■ 大知一成の公式「ブログ 保険・かわら版 」■=「間違いだらけの生命保険選び」=

=保険会社決算分析・保険商品分析・保険販売・保険金詐欺事件等保険業界のウラオモテを知る評論家「大知一成の公式ブログ」!=

■「日本の保険業界の真実」=第91回=■

2008年05月31日 | 保険
6月1日(日)

■ 生保決算特集=その3= 「再保険収入」により「保険料等収入」が急増した生保・ジブラルタ生命」の立場! ■

● まず、生保の業績表だが、このような表で編集の段階でもっとも気にするのが「順位」だ。基本的な「順位表」作成の段階で、新聞各紙は間違いを犯している。そもそも生保の順位が何によるものかの記載が「日本経済新聞・読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・産経新聞・東京新聞」ともないのだ。

● ところがここでもう一つややこしいことが生じる。単体生保順かグループ生保順かだ。例えば「日本経済新聞」で説明しよう。

・大きく2段に分け「大手9社計」と「その他の生保」とにして業績表が作成されている。もちろん順位は「保険料等収入」順だ。ところがしかし、ここで中途半端なことが生じている。少なくとも経済専門紙としては、その専門性を疑うような業績表なのだ。

【単体生保かグループ生保順かが不透明】この肝心なところが、注意書きにもないため、業績数字がちぐはぐになっているのだ。具体的に説明すると、もし「単体生保順」とすれば、「保険料等収入約8,253億円・ハートフォード生命」の記載が無いのはおかしい。金額からは「アクサ生命の上」にランクされる金額だ。
 また、「グループ毎」の業績順位だとすると「アクサ生命の6,645億円」はこれまたおかしい。「アクサフィナンシャル生命の1,010億円」の記載がない。言うまでもないがこの生保は「アクサGの100%子会社」だ。
 更に言えば「富国生命」にも80%の株式を保有する「フコクしんらい生命」がいる。保険料等収入154億円だ。
 これらの基本的部分を業績表を作成する前提で統一していないとこのようなミスは生じる。

【”大手9社”】という表示は既に場違いだ。何を持って”大手9社”と呼ぶのかは不明だが、既に「保険料等収入」でも「総資産」でも”大手”と呼ぶには似つかわしい業績になっているにもかかわらず、いつまでも”大手”と呼ぶのは妥当ではない。むしろ「国内主要生保」とする方がスッキリもする。
 またこのようにちぐはぐになってきた”順位表”なら、「総資産順」にした方がわかりやすい。実際、最近の生保業績を見ていると、「保険料等収入よりも総資産」の順位が生保の規模面の実態を表してもいる。

● さて、ところで「日本経済新聞」が、ややちぐはぐなところはあるにしても「その他の生保」では、グループ分けでランク付けをしたがために、唯一「ジブラルタ生命の保険料等収入」が掲載されている。もし、「日本経済新聞」以外の新聞しか見ない読者の場合は「ジブラルタ生命の6,495億円」という、「保険料等収入」の功績を知らないままということになる。
 実はここに昨日付で書いた「ジブラルタ生命がソニー生命を陵駕?!」の証拠があるのだ。もちろん「総資産」でもジブラルタ生命がソニー生命を抜いているのだが、その理由は、これまでくどいように指摘してきた「保険料等収入の中の再保険収入」なのだ。昨年度の約88億円から約2,402億円に急増したのである。確かにこれは該当年度だけの特殊要因とはいえ、これも間違いなく生保業績であることは間違いないのだ。

● さて、このように分析してくると、もっとも理屈が通るのは「毎日新聞」だ。グループ毎の順位表としているが、「AIG」には「アリコ・AIGエジソン・AIGスター」の業績が、「T&D」には「太陽・大同・T&DF」の業績、「プルデンシャル」には「プルデンシャル・ジブラルタ」の業績がちゃんと集計されている。もちろん「アクサ」も「アクサ・アクサフィナンシャル」の業績数字が加算されている。強いて言えば「富国生命」だが、これは「フコクしんらい生命」の株式保有が100%ではないことから外したとすれば説明が付く。

