■ 大知一成の公式「ブログ 保険・かわら版 」■=「間違いだらけの生命保険選び」=

=保険会社決算分析・保険商品分析・保険販売・保険金詐欺事件等保険業界のウラオモテを知る評論家「大知一成の公式ブログ」!=

★契約者本意の保険プロとFPのための保険情報=29=★

2006年11月14日 | 保険
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
● 「大地一成のオフィシャルHP」 → http://homepage2.nifty.com/i_daichi/ 
● 「大地一成の・ブログ保険塾」http://daichi-issei.cocolog-nifty.com/blog/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

11月14日(火)

● 切り抜いたまま、これをどう評価すべきか判断できずにいたが、埋もれてしまわないうちにここに書き記しておくことにする。これは11月2日の「日経金融新聞」のコラム記事なのだが、「英アヴィヴァの新自動車保険」の件だ。

● 「走った分だけ払う」という自動車保険で、日本でも一部通販損保も同じような広告文を使っているが、アヴィヴァの場合はもう少し芸が細かいようだ。「通信衛星を利用し運転状況を把握、年齢層、走行距離はもちろん、時間帯、走行場所に応じて保険料を計算する」というもの。

● これだと、事故率の低い時間帯や場所なら3割程度安くなるという。例えば18歳~23歳なら、事故の多い午後11時から午前6時は1マイルに付き1ポンド(約220円)だが、その他の時間帯は5ペソ(約11円)になる仕組みだ。
 
● うーん、と考え込んでしまうところだ。もちろんわたしの年齢では事故の少ない高速道路の方が一般道を走るより安くなるらしい。しかし、毎日平均5マイル走ると、年間約3万円余り・・・どうもぴんと来ない。判断力が鈍っている。
 もっともこれは英国のアヴィヴァの話。日本は今それどころじャない。

★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「保険・かわら版」案内版!=保険プロの中のプロとFPにお薦め=
http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




11月13日(月)

● 「三角合併ルール」について論議が盛んだが、保険業界をとっても海外の「M&A」には、凄まじいものがある。ファイルをめくっていたら「英プルーデンシャル、米保険大手アメリカン・ゼネラルを買収」という記事が目にとまった。13年3月のことだ。その買収額181億ポンド(約3兆2000億円=当時レート)というから相当の金額だ。

● 買収された「アメリカン・ゼネラル」は、年金や固定利回り商品で米国有数の規模を持った保険会社だが、運用資産総額は約950億ドル(約11兆円=当時レート)で、「英プルーデンシャル」の運用資産総額約1650億ポンド(約29兆円=同)と合わせ約40兆円の資産運用規模になったことになる。それから4年後には約47兆円の資産規模になっている。

● もっとも、それ以降株安の影響を受けたり、英ネット銀子会社エッグ売却を巡る旧経営陣の迷走から経営トップの更迭へとつながり、今年の8月には、2大株主が「(英国の)自国生保売却を要求」する事態も起きている。

● このようなタフさを知ると、日本の保険業界は何とものどかなものである。とりわけ株式を上場している損害保険会社の「第三分野の不当不払」保険金に対する経営感覚は驚くばかりだ。
 この体たらくでは、もしTOBでも仕掛けられたら応募する株主が殺到なんてことも現実味を帯びてくる。もっとも、既に外国人株主シェアーが相当の損保が多いことからすると、100%あり得ない話ではない。もっとも最近ではこの手の話は少し前までは一笑されたものだが、「不払い問題」発覚以降、笑いがなくなった。

● もっとも、その前にというよりそうなる前に、合従連衡を進展させようという動きもあるようだ。最近では、親会社が子会社損保を売却、という俄には信じがたい話がまことしやかに語られたが、確かに親会社からするとお荷物なのかも知れない。

 
★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「保険・かわら版」案内版!=保険プロの中のプロとFPにお薦め=
http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

11月3/4/5日分は、「★ 損保業界が自ら招いた存亡の危機 ★」に記載。

11月12日(日)

● ようやく「損保系生保の医療保険」でも「契約者貸付や自動振替貸付」の取扱ができるような保険商品が発売され始めている。もちろん「契約者貸付や自動振替貸付」ができる大前提は「医療保険に解約返戻金がある」ということだ。
 
● つまり、いくら「保険設計・販売にはコンサルティングセールスが不可欠だ」、と力説しても、「解約返戻金のない医療保険」だけを並べ立てて「コンサルティングセールス」を標榜しても、これなどは契約者蔑視も甚だしい保険会社としては”愚策”だ。
 
● さて、「三井住友海上きらめき生命」が「新医療保険」を11月27日から販売するというニュースリリースが流れた。顧客のニーズは様々だからこの医療保険がすべてに勝るとは言わないまでも、時の流れを先取りした「きらめき生命」の商品開発に拍手を送りたい。 

● 何と言っても注目すべきは「契約者貸付」はもちろんだが、「自動振替貸付制度」まで取り込んだ医療保険であるという点だ。この点に付いては「10月22日号・読売ウィークリー」の医療保険特集記事のコラムのところでも書いた「ソニー生命の総合医療保険」の推奨ポイントだった。
 
● 要は今後の金融情勢がどのように動いても、保険商品も弾力的な売り方ができないようでは取り残されてしまう。つまり「商品開発や諸取扱」については、先読みが不可欠なのだ。その意味では、「契約者貸付や自動振替貸付」ができる医療保険を保有することで、医療保険を販売する代理店(営業員)のレベルは向上せざるを得ない。つまり、自分の販売武器を一つ増やすことになるのだ。

● もちろん、このような医療保険開発ができない生保の商品を販売する代理店や営業員では、大々的CMを垂れ流す「通販チャネル医療保険」を指を銜えて見ているしかない。この責任は言うまでもなく、世の中の醸成を見抜けない保険会社経営陣にある。
 敢えて言うと、目先の保険料競争と多彩な特約等の競争に血眼になった「損害保険会社の第3分野」販売は、根底から見直すかあるいは発売停止すべきだ。

