■ 大知一成の公式「ブログ 保険・かわら版 」■=「間違いだらけの生命保険選び」=

=保険会社決算分析・保険商品分析・保険販売・保険金詐欺事件等保険業界のウラオモテを知る評論家「大知一成の公式ブログ」!=

■「日本の生保業界の真実」=第145回=■

2009年03月26日 | 保険
3月26日(木) 訪問者数627人(閲覧者数1,415人<青色追加>

■ 「アリコの売却価値が下がる」これだけの理由!

● 買収価格の価値判断には方程式がないだけにその金額を弾き出すのは外野からは不可能だが、しかし、一般的な価値判断として「売りに出された時」とその後の比較で金額的価値が高くなったかあるいは下がったかの判断はおおよそ予測可能だ。もちろん実際の売買に於いては双方の価値判断が”一般的常識”とは限らないことから後から驚くような高値であるいは安値で売買が成立と言うことはままあることだ。
● そこで「アリコの売買価格」を予想してみると、売却が決まったときには”1兆円”という金額が一人歩きし、しかも一部メディアでは”(買収希望企業が)殺到する”というような書き方をしたところもあった。
 そもそもこの”1兆円”が妥当かとなるのだが、どのように考えてもその価値が見いだせないのが本当のところだ。単純に「総資産第6位」とか「保険料収入5位」などの見せかけの評価で高い価格になるとは考えられないが、確かに「評価が下がる内容」が四半期業績からも明らかだ。
● 「S・M比率」は、どうにか700%台を維持しているが、金融情勢如何では下がる可能性も否定できない。もっとも四半期毎に「増資」の効果があったとも言えるわけで、年度決算は「AIG」株の上昇(3月末も何とか現状維持とした場合)で少なくとも大幅下落は避けられそうだ。
 しかし、問題は「収支のバランスの悪化」だ。例えば「第2四半期」(7月ー9月)までは良かったのだが、ところが「第3四半期」の(10月ー12月)になると、「保険料等収入2,804億円、保険金等支払金8,757億円」とバランス悪化は著しい。
● しかも問題は「保険金等支払金」の中身だ。もちろん「解約返戻金」の急増も問題なのだが、開示資料にはない「再保険料」と思われる金額が単純計算では6209億円もある点だ。
 さらに追加説明をすると、諸々の資金の流れから「総資産」が僅か3ヶ月(9月末ー12月末)で7,492億円が吹き飛び、6兆円を辛うじて維持している状態だ。もし、1月ー3月でもこの傾向に歯止めがかからないようだと、「総資産順位」は、「6位の座」を巡って「アリコジャパン、太陽生命、大同生命、朝日生命、富国生命、アフラック」が競うことになる。
● 四半期毎の開示資料ではかなり制限された内容だが、少なくとも19年度決算資料の「アリコジャパン」とは隔世の感がある諸データが20年度決算(21年3月)では並ぶことは間違いない。
 細部は今後の自主セミナーで解説していくが、極めて困難な状況に陥りつつあることだけは間違いない事実だ。 


■ 「生命保険事業概況・1月」から読み取れる生保業界の現状!

● 毎月、生命保険協会が「事業概況」を発表している。毎月、日本経済新聞に1段10数行で出ることで発表されたことを知ることが多いが、1月についても「生保保険料4.4%減」の見出しで掲載されていた。
● ポイントは「保険料収入減」なのだが記事によると「死亡保障の販売低迷が続いている」ことと「運用成績により年金の受取額が変わる変額年金保険の販売が落ち込んだことが主因」とある。
 確かにこの不況下では、積極的に保障額の大きい死亡保障保険に契約する人は激減しているに違いない。また「変額個人年金保険」も実質売り止め状態の銀行等もありかつてのような勢いはない。
● ところで、最近の経済環境の悪化を示すのが「解約返戻金の増加」だ。1月単月では対前期比「7.0%増」なのだが4月~1月では「9.0%増」となっている。金額にすると通期で5兆2435億円という莫大な額だ。
 もちろん、年金保険の一時払いを解約という例も多いと思われるが、ほとんどのケースが「損失覚悟の解約」だったと思われる。経済的な事情か加入した生保への不安かは不明だが、間違いないことは相当の「解約による損失」が契約者には出ていることになる。
● 一方、保険業績に目を転じると、「個人保険」の場合「金額は減少しているが件数は増加」というややアンバランスな実績だ。この理由は「高額契約が減る一方で単価の少ない医療保険やガン保険などが増加」したことを意味することになる。 しかしそれにしても1月単月で「81.9千件」の契約が生まれている。いろいろなドラマがある1件1件と思われるが、間違いなく言えることは「このような不況下でも生命保険契約が途絶えることはない」という事実だ。
● <続く>



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3月25日(水) 訪問者数596人(閲覧者数1,281人<青色追加>

■ 「オリックス生命」150億円の増資!金融庁検査2ヶ月に近い長期に!

● 「オリックス生命」の金融庁検査が長引いている。1月30日から始まったがあと1週間でほぼ2ヶ月となる。この規模の生保としてはかなりの長期検査だ。しかもその最中に150億円の増資である。
 実は、「オリックス生命」は、第1四半期(4-6月)、第3四半期(10-12月)の「S・M比率」は非開示だ。損保系生保を除けば国内生保としては非開示は珍しい。
● 3月末を見越した増資は「住友生命、第一生命、T&Dグループ」に次いで4社目だ。しかも20年11月13日の100億円についでの2回目だ。目下のところ金融情勢如何では後1,2社が「増資」の可能性があるというが、増資できるかどうかを含めて少なくとも月末まで緊張したシミュレーションが続く。


■ 「R&I:富士火災 格下げ A- → BBB+(方向性 ネガティブ)」

■ 「AIG」株価落ち着く!1,730億㌦完全返済の可能性には疑問!


3月24日(火) 訪問者数616人(閲覧者数1,269人<青色追加>

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■ 「4月29日(水・祭日)」の「東京・保険報告会&保険セミナー」開催決定のご案内!

● 当初「札幌と京都」でセミナー開催を企画したが、一定日数が経っても参加申込者が予定以上に集まらないことから開催を延期することにした。申込みされた方々にはこの場を借りて改めてお詫びします。
● 以前は、参加者数にお構いなく開催したこともあったが、さすがに最近の経済状況ではそのような無茶も出来なくなった。もちろん自主セミナー開催をビジネスとしていないことから収支はギリギリでも実施したいのだが、やはり開催する毎に赤字では体力が持たない。
 もっとも事務方の予定では、「札幌ー京都ー新潟ー広島」と予定していたらしいが、今回のことで開催地と時間を再検討することになった。
● そこで急遽「東京」開催が4月29日(水・祭日)に決まったのだが、3月20日に開催したばかりの私にするとどれだけの方が申込みをされるか不安一杯だった。ひょっとしたら申込ゼロで”開催延期”という事態も考えられたのだが、しかし、わずか3,4日のこのブログだけの案内だけで10人にあと一息という申込みを頂戴した。これで開催決定だ。
● 実は、3月20日に「保険講演会」(今回からは「保険報告会」と改称)と銘打って開催したが、50分の予定時間にしたがために、なかなか深掘りした話が出来ないため、ほぼ15分ほどオーバーしてしまった。
 このときは「①:AIG問題、②:「S・M比率」による生保決算問題、③:保険業界再編の動向」の3点について解説したが、やはりかなり50分では窮屈だった。そこで、10分ほど延ばして貰うことにしたのだが、これでもギリギリかと思うものの、基本的に「旬の話題を分かりやすく」となると60分が適切なのだろう。
● とかく何のためのセミナーかとなるが、やはり業界を客観的にみるためのヒントになるセミナーだと考えている。そのためそれぞれの立場でやや耳の痛い思いをすることもあるだろうが、ビジネスの現場では自分に都合の良い解釈をしてくれるとは限らないから客観的な見方を知っておいて損はないと考えている。
 現実問題として、動きが激しい保険業界の動向から資料作成には手こずることも少なくないが、やはり大きなポイントはいろいろな保険情報を咀嚼してこれからの「サキヨミ」をする難しさだろう。
● そのため、保険セミナーの開催毎にテキストの何頁かは編集のし直しをしてデータ等や今後の動向を再編集することになるが、既に「セミナー・日本の保険業界の現状」を受講された方の追加版として「保険報告会」(当初の「講演会」)をセミナーの前に60分組み入れることにした。
 これでセミナーの補完が十分とは言わないものの「保険業界動向への気付き」がこの60分であればまずは合格点かなと考えている。
● ややもすると「自社の保険商品がベスト」と洗脳されて何が何でも「自社の△△商品が一番」とやることが少なくないが、しかし、広く保険業界を見る視点を養っておかないと気付いたときには手遅れという時代が間違いなく近づいているような気がしてならない。
 実際問題として、「安い保険料」だけでは、年齢や諸条件はあるものの「ネット生保」の出現でこれからはその”保険販売法”が通用しなくなる時代がくるかもしれないのだ。特に「収入保障型保険」については今日のブログの別枠で書いたとおりだ。

↓(「東京・保険報告会&ッセミナー」)
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/df60b49207a5254de55519f7dcf58d85

■ 「SBIアクサ生命のカチッと収入保障」の保険料!

● 今月ネット生保の「SBIアクサ生命」が「カチッと収入保障」という保険を販売し始めた。文字どおり「生活設計による必要保障額を安い保険料で適切にカバーする」というのが売りだが、確かに保険料は安い。
 例えば35歳・男性の20万円年金保障のケースでは「6,200円」だ。これに「災害割増特約1,000万円」を付加しても「6,580円」で済む。
● 条件は細部で異なるが同じ加入条件で「ソニー生命の家族収入保険」を調べると「7,120円」だ。もちろん「災害割増特約1,000万円」は付いていない。 強いて言えば「非喫煙型のリスク区分型」なら「ソニー生命が5,660円」(最低支払保証期間2年。5年は6,020円)だ。
● つまり、喫煙者以外は「SBIアクサ生命」の保険料が安いことになる。これから「保険料が安くて」手続きが簡単」とネット生保の知名度が高くなってくると「収入保障型タイプを積極的に販売してきた生保」は、「収入保障保険の顧客掘り起こしとニーズ喚起」をやったあげく「もっと保険料が安い生保があったのでそちらに契約する」という断りで収束する保険営業があふれかえることになりかねない。
● もっともややこしいのは「保険料」だけが唯一の選択肢で契約した「収入保障保険」の場合、既契約を解約してネット生保に乗り換える契約車の増大だ。もちろんそのためには「SBIネット生保の知名度が不可欠」だが、少なくとも「収入保障保険の保険料比較での営業員・代理店販売は大きな岐路に立たされた」と考えるが如何か?


■ 「価格変動準備金・危険準備金」の一覧表!

