3月26日(木) 訪問者数627人(閲覧者数1,415人<青色追加>
■ 「アリコの売却価値が下がる」これだけの理由!
● 買収価格の価値判断には方程式がないだけにその金額を弾き出すのは外野からは不可能だが、しかし、一般的な価値判断として「売りに出された時」とその後の比較で金額的価値が高くなったかあるいは下がったかの判断はおおよそ予測可能だ。もちろん実際の売買に於いては双方の価値判断が”一般的常識”とは限らないことから後から驚くような高値であるいは安値で売買が成立と言うことはままあることだ。
● そこで「アリコの売買価格」を予想してみると、売却が決まったときには”1兆円”という金額が一人歩きし、しかも一部メディアでは”(買収希望企業が)殺到する”というような書き方をしたところもあった。
そもそもこの”1兆円”が妥当かとなるのだが、どのように考えてもその価値が見いだせないのが本当のところだ。単純に「総資産第6位」とか「保険料収入5位」などの見せかけの評価で高い価格になるとは考えられないが、確かに「評価が下がる内容」が四半期業績からも明らかだ。
● 「S・M比率」は、どうにか700%台を維持しているが、金融情勢如何では下がる可能性も否定できない。もっとも四半期毎に「増資」の効果があったとも言えるわけで、年度決算は「AIG」株の上昇(3月末も何とか現状維持とした場合)で少なくとも大幅下落は避けられそうだ。
しかし、問題は「収支のバランスの悪化」だ。例えば「第2四半期」(7月ー9月)までは良かったのだが、ところが「第3四半期」の(10月ー12月)になると、「保険料等収入2,804億円、保険金等支払金8,757億円」とバランス悪化は著しい。
● しかも問題は「保険金等支払金」の中身だ。もちろん「解約返戻金」の急増も問題なのだが、開示資料にはない「再保険料」と思われる金額が単純計算では6209億円もある点だ。
さらに追加説明をすると、諸々の資金の流れから「総資産」が僅か3ヶ月(9月末ー12月末)で7,492億円が吹き飛び、6兆円を辛うじて維持している状態だ。もし、1月ー3月でもこの傾向に歯止めがかからないようだと、「総資産順位」は、「6位の座」を巡って「アリコジャパン、太陽生命、大同生命、朝日生命、富国生命、アフラック」が競うことになる。
● 四半期毎の開示資料ではかなり制限された内容だが、少なくとも19年度決算資料の「アリコジャパン」とは隔世の感がある諸データが20年度決算(21年3月)では並ぶことは間違いない。
細部は今後の自主セミナーで解説していくが、極めて困難な状況に陥りつつあることだけは間違いない事実だ。
■ 「生命保険事業概況・1月」から読み取れる生保業界の現状!
● 毎月、生命保険協会が「事業概況」を発表している。毎月、日本経済新聞に1段10数行で出ることで発表されたことを知ることが多いが、1月についても「生保保険料4.4%減」の見出しで掲載されていた。
● ポイントは「保険料収入減」なのだが記事によると「死亡保障の販売低迷が続いている」ことと「運用成績により年金の受取額が変わる変額年金保険の販売が落ち込んだことが主因」とある。
確かにこの不況下では、積極的に保障額の大きい死亡保障保険に契約する人は激減しているに違いない。また「変額個人年金保険」も実質売り止め状態の銀行等もありかつてのような勢いはない。
● ところで、最近の経済環境の悪化を示すのが「解約返戻金の増加」だ。1月単月では対前期比「7.0%増」なのだが4月~1月では「9.0%増」となっている。金額にすると通期で5兆2435億円という莫大な額だ。
もちろん、年金保険の一時払いを解約という例も多いと思われるが、ほとんどのケースが「損失覚悟の解約」だったと思われる。経済的な事情か加入した生保への不安かは不明だが、間違いないことは相当の「解約による損失」が契約者には出ていることになる。
● 一方、保険業績に目を転じると、「個人保険」の場合「金額は減少しているが件数は増加」というややアンバランスな実績だ。この理由は「高額契約が減る一方で単価の少ない医療保険やガン保険などが増加」したことを意味することになる。 しかしそれにしても1月単月で「81.9千件」の契約が生まれている。いろいろなドラマがある1件1件と思われるが、間違いなく言えることは「このような不況下でも生命保険契約が途絶えることはない」という事実だ。
● <続く>
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3月25日(水) 訪問者数596人(閲覧者数1,281人<青色追加>
■ 「オリックス生命」150億円の増資!金融庁検査2ヶ月に近い長期に!