  

★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「保険・かわら版」案内版!=保険プロの中のプロとFPにお薦め=
http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  

11月11日(土)

● 今、「タウンミーティング」の”やらせ”が問題になっている。充分に予測できたこととはいえ、やはりそれなりの「承認や証拠」がないと、問題提起できない。今回は、文書や当事者が証言したことなどから、多くの「タウンミーティング」が、文部科学省の質問案に沿った発言したことがわかった。
 
● 生保の「社員総代会」も、それなりの対応ができている、と言われるものの当事者はかなりその生保と因縁が深いこともあってか、事実を語ることはない。強いて指摘すれば、以前行政指導の「ミニ社員総代会」を全国の支社単位で取り入れた。問題はそれに出席する「担当者の選び方」だ。もちろん、支社や事務所の窓口に「開催案内と出席者募集」の案内告知をすることになる。
 
● ところがこの募集の仕方に一工夫がしてある。出席希望者は、受付順ではなく「〆切日迄に受け付けた方」とあり、さらに必ず「応募者多数の場合は抽選」とある。おわかりだろう。保険会社の意図を受けた契約者しか参加できない仕組みなのだ。もちろん、締切日までに予定した人数が集まればよいが大概の支社では不足する。しかし、予測しない人が応募していた支社は大変である。何が何でも予定数にまで人数を集めないと、予測しない人を落とせないからだ。

● こうやって、形式集めた支社レベルでの”社員総代会の支社モデル”は実施される。もちろん、2,3の質問は準備して開催するのだが、実はこのしわ寄せは現場の生保セールスにくることが少なくない。忙しい時間を割いて出席するのだから、それなりの挨拶は欠かせない。それが、先ほどのように時間ギリギリの無理無理出席以来ともなると、担当セールスの接待も不可欠なケースもある。

● まあ、このようにどこにでもある話と言ってしまえばそれまでだが、やはりここまでいろいろな旧・価値観が崩落する様は、やはり当事者が監視していく心構えを持たないと、まだまだ形式的な騙し体質はなくならない。


<続> ある「損保系生保」の「新・医療保険」について、今日か今夜には解説をする。この商品を見る限り、もう損保の第3分野発売は止めた方が良い。そしてむしろ自社子会社から商品供給を受けるようにした方が賢明な策だ。~


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 

font size="3" color="black" style="line-height:160%;">11月10日(金) 

● 昨日は、16年度「取締役一人あたり報酬」だったが、今日は「取締役総額」を列記する。

・三井住友海上     54,400万円 (56,100万円)
・損害保険ジャパン  33,000万円 (28,400万円)
・あいおい        44,900万円 (36,700万円)
・日本興亜火災     24,000万円 (25,400万円)
・ニッセイ同和     35,100万円  (38,500万円)
・ミレア          13,200万円 (13,100万円)
 
● 後の( )内は15年度。
 なお、「ミレア」については、公になった金額の数え方が他とは異なるというご意見も頂戴したが、今のところ詳細は不明。とはいえ、東京海上日動火災の石原社長は「NHK経営委員会委員長」として、704万円の年間報酬額を得ていることから、まあいろいろとあるでしょうから、他の損保首脳と大きな差があるとは到底思えない。

● 少なくとも本業である損保会社が大変なときに「NHKの聴取者イジメ」に加担するような役職は辞して、まず本業回帰に徹するべきです。もう7人抜きの「東京海上日動火災」のための抜擢人事の感動はきれいに忘れさったのか。敢えてここでNHKの火中の栗を拾いに行く愚は避けた方が賢明だ。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 


11月9日(木) 

● <続> とりあえず、16年度分については、時間が取れればここか、「★損保業界が自ら招いた存亡の危機★」に掲載予定・・・と書いたまま昨日のブログは終わった。
 今日はここから始めよう。

● 16年度「取締役一人あたり報酬」

・三井住友海上    4,530万円 (4,010万円)
・損害保険ジャパン  4,130万円 (3,160万円)
・あいおい        2,800万円 (2,290万円)
・日本興亜火災     2,670万円 (2,820万円)
・ニッセイ同和     1,760万円  (1,750万円)
・ミレア          1,100万円 (1,190万円)
 
● 後の( )内は15年度である。金額だけで説明すると、「大手銀行のトップは『住友信託銀行』の3,090万円、証券業では『日興の5,000万円』」だった。参考までに加えると「三菱東京が3,010万円、野村證券が3,000万円」である。
 もちろん企業業績が好調であれば、それに応じた報酬を否定する気はない。16年度も「三井住友海上」は、専務2人が副社長に昇格し、「損保ジャパンとあいおいは賞与復活」が増額の理由と言う。

● つまり、企業管理上はレベルを向上させたことになる。にもかかわらず、その影で「付随的な保険金不払い」が平然と行われ、ついには、かの「明治安田生命」にも件数では劣らない「不当不払い」をコツコツとほぼ「確信的」に実施していたことになる。
  
● 15年度より16年度が報酬額が増加したのは「三井住友海上・損保ジャパン・あいおい」だが、間違っても「不払い保険金分が役員報酬に貢献した」等と陰口をたたかれないように、それぞれの立場の重責を真摯に受け止めるべきだ。
 
● どうも一部の損保で「現場が悪い。何でも契約を取れば言い訳じゃない」とばかりに、「不払いの原因」が営業現場にあるかのような”錯覚”をしている損保首脳がいるとされる。それがために謝罪から一転して「代理店教育の徹底」へとつながるのだそうだが、これなどはまさに本末転倒だ。
 