● 最近のセミナーのテキストには必ず不可欠なのが生保45社の「S・M比率」と「価格変動準備金・危険準備金」の一覧表だ。それも専門誌のように最近の数字だけを掲載したものではなく、17年度からの金額を一覧にしてある。つまり、直近の数字を対前期比という形態で載せても「流れ」が見えないのでは意味がない。
● 例えば「S・M比率」を例に取ると、17年度から19年度までは、ほとんどの生保が非の打ち所がないほどの比率が並んでいる。このレベルの比較では最も低い生保が「朝日生命の674.1%」としてもほとんど緊迫感はない。2番手の「三井生命」も696.1%というのではこれまた同様だ。
 ところが「四半期決算(業績報告)」を発表するようになって、その緊迫感は一気に高まることになる。もちろんこの背景には、米国発の金融危機の影響が大きい。
● つまり、第1四半期の「20年6月末」また中間の「20年9月末」さらに第3四半期の「12月末」の「S・M比率」を横並びで一覧すると、今や「S・M比率からの注意警報」の危機は何も「朝日生命と三井生命」に限らないことが分かる。
 例えば「9月末の中間」では「アリコジャパン、アクサ、AIGエジソン、マニュライフ」が大きく数値を減らした。しかも「マニュライフ」以外は700%台になった。ただ12月末では、この3社は増資などで「S・M比率」を上げている。 一方「マスミューチュアル生命」は、「425.8%」にまで9月末で下げたが130億円の増資で12月末は上げたと思われるが、残念ながら12月末の「S・M比率」は開示していない。
● このような「S・M比率」の動向と、「ソルベンシー・マージン総額」の中の「価格変動準備金・危険準備金」の推移を丁寧に見ていくと、どの生保が困窮な状態に陥っているかが一目瞭然となる。この両準備金が極めて厳しい状況だったのが、総資産順に「三井生命、アリコジャパン、朝日生命、AIGエジソン生命、AIGスター生命」と続いたが、AIG2社は正式に売却が決まれば問題はクリアー出来ることになる。他もこの金融情勢が何とか持ってくれればギリギリセーフか?!
● もっとも、これ以外の生保でもこれらの指標数値や準備金が相当戻し入れされている生保もあり、3月末の株価と為替からは目が離せない。後6日である。


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3月23日(月) 訪問者数624人(閲覧者数1,315人<青色追加>

■ 「AIGとアリコ」の行方!

● 結局「ボーナス批判」がここまでヒートアップしてくると、「AIG」の再生は絶望的に見える。当然それを見越して「AIG解体とAIUによる再生」を意図することになるが、問題は170億㌦にもなる借金を返却できるかどうかになってくる。今のところ返済能力についてはほとんど触れられていないが、もし返済不能ということになると少なくとも今回のボーナス批判どころではない米国民からの批判が集中するのは避けられまい。
● その際気になるのは集中砲火を浴びる前に「アリコ・AIA」等を売却できるかどうかだ。少なくとも現状からはいわゆるAIG側が意図するような高額な金額で買収するところは皆無だろう。しかし、かといって安値売却はかの260億㌦の担保価値を考えた場合、その差額への批判も避けられない。
● この宙に浮いた状態で当分の間「アリコ(AIAも)」は、企業を維持する必要があるが、これは極めて難解な作業を強いられることになる。そもそも営業現場の閉塞感と疲労度は増幅することはあっても好転する可能性は低い。
 となると、営業現場はどうするかだが、一言で言えば「生命保険販売の第一歩に立ち返る」必要がある。特に最近の”混沌とした保険販売の手法”を真っ正面から説明・指摘することが逆に信用を得る手法だと考えるのだが、果たしてすんあんり受け入れられる関係者がどれだけいるか多いに疑問だ。


■ 「シティ」の株の株式併合案に「AIG」も追随か?!

● 最近の最安値が0.92㌦まで下げた「シティ株」だが、どうやら「株式併合」を行う可能性が出てきた。最近の「保険セミナー」では「AIG」株が避けて通れない株式併合(連結)の話題なのだが、20日の金曜日の終値で2.62㌦のシティが、先行するようだ。中身は、2株を1株の案から30株を1株に併合する7通りを提示したらしい。
● さすがにここまでくると、何でもありの感がぬぐえないが、さりとて市場撤退とはいくまいことから背に腹は代えられない手法を駆使することになりそうだ。しかし、いくら何でも30株を1株には恐れ入る魂胆だ。もしそうなると、突然「シティは78.6㌦」となるのだが、その後の株価維持が出来るかどうかが多いに疑問だ。まあ、2株を1株というなら常識的ではあるが、どうせこの際となると株価だけが一人歩きすることになりかねない。
● もっとも「AIG」はボーナス問題に米国民の注目と反発が集中していることからタイミングが悪すぎる。とりあえず先週は1㌦を超えていたので時間はあるが、さりとて安直に株式併合を言い出すと、とんだとばっちりが飛んでくるかも知れない。


■「日本の生保業界の真実」=第144回=■

2009年03月25日 | 保険
3月22日(日) 訪問者数499人(閲覧者数1,121人<青色追加>

■ 「AIG」株の行方!

● 急に動意付き高値では2.00㌦(3月19日・高値)まで付けた「AIG」株も3月20日は「1.44㌦-1.45㌦ー1.06㌦ー1.20㌦」と小康状態になった。
 いわゆる”買いが買いを呼ぶ”状態ではなくなった感じで、明日の東京市場が注目されるところだ。しかし、この連騰で上場廃止は当分騒がれずに済むことになりそうだ。
● しかし、「AIG」のボーナス問題はかなりヒートアップしており早々に収拾が付くような状態ではなさそうだ。まあ、「貸す側の甘さ」が問題だが、それにしても米国議会の反応の早さには驚かされる。
 CEOのリディ氏もえらい仕事を引き受けたものである。


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3月20日(金・祭) 訪問者数500人(閲覧者数987人<青色追加>

■ 「東京・名古屋・福岡」の保険セミナーここまでの総括!

● 2月13日の「第1回・東京」から名古屋・福岡と一巡し、延べ105名の方にお会いすることが出来た。ここまでの特徴はこれまでの3,4年前までの私の自主セミナーではほとんど縁がなかった銀行関係者の参加があったことだ。メガバンクや地方銀行からの参加者は私の頭の中には当初なく、かなり厳しい言い方を銀行窓販については解説してしまった、がやはりこうしてセミナーにこられる方々を知ると今後の「契約者本意の生命保険販売」は、保険商品のラインナップと保障設計力が徐々に備わってくるに従い、その役割を十分に担えるのではという思いになる。
● また、ここには書けないが特殊な事業展開されている方ともお会いすることが出来た。やはり人との「出会い」は大事で貴重だ。ただ、この1ヶ月間の「AIG」の動向には相当振り回された。ほとんど関係するところは、セミナーのテキストの編集手青しを迫られ、苦労した。もっとも諸情報を元に今後の「AIGの動向」を読むことになるため、結果的に「AIGとアリコ」の今後は読みにくくなったことは確かだが、逆にはっきりしたことは「AIGもアリコ」も当分このままの「中途半端な状態」が継続することだけははっきりしたことだ。
● もう一つのトピックスは「SBIアクサ生命」がネット生保として「収入保障型保険」を3月半ばから販売し始めたことだ。つまり「保険料が安い」ことを第1の選択肢とした場合、この「SBIアクサ生命」に保険料で勝つには「リスク細分型」しかなくなる。もちろん細部の条件の違いを力説出来ないこともないが、目先の保険料だけに目を奪われた場合、「収入保障型」を主力販売している生保あるいは営業員・代理店からは手強い相手に育つ可能性は大きい。
 今のところ、「SBIアクサ生命」の知名度の低さと広報のまずさが保険販売市場にしみこむように浸透していかないことから「収入保障主力販売生保」は助かっているが、これから先は何かとやっかいなことになるのは避けられまい。
● ということで、結局「営業員・代理店」の「ネットよりも保険料が高い生命保険販売」のポイントは「契約者本意の保障設計が出来る保険販売力」ということになる。つまり、「プルデンシャル生命・ソニー生命・アリコ」が、かつて10数年前に飛躍のきっかけを作った「定期保険」の販売手法に立ち戻ることが今後の賢い販売戦術だ。このことについては「私の保険セミナー」の「銀行窓販」の大きなテーマでもあるのだが、まさに「東京三菱UFJ銀行と三井住友銀行」はその目的にマッチした保険商品を既に取りそろえているのである。
 つまり、どちらがこの「契約者に有利な定期保険販売」の手法を身につけられるかが、2年後からの生命保険販売の優劣を決めると思われるのだ。



3月19日(木) 訪問者数***人(閲覧者数*,***人<青色追加>

■ 「AIG株」暴騰!1.31㌦ 163円!

● 10日ほど前はNY市場で最安値0.33㌦を付けたAIG株が、昨日の終値では1.31㌦にまで暴騰した。さらにその勢いで今朝の東証でも163円を付けている。
 きっかけは16日の東証からだったが、かのAIGのボーナス支給問題をあざ笑うかのような連騰に次ぐ連騰だ。
● もっとも、このAIG株暴騰のきっかけがかの”ボーナス資金”というジョークにも似たウワサを先日このブログで紹介したが、もし一部のボーナスを受けとった幹部が50円前後で買っていると単純に資金は3倍強になっている計算だ。   いずれにしても昨日のNY市場の終値が1.31ドルとなると、かの「1㌦ルール」の上場廃止からは免れることになる。
 となると、これからの「AIG」はどうなるかだが、選択肢が広がったことは間違いないものの一気に現在抱えている問題が解消するにはほど遠いことだけは間違いない。さて、どうなる「AIG」だ。


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3月18日(水) 訪問者数730人(閲覧者数1,600人<青色追加>

■ 「日本経済新聞の『塗り変わる勢力図』でよくぞ取り上げた『S・M比率』!

