 NY市場でも10日の終値が2.39㌦だった。しかも出来高も膨らんできている。嫌なムードだ。
● 今日(13日)は東証はないが、夜からNY市場が開く。どうも専門家の意見としては下げる、という見方が多い。ホントに不気味な金融市場になってきた。とても「貯蓄から投資へ」等と言うことが御法度になってきた。


● このように「株安傾向」と書いていたところ「米国株先物が上昇、S&P指数3.1%高-米政府の銀行株購入など好感」というニュースが流れた。どうやら、今日は反転する様子だ。アジアとヨーロッパも上がるような雰囲気だ。円も落ち着いてきた。やはり金融市場は一寸先は闇だ。


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■「日本の生保業界の真実」=第117回=■

2008年10月13日 | 保険
10月12日(日)

■ 「大和生命破綻」は他人事か?これだけの危惧!

● やたらと今回の金融危機と大和生命破綻とは全く関係ない別物、という解説が跋扈している。しかし、大和生命も株価がここまで下がらずしかも投資商品がここまで下落しなかったらあるいは”好業績”と吹聴できたかも知れない。この意味では間違いなく金融危機に翻弄された生命保険会社であることは間違いない事実だ。

● 過日「生保の株式保有」について少し触れたが、その後を解説したい。繰り返すが「株式保有が多い=経営が危ない」とはならない。問題は保有する株価の中身の問題だ。そこで最も簡単にそれがはかれるのが「有価証券評価損益」だ。    この中の「株式の評価損益」を見れば、そん時点での評価損益が分かる仕組みだがその時に気をつけたいのは、「有価証券に占める株式保有占率」だ。

● 例えば「アリコジャパン」を例に取ると、19年度末では「25億円の評価損」となっている。ところが、有価証券全体の評価損は1,570億円である。つまり、「株式保有による評価損の影響は株式は少ない」ということが出来るのだ。そして「株式の帳簿価額と時価」を見ると「560億円と535億円」である。有価証券全体の帳簿価額が5兆3,021億円ということからすると、アリコジャパンの株式保有は取るに足らない金額と言うことが出来るのである。

● さて、前回4社の株式保有が比較邸多い生保を指摘した。(18年度末現在)既にその中の1社だった「大和生命」は破綻した。これまでは年度末決算かあるいは上半期業績報告で各生保の財務内容等は把握できたが、今期から四半期ごとの業績報告がほとんどの生保で開示されるようになった。
 結果、4社のトップだった生命保険会社A社は、19年度中に株式保有を激減させそのリスクから辛うじて逃げ切れた感が強い。ところがB社だった「大和生命は破綻」したが、C社とD社の株式保有は第1四半期の時点で大きな変動(減少)はない。もちろんこのままの株式下落が続くようだと9月末はもちろん年度決算にも悪影響を及ぼす事は間違いない。
 

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10月11日(土)

■ 「金融庁検査」で「大和生命はS・M比率200%割れ」を指摘される!

● このブログにある「金融庁の検査日程」を見ると「大和生命」は、9月3日から始まっている。そして8月18日から始まった「ソニー生命」、8月21日から始まった「朝日生命」は、現在もまだ検査が継続中だ。気になるところは両社とも株式保有がそこそこ少なくない点だ。

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10月10日(金)

■ 「大和生命」の破綻に追随する生保は?!

● まず「大和生命」についてだが、格付け会社「R&I」が、10月1日付けで「BB- → B」へと2ノッチの格下げを行った。「保険・かわら版」の購読者の方には、本日「保険・かわら版」に同封した「格付け一覧表」(生保・損保対象とした「S&P・ムーディーズ・フィッチ・R&I」を記載。)を見て頂だくと分かりやすい。

● 実は「大和生命」が極めて厳しい状況であったことは、「ミニ保険かわら版=第18号=20年5月1日号」を見て頂くとその理由が読み取れるはずだ。そこには「意外な株式保有が多い生保4社の見方!」として生保4社の実名を記してある。その2番目に書かれた生保が「大和生命」だった。
 もちろん、株式保有が多いことが破綻に直結するとは限らないが、しかし、ここまで急に株価が下落すると、他の運用手法と相まって相当のストレスを生保の経営体力に与えることは避けられない。その意味ではなるべくしてなった生保破綻ということも出来る。

● 問題は「次の生保破綻」があるかどうかだが、「株価・為替を含んだ運用手法」により、全く安全圏といえない生保が複数社あるのも事実だ。実は先ほどの「ミニ保険かわら版=第18号=」は、「読売ウィークリー」の20年5月4日号の「生命保険ここを見直せ」の中の私が担当した「コラム=日生ーかんぽ最強連合時代の生命保険選び=」の記事がベースになっている。
 一般の読者が生保の安全性を見極めるポイントとして4項目を挙げた。その一つが「保有株式の含み益がゼロになる日経平均」の一覧だ。

● あえて生保名はここには書かないが、記載した生保の中には日経平均が10,000円以上で含み益が消える生保が3社、9,000円以上が別に3社ある。<続く>


■ 世界同時株安が止まらない!