● 少なくとも生死の境を彷徨い、どうにか治療が効を奏しどうにか退院となって、「入院給付金や手術給付金」を請求したら、「支払拒否」ときたら、これはダメージが大きい。このようなときに「最終的に損保を訴えるべき」という言い分も感情的にはわからないでもないが、始末が悪いのは「医療保険関係の給付金額は死亡保険金などに比べて少額」という点だ。訴訟しようにも勝っても訴訟費用やその労力の損失は穴埋めできない。

● もっとも、長期入院中に給付金請求をして「支払拒否」は、これは病気の治癒にも悪影響を与えかねない。しかもこのような患者は無事退院できても、新たに医療保険などには契約できないのである。つまりその人の人生までをも狂わし兼ねない「不当不払い」なのだ。

● やはり、ここに至り「損保の誠意」は「販売自粛」が取り得るべき道だろう。損保各社には「損保系生保」が子会社としてある。医療保険は子会社で対応すれば良いだけの話だ。
 とにかく販売してしまえば、あとは不都合な部分がでたら商品の中身を変えていけばよい、程度の感覚で「第3分野商品」を販売して欲しくはないものだ。しかももっと悪いことに「入院や手術給付金などを不当に払わない」というのでは、問題外だ。
 まさか「保険金支払い担当者」は「不払い理由をみっけた!」と、それをノルマにしていたわけではないでしょうねえ。
 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 
 
11月8日(水) 

● 損保の「不当不払い」については諸説紛々が業界内を駆けめぐっている。最大の関心事は「金融庁の処分内容とその時期」だという。内容はともかくなぜ時期が重要かだが、もし「第三分野(所得補償は?)の無期限停止」という最悪の処分の場合、停止が解かれるのをほぼ1年と読むと、年が明けてからでは「銀行窓販全面解禁さらには郵政公社対応」そしてさらには「三角合併への対応」にまで支障をきたしかねない。
 しかし、かといって早々の処分を出すとなると、「不当不払い」への曖昧さが残るのは否めない。もし、今後金融庁検査が入り「まだこのような不払いがあった、あるいはこのような不祥事も隠蔽されていた」というようなことにでもなると、金融庁の面目は丸つぶれとなる。

● しかもタイミングが悪かったのは、かの保険業界のプッシュもあって「無認可共済」を大枠に閉じこめようと保険業法改正をやり、さあこれから選別という段階で「損保の不当不払い」が表面化した。いくらこれでは、問題あると思われる「少額短期保険業者」が発覚しても、全国の財務局では余程悪質な事例でもない限り、強権発動も躊躇せざるを得ない。

● ところで、「損保ジャパン→三井住友海上」と金融庁の検査が入ったが、業界トップの「東京海上日動」にはまだ入っていない。これについても諸説があるが、金融庁権限内のことで、外部からは噂話を頼りにするしかない。
 その”噂話”の一つに、「損保役員報酬」説がある。つまり、損保6社の中で「三井住友海上と損保ジャパン」がずば抜けて多かったのだ。説明するまでもなく「契約者には約束した保険金を払わず、役員報酬はずば抜けて高い」というイメージがこれではできあがる。

● 大手金融機関(銀行・損害保険・証券)の中でも、両社は「日興」についで「一人あたりの取締役報酬」は高額だった。しかも「取締役報酬総額」では「三井住友海上」がトップ。「日興」が2位で、3位は「あいおい」という順だった。そして実際検査をしたら、とんでもないことがいろいろと発覚したから、これでは「第3分野の無期限停止」もやむなし、というところだ。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 

11月7日(火) 

● 「ミニ保険・かわら版」の「第10号」のテーマは「医療保険分析」で、今回最初に解説した医療保険は「まもりたい」。実は、保険プロやFPでも最近の露出度の多い保険商品を詳しく知っていることは意外と少ない。
 最近会った保険のプロを自任する方々でも「まもりたい」について聞いても「保険料が馬鹿高い医療保険」というのが通り相場だった。それじゃあメリットは?の質問には、「医療保険に入れない人の気休め」とか「何も無し」とか、散々。

● まあ、当たらずとも遠からずだが、90歳の満期まで生きたとしても「保険料を入院給付金」だけで取り戻そうとしても、50歳・男性(入院日額5,000円)なら、通算最高日数の1,095日丸々入院しないと収支は合わない。手術給付金は1回5万円、通院は1日2,500円だから、相当効率よい入院・手術をする必要があるが、もし1回も入院・手術をすることが無く、めでたく90歳を迎えたら「約480万円」を保険料として支払ったことになる。

● もちろん、メリットもある。2年目に入りすぐに「入院・手術・死亡」のパターンだ。これなら収支のバランスはもっとも良いが、本人にするとあまり喜ばしい話ではない。早い話が経済的に逼迫している45歳以上なら、保険料負担は大変だ。逆に余裕資金がある人には向かない医療保険だ。
 一般的な例では、夫婦で加入したら実におめでたい契約者夫婦ということになる医療保険だ。おそらくアリコジャパン関係者でも健康を害したからと「まもりたい」に加入する職員は流石に皆無なのでは?

★ 「ミニ・保険かわら版」では毎月1号分を「商品解説号」として、掲載予定。次回は「損保の医療保険」。「不当不払い」がこれだけ騒がれてしかも商品内容がこれでは果たして誰が売るか?!・・・となるか、早く損保は禊ぎを受けてこんな良い医療保険をちゃんと販売すべき、となるか、予断を許さないところだ!