● 「オリックス生命」の金融庁検査が長引いている。1月30日から始まったがあと1週間でほぼ2ヶ月となる。この規模の生保としてはかなりの長期検査だ。しかもその最中に150億円の増資である。
実は、「オリックス生命」は、第1四半期(4-6月)、第3四半期(10-12月)の「S・M比率」は非開示だ。損保系生保を除けば国内生保としては非開示は珍しい。
● 3月末を見越した増資は「住友生命、第一生命、T&Dグループ」に次いで4社目だ。しかも20年11月13日の100億円についでの2回目だ。目下のところ金融情勢如何では後1,2社が「増資」の可能性があるというが、増資できるかどうかを含めて少なくとも月末まで緊張したシミュレーションが続く。
■ 「R&I:富士火災 格下げ A- → BBB+(方向性 ネガティブ)」
■ 「AIG」株価落ち着く!1,730億㌦完全返済の可能性には疑問!
3月24日(火) 訪問者数616人(閲覧者数1,269人<青色追加>
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■ 「4月29日(水・祭日)」の「東京・保険報告会&保険セミナー」開催決定のご案内!
● 当初「札幌と京都」でセミナー開催を企画したが、一定日数が経っても参加申込者が予定以上に集まらないことから開催を延期することにした。申込みされた方々にはこの場を借りて改めてお詫びします。
● 以前は、参加者数にお構いなく開催したこともあったが、さすがに最近の経済状況ではそのような無茶も出来なくなった。もちろん自主セミナー開催をビジネスとしていないことから収支はギリギリでも実施したいのだが、やはり開催する毎に赤字では体力が持たない。
もっとも事務方の予定では、「札幌ー京都ー新潟ー広島」と予定していたらしいが、今回のことで開催地と時間を再検討することになった。
● そこで急遽「東京」開催が4月29日(水・祭日)に決まったのだが、3月20日に開催したばかりの私にするとどれだけの方が申込みをされるか不安一杯だった。ひょっとしたら申込ゼロで”開催延期”という事態も考えられたのだが、しかし、わずか3,4日のこのブログだけの案内だけで10人にあと一息という申込みを頂戴した。これで開催決定だ。
● 実は、3月20日に「保険講演会」(今回からは「保険報告会」と改称)と銘打って開催したが、50分の予定時間にしたがために、なかなか深掘りした話が出来ないため、ほぼ15分ほどオーバーしてしまった。
このときは「①:AIG問題、②:「S・M比率」による生保決算問題、③:保険業界再編の動向」の3点について解説したが、やはりかなり50分では窮屈だった。そこで、10分ほど延ばして貰うことにしたのだが、これでもギリギリかと思うものの、基本的に「旬の話題を分かりやすく」となると60分が適切なのだろう。
● とかく何のためのセミナーかとなるが、やはり業界を客観的にみるためのヒントになるセミナーだと考えている。そのためそれぞれの立場でやや耳の痛い思いをすることもあるだろうが、ビジネスの現場では自分に都合の良い解釈をしてくれるとは限らないから客観的な見方を知っておいて損はないと考えている。
現実問題として、動きが激しい保険業界の動向から資料作成には手こずることも少なくないが、やはり大きなポイントはいろいろな保険情報を咀嚼してこれからの「サキヨミ」をする難しさだろう。
● そのため、保険セミナーの開催毎にテキストの何頁かは編集のし直しをしてデータ等や今後の動向を再編集することになるが、既に「セミナー・日本の保険業界の現状」を受講された方の追加版として「保険報告会」(当初の「講演会」)をセミナーの前に60分組み入れることにした。
これでセミナーの補完が十分とは言わないものの「保険業界動向への気付き」がこの60分であればまずは合格点かなと考えている。
● ややもすると「自社の保険商品がベスト」と洗脳されて何が何でも「自社の△△商品が一番」とやることが少なくないが、しかし、広く保険業界を見る視点を養っておかないと気付いたときには手遅れという時代が間違いなく近づいているような気がしてならない。
実際問題として、「安い保険料」だけでは、年齢や諸条件はあるものの「ネット生保」の出現でこれからはその”保険販売法”が通用しなくなる時代がくるかもしれないのだ。特に「収入保障型保険」については今日のブログの別枠で書いたとおりだ。
↓(「東京・保険報告会&ッセミナー」)
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/df60b49207a5254de55519f7dcf58d85
■ 「SBIアクサ生命のカチッと収入保障」の保険料!