● 今の保険会社の健全性を語るとき「S・M比率と格付け」は欠かせない判断材料だ。当然のことながら最近の「保険セミナー」でもこの2つのポイントはデータと解説を丁寧にしている。つまり、生保経営が安泰時は「各社の業績比較」が生保の優劣を決める。しかし、このような金融情勢下では、少々乱暴な言い方をすれば「契約業績などどうでもよい」ことになる。
 契約高が少々増加したことなどよりも、「S・M比率の中身」と「格付け」に注目が必要だ。
● そして今日の「日本経済新聞」の「保険 塗り変わる勢力図」では、「S・M比率と有価証券の含み損益」について記事がまとめてある。特に「S・M比率」についてはかの「大和生命の555.4%」から紐解いた分かりやすいまとめ方になっている。
 特に最近の「S・M比率」については、「それだけでは安心できない。危険準備金や価格変動準備金の残高にも注目」という私のコメントも記事に入っている。
● この「価格変動準備金・危険準備金」については、「S・M比率の内訳」をみれば記載してあるが、例えば「大和生命」の場合は、18年度末には「15.1億円」あった「価格変動準備金」が19年度末には「1.6億円」しか残がなかった。  
 また「危険準備金」も18年度末の「32.3億円」が19年度末には「0」となっていたのである。そしてこの19年度末の「S・M比率が555.4%」だったのである。
 分かりやすく言えば、19年度末(20年3月)の時点で、これ以上大和生命の経営環境が悪化すると「厳しい状況に陥る可能性が高い」ということを指摘出来たのである。案の定、4月ー6月の第1四半期の決算(業績報告)を大和生命は生保で1社だけ発表しなかった。今にすると、発表したくとも出来なかったというのが的を射ているかも知れない。
● 結局、10月10日に破綻するのだが、大和生命の契約者からすると3回の注意するチャンスがあった。まず1つ目は「19年度決算の発表時点」だ。これは「S・M比率が555.4%」という極めて大和生命の厳しい経営環境を窺わせるに十分な数値だ。もし”200%以上あるから大丈夫”と甘く考えてもその破綻の結果の責任は契約者に重くのし掛かることになる。やはり「最低500%」ラインを「S・M比率の注意点」と考えると、ここで情報収集に積極的になる時だった。
 さて2点目のチャンスは、「第1四半期決算(業績報告)」を発表しなかったときだ。やはりこれはイレギュラーだ。全生保の内1社だけ発表がない(できない)というのはそこには何かあるのでは?という疑惑を抱いてしかるべきだ。
 そして3つめが「価格変動準備金と危険準備金の残高」だ。もちろんこの最後の金額は、19年度決算(20年3月)となるが、ここの最初に説明したとおりほぼ枯渇していた。決算以降、何か経営環境が悪化が生じた場合に使える準備金がないことを意味していたのである。
● このような経営悪化のシグナルの一つが「S・M比率」でありまたその内訳の「価格変動準備金と危険準備金」の動向なのである。ただ注意しておくべきはあくまでも「残高」が要注意で、単に取り崩して使ったことが即経営悪化というのはやや性急すぎる判断だ。
● そこで、12月末の「第3四半期」の「S・M比率」を紐解くことになるが、全生保45社(「かんぽ生命」含む。「大和生命」含まず)の実情をみると極めて経営環境が厳しい生保が散見されるのだ。この詳細については「保険セミナー」で解説中だ。
 もっとも12月末では「S・M比率の内訳」を開示しなかった生保が23社もある。この23社については、手計算で産出した表をセミナーのテキストには掲載してあるので一目瞭然だ。いずれにしても3月末までの「株、為替の動向」から目が離せられない。 


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3月17日(火) 訪問者数720人(閲覧者数1,694人<青色追加>

■ 「日本経済新聞の生保記事」と「SBIアクサ生命のカチッと定期」の解釈!

● 3月6日の「日本経済新聞」の生保記事については、既にこのブログで書いたとおりだが、ここにきて「なぜ”SBIアクサ生命”は”おすすめプラン”と称して災害割増特約付きのプランを勧めているのか?」という質問を頂戴した。
● もちろん、保険関係者なら「SBIアクサ生命」のHPから保険料試算をすると、確かに「自由設計」という欄があり、そこに2,000万円を入力すると”業界一安い保険料”が出てくる仕掛けだ。ところがその左に並ぶ3つの内2つのプランは「災害割増特約」が主契約と同額付加されている。
 はっきり言えば「SBIアクサ生命とライフネット生命の違い」は、保険料設定そのものが大きく異なる。
● 例をあげると「新規契約時の保険料」と「更新時の保険料」が異なる。これは更新時の保険料は契約時に設定してある更新時の保険料よりも割高になっている。但し、更新時に健康であれば「健康チャレンジ保険料」となり(「SBIアクサ生命」が認めた場合)、これは保険料が確かに安い。
 となると、もしネット生保として「保険料が安い」ことをアッピールしたいなら「災害割増特約付き」をお薦めというのはわかりにくい。
● かの記事では、10年満期タイプを比較したことや12月末の「S・M比率」を開示・非開示の別なく並べた点など容認しがたいところはあるが、しかし、「SBIアクサ生命」の保険料相違については、果たしてどのような保険料確認をしたのか極めて不可解だ。
 というのも、これだけややこしい保険料設定のケースでは、一般的に直接電話等で確認をして記事にすることが常識だ。今回の場合一般の人の問い合わせを条件として記事をまとめたとなると、条件提示とSBIアクサ生命の回答の違いが気になるところだ。
● もし、「災害割増特約付きの保険料」しか、一般の人には教えないとするならこれは不親切だ。更に言えば「1900万円と2000万円」では「高額割引制度」により、1900万円の方が保険料は高くなる仕組みだ。
 基本的にネット生保の強みは「分かりやすい、シンプル イズ ベスト」だ。少なくとも「保険料の安さ」を強調したいなら、やはり「お勧め」が「災害割増特約」付きは頂けない。あくまでも「主契約」を勝負してからのプラス特約として説明すべきものだ。


■ 「AIG株、急騰!」の珍説?!

● AIG株が16日の東証から動意付いたことは昨日説明したとおりだ。ところでこの株価急騰を受けて妙なウワサが出回っている。
 というのは、オバマ大統領も激怒した「AIGの高額ボーナス」がウワサの原因だ。つまり、このようなときに幹部約400人に約1億6500万㌦(約161億円)を非難覚悟で支払ったのは、「AIG株の買い上げ」のためだった、というのだ。
 また、AIGの資金提供企業の開示も資金提供先企業が少なくともこれ以上AIG株に不利益な動きを封じ込む狙いがあるのでは、とされる。
● 確かに、16日の東証でも61円で全株買いにいったとしても約7200万円が必要だが、ピンポイントで”買い”を入れればおそらく半額以下の資金で暴騰を演じることが可能な資金の量だ。
 もっとも米国では16日だけで約40億円の資金が必要だが、これとても必要な資金量はポイントを絞れば半額以下で済むと思われる。
● つまり、AIG株を買い上げるための資金提供がボーナスだとすると、かなり大胆不敵な資金投入に思えるが、仮にこれが意図的でないとしても既に先週末にはボーナスは支払われたとする報道もあることから、一部幹部社員が自発的にAIG株の買い上げに走ったとしてもおかしくはない。おそらく今回ボーナスを手にした幹部社員約400人の中には相当のAIG株を保有していたものもいるはずで、その人間からすれば”最後の賭け”を挑んだとしてもおかしくはない。
 しかも、もし急騰に提灯でも付こうものならAIG株でボロ儲けという算段も期待できなくはない。
● もしこうなると、「AIG株高騰」を受け市場からの撤退も避けられ、AIGを取り巻く経営環境も好転してくるかも知れない。となると、皮肉にもFRBにとっても資金繰りが好転することになるかも知れないのだ。
 いずれにしても、これが事実かどうかは不明だが、なんとなくこの期に及んでの”急騰”はあまりにもボーナス支払いとタイミングが合いすぎて妙な説得力を感じるのが偽らざるところだ。


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3月16日(月) 訪問者数589人(閲覧者数1,339人<青色追加>

■ 「AIG」株、急騰!上場廃止免れるか?!

● 月曜の懲戒に「AIGの高額ボーナス」が報じられ、さらにAIGの資金提供先が明らかにされたことで、東証の「AIG」株が注目されたが、「53円ー67円ー51円ー61円」と前日比+18円で終えた。
 しかもNY市場ではこの流れをくんで「0.60㌦」から始まった「AIG」株は現在何と「0.90㌦」にまで”暴騰”している。ここまでの高値が0.99ドルだから、いわゆる「1㌦ルール」脱出が目前とも受け取れる。
● まさか「高額ボーナス」が材料視されたとも思えず、この大暴騰は理由が見つけにくいが、単純に考えればAIG株がマネーゲーム化したとも考えられる。日本の市場でも上場廃止が決まった企業の株が材料がないまま商いだけが急増し文字どおり理由なき売買が繰り返されるという例だ。特徴的なのは1円で買って2円で売る等という極めてリスクの高い売買も行われることがある。
● 果たして16日の「AIG」株がどういう性格のものかは不明だが、1ドル台に乗ってさらに高騰するのか、あるいは一過性のあだ花でしぼむのか、今後を見守りたいところだ。もっともそろそろ「1㌦ルールの30日平均」が取りざたされるころでもある。

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■「日本の生保業界の真実」=第143回=■

2009年03月14日 | 保険
3月14日(土) 訪問者数***人(閲覧者数*,***人<青色追加>

■ ブログ雑感、セミナー雑感・・・!

● 余りこのブログのことについて触れたことはない。おそらく多くの方が「ブログがブームになったから始めたのでは?」と思われている。実はきっかけは12年4月に開いた「大地一成の生・損保の真実」という私のHPが、幾度か荒らされ書き込みすることが困難になっていたから、これに変わるものを探していたらこのブログ編集に辿り着いたというのがこの「ブログの真実」だ。
● 本家である「HP・大地一成の生・損保の真実」は、かつて「会議室」が人気でまさにいろいろの立場の方々が書き込みをして賑わっていた。ところがあまりに都合の悪い書き込みが多かったのだろうか、いわゆる”嵐”という大量書き込みが連続し、ついには「会議室」への書き込みが出来なくなってしまったのである。その後、何とか途中までは復活させたが、書き込みは今も出来ない状態だ。
 この不都合さから脱出を試みたのがこのブログということになる。ところで、かのHPは今どうなっているかというと、毎日アクセス数(現在約33万件余り)を増やしながらネットの世界で生き続けているのだが、実はその中の「KENさんのニュース解説」だけはほぼ連日更新されている。下記アドレス。言うまでもないが、私の関する箇所は手つかずのままである。


http://hpcgi2.nifty.com/i_daichi/board/c-board.cgi
● ところでこのブログは18年2月ころにオープンしたが、当初のアクセス数は2~300ほどで、土・日ともなると100もアクセスがない日も珍しくなかった。やはり読者が自由に書き込める「会議室」的な要素がないこともあってアクセスが伸びなかったと思われる。
 ところが、昨年の9月以降はほぼ連日700名前後の方が訪問し、2,000名前後の閲覧がある。これは毎週11,000~12,000名の方が閲覧クリックしている勘定である。そのため当初は言いたい(書きたい)ことを勝手に書くブログという気ままなブログだったが、さすがにここまでアクセス数が増えるとそう身勝手なことも言えなくなってしまった感が強いが、しかしこれからも書きたいことを書き続けていきたいと強く思っている次第だ。

■ セミナー雑感!
● 実は以前の自主セミナーの修了後はだいたい懇親会を開催していた。ネット風に言えば「OFF会」である。ところが、「第1回・東京」はセミナーが終わったのが夜の9時で、さすがに私も言い出すのがためらわれている内に名刺交換などをしている内にほとんどの皆さんが帰られてしまった。もちろん中には立場を明かしたくないからもいるだろうから積極的に誘うのもためらわれたこともある。
 結局、なんとなく最後までいた、某ドンキ状態の保険サイト管理者氏と某保険会社管理職氏の3人で静かな懇親会を”開催”したが、まあ、東京の9時というと皆さんに声掛けしても良かったかなと反省しきり。
● そして次の「名古屋」。実は手違いで前日の夜遅くになってテキストの差し替えが必要なことが分かり、突貫工事をする羽目に。しかも「AIG」関連の保険情報が飛び交っておりそれを深夜探りながらのテキスト編集を同時進行し、コピー等の依頼をしたのが明け方の5時過ぎ。結局徹夜騒ぎで名古屋入りしたがためにセミナーが終わるとさすがに体力の限界で、とても”コンシンカイ”を言い出す余力がなかったのが実態。もし、呼びかけしたら参加した方がいたら本当にごめんなさい、とここで遅まきながらお詫びをしておきたい。
● 確かに「セミナー」が中心ではあるのだが、やはり「本音」が出るのはお酒が入った懇親会が体験上少なくない。特にセミナーではいろいろなことについて「言い切る」ことが少なくない。もちろんマスコミが活字に出来ないことだ。「言い切る」ためにはそれなりの「裏取り」が必要だ。これが「懇親会」となるとその背景はしゃべることが少なくない。とはいえ個人名とか相手に迷惑がかかる内容は企業秘密ということでしゃべるわけにはいかないがこれはこれで私の仕事上致し方ない。
● ところで15日の「福岡」は、どうやら「懇親会」があるらしい。そういう話が漏れ伝わってきた。となると、20日の「東京」はどうするかとなるが、もしご希望の方がいるようならこじんまりとやりますか?