★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「保険・かわら版」案内版!=保険プロの中のプロとFPにお薦め=
http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 

★ 損保業界が自ら招いた存亡の危機 ★

2006年11月07日 | 保険
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
● 「大地一成のオフィシャルHP」 → http://homepage2.nifty.com/i_daichi/ 
● 「大地一成の・ブログ保険塾」http://daichi-issei.cocolog-nifty.com/blog/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

11月3日(金・祭日)
11月4日(土)
11月5日(日)

■ 損害保険協会会長・石原邦夫東京海上日動火災社長は、NHKの経営委員長を辞すべきだ!■



● どうやら、ことここに至っても「ほとんどの損保がやっていたこと」と、タカを括っている損保首脳があると聞く。言語道断である。もちろん記者会見などでは神妙な謝罪をしているが、果たして腹の中は?

● もちろん、最大の関心事は「金融庁の処分」だが、その前に大きく立ちはだかるのが現在金融庁検査が行われている「損保3社」の「検査結果」だ。自己報告と検査結果に乖離があった場合、厳しい処分は免れまいが、その余波は他の未・検査損保にも大きく影響を及ぼすことになる。

● ところで、問題となるのは「程度」の中身だ。しかし、機械的に判断するのは極めて困難なことから、ここでは「損保ジャパンと三井住友海上」の『不祥事比較』で説明してみる。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【保険・かわら版=第45号(抜粋)=】

┌───────────────────────────┐
│「不祥事比較」で”違い”は歴然! │
└───────────────────────────┘
● それでは両社の違いは「保険金不払い」だけだったのか。ここで改めて「損保ジャパンと三井住友海上」の『不祥事比較』をした。
 
「損保ジャパン」の不祥事

○17年12月 山口支店で不正契約(社員が勝手に押印)52件が発覚。
○18年 2月 生保提携先の第一生命契約を巡り「特別利益の提供」などの違法販売が大量(社員280人・431件)発覚。

○18年 5月 

 ●17年9月~12月に金融庁検査の際、保険金の支払漏れ(1,128件・1億2,050万円)が新たに発覚。自主調査対象外の「自動車保険の搭乗者傷害保険の支払漏れ(206件・2,570万円)も発覚。
 ●顧客の印鑑大量保有による顧客に確認無しの押印(2,947件・他23件)発覚。

■18年5月25日 ●金融庁は「4項目の業務停止命令」を発令

○ これ以外にも「海外拠点(香港)での賠償責任保険の不正行為」(H11年)が発覚。また、18年2月には「元損保ジャパン代理店」が「死体遺棄容疑で逮捕」というショッキングな事件も起きていた。

● これに対し「三井住友海上の業務停止処分」は6月19日に「日本経済新聞(夕刊)」の報道で突然明らかになった。そして実際金融庁は6月21日に以下のような理由と内容で行政処分を実施した。

「三井住友海上」の不祥事

○ 第三分野保険金の不適切な不払い

 不払い件数927件、1.66億円の不適切な不払い。この内終身医療保険は305件、0.61億円と顕著。

○ 付随的な保険金の支払い漏れ

 17年9月30日付の21,173件・19.1億円に対する付随的な支払漏れの調査の結果、17,296件・7.2億円の支払漏れが発覚。


○ 不適切な代理店管理

 保険料の立替/120件。契約者に重要事項の説明なし/6件、印鑑の不正使用や無断継続契約の処理/36件。

■18年6月21日 ●金融庁は「4項目の業務停止命令」を発令

○ また「海外子会社(英国)での不詳事件」も指摘されたが、「本社海外担当部門の海外拠点に対する管理・監督機能は、極めて不十分であり、経営陣による内部統制は機能していないものと認められる」とまで金融庁に言い切られた。

● このように並べると、両社の違いはわかりにくくなるが、大きなポイントは、「他の損保でも起こりうる不祥事かどうか」という点で、しかも「顧客の不利になるかどうか」だ。
 例えば「損保ジャパン」の顧客に内緒で勝手に押印などは、もちろん容認するわけではないが、便宜的に程度の差こそあれどこの損保でも起こりうる不祥事だ。また山口支店での印鑑使用とその隠蔽は支店ぐるみという意味からは極めて特異な不祥事だ。
また、「提携生保の契約ノルマ達成のための違法販売」についても、確かに保険業法に抵触はするものの、顧客の直接的な損失はないかあっても少ない。さらにいえば、金融庁検査で追加不払いが発覚した件数は、約1,334件と総件数とその判断の微妙な契約もあることを考えると、許容範囲内と捉えることができる。

● 損保26社の「保険金不払い」は、保険商品の複雑化などによるシステムや不可抗力が原因とされ、そこに悪意ある「保険金不当不払い」は介在していないものと思われていた。ところが、「三井住友海上」の金融庁検査では、とんでもない「保険金不当不払い」の事実が潜んでいたことが発覚した。

(表③)「三井住友海上」の「付随的な保険金の支払漏れ」

(1)2,406件

● 支払漏れの保険金を受け取ると更改契約の保険料が高くなると誤った説明をし、保険金の受取を辞退させ請求放棄としていた。

(2)9,306件

● 過去、保険料への影響等の説明が不適切なため、顧客が保険金の受取りを辞退し請求放棄となっていた。

(表④)「三井住友海上」の「第三分野保険金」の不適切な不払

(1)618件

● 始期前発病(保険責任開始以前の発病)について、約款上は医師の診断により認定されるべきところを当社社員が自ら判定を行い、免責が不適切に適用。

(2) 16件

● 被保険者等の故意または重過失責任に該当しないにもかかわらず告知義務違反による契約解除を行う等、告知義務違反の認定が不適切に行われた。

(3) 91件

● 告知事項とは因果関係のない保険事故にもかかわらず告知義務違反を適用。

(4) 35件

● 代理店が被保険者からの告知を受けずに契約を行う等会社側に法令違反等があるにもかかわらず告知義務違反が適用された。 │

(5) 167件

● 告知義務違反について、会社側からの契約解除ができる期間である除斥期間が経過した後に解除権を行使。
──────────────────────────── 

┌───────────────────────────┐
│「三井住友海上」の”不当不払い”! │
└───────────────────────────┘
● まず(表③)だが、これはかなり悪質だ。17年に発覚した「支払漏れ」の契約者に対し「その保険金を受け取ると更改契約の保険料が高くなる」という誤った説明をして「保険金の受取を辞退させ請求放棄とした」ものだ。これなどは、「保険金を払わない」どころか「支払漏れの保険金すら支払わないやり方」で、これでは保険会社としての存在意義すら疑いかねないやり方だ。