● 昨日のNY市場は、678.91㌦安の8,579.19ドルで終えた。気になる「AIG」株だが、ここ3日連続の安値引けで、昨日は「2.39㌦」で安値引けだ。9月17日に付けた最安値2.05ドルにあと一息というところまで迫っている。
 850億㌦の融資が決まったころ、大々的な招待パーティーが開催されていたことやFRBの追加融資などがネガティブな材料だ。さらには売却資産の進展が見られないことも嫌気材料だ。

● また、東京市場でも、安値が切り下げられる展開が続き1,000円安の8,000円割れも視野に入る展開だ。当然のことだが金融株の多くはまだ値がついていない。

● 日経平均が1時間半経過して、大幅下げに変わりがないが少しずつ上げ基調の雰囲気が出てきた。ところで「AIG」の株式は、9月17日に付けた最安値を切り下げて250円前後で推移している。これだと時価総額は7,370億円となる。


■「大和生命」が破綻!更生特例法の申請!

● 「大和生命、更生特例法の適用申請」

 経営不振に陥っていた中堅生保の大和生命保険(東京・千代田)が自力再建を断念し10日午前、更生特例法の適用を申請した。米金融危機による市場の混乱で株式など有価証券の損失が拡大、過小資本に陥ることが避けられない情勢になった。生保の破綻は2001年の東京生命保険(現・T&Dフィナンシャル生命保険)以来7年ぶりで、戦後8社目。保険契約者の受け取る保険金や年金は貯蓄性の高い商品を中心に一定割合で削減される可能性がある。
 大和生命は08年3月末の総資産が2831億円で、生保業界で33位。08年3月期の保険料収入は356億円。女性の営業職員による販売のほか、地方銀行窓口での販売もてがける。破綻生保で再建型の更生特例法を申請するのは4社目となる。
 同社は有価証券の運用損失が経営を圧迫。08年3月期決算では112億円の含み損に陥っていた。さらに米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した金融危機の影響で外貨建て有価証券を中心に損失が拡大したもよう。 (「ニッケイネットニュース」09:09)


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10月9日(木)

■「アリコジャパン」の経営内容について!

● コメントでご質問があった件について、やや気は重いが出来るだけ簡単に説明したい。ややもすると今回の件は「AIGの子会社」がやったことで「アリコ」は健全だ、という論調が多いが、少なくともここ数年ほど前からはいろいろな業績に違和感があった。

● 直近では、第1四半期の業績報告で「持込資本の評価損」が明らかになったが、例えば16年度と17年度の有価証券評価損は、続けて評価損を計上している。もちろんその要因は「外国証券」なのだが、19年度はこの評価損が▼(-)1,570億円となるが、「外国証券」が▼1,739億円となっている。     もちろんこれらについては、あくまでも「評価損」であり、「実損」ではないとする捉え方も出来なくはないが、外国証券保有占率がかなり高い「アリコジャパン」とすると、米国の経済環境や為替の変動など相当気になるところだ。

● また、これらの前提と考えられる「証券化商品等への投資」内容を見ると、19年度末時点で「商業用不動産担保証券(CMBS)の米国分」を時価で6,042億円保有し、既に「608億円の含み損」を計上している。また「住宅ローン債権担保証券(RMBS)の米国分」も時価で1,081億円保有し、87億円の含み損の状態だ。

● この辺を時系列的に並べると、確かに「アリコジャパン」が自ら積極的に投資したとは考えにくいものの、結果としてそのような運用がされていたことは事実である以上、このような状況になるとやはり賢明な運用とはいえまい。
 もちろん、買収検討の考えがある保険会社が一応に口を揃える「資産内容がどうなっているか」という点は、余程の責任ある証明がない限り、買収側の保険会社単独で現在価値を計算するのは極めて困難だ。しかも短期間でとなるとますます手も足も出ないと考えられる。

● いわゆるオーソドックスな業績でも生保経営上ではバランスに疑問符が付くところもあり、やはり買収する側としては慎重に構えたいところだ。まだ細部についての疑問点もあるが、その辺については当然のことながら買収側と売却側の問題と考えるところからここでは説明は省略したい。
 もちろん、この背景には「子会社でその支店」という立場もあったとは思うが、少なくとも”健全な生保”と太鼓判を押すには相当抵抗がある資産運用の中身であることは間違いないと考える。買収する保険会社はこの辺のリスクをきれいにすることで文字どおり健全生保となる可能性はあることから、買収条件が気になるところだ。


■「AIG」にFRBが追加支援、の怪!

● 「米FRB、AIGに最大378億ドルの追加支援」のニュースがロイターから流れた。担保は投資適格級の証券となっているが、FRBはAIGの経営破たんを回避するため、AIGに850億ドルの融資を設定していたが、今回の追加支援措置はAIGがカウンターパーティとの決済を継続できるように行ったもの。」とした今回の追加支援は、実質的な850億㌦の上乗せ支援とみてよい。

● つまり、格下げを防ぐ意味では資金投入が不可欠であり、ところが850億㌦では対応が困難になったことからこのような処理をFRBとAIGはしたものと思われる。
 ところで、「米アリコ、AIGエジソン、AIGスター」の入札については、積極的に検討している保険会社の話がとんと聞こえてこない。特にマスコミではもっとも魅力的な言われ方をしていた「米アリコ」(アリコジャパン)については、逆に話が消えているという情報もある。何か不気味な感じだ。


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10月8日(水)

【個人的意見】WBCの監督に原監督が適任と考える!