【3メガ損保時代突入で損保業界はどうなる?】

● 3メガ損保が保険料収入2兆円代でしのぎを削る時代に突入することになる。もちろん計る指標で順位はそれぞれ異なるが、いわゆる規模を示す「時価総額・総資産」では「東京海上HD」が大きくリードしていることから、「正味収入保険料」が話題になりやすい。
● ところで、「保険・かわら版=第74号=」で解説したように、「東京海上HD」の保険料収入には「2兆2451億円と2兆4700億円」の2つの説があった。ところが今回の報道では「2兆2451億円」に統一されていることから、この金額を基準に考えると、このままの推移は「1位:3社統合(三井住友海上+あいおい+ニッセイ同和)、2位:東京海上HD、3位:損保ジャパン+日本興亜」の順位は当分変化がないことになる。
● さて、こうなってくると損保代理店を中心とした損保営業への影響が気になるところだが、今回のメガ損保への急展開の理由の一つが「コスト削減」だったことを考えると、これを機にさらなる大型化・システム化が推進されることは避けられない。
● 例えば「個人代理店と法人代理店」の比率は15年前には73%対27%だったが今や52%対47%にまで接近してきている。間違いなくこの逆転は時間の問題だ。また「損保代理店」の数も62万店から23.5万店にまで激減してきている。このようにみるとつい「損保代理店業」の将来に不安がよぎることになりがちだが、しかし、さりとて激減し続けて限りなく”0”に近づくかとなるとこれは非現実的な捉え方だ。
● というのも「専業対副業」の比率をみると、15年前と大きくは変化していないのである。15年前は9.3万店もあった「専業代理店」が現在は3.9万店に激減しているが、その一方で「副業代理店」も37.5万店から19.7万店へと激減している。つまり、比率は20%対80%だったものが16%対84%と4%との差しかついていないのだ。
 これらのことから、より専門家した「損保代理店」は、どういう形態であれ生き残ることが可能ということを示している。もちろんとはいえ、ほぼ一方的に手数料内訳の更新による収入減は損保会社の思惑通りに対応出来ないと減ることは覚悟する必要が出てくる。
● この中でベテラン代理店の多くが悩ましいのは、システムに対する対処だ。それと契約や通達等の文書量の多さには以前と異なり相当の時間を要するようになった。いわゆる事務も営業も当然事故対応なども同時進行することを考えるとやはり個人での損保代理店業は限界とみられないでもない。
 となると”大型代理店”がこれからの損保大店業と捉えられがちだが、しかし個人で何千台もの自動種保険を保有しているならともかく、身の丈にあった台数ならいつも「事務・営業・事故対応」が同時発生する可能性は極めて低いことになる。 また最近多いのが「代替わり」である。先日もセミナーに現在の社長とそのご子息が参加されていたが、まさに生き字引が目の前にいる心強さは机上の学習では到底得られないものだ。
● つまり、損害保険会社がコスト削減をいくら推し進めても、損保代理店の手数料を0にすることは出来ない。しかもどんどん切り下げることによる代理店のモチベーション低下はひいてはメガ損保競争に悪影響が出てくることになる。確かにこれからは「収益性の競争」とされても、「代理店手数料の切り崩し」は現在起きている「人員整理によるコスト削減」に相通じることになる。
● もっともその一方でいつまでも損保業界の厳しい荒波に揉まれて疲弊困憊するよりは、既に保有する自動車保険などの既契約者からの「生保契約」を獲得していく方が展望が開ける。
 但し、これとても「22年暮れの銀行窓販の見直し」以降から頑張る、とするようでは手遅れだ。実はここに「銀行窓販」の強かな仕掛けが隠されている。そのため「銀行窓販」のセミナーのサブタイトルも「銀行窓販に勝つか!、銀行窓販が勝つか!」に途中から変えた。3メガ損保時代突入で、これまで以上のコスト削減は当分止まりそうもない。であれば、資産力のある自動車保険などの既契約者に「生命保険」を販売した方があらゆる面で貢献度大となる。
 要は、実行が早いかあるいは遅いまま優良顧客を銀行窓販でごっそり取られるかだ。もちろん、銀行サイドも金融情勢を考えると、生保販売手数料は喉から手が出るほどおいしい。学習しないわけがない。契約者に有利な生命保険を設計・販売する方を保険会社、銀行(証券)などの所属する立場を超えて応援していきたい。 


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3月13日(金) 訪問者数688人(閲覧者数1,648人<青色追加>

米AIG 50兆円損失か 英の金融商品部門 業績悪化の原因

● 「東京新聞」が、「巨額の赤字を出し、四度にわたる政府救済を受けている米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が、ロンドンの金融商品部門で五千億ドル(約五十兆円)に及ぶ損失を出していた可能性が出ており、米英の金融当局が調査に乗り出した。米ABC放送が報じた」と報道している。
● つまり現在ほとんど無価値となったとされる「CDS」に5000億㌦を投資していた、とされる。また記事では、「AIGの救済規模は既に千六百三十億ドルに上り、さらに政府は三百億ドルの追加資本注入を決定している。」とあるが、今後米国政府は”底なし沼に資金を投入し続ける”ことが避けられないことになる。● 結局、売却されて「AIG」から完全に離脱できる企業はまだよいが、「アリコやAIA」のように売却されずに株式を米政府に移管されたとところは、今後の「AIG」の対応次第では極めて不透明な状況下に置かされ続けることになる。もっとも「アリコとAIA」関係者にとって賢明なのは、出来るだけ早期に「売却される」ことだが、有り体に言えば「260億㌦のカタ」に取られた「アリコとAIA」であることから、「売却=損失を確定」させることになり、その売却の判断は難しいことになる。
 もちろん”損失ゼロ”を目指すとなると毎年の収益性を高めることを条件にして相当の長期間の健全経営を維持し続ける必要があるが、これまた気の遠くなるような作業の連続だ。
 これからのセミナーでは、いくつかの選択肢を解説するが、結論から言うと「アリコ自身の選択肢はない」ことから、高額で買収してくれる”白馬の騎士”が出現するか、損失覚悟で売却されるか、あるいは時間をかけて十分な収益を手にしながらじっくり売却時期を探るかとなる。
● そのプロセスの中で、例えば「アリコジャパン」だけの分離売却も検討されるだろうが、仮にそうなってもやはりネックは「260億㌦のカタ」が引っかかってくることになる。


■ 「3月15日・福岡、20日・東京」に続き、全国セミナー「札幌・4月11日(土)」「京都・4月18日(土)」開催決定!

● どうにか3月15日の「福岡セミナー」も開催にこぎ着けた。今回の東京から始まった保険セミナーは定員が埋まるわけではないが、そこそこの方が参加している。もし、毎回数名しか参加希望がなければ開催すること自体が困難になり、次回開催の企画もなくなるのだが、有り難いことにどうにか開催企画はどんどん立案されている。
● ただ、難を言えば、ほとんど開催毎にテキストの編集し直しを迫られている。以前全国展開した「決算報告」の類であれば、少々の手直しはあっても数頁以上をばっさり書き換える等と言うことはなかった。
 ところが「保険業界の現状」となると、日一日が編集のし直しの連続だ。今回のテーマである「AIG、S・M比率による3月決算の危機、損保(生保)再編」については、情報をとってもとっても「これで終わり」がないテーマだらけだ。
● 既に「AIG」問題も最初の2月13日の「東京セミナー」とは大きく中身が変わった。特に3月3日の支援策で「AIGの解体」は明確になった。となると今後はどうなるかだ。
● 「損保統合」も大きなテーマではあるが、ようやく「損保ジャパンと日本興亜」の統合が発表(正式には明日)されるにいたり、一段落ではあるが、やはり気になるのは「東京海上HD」の首位陥落の余波だ。もちろん水面下での動きを指摘する方々がいるがこれは当然だろう。その可能性を解説するのだがもし現在「東京海上HD」が動かないとすれば近い将来「損保ジャパン+日本興亜」と2位争いを繰り返すことになりかねない。やはり激動期の動向が将来を決める。
● 3つめの「S・M比率」は、どうやら金融情勢も不安定のまま3月末を迎えそうで、極めて保険業界とりわけ生保業界は決算が気になるところだ。特に注意すべきは「株価」だ。もし7,000円を大きく割るようなことにでもなると、かなり厳しいことになる。もっともそうなったら日本経済にも多大な悪影響が出ることは避けられないが。
● ところで、今年に入りテキストに挿入する「生保・損保の格付け一覧表」の編集がハードだ。既に20年度版としては生保版は「第17版」になっているが、編集終了の後から次々に「格付け変更」が舞い込んでくる。
 昨日も「フィッチのアメリカンファミリー」が「AA→AA-」へ格下げされた。そして早速「S&Pは損保ジャパンと日本興亜の格付け見直し」を発表した。まだ格付け変更されたわけではないので格付け一覧を編集し直す必要はないが、おそらく格付け変更があっても、15日の「福岡セミナー」には間に合わない。

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3月12日(木) 訪問者数704人(閲覧者数1,817人<青色追加>

■ 「損保ジャパン、日本興亜」が統合!

● 結局一番常識的なところに落ち着いたようだ。「日本興亜」を巡ってはいろいろとウワサが飛んだがどこに行ってもイバラの道ならもっとも対面を大事にしてくれる相手を選んだということになる。
 これで残るは「東京海上」の出方だ。3グループ体制でしのぎを削る、という形態はプライドが許さないことを考えると、やはりあれしかないと思うが果たしてどう出るか。

● 「損保ジャパンと日本興亜」の統合により、世界の損害保険会社ランキングもこのように変わる。

1.アリアンツ
2.ステート・ファーム
3.AIG
4.アクサ
5.三井住友+あいおい+ニッセイ同和
6.チューリッヒ
7.バークシャー・ハサウェー
8.オールステート
9.ジェネラリ
10.東京海上HD(但し海外の買収2社を含むと8位)
12.損保ジャパン+日本興亜
<詳細は既発行の「保険・かわら版=第74号=」参考>


■ 「日本経済新聞」の「金融商品深掘りチェック」の保険料が間違っていた!