● 今月ネット生保の「SBIアクサ生命」が「カチッと収入保障」という保険を販売し始めた。文字どおり「生活設計による必要保障額を安い保険料で適切にカバーする」というのが売りだが、確かに保険料は安い。
例えば35歳・男性の20万円年金保障のケースでは「6,200円」だ。これに「災害割増特約1,000万円」を付加しても「6,580円」で済む。
● 条件は細部で異なるが同じ加入条件で「ソニー生命の家族収入保険」を調べると「7,120円」だ。もちろん「災害割増特約1,000万円」は付いていない。 強いて言えば「非喫煙型のリスク区分型」なら「ソニー生命が5,660円」(最低支払保証期間2年。5年は6,020円)だ。
● つまり、喫煙者以外は「SBIアクサ生命」の保険料が安いことになる。これから「保険料が安くて」手続きが簡単」とネット生保の知名度が高くなってくると「収入保障型タイプを積極的に販売してきた生保」は、「収入保障保険の顧客掘り起こしとニーズ喚起」をやったあげく「もっと保険料が安い生保があったのでそちらに契約する」という断りで収束する保険営業があふれかえることになりかねない。
● もっともややこしいのは「保険料」だけが唯一の選択肢で契約した「収入保障保険」の場合、既契約を解約してネット生保に乗り換える契約車の増大だ。もちろんそのためには「SBIネット生保の知名度が不可欠」だが、少なくとも「収入保障保険の保険料比較での営業員・代理店販売は大きな岐路に立たされた」と考えるが如何か?
■ 「価格変動準備金・危険準備金」の一覧表!
● 最近のセミナーのテキストには必ず不可欠なのが生保45社の「S・M比率」と「価格変動準備金・危険準備金」の一覧表だ。それも専門誌のように最近の数字だけを掲載したものではなく、17年度からの金額を一覧にしてある。つまり、直近の数字を対前期比という形態で載せても「流れ」が見えないのでは意味がない。
● 例えば「S・M比率」を例に取ると、17年度から19年度までは、ほとんどの生保が非の打ち所がないほどの比率が並んでいる。このレベルの比較では最も低い生保が「朝日生命の674.1%」としてもほとんど緊迫感はない。2番手の「三井生命」も696.1%というのではこれまた同様だ。
ところが「四半期決算(業績報告)」を発表するようになって、その緊迫感は一気に高まることになる。もちろんこの背景には、米国発の金融危機の影響が大きい。
● つまり、第1四半期の「20年6月末」また中間の「20年9月末」さらに第3四半期の「12月末」の「S・M比率」を横並びで一覧すると、今や「S・M比率からの注意警報」の危機は何も「朝日生命と三井生命」に限らないことが分かる。
例えば「9月末の中間」では「アリコジャパン、アクサ、AIGエジソン、マニュライフ」が大きく数値を減らした。しかも「マニュライフ」以外は700%台になった。ただ12月末では、この3社は増資などで「S・M比率」を上げている。 一方「マスミューチュアル生命」は、「425.8%」にまで9月末で下げたが130億円の増資で12月末は上げたと思われるが、残念ながら12月末の「S・M比率」は開示していない。
● このような「S・M比率」の動向と、「ソルベンシー・マージン総額」の中の「価格変動準備金・危険準備金」の推移を丁寧に見ていくと、どの生保が困窮な状態に陥っているかが一目瞭然となる。この両準備金が極めて厳しい状況だったのが、総資産順に「三井生命、アリコジャパン、朝日生命、AIGエジソン生命、AIGスター生命」と続いたが、AIG2社は正式に売却が決まれば問題はクリアー出来ることになる。他もこの金融情勢が何とか持ってくれればギリギリセーフか?!
● もっとも、これ以外の生保でもこれらの指標数値や準備金が相当戻し入れされている生保もあり、3月末の株価と為替からは目が離せない。後6日である。
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3月23日(月) 訪問者数624人(閲覧者数1,315人<青色追加>
■ 「AIGとアリコ」の行方!