● また驚くことは、「第三分野商品の保険金支払いの不適切な不払い」の中身だ。合計で「927件・1.66億円」だが、その内「終身医療保険」に関する不適切な不払いが「305件・0.6億円」もあった。金融庁は5項目に分けて内容を説明しているが、件数が多い「1と2」を見ると、ちゃんと規定に則って実施していれば特に問題となるような中身ではない。

● これまでの内容から断言できることは「三井住友海上」の保険に対する考え方は「かなり不的確でとても安心して契約できる環境にはなかった」ということである。
 さてここまでの説明で、金融庁の処分内容が「損保ジャパン」と比べ「三井住友海上」の方がかなり重い理由が理解できたと思われる。この内容となると、むしろ「明治安田生命」に近い不祥事内容だ。

● これらに比べ「損保ジャパン」の場合は、確かに「不払い保険金の発覚」は許されるものではないが、個別支社の不祥事、さらには提携生保(第一生命)との自社ノルマにより社員が追い込まれた結果のやや情状酌量の余地がある不祥事だった。
● 「契約者に大きな不安を与える」という意味では、比較にならないほど「三井住友海上」の不祥事が重い。俗に言う「あってはならないこと」の類だ。そもそも、これらの不祥事を自ら発覚・自己申告したならまだしも金融庁検査で発覚したこともことの重大さに対する経営陣の経営感覚の甘さを露呈してしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【このブログでの解説】

● これは「保険・かわら版=第45号=」(9月10日発行)からの抜粋である。もちろん、このブログでは図表をそのまま取り込めないため、少々見にくくなっているが、要は「三井住友海上」と同様のことが、他の損保でも行われていたかどうかがポイントだ。

<続> 11月4日(土)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

● さてここで各損保の今回の件に関するニュースリリースで解説してみよう。もちろん今回の「不払い」が初めてのことであれば、発生した原因と今後の対策を並べれば表向きは何とか繕える。
 しかし、もう慣れっこになるくらい毎回ともなると、「分かりやすい事実」の報告が第一だ。なんだかんだとあれこれを並べ立てても、既にそれらに信用回復する効力はない。

● 契約者や代理店なら自分が絡む損害保険会社のHPを開き、今回の件が掲載されている箇所を見ていただきたい。果たしてその内容から何を読み取るかあるいは感じるかが大事なことだ。
 つまり、「損保の誠意」を如何に読み取らせるか、である。中にはことここに至っても「居直り」的なリリースもあるが、これなどはどうしようもない保険業を営むべきではない経営感覚損保だ。

● 敢えて、1点だけ指摘すると「日本興亜損保」を例にとろう。確かに「不当不払い」が生じたことは問題で金融庁の処分も甘んじるしかないが、ここの「資料①」をみると、2001年度から2006年度間の年度別推移が表にまとめられている。03年度をピークに04年度、02年度に「不当不払い」が集中していることが分かる。05年度は「83件」と急減しており、さらに06年度は4月から6月までの実績だが単純比較では対前期比半減だ。
 つまり、02年度・03年度・04年度の「不当不払い」から、05年度以降何らかの理由で激減したことが分かるのだ。

● このような表を貼付してある損保は、改善が進行中という見方も可能だ。果たして、他の損保の「年次別推移」はどうだったのか。気になるところだ。もし、ほとんどが「日本興亜」と同じようなステップを踏み、且つ悪質な処理がないようであれば、情状酌量の処分もあって良いのではないのか。
 とにもかくにも、外部の契約者にもはっきり分かる情報開示がまず重要だ。ここにいたっての「対応策」等は、何の説得効果も生まない。むしろ逆効果だ。
 
<続>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<続> 11月5日(日)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

● もし、企業が社会的に問題を生じさせた場合、その企業のトップは何らかの対応をするのが、一流政財界人のたしなみでもある。実は、「2日開かれた自民党通信・放送産業高度化小委員会で、医療保険など第3分野商品の保険金不払い問題を引き起こした東京海上日動火災保険社長の石原邦夫社長がNHKの経営委員長を務めていることに関して、出席した議員から、経営委員長を続けることに疑問の声が上がった。経営委員長はNHKを監督する立場で、問題を起こした企業のトップはふさわしくないとの意見が相次いだ。」とある。「しかし、小委員会に出席した橋本元一NHK会長は「東京海上日動とNHKの経営委員長とは切り離して考えたい」と述べ、石原氏が委員長職を継続することに理解を求めた。」とあるが、これなどは文字通り「居直り擁護」だ。

● そもそも、今回の「不当不払い」について、「保険金のお支払いは、保険会社の基本的かつもっとも重要な機能であるにもかかわらず、不適切な保険金の不払い事案を発生させ、皆様方に多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。」と、今回の「第3分野商品の保険金支払いに関する検証結果等について」の中で書いてある。

● もしこれまでの「付随的な不払い」とは異なり、問題の重要性を認識しているなら、むしろ「NHKの経営委員長」は潔く身を辞すべきだ。少なくとも世間は「NHKは損保の不当不払い問題」について、厳しい追及はしまい、というよりできまい、と考えるのは常識的な捉え方だ。
 果たしてこれで「NHKは公共放送」という看板を掲げて放送して良いのか大いに疑問だ。