● ネット専門生保として「ライフネット生命」の知名度が高いが、もう1社「SBIアクサ生命」が誕生している。どうやらもろに「ライフネット生命」に対抗心を燃やしている感が強いが、こともあろうにかの記事ではその「SBIアクサ生命」の保険料を間違ってしまった。
● 記事では「2,940円」と「ライフネット生命」より738円も高い。ところがこれは「災害割増特約」が付いた保険料で同じ比較なら「2,180円」と業界最低水準の保険料だとHPで解説している。
 つまり対100万円あたり38円の「災害割増保険料」を含んでいることから保険料は公平な比較ではないということになる。もちろん災害死亡では病気死亡の倍額4000万円が支払われるが、確かに”保険料比較”という点ではこれは公平な比較とは言い難い。


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■「日本の生保業界の真実」=第142回=■

2009年03月12日 | 保険
3月11日(水) 訪問者数732人(閲覧者数1,811人

■ 「営業員・代理店VS銀行窓販」の戦いが22年暮れから本格的に開始される!!

■ 「AIG」株、久々に反騰!

● 昨日のNY市場で前日比0.07㌦高と0.42㌦を付けた「AIG株」だったが、東証でも5円高の現在42円だ。もちろん安値圏での前日非高であることを考えると、これを機に大暴騰でもない限り一過性の”チョイ高”になる可能性が高い。

3月10日(火) 訪問者数684人(閲覧者数1,680人

■ 「第一生命、第一フロンティア生命」格下げ!(R&I)

● 生保6社の格付けが発表された。6社のうち第一生命関連の2社が「AA-→A+」へ1ノッチ格下げとなった。まだ、「R&I」の場合、数社がモニターになっているため今後の格付けがどうなるか。

■ 「AIG解体」へ株価も底なし状態へ、か?!

● 昨日のNY市場での「AIG」の株価は、最安値0.33ドル、終値0.33ドルだった。そして今日の東証では前場では最安値の36円だ。支援策を出しても反映しない株価だが、その理由は支援策をみればとてもこれで「AIG」株を買う気にはなれないだろう。どうみても「AIG」を解体し、新規法人に現在の「AIG」事業を引き継ぎさせることが明白だからだ。
● そして肝心な「アリコ(AIAを含む)」の場合は、資本投下した金額を回収しようと考えると「売り時」はまずない。どこかで損失覚悟で売却するしかないが、これはとりもなおさず米政府の損失を確定させることにもなる。極めて米国政府としてはリスクの高い賭けだ。個人的には現在の「アリコ(とりわけアリコジャパン)」の保有する資産をできるだけ棄損せずに守るためには、こうなる前に売却金額を無視して売却した方が「アリコの保有資産」はある程度守れたと考えるが、これでは時間の経過と共に縮小していくのは避けられない。厳しい現実が立ちはだかることになる。


■ 「日本経済新聞」の「保険料・格付け 比較して」記事のお粗末さ!!=契約者よ、騙されるな!=その2

● 結局、昨日の記事のいわんとするところは「格付け、S・M比率、そして保険料が高い生保には近づくな!」ということになる。具体的には「朝日生命、三井生命、住友生命」ということが日経の読者ならあの表から一目瞭然だ。おそらく、読者の多くが「格付けが低く、S・M比率も200%は超しているものの他に比べ極めて低く、しかも肝心な保険料が高い」となれば救いようがなくなる表だ。
● しかし、逆にどの生保なら「安全・安価な生保(記事のみだし)」かとなると、肝心な3ポイントが表にはない生保が「格付けが高かったり、保険料が安かったり」するものの、「S・M比率」が非開示であったり「格付け」がまだだったりといわゆる表としては欠落点が目立つ。
● つまり、このような記事構成にしたいなら掲載生保に共通するポイントを使うのが公平な表作成だ。その上で「格付けがない生保やS・M比率が非開示の生保」の生保でもこのような保険料の生保もある、と解説するのが公平な記事だ。    そもそもこの表を見た読者の多くが「格付け」はともかく、なぜ「東京海上日動あんしん生命や三井住友海上きらめき生命、それに損保ジャパンひまわり生命とオリックス生命」というような親会社の知名度が高い生保が「S・M比率」を開示していないのをいぶかしがってもおかしくない。不自然なのだ。
● このブログを毎日読んでいる方はおわかりだろうが、第3四半期決算(業績報告)では、損保系生保9社はどこも「S・M比率」を開示していない。そのひずみが早速こういうところに影響してくるのだ。おそらく損保系生保各社は、第1四半期(4月ー6月)も「S・M比率」は開示しなかったが、実は「日本生命」も第1四半期は開示しなかった。うがった見方をすると「日本生命が開示しなかったのだから第3四半期もいらない」と判断したとすると、これはやはり役者が端役だ。実は第3四半期の「S・M比率」については「日本生命」はしっかり開示しているからだ。
● ただ、その内訳までは開示していない。あくまでも「S・M比率」そのものは開示したが余程内訳までは開示したくなかったのだろう。というのも「S・M比率の内訳」をみると「有価証券の評価損を始め価格変動準備金や危険準備金」それにリスクの中身までが一覧で分かる仕組みだ。とりわけ「準備金」を取り崩した「日本生命」としてはマイナス材料となる「準備金取り崩し」が一目瞭然の「S・M比率の内訳」は心理的に開示したくなかったのだろう。ちなみに他の国内生保は内訳まで開示している。
● もちろん、この「準備金の動向」は、12月末、3月末の「S・M比率と生保の経営体力」を判断する上で無視できない項目だ。そのことから私のセミナーのテキストには間に合った「名古屋セミナー」から綴じ込んである。17年度以降の「価格変動準備金と危険準備金の生保45社の一覧」を1頁にまとめてあるのでこれ1枚で生保各社の資金繰りが分かることになる。もちろん、この表はセミナーテキストには今後必需品だ。
● 話を元に戻すと「配当金、約款」の書き方はこれは明らかに読者に誤解を与える書き方だ。はっきり言えば「読者を騙す書き方だ!」いろいろな生命保険について価値観の相違は致し方ないとしてもこのような読者(契約者)に誤解を与える書き方はよろしくない。明らかな記者氏の不勉強の失点だ。まあ、次回、看板に偽りなしの「深掘りチェック」の記事を期待しておく。


3月9日(月) 訪問者数731人(閲覧者数1,887人

■ 「日本経済新聞」の「保険料・格付け 比較して」記事のお粗末さ!!=契約者よ、騙されるな!=

● もちろんこの記事が”深掘りチェック”でなく「浅堀りチェック」とか「入門編」というならあえて下記のような書き方はしなかった。ではどこがおかしいかを指摘する。

① 記事からは、「保険料が安く、格付けが高く、S・M比率も200%以上ある生保の定期保険を選べ」ということになる。入門編あるいは基礎編ならこれは正しい言い方だ。
 ただ、そうだとしても一番保険料が安い「ライフネット生命」の場合は「格付け」がない。一方「格付け」が高い「東京海上日動あんしん生命や三井住友海上きらめき生命」の場合は「S・M比率」がない。
 つまり、読者は何をどのように解釈してこの記事を評価すればよいか不明瞭なのだ。
② これでは「保険料・格付け・S・M比率」で比較しようにも肝心な3点セットの条件がすべて羅列されていないことから”比較”のしようがないことになる。しかも記者氏もこの表を仕上げるまでに各社への問い合わせなどに相当苦労したはずだが、その苦労を考えると「保険料・格付け・(S・M比率)」で比較検討することは現実離れした作業になるということをむしろ強調すべきではなかったか。
 これでは、単に「保険料の安い生保がお得ではないか」という結論に持って行きたいがための記事でしかない。
③ 最初に生活設計に触れているが、本当に生活設計をベースに保険設計を考えるべきと言うなら「多様な定期保険の解説」もあってしかるべきだ。このような比較条件も統一されていない表では意味がない。結局、「保険料が安いネット生保」を格付けはないが暗に推奨しているに過ぎない。
④ 中身についてはまだいろいろと指摘したいが、基本的なミスを指摘しておく。★ 先にも書いたが「配当金」の件だ。配当金の「過去の水準を聞いた方がよい」というW大E教授のコメントを鵜呑みにして「過去の配当率などは公表していないので、加入前に尋ねてみるといいだろう」と記者氏はの賜っている。
 実際記者氏が生保に聞いてみるがよい。生保の肩を持つわけではないが「答えようがない」のが実情だ。というのも<続く>
私はこんなていたらくの記事に怒り心頭だ!!

● 見出しは「金融商品 深掘りチェック」と仰々しいのだが、中身は”素人記者氏”がパッチワーク状態の文言をつなぎ合わせた類のもの。いろんな生保記事を見るが、ここまでちぐはぐな記事も珍しい。
● とかく「生保に問い合わせて」というアドバイスが散見されるが、中には生保でも答えられない(データ等がなく)項目もあり、これでは机上で記事を書いたことがバレバレだ。例えば、W大のE教授が「過去の配当水準を確認」とあるが、これなど実際、記者氏が生保に問い合わせればこのような言い分がどのようなことを意味するか分かるはずだ。
● このような記事が陳腐になるのもまとめ役の記者氏が確たる問題意識をもっていないからだ。単にもっともらしい内容をまとめて体裁を整えれば、それが”自分の仕事”と勘違いしているからと考えられる。もう少し地べたに足がついた記事を書いて欲しいものだ。経済紙の記者氏がこのレベルでは実に情けない限りだ。
 それとも次の内容に期待していて良いのか、な?!余り、笑いものになるような生保記事は止めた方が良いが、やるなら現実に即した内容の記事にして貰いたいものだ。

 
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3月8日(日) 訪問者数***人(閲覧者数*,***人

■ 「大地一成保険セミナーin福岡&東京」開催!

● これまでどうにか毎回20名余り(延べ40名弱)の方の参加でセミナーを開催してきた。もちろんビジネス的には苦しいが、しかしいろいろな出会いがパワーアップの源になるから実施して良かったと参加者の方々の協力に感謝している。
 それも昨日の「名古屋」のケースでも島根や富山から参加していただいている。本当は全国各地で開催したいが、今はそれを検討する余裕がない。
● 15日(日)は「福岡」だが、既に長崎、大分からの申込みを頂戴しているが、本当は順次開催できる体制づくりができればよいのだが、私の体力の問題もありそう簡単なことではない。
 しかし、既に4月「札幌」で開催する企画が着々と進行中だ。そして、次は「京都か大阪」らしい。版張らねば!


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3月7日(土) 訪問者数528人(閲覧者数1,075人)<追加・青色>

■ 「大地一成保険セミナーin名古屋」開催!