● 今「巨人VS阪神」が実況中だ。とにかくあの位置からの優勝争いは感動ものだ。個人的には優勝でも準優勝でもWBC監督は原監督でいいのではないだろうか!
 
● ノーベル賞4人には、凄いなあとは思っても感動はあまりない。しかし、3年前の王監督の優勝シーンは感動ものだった。ところで、緒方拳氏の訃報はやはりショックだ。


■ 米ゴールドマンが、日本3社の生保売却に必死なわけ?!

● 下院監視・政府改革委員会の公聴会で、2008年6月から9月中旬までAIGのCEOを務めた、ウィルムスタッド前最高経営責任者(CEO)は7日、米ゴールドマン・サックスが、同社から過去に200億ドル相当のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プロテクションを買っており、AIGにとってゴールドマンは「大きな取引相手」だったと証言した、とロイターが伝えた。

● 現在のところ、AIGが保有する総額44兆円といわれる「CDS」の対応については不透明なままであり、もしGS(ゴールドマンサックス)がそのまま200億㌦のCDSを保有しているとした場合、出来るだけ早急にしかも出来るだけ高くAIGに資金提供できる算段をするのは当然の成り行きとも言える。      ニューヨーク・タイムズ紙が先月、ゴールドマンがAIG最大の取引相手であり、AIGへのエクスポージャーは200億ドルに達すると報じたことに対し、ゴールドマンは「極めて誤解を招く報道」と反論していたが、前AIGのCEOの証言でこの反論は覆されたことになる。


■ 日本の保険会社は「AIGエジソンとAIGスター」買収が賢明な策だ!

● ややもすると保険料等収入第5位の「(米)アリコ」への触手が伸びるかのような記事が多いが、少なくとも日本の保険会社は「AIGエジソン生命とAIGスター生命」買収に軸足を固定する方がリスクが少ない。否、買収先のブランドによっては大きくプラスに貢献する可能性もある。

● そもそも「アリコジャパン」がここまで急成長したのは「銀行窓販による一時払い保険商品」の貢献度が大きい。例えば「一時払い個人年金保険料」は、18年度が6,073億円、19年度が5,171億円だ。保険料収入のほぼ4割前後を占める。説明するまでもなく現在銀行窓販では実質売り止め状態が続くことから20年度のここからの保険料収入は期待薄だ。
 当然のことながら、このことは「総資産」にも直結してくる。そして問題は資産運用だ。少なくとも10年前の「アリコジャパン」は良かった。おそらくあのままの営業を地道に実行していたらこのような憂き目にもあわなかったかも知れない。やはり奢りが高じると周囲が見えなくなったのか、極めて残念なことだ?!


● NY株式508㌦安の9,447㌦!日本市場も大暴落か?!

● あれだけNY市場が暴落すると、このような見出しを素人は付けたがる。ということでこのような見出しにしたのだが、すると市場はあまのじゃくで”常識的な読み”に対してギャクブレすることが少なくない。
 いずれにしても昨日のNY市場での「AIG」株は、最高値の4.22㌦で始まり、最安値の3.51㌦で終えた。どうも850億㌦の返済の目処がスッキリしない。


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★ 「大和生命破綻」に関する保険の知識!

2008年10月12日 | 保険
■ 大和生命が10月10日に更生特例法を申請し実質破綻したことに関する保険の知識!

● 一部のマスコミ報道には要注意!

● 契約者は「旧大正生命」(平成12年8月28日破綻)と「大和生命」の大きく2重構造に分かれる。そして「旧大正生命」の契約者は既に「予定利率1.0%」で保険契約は引き直しをされている。

● ところが「大和生命」の既契約者は契約時のそのままの予定利率でここまで経過してきているため、今回の破綻により保険金額の大幅カットは避けられない。もちろん、大幅カットになる可能性が高いのは「個人年金保険や終身保険」等、いわゆる貯蓄性が高い保険商品だ。

【大和生命の契約者の保険金はどうなる?】

① 「旧大正生命」の契約者かあるいは「大和生命」の契約者かで大きく異なる。

 既に「旧大正生命」の契約者は、予定利率を1.0%に引き下げられていることから、再度引き下げられる可能性はほとんどない。但し、債務超過額が多額となった場合にはその影響を受ける可能性がある。 

 一方、「大和生命」の契約者の場合は、これまで無傷のため、大きく影響があ出る可能性が高い。とはいえ、保険商品により大きくその差は分かれる。一言で言えば「定期保険類は減額幅が少なく、個人年金保険・養老保険・終身保険などの貯蓄性が高い保険商品は減額幅が大きい」事になる。

 ちなみに、「旧大正生命」の予定利率1.0%引き直し例では、40歳(男性)契約の「終身保険」の場合、経過年数が1年→10年では「70%→33%」となっている。また、30歳(男性)契約の「個人年金保険・逓増型」では、経過年数が1年→10年では「76%→32%」となっている。