● 今やマスコミの多くが「保険業界の問題点を指摘するより尻尾を振った方が得」という判断から、今回の「不当不払い問題」も「付随的不払い問題」と混同させることで、問題の矮小化を図っている、と見ることができる。特にこの傾向が顕著なのがTVメディアだ。
 もちろん、”公共放送”と称するNHKにその役割を期待しようにも「損害保険協会の会長がNHKの経営委員長」では、そこを批判する番組はおろか、ニュース
にも気を使うのは当然だろう。
 

<続>


(参考)

● これまでに判明した「第三分野不当不払い件数」は、以下の通り。

・三井住友       1,140件
・損保ジャパン      975件
・日本興亜         833件
・東京海上日動     805件
・あいおい         470件
・富士           175件
・アメリカンホーム    158件
・共栄火災        154件
・ニッセイ同和       142件
・AIU            107件
・日新火災         68件
・セゾン自動車       18件
・セコム           12件
・日立            11件 
・エース           11件
・明治安田損保       2件
・スミセイ損保        1件

(件数順)

● ちなみに、現在金融庁検査が入っているのが「アメリカンホーム・AIU・日新火災」ですから、この報告数字と違いがあるようだと、ややこしいことになりそうです。


 
★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「保険・かわら版」案内版!=保険プロの中のプロとFPにお薦め=
http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 





★契約者本意の保険プロとFPのための保険情報=28=★

2006年11月06日 | 保険
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
● 「大地一成のオフィシャルHP」 → http://homepage2.nifty.com/i_daichi/ 
● 「大地一成の・ブログ保険塾」http://daichi-issei.cocolog-nifty.com/blog/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

■ 11月3/4/5日分は、「★ 損保業界が自ら招いた存亡の危機 ★」に記載。

11月6日(月) 

● 「三角合併」ルールが難航している。この問題は保険業界とて無関心とはいかない問題だ。特に株式公開している損保業界にすると、とても他人事とは言えない関心事だ。
 もちろん「敵対的買収」ではないことから、これまでの日本の経済界の慣習からどのようなルールになっても「日本の場合は関係ない」とする経済界首脳がいることも事実だが、しかし、果たしてそうか。

● 現在、これに絡む「時価総額・外国人持ち株比率・大株主分析」等を「保険・かわら版」用に編集しているが、各社あぐらをかいていられる状態かどうか、甚だ疑問だ。それ故に日本の財界は「三角合併」のルール作りにあれこれと注文を付けるのだが。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
● 実に妙な夢を見た。地下が核シェルターとかで、人波に押されながらトンネル状の壁が岩石も見えるような中をどんどん奥に押し込まれていく。途中で日本人ではないアジア系の軍人に、もっと先へ行けと銃で押しやられる。

● どうにか中心のトンネルから何本か伸びている横方向のトンネルに入り込んだ瞬間、大音響とともに、ギシギシに詰め込まれた男達の怒声とも嬌声ともつかない奇妙な叫び声が耳をつんざいた。どうやら、核弾道が飛んできたらしい。叫び声を上げながら、トンネルの上部にある出窓のようなところから、外を見ると地球のような物体が星のように壊れながら流れていく様がくっきりと見て取れた。

● その光景をみた男達は,一斉にコンクリートの地面に頭を擦りつけほとんどが後頭部を両手で覆い被している。どうも、これから核が落ちて爆発するらしい。とにかく変な静寂が走っている。次の瞬間、とてつもない閃光が光った。そこで目が醒めた。夢、夢だったのだ。
 思い出すと、どうも囚われの身で、周囲はその男達でぎゅうぎゅう詰めだったようだ。

● TVが付けっぱなしで「NHKスペシャル・北朝鮮」の第2話が放送中だった。もちろん深夜の放送で再放送だ。まだ現実と夢の間隙を彷徨うような感覚の中に「北朝鮮と核」というナレーターの声がやけに耳障りだ。おそらく、夢の中に連動する「北朝鮮」と「核」のイメージが膨らみあんな夢を見たのだろう。

 もうすっかり夜も明けたが、目が覚めたらすっかり忘れている夢が多い中、まだ夢の中の映像が鮮明に浮かんでくる。果たして薄汚れたごわごわした毛布のような黒色のコート風なものをまとった私を含めた男達は一体どうしたのか。まだ夢心地だ。

★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「保険・かわら版」案内版!=保険プロの中のプロとFPにお薦め=
http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 

11月3日(金・祭日)

● これまでに判明した「第三分野不当不払い件数」は、以下の通り。

・三井住友       1,140件
・損保ジャパン      975件
・日本興亜         833件
・東京海上日動     805件
・あいおい         470件
・富士           175件
・アメリカンホーム    158件
・共栄火災        154件
・ニッセイ同和       142件
・AIU            107件
・日新火災         68件
・セゾン自動車       18件
・セコム           12件
・日立            11件 
・エース           11件
・明治安田損保       2件
・スミセイ損保        1件

(件数順)

● ちなみに、現在金融庁検査が入っているのが「アメリカンホーム・AIU・日新火災」ですから、この報告数字と違いがあるようだと、ややこしいことになりそうです。


 
★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「保険・かわら版」案内版!=保険プロの中のプロとFPにお薦め=
http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 

11月2日(木) 

● 損保の「第三分野保険金不当不払い」については、いくつかの疑問が浮上している。5年間で「4,365件・12億2158万円」とした6社の不払い件数・金額が膨らむ可能性があるという。
 そもそも調査基準が統一されていないため、「三井住友基準」と「東京海上基準」の2通りがあり、大方は東京海上基準に従ったとされる。それがために、各社のニュースリリースをみると、「報告した不払いをすべて支払う」とはしていない損保もある。