● 一方もっとも酷かったのが「朝日新聞」だ。単体生保順とグループ生保順が混在していて、表の意味が不透明きわまる順位だ。そもそも「保険料収入」という表示からして誤り(「保険料収入」が正しい。)なのだが、もし個社順とするなら、やはり「アリコジャパン」と「アメリカンファミリー」は住友生命と大同生命の間に持ってくるべきだろうし、逆にグループ順にするなら「T&DG・AIG・アクサG」というように誰にでも説明が付く業績順位表にするべきだ。


<近々「保険・かわら版」で「新聞生保決算記事の不可解さ!」(仮称)として特集を発行する。>

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

5月31日(土)

■ 生保決算特集=その2= 「新聞報道の基本的知識の欠落点!」■

● 昨日の生保各社の決算発表を受けて、今日の新聞各紙には生保決算記事が掲載されている。ところで、この生保決算と並んで大きく取り扱われていたのが「日本郵政の決算」だった。更にもう一つ見逃せないのが「保険法の成立」だ。● 時間がタイトなので、まず1点だけ解説しておくと「日本経済新聞」を評価したい。このように書くと「何か異変でも?」と思われるかも知れないが、事実は事実として評価したいからだ。
 実は、各紙ともいくつかの業績を表にして掲載している。これらの数字を読者は生保決算の要の項目であり且つ数字であると捉えて見ることになるが、当然のことながらそこには「正しい記載」が大前提となる。
 ところが、最近では「総資産」の評価よりも「保険料」の増減が生保の優位性を評価する雰囲気がある。そのため、「保険料等収入」を、柱にする業績表が多いのだが。問題は「保険料収入」と「保険料等収入」の違いだ

● この「保険料等収入と保険料収入」とでは、損益計算書上からも全く異なる金額を提示することになる。つまり、「保険料等収入=保険料+再保険収入」を差し、一方「保険料収入」は文字通り単なる”保険料収入”を意味することになる。結果、「保険料収入」と表記した場合は「保険料等収入」②含まれる「再保険収入」の金額はどういう扱いをされたのか不明確になるのだ。
 ところが昨年(まで)の「日本経済新聞」では。この表記が「保険料収入」となっており、そのことについて、このブログや「保険・かわら版」などでも幾度もなく指摘してきた。
 やはり経済専門紙という専門性から言えば、他の全国紙とは異なる「正確な表記」を期待したからでもある。

● ところが、今日の生保決算業績表では「保険料等収入」と書かれており、文字通り経済専門紙躍如というところだ。このことは素直に「日本経済新聞の経済部」の取組方に拍手したい。
 ちなみにこの「保険料等収入」という記載をしている新聞は「日本経済新聞、毎日新聞、産経新聞」の3紙だけで「読売新聞、朝日新聞、東京新聞」は「保険料収入」となっている。

● そのため、「保険料等収入・順」に掲載した「朝日新聞と読売新聞と東京新聞」は、掲載生保がおかしなことになってしまっているのだ。<続く>



■ 生保決算特集=その1= 「ジブラルタ生命がソニー生命を陵駕?!」■

● 今日までに大方の生保決算が出そろった。”主要業績”に関しては明日の新聞報道で羅列されることになると思われるので、ここではトピックス的な決算情報をお知らせしていきたい。くどいようだが、最近の全国紙が「生保決算で取り上げる主要業績」は意味不明のものが少なくない。もちろん明日の報道を元にした「保険・かわら版」で特集をする予定だ。

● さて、第1弾は「総資産」の異変だ。確かに「住友生命」以外の国内生保上位8社は軒並み「総資産減」となった。唯一ベスト10位の6位にランクされている「アリコジャパン・6兆6,134億円」も0.4%増とその増加率は「住友生命・23兆3,825億円」と同じだが、5位の「三井生命・7兆8,215億円」とはかなり差があるため、当分は6位の座を維持と言うことになりそうだ。
 ちなみに「アリコ」は、18年度決算で「太陽、大同、朝日、富国生命」をごぼう抜きし、10位から一気に6位にランクアップしている。