② 「早期解約控除」も適用される可能性が高い。

 実は、「旧大正生命」の「早期解約控除期間の10年」はまだ終わっていない。平成23年3月までが適用される期間だ。ちなみに「旧大正生命」の場合の「早期解約控除」は15%から始まった。

③ 「大和生命」について。破綻した「旧大正生命」は、「あざみ生命」となるがこれを引き受けた当時の「大和生命保険相互会社」は「大和生命保険株式会社」を子会社として設立し、そこに「あざみ生命」を引き受け、さらに「大和生命保険株式会社」へ一本化した。
 ちなみに「旧大正生命」は、土壇場で古倉義彦氏により巨額詐欺事件を起こされている。古倉氏を紹介したとして当時ミスター円こと榊原英資氏らの名前が取りざたされた。


● 「朝日新聞」の大和生命破綻の対処法に関する解説記事は記者の誤解があると思われ要注意!
● 「朝日新聞」の昨日・夕刊の見出しは「大和生命 保障の大半は保護」とあり、さらには今日の「ニュースが分からん!」では「破綻生保の保険金支払いどうなる?」では「積立金や業界・政府の安全網で大半支払われる」と見出しがある。
 当然のことながら、見出しだけを見ると「保険契約は守られる」と思いがちだが、あくまでもこれは保険契約がゼロにはならないという意味だ。
 しかも「生命保険契約者保護機構」の資金を使うことを前提としたような記事内容になっている。もしスポンサーが現れた場合、保護機構の資金は使われず、諸条件も大きく変わる可能性がある。現段階で「保護機構の資金を当てにした、大丈夫コール」は如何なものか。


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■「日本の生保業界の真実」=第116回=■

2008年10月07日 | 保険
【トピックス】46社目の生命保険会社として「みどり生命」が10月1日から営業を開始した。

10月7日(火)

● ますます見えにくくなってきた「米アリコ、AIGエジソン、AIGスター売却」の行方!

● 常識的には売りに出された保険会社の広告は自粛するのが筋だが、相も変わらず「アリコ」の広告がTVも新聞も流れている。ニュースでは買収希望の保険会社が相当数あるような内容が多いが、果たしてどうか、極めて疑問だ。

● 仮に最大49%の株式しか持てない買収保険会社とすると、買い手の魅力は激減する。その場合は入札しない保険会社がほとんどになるはずだ。しかも募集形態がこれまでと同じとなると、単に資金を出すだけになる。しかも経営リスクが伴うことからこんなリスクだらけの資金を出す保険会社は極めてレアになる可能性が高い。
 少なくともこのようなうがった見方をされないためにも、売却条件等はより透明化すべきだ。もちろん買収する意志がある保険会社にはGSからそれなりの細部の条件が提示されるとは思われるが、いかんせん入札までに2週間の余裕しかないことを考えると、資産内容の洗い出しなどほとんど間に合わないはずだ。もし、入札する保険会社がないというようなことにでもなると、最悪の事態が再度現実の話として引き戻される事になりかねない。

● 確かに「3社を売却」といっても、なかなかその細部の条件が見えてこない。そもそも「米アリコ」なのか「アリコジャパン」なのかすら明確ではない。もちろん「AIGエジソン生命とAIGスター生命」の2社一括売却なのか個社対応なのかも不透明なままだ。

● しかもこの不透明さを助長するかのように「AIA」の売却条件がネックになりかけている。というのも、「AIGはAIAの株式を最大49%売却したい意向」というものだ。これでは買収する側の意欲が削がれるという内容だ。このような不透明だらけの条件で買収候補が現れるのか極めて疑問に思えてきた感が強い。

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10月6日(月)
● 見えにくくなってきた「アリコ、AIGエジソン、AIGスター売却」の行方!

● 「産経新聞」によると、「アリコなど3生保、2週間以内に入札 東京海上などが検討」とあるが、これが事実とすると実に見えにくい展開になってきた。           というのも売却対象は記事によると「米アリコ、AIGエジソン生命、AIGスター生命」であり、しかも仲買はゴールドマンサックスだと言う。
 10月3日のAIGのプレスリリースでは、グローバルコーディネーターは「ブラックストーングループとJPモルガン」だったことからこの辺の線引きはどうなっているのか。
 
● 今の時点ではっきりしていることは、「米アリコ」が販売対象となると極めて日本の保険会社は手を挙げにくい。当然のことながら「アリコジャパン」ならまだ実態把握も可能だが、そもそも「米アリコ」の買収後の経営方針とその実践はなかなか描きにくい図だ。
 しかも特に気になるのが、米アリコの買収価格だ。余程慎重にやらないと高値掴みさせられる可能性が高い。記事には「1兆円から2兆円」とあるが、どのように見積もればこのような金額になるのか甚だ疑問だ。約1,000億円余りの穴埋めと競争によるプレミアムを足し込んでも1兆円は買いかぶりすぎだ。もちろんこのような金額は最終的には相対的要素が強いので、高くても欲しいところが買えばAIGは助かることになる。



● 「AIG格下げ」で、ますます苦況に!