● しかし、各社の事例を読むと、「生保では新規加入が無理な病歴の被保険者が契約している」ことだ。例えば「ガン」が発症した被保険者が、契約している事例だ。まさにこれなどは「第1次選択」の問題で、損保の初歩的な募集教育がどうだったか極めて疑問だ。もし、ノルマが達成できないから誰でもよいとして勧誘したとするなら、全くこれは別の問題になる。
 その結果、部位が異なるがんの発症で保険金が不払いになった、から「支払う」では、辻褄が合わない。

● 確かに、ここ最近「告知義務違反は、保険金を支払わない」というロジックが浸透したが、これは裏を返せば「告知義務違反を見つけ保険金を支払わない」保険会社の言い分を助長したことにもなる。
 「三井住友海上」のケースでも「告知義務違反」に関係した「保険金の不当不払い」は、309件もある。(前回発覚分)これがまかり通ったのも「告知義務違反を指摘」された契約者は「仕方ないこと」と諦めさせられた要因になった可能性が高い。

● もちろん「告知義務違反」を推奨するつもりはないが、しかし、保険会社側に「2年間の解除権」が認められている以上、保険会社としては、「第1次選択の教育」さらには「調査」等のモラルリスク排除の経営努力は当然の権利でありまた必然でもある。
 ところが今回のケースでは、自らの経営努力を放置して、「告知義務違反の拡大解釈」を持って「保険金不払い」にした経緯が読み取れる。

● さて、今後の関心は金融庁の処分だが、無罪放免はまず考えられないところだが、問題は中身の程度だ。もし、「三井住友海上」並の「第三分野の不適切な不払い」となると、「第三分野(所得補償含む)」の無期限停止は避けられないところだ。当然これに付随して「社長退陣」も既定路線となる。

● ただ、仮にそうなった場合「損保ジャパンと三井住友海上」の取扱は少々ややこしい。「付随的な保険金の支払い漏れ」に対する処分は「業務停止命令」が妥当なところだが、「第三分野」に関しては、その中身により処分内容が異なる可能性がある。つまり、既に「三井住友海上」は無期限停止の処分を受けている以上、これ以上の処分はしまい。問題は「損保ジャパン」の方だ。

● なぜ、「三井住友海上」の金融庁検査で「第三分野の不当不払い」が発覚した際に「なぜ金融庁に速やかに報告」しなかったのか、だ。このことを考えると、もちろん「不当不払いの原因」にもよるが、「第三分野の無期限販売停止」が妥当な処分だ。
 むしろ、できるだけ早急に発動して貰って、できるだけ早めに解除して貰う方がこれからの経営戦略からは損保としては、助かることになる。何と言っても「銀行窓販全面解禁・簡保民営化さらには三角合併」の足音がもうそこまで近づいていることを考えると、膿はそっくり出し切った方が良い。
 もっともこのことは、「損保ジャパン」に限ったことではなくて、他の損保も同じだ。


★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「保険・かわら版」案内版!=保険プロの中のプロとFPにお薦め=
http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 

11月1日(水) 

● あとカレンダーも2枚となった。最近は1年が早い。今年を云々するにはまだ早いが、今年は「予想外」のことが多かった。
 ライブドア、村上ファンド、福井日銀総裁の村上ファンド問題、耐震偽装・・・教科書単位不足問題、そして少ししゃれると、ソフトバンクもだ。

● これまでの「世の中の常識が覆される」ことが続く。このことは、保険業界も負けてはいない。生保の方は「明治安田生命」が会社ぐるみの”犯行”で、現在信頼回復に躍起だ。一方「損保」は、17年2月の「富士火災の金融庁検査」で発覚した「保険金不払い」が延々と尾を引き、遂に昨日は損保大手6社が「医療保険などの第三分野保険の『不適切な保険金不払い』」が明らかになった。

○ 各社の「不適切な保険金不払い」内容。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・東京海上日動火災   805件  27,000万円   33.5万円
・損保ジャパン       975件  27,000万円   27.7万円
・三井住友海上     1,140件  28,400万円   24.9万円 
・あいおい損保       470件  14,600万円   31.1万円  
・日本興亜損保      833件  21,500万円   25.8万円
・ニッセイ同和損害    142件   3,774万円   26.6万円
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(注)「不払い件数・不払い金額・1件平均金額」の順。

● こう並べられても、これらの数字がどのような意味を持つのかは分かりにくい。もっとも損保各社は9月29日に19社が「約30万件、約177億円」の「付随的支払漏れ」(損保各社の表現)があったとして公表したが、これに比べるとかなり少ない件数・金額に写りがちだ。
 しかし、「支払漏れ」が、特約に起因したところが多いがために、不払い額は少額なものが多かった。それがために「支払漏れの1件金額は5.9万円」である。

● これに比べ今回の「不当不払い」のケースでは、大手損保6社平均で「28万円」である。個社については上記参照。つまり、「入院や手術」などの根幹の部分の保険金支払いが「不当不払い」だったことを教えている。

● またかの「明治安田生命」の「給付金の『不当不払い』が、492件・2億円」だったことを考えると、損保各社の不当不払い実績はそれに匹敵する件数と金額だ。もし今回の件が不問に付されるとなると、「明治安田生命」は心中穏やかならぬものがあるだろう。
 また既に「第三分野商品の販売無期限停止命令」の処分を受けている「三井住友海上」としては、もちろん「発生原因」にもよるが、もし同様の原因なら同等の金融庁処分はして貰わないと不公平ということになる。

● いずれにしても「物保険」なら「試し販売」でも許容範囲ということもあるが、こと「人保険」の場合は、「次から改善します」では、契約者に与える影響は甚大だ。入院・手術した患者(契約者・被保険者)が、「保険金が支払われない」という事実に直面した場合、どれほどの精神的ショックを受けるか、計り知れないダメージだ。もちろんそれに病気との精神的戦いが加わっているのだ。
 
● 各社のHPを見ると、今回の件が「ニュースリリース」でアップされているが、見落としがなければ「自発的に販売自粛」をした損保は見あたらない。果たして現場の代理店は「こんなに良い保険なんですが、リスクは保険金が支払われない点です」などと言って営業できるワケがない。

● ところで、各損保のニュースリリースを見ていて気付いたことが。大方の損保は「不適切な不払い件数・金額」を掲載しているが、最近「合併話が持ち上がりその後消えたはずの2社」は、群然にも「金額の記載」が両社ともない。ひょっとすると再燃?!