● このような全国ツアーセミナーの場合、セミナーで使用するテキストは大概の場合同じ内容でよい。ところが今回の場合はそうはいかない。少なくとも「第1回・東京」(2月13日)で使用したテキストはまだ1ヶ月も経過していないのに数頁は役に立たない保険情報になっている。
 分かりやすく言えば刻一刻と変わる「AIG」関連情報はセミナーごとに内容を最新のものに一新し続ける必要がある。例えば「1㌦ルール」等は「東京会場」では、まだAIGの株価が1ドル割れを始めたころでその説明はほとんど必要なかった。ところが昨日などはこの1㌦ルールの説明をしないと、先の展開が読めないやや複雑な状況になつていた。
● そのため数頁にわたり「編集のやり直し」をするのだが、「最新情報」にこだわりすぎると、今回もそうだがセミナー前日は徹夜になりかねない。つまり米国の情報は日本が深夜でないと収集できないことが多いからだ。その結果「AIG解体、新法人で再生」というような結論に達することになる。


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3月6日(金) 訪問者数***人(閲覧者数*,***人)<追加・青色>

■ 遂に「AIG」株最安値を更新!

● 昨日のNYSEでの終値が、0.35ドルと最安値で終わり、今朝の東証でも38円があって現在40円だ。これもこれまでの最安値42円をあっさり割り込んだ。
 もちろんこのままでは、株価連結の手法も厳しいが、しかしかといって「1ドル未満株の救済上場基準の緩和」もどうもそう容易いはなしではないようだ。    となると「AIG」を市場から撤退させ、変わりに「AIU」や「アリコ」などを新規に上場する作戦か。当然のことながらこのように”読む”とすれば「売り」が集中するのは当たり前の話になるが、今後の展開はどうなる?


● ところで、早速だが「フジサンケイビジネスアイ」に「事情に詳しい”関係者3人”が先月明らかにしたところによると、米メットライフはアリコを112億ドル(約1兆1100億円)で買収する仮提案を行っており、仏アクサは日本以外の事業買収を提案している。」(””は筆者挿入)とある。またもや”関係者”である。しかも今回は3人。 もしこのメットライフの話が事実ならAIGはいくらでアリコを売却しようとしているのか甚だ疑問だ。
● 一般的にこのような記事では、双方が全く折り合わない条件で交渉している場合、他の交渉先を探す意味でこのような”情報”を流す手を使いたがる。もし関係者の話に信憑性があるとすれば「アクサ」のことだけだろう。「アクサ」は日本の国内事情を熟知していることから、今の「アリコ」には相当の金額以外は食指を延ばすまい。

■「日本の生保業界の真実」=第141回=■

2009年03月06日 | 保険
3月7日(金) 訪問者数729人(閲覧者数1,922人)<追加・青色>

■ ”関係者の話”の信憑性?!

● マスコミが「小沢一郎民主党党首の第1秘書逮捕」でにぎわっている。確かに政治とカネの問題であると目されることから重大な事件であり関心も高い、と思われている。しかし、どうしても腑に落ちないことがある。それは秘書逮捕後から”情報”がポロポロ漏れてくることだ。そしてその”情報”をマスコミ各社が競うように見出しにしたり記事に書いたりしている。
● 私のようなマスコミの隅に鎮座している人間からすると、このようなマスコミ報道で注意するのは、その記事の「主語」だ。例えば「捜査関係者が」とかあるいは「西松建設関係者が」とかある記事の場合、まず疑ってかかる必要がある。実はこのことについては、ちゃんと書かねばと思っていたところに「きっこのブログ」のきっこ氏にしっかりと書かれてしまった。(「きっこのブログ」を参照)
● いわゆる「関係者の話」ということは、読者からすると「かなりその件について詳細を知りうる人物あるいは立場の人」と思いがちだ。最近の話では「AIG」関連のニュースには、じつによく”関係者の話”が出てくる。しかも手の込んだ記事になると「今は名前を出せないがAIG関係者の1人が」とか、「複数の関係者が」とかとなると、余計信憑性が増すことになる。
● しかもこれが「ロイターやブルームバーグ」などで使われると、どうしても一目置いてしまう。しかも次には「ロイター」が「ブルームバーグ」の記事を拝借というような記事も出てくると、まさに”幻の関係者がマスコミを徘徊”する事態になる。もちろん、それなりの関係者に取材して記事を書くことが多いとは思われるもののそこに何らかの恣意的意志が働いた場合、”関係者”はどんどん増殖していく可能性が高い。
● 今回の「小沢一郎民主党代表の第1秘書逮捕」についても、「関係者の話」の乱舞である。内容をみると一目瞭然なのが「小沢党首側に不利な内容」だらけだ。しかも中身が捜査情報となると、出所は「特捜部」というのが常識的捉え方だ。ところがその”捜査情報”を大々的に報道された後からそっと否定していたことも「きっこのブログ」には書いてあるが、これではまさに、書いた者勝ちだ。
 はっきり言えば、「百年に一度の金融危機」の真っ最中にこんな献金問題で社会不安を放置させていいものかどうか多いに疑問だ。
● もし、今後さらなる金融情勢の悪化で日本が苦境に陥った場合、現在の自民党政権がその失態の尻ぬぐいもできない状態に陥ったときには「特捜部」の責任は極めて重い。本来は政権のチェック機能がマスコミの大きな役割と言えるが、どうも最近の全国紙の政治関係記事には疑義を挟む内容が少なくない。単に大本営発表を垂れ流すプロタパンダと化したのならその存在すら否定されかねない。
 相対峙する「野党」がちゃんといることが政治に緊張感を生み杜撰な”政治”をチェックすることも出来るが、政治献金の問題を過剰にクローズアップして報道合戦するマスコミのだらしなさは頂けない。
 目先もそうだが、将来を見据えた政治が出来るような話題をもっと提供して欲しいものである。  


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3月5日(木) 訪問者数746人(閲覧者数1,852人)<追加・青色>

■ 「米ハートフォード生命」、生保部門売却報道!

● ようやくと言ってよいが「米ハートフォード」の生保部門売却のニュースが表面化した。既に「ハートフォード生命」に関しては、2月13日の「第1回・東京セミナー」ではこのような事態に陥っていることを解説したとおりだ。もっとも21日の「FP実務講座」では、社名には配慮したつもりだが、まあ保険業界の人間なら容易に想像できる言い方をした。
● ついでに日本の「ハートフォード生命」の話もしたが、ここでは割愛。もちろん裏取りをした結果の報告だから社名もセミナーでは話したとおりだ。
 とはいえ、今回の「ロイター」の報道によると、あくまでも「ブルームバーグが関係者の話として伝えた」とあり、「ロイターは双方からコメントを得られていない」ともある。買い手は「サン・ライフ・フィナンシャル(加)」だが、確かに「ハートフォード」の生保部門は買い辛い物件だ。記事によると「米メットライフ」とも交渉したが2月に打ち切られている、とある。
● セミナーでは「そう簡単には買い手は現れない」と解説したが、日本の「ハートフォード生命」の場合もあの資産内容ではそのボリュームだけで飛びつくわけにはいかないだろう。さて、これからどうなる?


■ 生保の「格下げ」相次ぐ!

● 毎日のように「生保の格下げ」が相次いでいる。特に「S&P」の格下げがラッシュ状態だ。今年に入り「アメリカンファミリー、マニュライフ、プルデンシャル、ジブラルタ、ハートフォード、朝日生命、再引き下げハートフォード」という内容だ。実際はこれにアウトルックの引き下げを含めると延べ12社という数だ。
 もちろん背景には金融危機の影響があるが、これが終了ではなくまだ序章というのが生保業界の実情だ。3月末にむけてまたもや「増資」の緊急準備をする必要が迫られる生保が続出する可能性が高いが、これも「株高、円安」に少なくとも3月末はいってくれと懇願している生保首脳もいると思われる。否、いる。

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3月4日(水) 訪問者数731人(閲覧者数1,504人)<追加・青色>

■ 騒々しくなってきた、3月を乗り越えられない?保険会社「3社」の行方?!

● 保険業界が「AIG」に気を取られている内に日本の保険業界では、3月末を迎え「3社」の行方が取りざたされている。中には「4社」と指摘する関係者もいるが、確かに財務諸表からは3社は限りなく厳しいことがうかがえる。あとの1社は親会社の問題だが、個人的にはこの1社は3月末ということは考えにくい。
● それならむしろAIGではない米国の外資系生保の撤退の方が信憑性がある。もっとも既にセミナーでは解説済みだが、今のところ「買い手」がいないから話はかなりややこしい。しかしこのままでは消耗戦にまみれて更に経営体力を失いかねない。


■ 問題は「AIG」が再生できるかどうかになってきた!=

● どうにか3日は、東証、NYSEを通じ「AIG」株は安値圏とは言え堅調推移している。しかし、問題は山積したままだ。今回発表された支援策はあくまでも「時間稼ぎ」にすぎず、これで諸問題が底打ちしたわけではない。
 昨日、全国紙のAIG関連記事について書いていたが、時間の関係で途中で書ききれなかった。しかし「朝日新聞、毎日新聞」に共通した見出しは「AIG再建、混迷の一途」(朝日新聞)、「救済規模 底なし」(毎日新聞)と、これからのAIGを暗示した見出しになっていた。これは「金融再生 見えぬ道筋」(日本経済新聞)よりも厳しい見出しだ。
● しかし、今回の支援策をみると、「混迷と底なし」であることが良く分かる中身だ。いわゆる”再生への道標”が見えないのだ。もちろん先が見えるためには世界の経済が現在の金融危機状態から脱却し、すべての歯車が好転し始める必要がある。しかし、これが如何に非現実的な話かは説明するまでもない。
 要はこの金融危機の状態から世界のマーケットがいつどのような形で開放されるかだが、これは誰にも分からないし逆にもっと深刻化するかも知れない。
● 例えば「アリコ」を例にとると、いくら米国政府の支配下に入り「破綻の可能性は極めて少なくなった」とはいえ、最近の業績傾向からすると”好転”は絶望的だ。逆に「解約と新規契約」はマイナスに出るのは避けられない。となると、どれだけモチベーションを高くして前向きな経営をするかとなるが、おそらくその方策は当分見いだせない可能性が高い。
 少なくとも目先のプレミアムだけで営業現場を鼓舞するのも限界がある。結局、保険業本来の基本に立ち戻り「再生への道」を歩めるかどうかが大きなカギとなる。早い話が「朝日新聞」に「(アリコの買収額について)メットライフの提示額も関係者が「値段を聞いて絶句した」と言うようにかなり安かったようだ」とあるが、もちろんこの値段がかの”1兆円”でないことは言うまでもない。
 これはあくまでも私見ということで言えばその半分(これだと買い手はない)から三分の一というのが相場だったと思われる。
● 理由は簡単で「アリコジャパン」の財務諸表をみれば、これから収益が右肩上がりとは到底思えない内容だからだ。つまり、ここ3,4年間の「銀行窓販頼り」の契約業績を「販売力」と見誤ったところに”過大評価”の大きな誤りが潜んでいた。言わずもがな、今後は「銀行窓販」による契約高(保険料収入)は期待できない。結局、直販(営業員・代理店)と通販を主軸に販売展開をするしかないが、この「通販チャネル」もこれまでのように多額の広告費をかける手法は絶望的だ。  つまり「直販(営業員・代理店)」に期待するしかない現実を経営陣がどれだけ認識出来るかどうかだ。