● 結局「ボーナス批判」がここまでヒートアップしてくると、「AIG」の再生は絶望的に見える。当然それを見越して「AIG解体とAIUによる再生」を意図することになるが、問題は170億㌦にもなる借金を返却できるかどうかになってくる。今のところ返済能力についてはほとんど触れられていないが、もし返済不能ということになると少なくとも今回のボーナス批判どころではない米国民からの批判が集中するのは避けられまい。
● その際気になるのは集中砲火を浴びる前に「アリコ・AIA」等を売却できるかどうかだ。少なくとも現状からはいわゆるAIG側が意図するような高額な金額で買収するところは皆無だろう。しかし、かといって安値売却はかの260億㌦の担保価値を考えた場合、その差額への批判も避けられない。
● この宙に浮いた状態で当分の間「アリコ(AIAも)」は、企業を維持する必要があるが、これは極めて難解な作業を強いられることになる。そもそも営業現場の閉塞感と疲労度は増幅することはあっても好転する可能性は低い。
となると、営業現場はどうするかだが、一言で言えば「生命保険販売の第一歩に立ち返る」必要がある。特に最近の”混沌とした保険販売の手法”を真っ正面から説明・指摘することが逆に信用を得る手法だと考えるのだが、果たしてすんあんり受け入れられる関係者がどれだけいるか多いに疑問だ。
■ 「シティ」の株の株式併合案に「AIG」も追随か?!
● 最近の最安値が0.92㌦まで下げた「シティ株」だが、どうやら「株式併合」を行う可能性が出てきた。最近の「保険セミナー」では「AIG」株が避けて通れない株式併合(連結)の話題なのだが、20日の金曜日の終値で2.62㌦のシティが、先行するようだ。中身は、2株を1株の案から30株を1株に併合する7通りを提示したらしい。
● さすがにここまでくると、何でもありの感がぬぐえないが、さりとて市場撤退とはいくまいことから背に腹は代えられない手法を駆使することになりそうだ。しかし、いくら何でも30株を1株には恐れ入る魂胆だ。もしそうなると、突然「シティは78.6㌦」となるのだが、その後の株価維持が出来るかどうかが多いに疑問だ。まあ、2株を1株というなら常識的ではあるが、どうせこの際となると株価だけが一人歩きすることになりかねない。
● もっとも「AIG」はボーナス問題に米国民の注目と反発が集中していることからタイミングが悪すぎる。とりあえず先週は1㌦を超えていたので時間はあるが、さりとて安直に株式併合を言い出すと、とんだとばっちりが飛んでくるかも知れない。
■ 「アリコの売却価値が下がる」これだけの理由!
● 買収価格の価値判断には方程式がないだけにその金額を弾き出すのは外野からは不可能だが、しかし、一般的な価値判断として「売りに出された時」とその後の比較で金額的価値が高くなったかあるいは下がったかの判断はおおよそ予測可能だ。もちろん実際の売買に於いては双方の価値判断が”一般的常識”とは限らないことから後から驚くような高値であるいは安値で売買が成立と言うことはままあることだ。
● そこで「アリコの売買価格」を予想してみると、売却が決まったときには”1兆円”という金額が一人歩きし、しかも一部メディアでは”(買収希望企業が)殺到する”というような書き方をしたところもあった。
そもそもこの”1兆円”が妥当かとなるのだが、どのように考えてもその価値が見いだせないのが本当のところだ。単純に「総資産第6位」とか「保険料収入5位」などの見せかけの評価で高い価格になるとは考えられないが、確かに「評価が下がる内容」が四半期業績からも明らかだ。
● 「S・M比率」は、どうにか700%台を維持しているが、金融情勢如何では下がる可能性も否定できない。もっとも四半期毎に「増資」の効果があったとも言えるわけで、年度決算は「AIG」株の上昇(3月末も何とか現状維持とした場合)で少なくとも大幅下落は避けられそうだ。
しかし、問題は「収支のバランスの悪化」だ。例えば「第2四半期」(7月ー9月)までは良かったのだが、ところが「第3四半期」の(10月ー12月)になると、「保険料等収入2,804億円、保険金等支払金8,757億円」とバランス悪化は著しい。
● しかも問題は「保険金等支払金」の中身だ。もちろん「解約返戻金」の急増も問題なのだが、開示資料にはない「再保険料」と思われる金額が単純計算では6209億円もある点だ。
さらに追加説明をすると、諸々の資金の流れから「総資産」が僅か3ヶ月(9月末ー12月末)で7,492億円が吹き飛び、6兆円を辛うじて維持している状態だ。もし、1月ー3月でもこの傾向に歯止めがかからないようだと、「総資産順位」は、「6位の座」を巡って「アリコジャパン、太陽生命、大同生命、朝日生命、富国生命、アフラック」が競うことになる。
● 四半期毎の開示資料ではかなり制限された内容だが、少なくとも19年度決算資料の「アリコジャパン」とは隔世の感がある諸データが20年度決算(21年3月)では並ぶことは間違いない。
細部は今後の自主セミナーで解説していくが、極めて困難な状況に陥りつつあることだけは間違いない事実だ。
■ 「生命保険事業概況・1月」から読み取れる生保業界の現状!