● ムーディーズは、10月3日米AIGの債務格付けをそれまでの「A-2」から1ノッチ下げた「A─3」に引き下げた。
 またS&Pも3日、「A-」のアウトルックを「ネガティブ」に引き下げた。

● 懸念されることは、格下げによる「借り入れコストの上昇」だ。既に850億㌦のうち610億㌦は借りていることから、今後借りられる残高は250億㌦しかないことになる。

(注意)現在のところ、ムーディーズの「アリコ、AIGエジソン生命」の保険財務格付けとS&Pの「アリコ・ジャパン、AIGエジソン生命」の保険財務格力付けには9月15日・16日以降変動はない。

 
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10月5日(日)
■ 「アリコジャパン」の買収後経営戦略の難しさ!

● 今朝の各紙を見ると「アリコ争奪 保険再編へ」(朝日新聞)が一面トップともなると、もうなにをかいわんおやだ。率直に言って「アリコジャパン」を買収して果たしてどのような販売戦略を立てるのか、否、立てられるのかが極めて疑問だ。
 その前に負債部分を穴埋めする必要がある。そして販売チャネルの整理だ。さらにはこれまでの広告戦略の見直しも不可欠だ。

● もっともややこしいのは、営業員と代理店とのアリコと新保険会社とのすりあわせが面倒だ。各紙には買収側生保として「日本生命」の名前がほとんど出ているが、約6兆円余りの資産を手に入れるため相当面倒なことに巻き込まれるストレスを考えると、積極的に手を挙げる可能性は少ない。仮に挙げることにでもなるとこれまでのアリコの保有契約は「保全生保預かり」的な対応を取るしかない。

● 一方「東京海上HD」の場合は・・・。


■ 結局「AIGの第1報」は何だったのか?極めて疑問だ!いつ、「アリコ売却」は決まったのか?

● 以下がAIGのニュースリリースの第1弾である。
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[ニューヨーク、 2008年10月3日-アメリカンインターナショナルグループ株式会社は本日、米連邦準備理事会からの貸付金の残高を返済するのに十分な流動性を生成するの意図を中核事業の損害保険会社の重点を移すことを示唆する。
AIGは、その米国損害保険、外国人一般的な保険事業を維持し、海外の生命保険事業の継続持分比率を維持する計画だ。
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● これが発表されたのが日本時間の3日20時ころである。もちろんマスコミ各紙はこのリリースの赤字のところに注目してネットニュースで「日本の保険会社5社は継続」のニュースを流すことになる。
 確かに文面ではそのように解釈出来る内容だ。しかし、新聞各紙が以下の事実を知ると間違いなく憤慨する気になるはずだ。

● 実は、AIG関連の保険会社では「(休日である)4日に出勤し9時から17時までのお客様からのお問い合わせ対応をお願いする指示」が既に3日の午後には出ていたのである。
 つまり、AIGのニュースリリースでは「5社はそのまま継続」と受け取れるにもかかわらず、「売却」は、既定路線だったのである。

● もちろんかの4日の営業店の営業については「アリコ」にも出されていた。ということは、既に発表前に「アリコ売却」は既定路線だったと言うことが出来る。にもかかわらず、第1報のニュースリリースではそれには一言も触れず、むしろ「そのまま継続」を流し、それにより日本のメディアは「5社継続」のニュースをネット上で流したのである。

● もう少し時間がずれていたら、新聞の見出しは「日本のAIG5社は継続」という大チョンボの見出しを出すところだったのだ。AIGの第1報に疑問を覚えたことから、「ブルームバーグとロイター」のニュースをこまめにチェックしたが、「ブルームバーグ」は淡々と(1)~(3)を適時ニュースで流したものの「ロイター」はかなり時間が経過してからまとまった形でのニュースを流した。

● この違いは何かとなるが、やはり事前に集めた情報に対する信念の差だろう。かく言う私も予定(日本時間3日21:30分ころ発表)より早い時間のAIGの第1報の中身をやつぎ早に連絡を貰った時には「そんな、馬鹿な!」と絶句した。しかし、AIGの公式発表だと知ることで、その信憑性は信じざるを得なかったがこれまでのいきさつを知るものとしては「これはおかしい」と言ったもののその時点では反論の根拠はなかった。
 しかし、電話会議に入り、「アリコ、AIGエジソン生命、AIGスター生命」の売却が発表されることになる。 


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10月4日(土)

■ 「アリコ、AIGエジソン、AIGスター」の売却先はどこだ?!