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3月3日(火) 訪問者数794人(閲覧者数1,967人)<追加・青色>

■ 「AIGに300億ドル」、「アリコ、AIAをFRB保有」、「AIG最終赤字616.6億ドル」、そして、NY株式は6,812ドルと大暴落した!=

● 日本時間の昨夜深夜に始まった「AIGの決算発表とFRBの支援策」発表の内容は既に報じられていた内容であり、サプライズはなかったものの、しかし改めて10-12月の赤字が616.6億ドル(約6兆円)と公式に発表されると、やはりその金額の巨大さにAIGの事態の深刻さを痛感させられることになる。
● ただ、「AIG」についての全国紙報道はあるものの、取扱や見出しそれに肝心な記事解説には相当の「違い」がみられる。

○ 日本経済新聞 ○ 
 一面の2番手の扱いでメインは「雇用、政労使で緊急協議」を持ってきた。やはり経済専門紙を自負するなら「NY株、一時7000ドル割れ」が一面トップだろう。もちろん原稿締切と株価との”読み”で終値が回復したのでは、一面見出しがちぐはぐなことになりかねないことから躊躇したのかも知れないが、それなら「AIG支援」を一面トップに持ってくる手もあった。
 しかも3面の解説記事はともかく、4面の「アリコ日本事業」の記事は的外れの内容だ。つまり「米政府の信用で立て直し、暗黙の政府保証、AIGエジソン・AIGスター生命の売却交渉に影響」だが、これは記者が相当AIG(アリコ)サイドの話をベースにして書いたと思われる。もちろん何もAIG(アリコ)サイドに有利に書いたわけではないが、そもそも「米政府」の信用力がいかほどのものかは既にNY株価が教えてくれている。
 実質”米政府の信用で立て直ししかもそれが暗黙の政府保証”だとしても、既にこのロジックは崩壊していることが、AIGの株価に反映されている。確かに前日比よりは上げてはいるものの0.46ドルという水準で反応なしが実態だ。
 さらに「2社の売却への影響」だが、もしここでAIGが売却しなかった場合益々の混乱をAIGは内包する事態に陥る可能性が高い。そもそも「アリコ1兆円、2社数千億円」と吹聴したのはマスコミを中心とした外野であり、その背景には売却額を大きく見せたいAIGサイドの”仕掛け”があったとみるのが自然だ。しかし、3社の実態はそう猶予できる内容でないことは、当のAIG関係者が一番知っているはずである。

○ 読売新聞 ○
 一面トップは「NY株7000ドル割れ」だ。そのサブ見出しに「AIG赤字6兆円」とある。ところが、9面の経済面を開くと「AIGショック」が大きく見出しに踊っている。もしこれが一面トップなら、おそらくNYSEのAIG終値が相当下がり、約11年4ヶ月ぶりの7000ドル割れの元凶を持ってきたと言うことでヒットしただろうが、惜しかった。
 しかも、ニューヨーク駐在記者の「アリコ分析」はかなり甘い。詳細は略すが四半期毎の決算内容を横並びにするだけでその苦境は浮かび上がってくる。とても「米政府は収益力がある内にアリコ売却を目指す可能性が高く、国内生保で争奪戦が展開されそうだ」と記事にはあるが、これは極めて考えにくいシナリオだ。そもそも「アリコジャパン」の切り離し売却を可能としてしかも相当の売却額にしないと買い手はない。
 もちろん「米メットライフがアリコ買収に1兆円」というようなおめでたい保険会社が本気で出現すれば、それもビジネスではあるが常識的にはあり得ない話だ。もちろん「妥当値」であれば買い手は出てくるだろうが、ネックは「アリコ売却」(「アリコジャパン」売却ではない。)と買収後の販売戦略だ。

○ 朝日新聞 ○

○ 毎日新聞 ○ <タイムオーバーだ。続きはあとで。>



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3月2日(月) 訪問者数794人(閲覧者数1,967人)<追加・青色>

■ 「AIGに2.9兆円」、そして「アリコ、AIAをFRBに譲渡か?」=決定と思われる!=

● 海外のメディアが「米政府と合意」として、「①300億ドルの追加増資 ②政府への事業譲渡による融資返済 ③これまでの金融支援の軽減」が決まったことを報じている。同内容を「日本経済新聞」もニューヨーク発で報じている。
● 他の日本の全国紙も同内容で報じていることから、この内容で「AIGと米政府が合意」したと考えて間違いあるまい。となると、問題はこの合意の評価が問われることになる。
 もっとも早く「株価」に反応したのが東京市場だが「51円ー60円ー49円ー55円」の値動きで対前日比6円安だった。確かに6円安だけをみると「期待しない」ということになりそうだが、しかし、49円まで売り込まれた後55円まで買い戻された株価の動きは「評価と評価しない」が混在する極めてわかりにくい動きだ。結局今夜のNY市場の動きを待つしかないが、少なくとも「好感して暴騰」というシナリオは描きにくい。
● また「アリコ」の不安要因は、破綻の可能性は遠のいたが、他を含めた「350億ドル」という融資枠削減だ。つまり、600億ドルの融資枠を保険事業の譲渡により250億ドルに縮小したことで、この差額となる350億ドルが「実質的な事業譲渡価値」となる。となると「アリコ」の事業価値がそれに見合うまでにどれほどの時間がかかるのか、あるいは不足したままの場合、米政府は「損斬り」をするのか、あるいはそれが出来るのか、さらには時間的余裕はどれくらいかなど新たな不安要因となる。
● 「第1回・東京セミナー」では開催当日が「第3四半期」の発表日でもあったため「10-12月」の業績には触れなかったが、少なくとも「諸業績」を分析すると極めて厳しい業績の実態が明らかとなる。
 当然だがここから営業現場の価値観は分かれざるを得ない。もちろん中には見切りをつける人も少なくないだろうが、やはり基本形は「契約者本意の保険販売が出来るかどうか」だ。というのも、これまでの苦境に陥った生保で生命保険が全く売れない事態というのは起きてはいない。
● 3月7日(土)には「名古屋」で「銀行窓販攻略セミナー」を実施するが「契約者本意の保険販売」を、現在の「生保営業員・代理店」がするか、それとも「銀行窓販」でするのかの橋頭堡に立っていると考える。私はこれらの「知識」を習得して実際の営業現場で「契約者本意」の保険販売が出来ることを目的としてセミナーを実施するわけで、既にAorBの選択肢ではなくなってきている。結局、目先にとらわれて「契約者損失が大きい保険販売」をし続けるようだと、契約者はその生保からは離反していくことになる。


● これまでの2回のセミナーでは「AIGエジソン&AIGスターは売却(売却先も)確定だが、アリコは買い手不在(いない)」とやや断定的に解説した。現在の進捗状況からは解説が正解だったことになるが、問題は「アリコとりわけアリコジャパン」のこれからだ。
● もちろん、大前提が「FRBのAIGへの資金支援」だが、どうにか可能性が高くなったことで「AIGの破綻」は薄らぐことになる。但し、「アリコ」などの売却は先延ばしになることから営業現場の混乱は避けられまい。
 確かに例えば「アリコ」などの保険事業をFRBに譲渡したとしても、契約者の利害はないと思われることから取り付け騒ぎのような事態は起きないとは思われるが、しかし、かといって企業イメージのダウンは避けられまい。
 さて、当面「AIG」の株価はどうなるかだが、それを踏まえて営業現場はどうするかが大きな悩みである。  


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★ セミナー(講演会) Q&A ★

2009年03月05日 | 保険
■ 大地一成自主セミナー(講演会)Q&A ■<よくある質問をまとめたのが下記「Q&A」です!>
<Q&A:①>セミナー参加の条件は?
(A)特にありません。関心がある方が自由意志で参加できます。
(<Q&A:②>AIG関係生保勤務ですが、厳しいことだけを言われてやる気をなくすのでは?
(A)あくまでもいろいろな情報をもとに解説するため、中には耳障りの良くないこともありますが、問題は現実を知ることとそこからどのように考えてプラス思考に持って行くかが大事だと思います。実際これまでのセミナーには毎回AIG関係生保の方が参加していますし、名古屋、福岡でも相当数の方が参加申込みをされています。
<Q&A:③>東北の地方都市に住んでいるのですが、今後どのような地域でセミナーは開催されるのでしょうか?
(A)これまで「東京ー名古屋ー福岡ー東京」と開催あるいは予定ですが、次は「札幌ー大阪(京都)」を予定しています。基本的には「10名」の参加が決まっているようなら優先して開催していきます。この全国セミナーはビジネスと言うより辻説法だと考えています。もちろん参加人数が多いに越したことはありませんが。
<Q&A:④>銀行員ですが、ブログやセミナーの案内を見ると銀行窓販全面解禁にはかなり批判的と思いますが、銀行員でも参加してよいでしょうか?また実際参加して役に立つ内容でしょうか?
(A)実は「銀行窓販全面解禁」まではどちらかというと銀行(証券)には批判的でした。しかし、ブログにも書いたのですが、実際セミナーを開催してみると銀行関係者の参加が少なくないことが分かりました。つまり「契約者本意の保険販売」に対する熱意は一部の保険関係者と変わらないということだと思います。そのためしっかりと銀行窓販のマイナスは指摘しますが、しかしそれ以上の保険の知識はセミナーで得られると考えています。
結局、契約者からすると「どちらが役に立つ保険情報をもとに説明・設計してくれるか」の競争に突入したと思います。その意味ではセミナーを上手に活用して欲しいものです。

■「日本の生保業界の真実」=第140回=■

2009年03月02日 | 保険
3月1日(日) 訪問者数529人(閲覧者数1,052人)<追加・青色>

■ 「AIG、1ドル割れ」も上場維持の緩和策!!

● 「NYSE(ニューヨーク証券取引所)は、1ドル割れの株価が続いても上場廃止にならないよう基準緩和を米証券取引委員会に申請」のニュースが流れた。事の善し悪しはともかく、もしこれが認められれば「AIG」にとっては大きな朗報だ。もちろんこの背景には「株の下落が止まらないシティ」のことがある。おそらく政府管理下に入った「シティ」が、先輩格になる「AIG」の株価の低迷を十分に予測しての申請と考えられる。
● もし、「AIGもシティ」も市場からの撤退を求められることにでもなると、NYSEのダメージは小さくはない。但し、もしこれが認められたとしても株価反騰への材料とはなりにくいことから、最悪の場合には「0.01ドル」で市場を徘徊という醜態をさらすことも視野に入る。
● とはいえ、「AIG」に関しては、3月2日の10-12月の決算発表で600億ドルの大赤字が発表される見込みだが、と同時に政府との協力策が発表されれば、事態の下支えになる可能性が大きい。要は、この発表の内容如何で「AIG」の先行きが決まる、と考えてよい。もちろん、とはいえ早急に事態が好転する中身は絶望的なためこれからは「時間との戦い」が注目されることになる。
● とりわけ、現在のところ買収が頓挫したと思われる「アリコ」の場合は、「米国政府への事業譲渡」等を含め、相当の長期戦を覚悟する必要がある。反面「破綻」の可能性は相当薄らぐことになることを意味することから、関係者としては痛し痒しだ。いずれにしても、この件については正式な発表を待ちたいところだ。


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2月28日(土) 訪問者数636人(閲覧者数1,447人)<追加・青色>

■ 「R&I」格下げ4社続々!