● 毎月、生命保険協会が「事業概況」を発表している。毎月、日本経済新聞に1段10数行で出ることで発表されたことを知ることが多いが、1月についても「生保保険料4.4%減」の見出しで掲載されていた。
● ポイントは「保険料収入減」なのだが記事によると「死亡保障の販売低迷が続いている」ことと「運用成績により年金の受取額が変わる変額年金保険の販売が落ち込んだことが主因」とある。
確かにこの不況下では、積極的に保障額の大きい死亡保障保険に契約する人は激減しているに違いない。また「変額個人年金保険」も実質売り止め状態の銀行等もありかつてのような勢いはない。
● ところで、最近の経済環境の悪化を示すのが「解約返戻金の増加」だ。1月単月では対前期比「7.0%増」なのだが4月~1月では「9.0%増」となっている。金額にすると通期で5兆2435億円という莫大な額だ。
もちろん、年金保険の一時払いを解約という例も多いと思われるが、ほとんどのケースが「損失覚悟の解約」だったと思われる。経済的な事情か加入した生保への不安かは不明だが、間違いないことは相当の「解約による損失」が契約者には出ていることになる。
● 一方、保険業績に目を転じると、「個人保険」の場合「金額は減少しているが件数は増加」というややアンバランスな実績だ。この理由は「高額契約が減る一方で単価の少ない医療保険やガン保険などが増加」したことを意味することになる。 しかしそれにしても1月単月で「81.9千件」の契約が生まれている。いろいろなドラマがある1件1件と思われるが、間違いなく言えることは「このような不況下でも生命保険契約が途絶えることはない」という事実だ。
● <続く>
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■ 「オリックス生命」150億円の増資!金融庁検査2ヶ月に近い長期に!
● 「オリックス生命」の金融庁検査が長引いている。1月30日から始まったがあと1週間でほぼ2ヶ月となる。この規模の生保としてはかなりの長期検査だ。しかもその最中に150億円の増資である。
実は、「オリックス生命」は、第1四半期(4-6月)、第3四半期(10-12月)の「S・M比率」は非開示だ。損保系生保を除けば国内生保としては非開示は珍しい。
● 3月末を見越した増資は「住友生命、第一生命、T&Dグループ」に次いで4社目だ。しかも20年11月13日の100億円についでの2回目だ。目下のところ金融情勢如何では後1,2社が「増資」の可能性があるというが、増資できるかどうかを含めて少なくとも月末まで緊張したシミュレーションが続く。
■ 「R&I:富士火災 格下げ A- → BBB+(方向性 ネガティブ)」
■ 「AIG」株価落ち着く!1,730億㌦完全返済の可能性には疑問!
3月24日(火) 訪問者数616人(閲覧者数1,269人<青色追加>
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■ 「4月29日(水・祭日)」の「東京・保険報告会&保険セミナー」開催決定のご案内!