● 全国紙で「売却先」の記事を掲載したのは「日本経済新聞」だけだ。おそらく他紙はそこまで取材範囲がカバーできなかったのだろう。ただ、これまでに入った情報を整理すると「買収候補」に名前が挙がった保険会社(あるいはそれに相当)の数は、雄に10社を超える。もちろん、外資、国内入り乱れての乱戦状態だ。

● ただ、問題は「アリコ」だ。果たして米国本社の「アリコ」を丸ごと売るのかあるいは日本支店だけを切り売りするのかがまだはっきりしない。おそらくキャッシュが少しでも多く欲しいAIGとしては、切り売りもありだと思うが、この選択により買収する保険会社の名前は大きく違ってくる。

● いずれにしても、「アリコジャパン」を買収した保険会社は、そのビジネスモデルにやや頭を悩ますことになるのは避けられない。これまでと同じように広告で企業の知名度を上げていく戦略は、やりたくないはずだ。
 よく言えば10年前に「先祖帰り」という経営戦略が無難ではあるが、そのためには現在の「アリコジャパン」の販売チャネルの整理を大胆に行う必要がある。しかも、現在のところAIGが株式をある程度保有する考えと言うことからすると、売却した保険会社の自由度がいかほどかも気になるところだ。
<続く>



■ 「アリコ」売却!AIGエジソン生命、AIGスター生命も!

● 昨夜の第一報が「海外の生保事業売却せず」ということから、ほとんどの新聞各紙のネットニュースでは「日本の5保険会社継続」というニュースが流れた。
 実は、夕方までに入手した諸情報を並べると「アリコ、AIGエジソン生命、AIGスター生命」の売却には確定的な見解を持っていたため、この第一報はどうしても納得がいかなかった。

● 強いて言えば「損保1社の売却情報」もあったため「4社売却」と考えていたが、結局損保事業への資源集中と言うことでこの損保1社は対象から外れた。   文字どおり、これからは「売却先」がおおきな関心事となるが、これについては改めて。


■ 「アリコ」売却!AIGエジソン生命、AIGスター生命も!(一部報道)

● 下の書き込みを終えてしばらくしたら、「アリコ売却」のニュース速報が流れた。これで、全国の支社等に3日に流された「営業店一部営業のお知らせ」の意味がつながった。明日は休日にもかかわらず出勤して電話などの対応に当たるというのだ。つまり、大方の意に反して「アリコ売却」は既定路線だったことになる。
なお、一部報道では「AIGエジソン生命とAIGスター生命」も売却するという。


■ AIGの発表内容への疑問?!

● 「ブルームバーグ」が、20:51に報じたのが①の内容だ。このプレスリリースをもとに、マスコミ各社は「日本の保険会社はそのまま維持」と一斉に報じた。
 ところが②の21:51の「ブルームバーグ」の報道では、内容が明らかに異なっている。(赤字のところ)

● これを鵜呑みにすると「米国の生命保険会社であるアリコ」は売却対象と捉えることが出来る。疑問だらけだ。そもそも売却企業のリストを公表するとした発表が、第1報のように実に漠然とした大枠だけの発表ならほとんど意味はない。その企業リストにより売却金額もある程度想定できるが、これではあくまでも「意気込み」を発表しただけで、850億㌦の返却に黄色信号がともりだした、と見る方が賢明だ。


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=②=AIG:米国の損保事業に集中、米生保事業は売却方針に転換か(2)

10月3日(ブルームバーグ):米政府の管理下にある米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は3日、今後は損害保険に集中する方針を発表し、多数の事業を売却する意向を示した。
エドワード・リディー最高経営責任者(CEO)は発表文で「すでに多くの強固で安定した相手と協議しており、買い手はこれらの資産の価値を認識するだろう」との見解を明らかにした。
リディーCEOは米国の生命保険部門を保持することを優先事項に掲げていたが、売却する方針に転じた。AIGは9月16日、政府から融資を受ける代わりに、株式79.9%を譲渡することで合意。これまでに約610億ドルを借り入れている。
AIG株はニューヨーク時間午前7時56分現在、前日比44セント(11%)高の4.44ドルで推移している。
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=①=【ブルームバーグ】AIG:米国の損害保険事業に集中、資産売却へ-海外事業は保持計画

AIG:米国の損害保険事業に集中、資産売却へ-海外事業は保持計画
 10月3日(ブルームバーグ):米政府の管理下にある米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は3日、今後は損害保険に集中する方針を発表し、多数の事業を売却する方針を示した。海外事業は維持する方針。
 AIGは発表資料で、「米国の損害保険事業、海外の総合保険事業と海外の生命保険事業の持分は保持する計画だ」とし、「それ以外の優良な事業と資産について売却の機会を探っていく」としている。


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■「日本の生保業界の真実」=第115回=■

2008年10月03日 | 保険
10月3日(金)

■ AIGの再建策による売却候補は?

【緊急情報!】 どうやら、AIGの売却リストの中身が大方の予想を翻す内容になる可能性が出てきた。情報が複層しているので絶対視はできないが、事態は急を要することになる可能性が高い。一部情報によると、売却先もほぼ確定的な話が出ている。
(追加/19:12)この情報が正しいとすると、明日の少なくともAIG・4社以上の保険会社は契約者からの問い合わせに忙殺される可能性が高い。



● 今夜、具体的なAIGの売却候補が発表される。関心は日本の事業がそこに入っているかまた何社かという点だが、どうやら「AIGエジソン生命とAIGスター生命」は間違いないようだ。
 そしてどうやら、破綻とは異なるため相対取引で売却先が決まるもようだ。既に保険業界では、売却先の保険会社探しが盛んだ。