● いくら予想されていたこととはいえ、立て続けに「マニュライフ、プルデンシャル、ジブラルタ、ハートフォード、朝日生命」と格下げが連続すると保険業界の地盤沈下を連想させられる。
 但し、やはり個々の生保の実情を把握しながら分析する必要がある。この5社の中で要注意生保は2社だ。セミナーでは実名で解説したところだ。1社は持ち株会社の格付けが今回「BBB+」と格下げとなったところ。もう1社は日本の生保だ。
● 「格付け一覧」は出来るだけ最新版を「保険・かわら版」の読者の方には提供しているが、さすがにここにきて流動的で今年に入り既に4版を書き換えた。近々発行の「保険・かわら版=第75号・第76号=」には、「20年度・第13版」を添付送付する予定となる。<おそらく近日中にさらなる「格下げ」が行われる見込みだ。>


■ 「AIG」の先行きが極めて不透明になってきた。結局「アリコもAIA」も更に混沌としてきた!果たしてどこまで営業現場は我慢できるのか?!

● ほぼ「AIG」の米政府に「アリコ譲渡」が決まりかけている。正式の発表は3月2日の決算発表時だと思われるが、ここまで”買い手”がなくなると致し方あるまい。既にこれまでのセミナー等で「(「アリコ」については)買い手がない」ことは解説してきたが、更に今回「売却を諦め時間を稼ぐ」という選択をしそうだ。
● この選択で”破綻”は当面免れるものの営業現場の混乱は必至だ。さて、3月2日の決算を受けて「第1回・東京、第2回・名古屋、第4回・福岡」の「日本の保険業界の現状」のダイジェスト版の「講演会」を3月20日(金・祭日)「東京」で開催!申込みは下記から!


http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/151e7b694b276c0732f1fabd68f786f5

■ セミナー雑感!「自主セミナー、FP実務講座」を実施して。

【セミナー感想の本音】 ○ ここまで「第1回・東京セミナー」と「FP実務講座・東京」の2セミナーを実施した。まず率直な感想がこられた方々が極めてまじめな方々だということだ。もちろん個々の出所は書けないが、分かる範囲で説明すると、こられた方々は保険業界関係者はもちろんだが、銀行関係者、シンクタンク関係者、税理士、社労士のかたなど多士多彩だ。
○ もちろん「保険業界」となると、今話題になっている当該保険会社の方の参加が気になったが、やや厳しい解説にも大人の解釈をしてもらえたようで、終了後の名刺交換も気軽にすることが出来た。また、遠方からの参加者がなぜか「東京」の場合は少なくない。「第1回・東京」のケースでは、千葉・群馬などからの参加者もいたが、一番遠方からこられたのは名古屋からだった。
 また「FP実務講座」では、長野からのかたが一番遠方からだと思われる。(分かる範囲)タダ、いずれにしても驚かされたことは、第1回の東京の開催時間が金曜日の夜(6時~)だったにも関わらず、銀行関係者が名刺交換した限りでは3名もいたことだ。
○ 以前、ある地方都市でミニセミナーを開催したが、その時もその地域の最も大きい地銀の方々が10名ほど参加した。その時間帯が如何に忙しい時間帯かは誰でもが分かるのだが、それでも参加する熱心さには脱帽させられた。
 確かに「銀行窓販の全面解禁」については、いろいろなリスクが伴うが「契約者本意」を前提とした場合、「銀行窓販に勝つか?銀行窓販が勝つか?」は、知識の涵養度が大きく左右してくる。
○ 少なくとも後2年後には「銀行窓販の見直し」が行われる。その時までにどのような保険販売が行われるか、またどれだけの理解が出来るか、極めて差し迫った問題だ。もし保険業界関係者が”安穏”とした目先だけの保険商品販売をし続けるなら、少なくとも保険料負担がそこそこ可能な契約者たちは「銀行窓販」での保険選択をする可能性が極めて高くなる。
 それに追い打ちをかけると思われるのが、メガバンク2行が取り扱っている「日本生命の定期保険EX」と「自動車保険」の銀行窓販での販売だ。特に「自動車保険」の背景には次の「自賠責保険料」の問題が大きく関わってくるから損害保険会社は痛し痒しだ。<詳細は「銀行窓販」セミナーにて解説!>


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2月27日(金) 訪問者数730人(閲覧者数1,769人)<追加・青色>

■ 「AIG」の先行きが極めて不透明になってきた。結局「アリコもAIA」も更に混沌としてきた!果たしてどこまで営業現場は我慢できるのか?!

■ 「AIG、事業譲渡」の記事がない某全国紙に今何が起きているのか?!

● 既に海外メディアでも報じられている「AIGと米政府との事業譲渡交渉」だが、日本の某全国紙はこれに関して一切報道が見あたらない。例えば、26日(木)の夕刊では「日本経済新聞、読売新聞、毎日新聞」がこの件について報じ、27日(金)朝刊では、さらに「日本経済新聞と読売新聞」が追加記事を買いている。
● どうしても内容から「AIGあるいはアリコ」という文字が紙面に載ることになることから、げすな勘ぐりをすると、某全国紙のスポンサーへの”思いやり”かと考えてしまいがちだ。確かに、かの9月16日以降の「アリコ」の一面広告の量を調べると「読売新聞」よりも鼻差ぬきんでている。
 さらに勘ぐれば、4月以降のアリコ(AIG)絡みの広告が激減(一部にはほとんどなくなる、という説もある)すると言われていることから、これまでの広告出稿量に対する”お礼”とも受け取れる。
● もちろん広告量を”鼻差”と書いた「読売新聞」は、昨日の夕刊と今朝の朝刊と続けて「AIGの事業譲渡」について報じている。しかも今朝の朝刊では「アリコ」について詳細に触れている。ただ、その中身は少々異なる点があるが。    いずれにしても、これだけ保険業界だけではない金融情勢の激変のニュースを一切報じない某全国紙の報道姿勢は厳しく指摘されるべきだ。
● 実は、「日本経済新聞」は、かの9月16日以降、「AIG関係」の一面広告は一切掲載していない。それ以前には他の全国紙よりは遙かに掲載量は少ないもののないことはなかった。私の仕事柄もし一面広告を掲載したら「経済紙としての資質を疑う」としてからかうつもりでいたが、今日に至るまで掲載はない。もちろん掲載申請がなかったのかあっても断っていたのかは不明だが、実質国有化された企業の広告を無神経に垂れ流すような経済紙なら経済紙の品格を失うところだった。

■ AIG株、急落「安値56円(昨日終値比19円安)の奇々怪々?! 



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2月26日(木) 訪問者数771人(閲覧者数1,964人)<追加・青色>

■ AIG株、急騰「46円ー75円ー45円ー現在65円」!前日比約44%高!

■ どの報道が信用できるか?「AIG」を巡る奇々怪々!

● 海外メディア特に米国の場合は、報道された内容を”正しい”と判断してそれをベースに読んだり書いたりすると大やけどをすることがある。その時の簡単なチェックポイントは「主語」だ。例えば「FRBが・・・」とか「AIGが・・・」というような内容なら間違いなく公に発信した内容と捉えることが出来る。ところが「関係者の・・・」と言うような場合、半信半疑で中身を読まないと誤った認識を持たされかねない要注意なのだ。
● ただ、このような「関係者によると」の部分が海外メディアから消えると各社がメディアに流す「ニュースリリース」の羅列になり、それならこれだけ進化した各社のHPからニュースリリースを読めば新聞などのメディアは不要ということにもなってしまう。
 このようなジレンマから「確かな情報」を積み上げていく作業は相当のストレスを内包することになるが、今回の「米メットライフの約112億ドルのアリコ買収」の記事を掲載しなかった日本のメディアはさすがと評価して良い。
● 発信元が「ブルームバーグやロイター」となると、しかも中身が中身なだけに飛びつきたくなるところだが、冷静に考えれば「主役がメットライフ」というところとなんと言っても「買収価格が約112億ドル」という金額には逆に信憑性を疑うことになる。しかもこの「約112億ドル」を正当化するかのように「80億ドル」まで下がる可能性も示唆するところは、相当の確信犯とみてよい。
● もっとも、このブログでも書いてきたように「買収金額」は、価値観の違いでもあることから「常識が通じない金額」になることはゼロではない。つまり本当に「米メットライフ」が当初約112億ドルと値踏みしていたのかも知れない、そして金融情勢の激変から”80億ドル”の可能性を示唆し今もその価値を頑なに信じているのかも知れない。もちろん、どのような価値判断でどのような結論を出すかはその企業の自由意志だ。それが理由で企業間の相対取引が絡む場合はどのようなケースでも100%とする考えはない。
● ところで、話は少々変わるが「AIGの破綻の可能性」については、ここにきて軌道修正を強いられている。実は「2月13日・東京」でのセミナーでは「考えにくい」だったが、「2月21日・FPセミナー」では「●%の可能性」とした。そしておそらく「3月7日・名古屋セミナー」では「●+αの可能性」となる確率が高い。
 もちろんその大前提には、現在の逼迫した金融情勢と「AIGの思うようにいかない資産売却、AIGの株価」それにともなう「資金逼迫」が根底にある。そしてこの肝心の「資金繰り」が失敗した時、極めて緊張した場面を想定せざるを得ない状況に来ていることが、●%(+α)の可能性の理由だ。
● やや厳しい言い方をすると昨年の「9月16日の必死の交渉」が今再度行われている、とみるのが現実的な捉え方だ。


● さすがに「AIG」の株価急落と、3月2日の10ー12月四半期の決算発表を控え、矛盾する情報が乱れ飛んでいる。24日には「米メットライフのアリコ買収が約112億ドル」と報じられたが、その一方で融資の交渉を行っており、それがまとまらない場合に備えて破綻の準備にある、とも伝えられた。
● さらには、東南アジアの「AIA」を巡っては、「ブルームバーグ」は、「買収対象としての魅力が低下しているため、買い手候補企業が入札手続きを中止しているようだと伝えた。」とあるも、直後の「ロイター」は、「保険会社の英プルーデンシャルとカナダのマニュライフのほか、シンガポールの政府系投資ファンド(SWF)であるテマセク・ホールディングスが依然、入札への参加を検討している」とある。
 はて、はて、はてである。
● ここではっきりしていることは「AIGは資金繰りに窮している」ということだ。しかも「株安ー第4四半期決算の大幅赤字ー格下げーCDSへの資金投入」とまさに悪循環の連鎖を断ち切る状況にはない。
 この状況下で、3月決算を間近に控え、さらなる資金手当が出来ないとなると文字どおり「債務超過」となる可能性も否定できない状況だ。
 いずれにしても手法として取れるあらゆる手法を関係者と駆使したとして生き残り策がないことはないだろうが、その可能性は相当狭まったことだけは確かだ。


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