● 当初「札幌と京都」でセミナー開催を企画したが、一定日数が経っても参加申込者が予定以上に集まらないことから開催を延期することにした。申込みされた方々にはこの場を借りて改めてお詫びします。
● 以前は、参加者数にお構いなく開催したこともあったが、さすがに最近の経済状況ではそのような無茶も出来なくなった。もちろん自主セミナー開催をビジネスとしていないことから収支はギリギリでも実施したいのだが、やはり開催する毎に赤字では体力が持たない。
もっとも事務方の予定では、「札幌ー京都ー新潟ー広島」と予定していたらしいが、今回のことで開催地と時間を再検討することになった。
● そこで急遽「東京」開催が4月29日(水・祭日)に決まったのだが、3月20日に開催したばかりの私にするとどれだけの方が申込みをされるか不安一杯だった。ひょっとしたら申込ゼロで”開催延期”という事態も考えられたのだが、しかし、わずか3,4日のこのブログだけの案内だけで10人にあと一息という申込みを頂戴した。これで開催決定だ。
● 実は、3月20日に「保険講演会」(今回からは「保険報告会」と改称)と銘打って開催したが、50分の予定時間にしたがために、なかなか深掘りした話が出来ないため、ほぼ15分ほどオーバーしてしまった。
このときは「①:AIG問題、②:「S・M比率」による生保決算問題、③:保険業界再編の動向」の3点について解説したが、やはりかなり50分では窮屈だった。そこで、10分ほど延ばして貰うことにしたのだが、これでもギリギリかと思うものの、基本的に「旬の話題を分かりやすく」となると60分が適切なのだろう。
● とかく何のためのセミナーかとなるが、やはり業界を客観的にみるためのヒントになるセミナーだと考えている。そのためそれぞれの立場でやや耳の痛い思いをすることもあるだろうが、ビジネスの現場では自分に都合の良い解釈をしてくれるとは限らないから客観的な見方を知っておいて損はないと考えている。
現実問題として、動きが激しい保険業界の動向から資料作成には手こずることも少なくないが、やはり大きなポイントはいろいろな保険情報を咀嚼してこれからの「サキヨミ」をする難しさだろう。
● そのため、保険セミナーの開催毎にテキストの何頁かは編集のし直しをしてデータ等や今後の動向を再編集することになるが、既に「セミナー・日本の保険業界の現状」を受講された方の追加版として「保険報告会」(当初の「講演会」)をセミナーの前に60分組み入れることにした。
これでセミナーの補完が十分とは言わないものの「保険業界動向への気付き」がこの60分であればまずは合格点かなと考えている。
● ややもすると「自社の保険商品がベスト」と洗脳されて何が何でも「自社の△△商品が一番」とやることが少なくないが、しかし、広く保険業界を見る視点を養っておかないと気付いたときには手遅れという時代が間違いなく近づいているような気がしてならない。
実際問題として、「安い保険料」だけでは、年齢や諸条件はあるものの「ネット生保」の出現でこれからはその”保険販売法”が通用しなくなる時代がくるかもしれないのだ。特に「収入保障型保険」については今日のブログの別枠で書いたとおりだ。
↓(「東京・保険報告会&ッセミナー」)
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/df60b49207a5254de55519f7dcf58d85
■ 「SBIアクサ生命のカチッと収入保障」の保険料!
● 今月ネット生保の「SBIアクサ生命」が「カチッと収入保障」という保険を販売し始めた。文字どおり「生活設計による必要保障額を安い保険料で適切にカバーする」というのが売りだが、確かに保険料は安い。
例えば35歳・男性の20万円年金保障のケースでは「6,200円」だ。これに「災害割増特約1,000万円」を付加しても「6,580円」で済む。
● 条件は細部で異なるが同じ加入条件で「ソニー生命の家族収入保険」を調べると「7,120円」だ。もちろん「災害割増特約1,000万円」は付いていない。 強いて言えば「非喫煙型のリスク区分型」なら「ソニー生命が5,660円」(最低支払保証期間2年。5年は6,020円)だ。
● つまり、喫煙者以外は「SBIアクサ生命」の保険料が安いことになる。これから「保険料が安くて」手続きが簡単」とネット生保の知名度が高くなってくると「収入保障型タイプを積極的に販売してきた生保」は、「収入保障保険の顧客掘り起こしとニーズ喚起」をやったあげく「もっと保険料が安い生保があったのでそちらに契約する」という断りで収束する保険営業があふれかえることになりかねない。
● もっともややこしいのは「保険料」だけが唯一の選択肢で契約した「収入保障保険」の場合、既契約を解約してネット生保に乗り換える契約車の増大だ。もちろんそのためには「SBIネット生保の知名度が不可欠」だが、少なくとも「収入保障保険の保険料比較での営業員・代理店販売は大きな岐路に立たされた」と考えるが如何か?
■ 「価格変動準備金・危険準備金」の一覧表!