● 当然のことだが「AIGエジソン生命とAIGスター生命」は、来年1月の合併を前提にここに至っている。多額のシステム合併費用も要したことから両社は2社一緒の売却が穏当と見られていたが、どうもばら売りの可能性が急浮上している。どうやらその背景には「(自社の内容を正確に知らない)訳の分からない保険会社には買って欲しくない」ということと、できたら日本の保険会社に買って欲しいという期待があるようだ。何年か経過したらまた売却はなしというのは避けたい心理が強い。

● AIGの資産売却についての複数の報道によれば、AIGが売却を検討している資産には、「航空機リース部門や再保険トランスアトランティック・ホーディングス、ロンドン・シティ・エアポート」などが含まれる、とされる。
 気になるところは、元AIG会長兼CEOだったグリーンバーグ氏は29日付の書簡で、資産売却のプロセスは、AIG株主に最良の価格をもたらすことになる「透明性と、取得希望者への入札参加の機会を提供していない」と述べた、という。もっとも、今回の資産売却について、グリーンバーグ氏の影が見え隠れするという声も一部にある。
 ひょっとすると、資産売却候補発表即売却先発表ということもないとは限らない。


■ 「富士火災」のAIG持ち株分23.04%に諸思惑が!

● どうも「富士火災」のAIG株の動向が、AIGの方向性を示唆するのでは、と言われている。時価総額で単純計算するとAIGの持ち株は約270億円だが、この行方が重要だというのだ。

● もちろん市場に放り出すようなことにでもなると、富士火災の株は暴落の憂き目を見るが、いくら何でもそのような稚拙な手法は使うまい。ではどうするかだが、いくつかの案が浮上している。



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10月2日(木)

■ 深夜に乱れ飛ぶ保険情報の真贋!

● AIG絡みの情報が乱れ飛んでいる。関心事はいくつかに分かれるが、もちろんこれが間違いない情報、というのは現段階ではない。但し、それらの細い糸をたぐっていくとおおよその方向性は見えてこないこともない。

● 昨夜も確たる情報と思えるものが2つあった。まず、一つは昨日のブログで書いた「AIGのアリコに対する注入額」のこと。もう一つは「AIGエジソンとAIGスター」の売却のことだ。注入額については、詳細は略すがやはり疑問符が付く内容だ。
 もう一つの2社の売却については、バラ売りの情報だ。単体売却もあるというものだ。しかも既にいくつかの具体的な生保名や売却希望金額までも出ており、さらにはその結果まで一部では明らかだという。
 もしこれが事実なら、かのシステム統合に費やしたとされる1千数百億円は無駄金となるのだが、果たしてその真贋のほどは?


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10月1日(水)

■ 「アリコジャパン」の資本注入!

● 時系列に新聞報道を追うと、「日本経済新聞」が30日の朝刊でまず報じた。そして各紙が30日の夕刊で追いかけることになる。このような「日経」が報じた経済記事を夕刊あるいは翌日の朝刊で他紙が報じるというのはよくあるパターンで特に違和感はない。ところが気になるところは、「朝日・読売・毎日新聞」のこのアリコの資本注入についての扱い方だ。

・日本経済新聞(30日・朝刊)  44行
・朝日新聞   (30日・夕刊)  35行
・毎日新聞   (30日・夕刊)  18行
・読売新聞   (30日・夕刊)  10行

● もちろん、アリコは9月30日付けで「弊社の資本の増強について」というニュースを報道機関また自社HPでは流している。おそらく、各紙ともアリコの広報等に対し一通りの取材はしたものと思われる。一般的にこのようなニュースになると、記者の質問力で獲れる情報は大きく異なる。
 もう一つは、情報を出す方のマスコミへの情報量の選択だ。つまり、気に入ったメディアには情報を多くだし、気に入らないメディアには聞かれたこと以上は話さないという、やや意地悪なやり方だ。

● 実は今回の資本注入は大きな意味を持つ。9月末の「生保の上半期報告」の内容に大きく影響するからだ。
 

● しかし、素朴な疑問は「なぜ907億円なのか?」だ。9月30日に907億円を688億円の現金と他を社債で入れる理由は、ベースは9月末対策と捉えるのが常識だ。とすると、この金額では「有価証券評価損も赤字」も解消しそうにない。中途半端な金額なのだ。

● 想像するに、時間が迫りとにかくかき集めた金額が907億だったというところではないのか。しかも現金と社債との組合せとなると余計疑心暗鬼を生みかねないのだ。



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9月29日(月)

■ 「アリコジャパン」の行方!