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 

10月31日(火) 

● ややもすると、今回の損保の「医療保険などの第三分野」に対する『不当不払い』について、ほとんどの大手損保に共通したことから、金融庁の処分は大甘で何とか乗り越えられるのでは、という声があるという。一方、金融庁も「金融処分庁」と揶揄されることから、処分の程度に逡巡していると言う。
 もちろん、第三分野関係は今日、報告する予定だからその処分を云々するのは早とちりだ。

● しかし、もし先のように「金融処分庁」と揶揄しながら「大甘処分」を期待する大手損保があるとするとこれは実にさもしい考えだ。思い起こしていただきたいが、かの「明治安田生命」の「不当不払件数は1,053件」だった。他の生保38社(当時)の同件数は「435件」だったにすぎない。
 しかも、生保の数字は平成12年度から16年度までの5年間合計である。おそらく損保の場合はこれより期間が短いと思われる。

● もちろん件数だけで同一視が正しいとは言い切れないものの、単純に考えると「保険金や入院給付金などを”不当に”手にできなかった人」の比較では、大手損保は「明治安田生命」並の不始末をしでかしたことになるのだ。
 また、「明治安田生命」は、会社ぐるみだったが、大手損保各社は、生保が「不当不払い問題」で揺れていた昨秋を「関係ないこと」として、自発的に社内調査すらしなかった。この点においては、会社ぐるみと言われても致し方あるまい。

● 最近、担当教諭や校長、教育委員会の「隠蔽体質」が問題にされるが、今回の大手損保の「不当不払い」問題は、この”隠蔽体質”に相通じるところがある。「不当不払い」に差は付けたくないが、その「契約者の被害額」は、損保関係の不払い額とは大きく異なる。
 また、もし不当な理由で「ブラック登録」でもされていたら、今後の保険契約にも支障をきたすことにもつながりかねない。
 金融庁は、自信を持った英断を下すべきだ。少なくとも大手損保の「医療保険などの第三分野」販売については『解体的再構築』を今しないと、契約者の怒りは治まるまい。

---------------------------------------------------------------------------
● 大阪・御堂筋を車庫代わり、容疑の日本生命部長を逮捕
2006年10月30日21時30分(「朝日新聞・ネットニュース」)

 身体障害者の介護用に発行された駐車禁止除外指定車標章を不正使用し、通勤や営業で使う私有車の路上駐車を繰り返したとして、大阪府警は30日、日本生命テレコミュニケーション推進室営業部長の陶山典保(すやま・のりやす)容疑者(41)=大阪市阿倍野区阪南町=を車庫法違反の疑いで逮捕した。同推進室の48歳と46歳の女性社員2人も同容疑で書類送検する方針。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

● コメントのしようがない事件ですが、まさか日本生命としても「身体障害者用の指定車標章を不正使用してはいけません」等という、「車使用注意書」に書き込むワケにはいかない、「信じ~ら~れ~な~い~」あきれた行為です。
 もちろん今朝の「朝日新聞・13版」には記事はありませんでした。


★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「保険・かわら版」案内版!=保険プロの中のプロとFPにお薦め=
http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 


10月30日(月) 

● 「保険金不払い」から「保険料多寡徴収」となると、損保業界は余程襟を正す必要がある。

○ 「医療保険など第三分野」

● これについては、「損保大手が5,000件前後」というニュースが流れている。
記事によると、「東京海上日動火災保険・1000件弱、損害保険ジャパン・約1000件、日本興亜損害保険・約800件、あいおい損害保険・500件弱」に「三井住友海上火災保険・約1100件」という「不適切な不払い」があったとある。

● 「保険・かわら版=第45号=」で「三井住友海上」の保険金支払いの「不適切な不払い」を指摘した。その上で「三井住友海上の医療保険などの第三分野の契約と募集の停止」を、損保ジャパンとは異なる不始末とした。
 もちろん、今他の損害保険会社がどのように「三井住友海上」と「不適切な不払い」の内容が異なるかは不明だが、もし同様の不払いであった場合は、やはり三井住友海上同様「無期限」の処分をするしかあるまい。

● つまり、もし何もお咎めなし、だと「三井住友海上」だけが大きなハンデを背負うことになる。かといって逆に「無期限を解除」するとなると、「不適切な不払いを金融庁が容認」したことになり、話は益々複雑化する。

● そもそも、損保ジャパンの「Drジャパン」が販売されたときに「保障期間が無期限」ということで注目されたが、すぐに保障内容を変更されたが、損保と生保の保険商品に対するコンセプトはかなり異なる。
 ましてや「保険金支払い」については、余程慎重にしないと「損害保険会社」への信頼を失うとともに取り扱った「代理店」の信用をも失墜しかねない。

● もし、ここまでの記事の通りだとすると「ニッセイ同和」の名前がないことは、既に「ニッセイ同和」には、日本生命の保険金支払いのノウハウが徹底されていたことになるが果たしてどうか。
 ただ、不可解なのは、もしこれまで5,000件近くの「不当不払い」があったとするなら、取り扱った「代理店」はどう対処したのか、極めて疑問だ。

 
★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「保険・かわら版」案内版!=保険プロの中のプロとFPにお薦め=
http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■