● 最近のセミナーのテキストには必ず不可欠なのが生保45社の「S・M比率」と「価格変動準備金・危険準備金」の一覧表だ。それも専門誌のように最近の数字だけを掲載したものではなく、17年度からの金額を一覧にしてある。つまり、直近の数字を対前期比という形態で載せても「流れ」が見えないのでは意味がない。
● 例えば「S・M比率」を例に取ると、17年度から19年度までは、ほとんどの生保が非の打ち所がないほどの比率が並んでいる。このレベルの比較では最も低い生保が「朝日生命の674.1%」としてもほとんど緊迫感はない。2番手の「三井生命」も696.1%というのではこれまた同様だ。
ところが「四半期決算(業績報告)」を発表するようになって、その緊迫感は一気に高まることになる。もちろんこの背景には、米国発の金融危機の影響が大きい。
● つまり、第1四半期の「20年6月末」また中間の「20年9月末」さらに第3四半期の「12月末」の「S・M比率」を横並びで一覧すると、今や「S・M比率からの注意警報」の危機は何も「朝日生命と三井生命」に限らないことが分かる。
例えば「9月末の中間」では「アリコジャパン、アクサ、AIGエジソン、マニュライフ」が大きく数値を減らした。しかも「マニュライフ」以外は700%台になった。ただ12月末では、この3社は増資などで「S・M比率」を上げている。 一方「マスミューチュアル生命」は、「425.8%」にまで9月末で下げたが130億円の増資で12月末は上げたと思われるが、残念ながら12月末の「S・M比率」は開示していない。
● このような「S・M比率」の動向と、「ソルベンシー・マージン総額」の中の「価格変動準備金・危険準備金」の推移を丁寧に見ていくと、どの生保が困窮な状態に陥っているかが一目瞭然となる。この両準備金が極めて厳しい状況だったのが、総資産順に「三井生命、アリコジャパン、朝日生命、AIGエジソン生命、AIGスター生命」と続いたが、AIG2社は正式に売却が決まれば問題はクリアー出来ることになる。他もこの金融情勢が何とか持ってくれればギリギリセーフか?!
● もっとも、これ以外の生保でもこれらの指標数値や準備金が相当戻し入れされている生保もあり、3月末の株価と為替からは目が離せない。後6日である。
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■ 「AIGとアリコ」の行方!
● 結局「ボーナス批判」がここまでヒートアップしてくると、「AIG」の再生は絶望的に見える。当然それを見越して「AIG解体とAIUによる再生」を意図することになるが、問題は170億㌦にもなる借金を返却できるかどうかになってくる。今のところ返済能力についてはほとんど触れられていないが、もし返済不能ということになると少なくとも今回のボーナス批判どころではない米国民からの批判が集中するのは避けられまい。
● その際気になるのは集中砲火を浴びる前に「アリコ・AIA」等を売却できるかどうかだ。少なくとも現状からはいわゆるAIG側が意図するような高額な金額で買収するところは皆無だろう。しかし、かといって安値売却はかの260億㌦の担保価値を考えた場合、その差額への批判も避けられない。
● この宙に浮いた状態で当分の間「アリコ(AIAも)」は、企業を維持する必要があるが、これは極めて難解な作業を強いられることになる。そもそも営業現場の閉塞感と疲労度は増幅することはあっても好転する可能性は低い。
となると、営業現場はどうするかだが、一言で言えば「生命保険販売の第一歩に立ち返る」必要がある。特に最近の”混沌とした保険販売の手法”を真っ正面から説明・指摘することが逆に信用を得る手法だと考えるのだが、果たしてすんあんり受け入れられる関係者がどれだけいるか多いに疑問だ。
■ 「シティ」の株の株式併合案に「AIG」も追随か?!
● 最近の最安値が0.92㌦まで下げた「シティ株」だが、どうやら「株式併合」を行う可能性が出てきた。最近の「保険セミナー」では「AIG」株が避けて通れない株式併合(連結)の話題なのだが、20日の金曜日の終値で2.62㌦のシティが、先行するようだ。中身は、2株を1株の案から30株を1株に併合する7通りを提示したらしい。
● さすがにここまでくると、何でもありの感がぬぐえないが、さりとて市場撤退とはいくまいことから背に腹は代えられない手法を駆使することになりそうだ。しかし、いくら何でも30株を1株には恐れ入る魂胆だ。もしそうなると、突然「シティは78.6㌦」となるのだが、その後の株価維持が出来るかどうかが多いに疑問だ。まあ、2株を1株というなら常識的ではあるが、どうせこの際となると株価だけが一人歩きすることになりかねない。
● もっとも「AIG」はボーナス問題に米国民の注目と反発が集中していることからタイミングが悪すぎる。とりあえず先週は1㌦を超えていたので時間はあるが、さりとて安直に株式併合を言い出すと、とんだとばっちりが飛んでくるかも知れない。