● 過日も触れたが、今秋にも有価証券の評価損のAIG株分を穴埋めするらしいが、これで安泰とは言えないのが、AIGの動向だ。資産売却の詳細候補は今週中にも発表される見込みだが、この切り売り返済手法は、果たしてその後に残された”優良資産”はどれほどになるのかという素朴な疑問が涌く。

● 勘違いしがちなのは新CEOは、AIGの再建について前向きかどうかが極めて疑問という点だ。一般的に考えると、資産売却を主目的に選ばれたCEOと思えなくもない。現在あるとされるAIGの100兆円を雄に超える資産も激減することは間違いなく、しかも「破綻寸前」まで追い詰められたことが明白になったことから今後の前向きな営業戦略は困難だ。

● 例えば、もし「AIGエジソンとAIGスター」を数千億円で売却したとすると、両社の総資産約4.4兆円がAIGの資産からなくなることになる。もちろん売却資産がこのような資産激減とはならないだろうが、間違いないことは減ることはあっても増加することはないということだ。量から質への転換といえば、聞こえは良いが経営に活かすのは相当の経営力が必要だ。
 もちろん、その辺まで踏まえて現CEOが経営すればよいが、果たしてどうか。


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9月28日(日)

■ 「AIGエジソン生命とAIGスター生命」の売却検討!買収するのはここだ!(かわら版=AIG特集・第2弾!)=その2=

● こういうブログの難しいところは、現在知りうることをすべて書けないという点だ。理由は「知りうること=正確な情報」とは限らないからだ。例えば、ここに来てマスコミ報道された「AIGエジソン生命とAIGスター生命」の買収候補に「マニュライフとアリアンツ」があるが、「マニュライフ」は米国のメディアが報じたことでこのブログで書くことも出来たが、アリアンツについてはその裏付けとなるものが見つからなかった。

● ところが、早々に買収候補として複数の方から「アリアンツ」の名前は耳にしていた。どうやら欧州系のメディアが報じたらしいがそのニュースソースが見つからなかったため具体的な企業名は書かなかった。
 もっとも、世界のメディアの保険情報をすべてキャッチしようなどとしても物理的に不可能だ。ただ、以前とは異なりインターネットのお陰で全国紙(もちろん地方紙も)が報じないニュースもタイミングさえ合えば即座に知ることが出来るようになった。

● さて、保険情報は飛び交うが、その中のニュースの真贋とその先を読むのが私の仕事と考え、私なりの情報収集をするのだが、基本的に当事者企業は自分が持っている自社情報はまず出さない。当然といえば当然だ。しかもM&Aの場合、それに直接タッチするのは極限られたメンバーだけだ。もちろん役員全員に知らせることなどはまずない。もちろん、M&Aの規模にもよるが。

● となると、2社の買収先はどこかとなるが、知る範囲では3社が濃厚だ。ただ、ネックは金額で、とりわけ2社のシステムにかかった費用を巡っての1,000億円以上(社内情報では具体的な金額が情報源により少々異なるも出ている。ただ、その金額は相当上乗せされた金額と考えられる。)の違いは価値観に違いが出ている様子だ。


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9月27日(土)

■ 「AIGエジソン生命とAIGスター生命」の売却検討!買収するのはここだ!(かわら版=AIG特集・第2弾!)=

● ようやく、今日の日経新聞に「AIGエジソン生命とAIGスター生命の売却検討」の記事がでた。既に「保険・かわら版=第66号=(8月10日発行)」では、(図表⑤ー②)の「AIGが売却する可能性がある保険会社」としてこの2社を「可能性C」としてランクしていた。
 もちろん、発行時はAIGの株価は2,000円台を維持していたころで9月15日~17日の激動の3日間など全く想像だにしていないことだ。

● このブログでは、当然のこととして「AIGエジソン生命とAIGスター生命」という名前を記して「売却の可能性が高い」などという表現は使えないため、あくまでも「かわら版」の(図表⑤ー②)の左からの2社という表現を使ってきた。もちろんだが「かわら版」を購読されている方は、それがどの保険会社を指すかはすぐに分かったはずだが、「かわら版」発行以降の「可能性の変化」については、保険会社名を伏した表現で「C→B→B+」と、その可能性の高さを指摘してきた。

● 付け加えると、その2社の次の保険会社は「E→C」にした。更に6社目は「D→B」に変更した。(9月16日変更済)ついでに言えば、この間多くの質問や情報提供を頂いたが、その中でも多かったのが「買収価格」の質問だった。   答えは「●兆円+-2,000億円」と答えたが、要は3社のうちの某社のAIG株の評価損をどうするかなど不透明なところがあるため、このような返事をした。

● また、よくある質問が「某生保は支店だから売却出来ないのでは?」の質問だ。実はこれはやろうと思えば十分に可能、というのが私の見解だ。その前提は「AIGが売る気があり買い手が国内社が条件」という点だ。これなら某生保がどうして「支店」でしか日本での営業が出来なかったかを考えれば、自ずと答えは出てくる。いざとなれば、金融庁の役人はそんなに頭は悪くないことがすぐに分かるはずだ。(この辺もこのブログでは明言は避けたい。)



■ 「AIG」に関しては実にいろいろな情報が流れている。その真贋を見極めるのも私の仕事のひとつなのだが、いくら確実な情報でも見境無くこのブログに書こうものならいろいろな支障をきたすことになりかねない。<基本的には「保険・かわら版」がベースなので、そこにはかなりきわどいことも書いているが、第2号の中の一つをここでは回りくどく書いておきたい。

● 某生保のAIG株の評価損部分を近々穴埋めするらしいが、果たしてこれは「売却準備」と捉えるとよいのか、あるいは「健全生保」を強調するために急遽準備することなのか判断は難しい。もっともこれでソルベンシー・マージン比率は1,000%台に回復するはずだが。 
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