● さて、19年度決算「総資産」のランクで異変(?)が起きた。これまで”好調生保の代名詞”に使われてきた「ソニー生命」が「総資産順位」で「ジブラルタ生命」に抜かれる、という事態が起きたのである。
 18年度末では14位だった「ソニー生命」が、15位の「ジブラルタ生命」に今回の19年度末では逆転され、順位が入れ替わったのだ。「ソニー生命・3兆6,597億円」に対し「ジブラルタ生命・3兆6,661億円」とその差わずか63億円あまりだが、数字は厳粛だ。
 もちろん、これには特殊事情があるのだが、それでも「総資産順位入れ替わりの事実」には変わりはない。ちなみに「保険料等収入」も「ソニー生命をジブラルタ生命」が上回っているが、ここに実は今回の異変(?)の原因があるのだが、このことはいずれまた。 


● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月30日(金)

■ 遂に「日本生命の定期保険EX」が、6月2日から「三菱東京UFJ銀行」でも発売される!■

● 5月19日から「日本生命の定期保険EX」を「三井住友銀行」で販売することについては、「三井住友銀行が三菱東京UFJ銀行より一歩も2歩も先を行く」と解説した。ところが同型の「日本生命の定期保険EX」を、「三菱東京UFJ銀行」も6月2日から発売すると発表した。

● ところが、三井住友銀行と三菱東京UFJ銀行の「日本生命のニュースリリース」は微妙に異なる。しかも「定期保険EX」の商品説明は「日本生命のHP」へ飛ぶようにできているのだが、これをみても一般の顧客には意味不明だ。というより大枠しか表記が無く細部が全くわからない商品説明になっているのだ。

● 一般的に保険商品説明ともなると、加入出来る年齢や加入期間の商品説明それに簡単な保険料例などが掲載されているのが一般的だ。ところが、具体的なことには何ら触れていない保険商品説明なのだ。ここから推測できることは、両行の取扱規程が異なることだ。これだと、HPに両行バージョンを作成する必要があり、且つその両方を比較することで長短がはっきりするようでは、「日本生命と銀行」との関係が怪しくなりかねない。結果、関心のある顧客は直接日本生命に資料請求するか、あるいは直接銀行窓口に行くようにし向けられたと思われる。

● とかく「定期保険EX」というと、企業経営者向けと捉えられがちだが、今回の銀行窓販の場合は「一般顧客対象」がポイントであることから、文字通り先に説明した「60歳・65歳・70歳満期」などの定期保険がラインナップされることになると、かなり手強い相手が「銀行窓販」に現れたことになる。
 
● とはいえ、「解約返戻金有り・定期保険」の販売力が銀行窓販ですぐに徹底出来るとは思えない。が、ここまで来た以上あとは時間との戦いだ。
 もっとも、下記のPB(プライベートブックス)は、「定期付き終身保険」を題材に解説した本だが、これを読めば「定期保険のカラクリ」も同時に理解できる内容になっている。読んでみて損はない2冊である。但し、専門用語をそのまま使用しているため、銀行・証券などの保険業界関係者外の方には少々難解かも知れない。

 ↓
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

■ 自民の「高齢者対策最終案」に潜む皆保険制度崩壊の危機!■

● 5月27日(火)のところに、その日の「朝日新聞」の記事を元に「第二の人生の基盤作り」と称して、「医療、介護、年金の3保険を統合した民間保険導入」というものが記載されていた。もちろん、これはとんでもないことで、何でも民間にという考え方は、国民皆保険制度を無くして、まさに民間保険で医療保険制度から介護、年金まで賄う、という考え方だが、実際「医療保険制度」がほぼ民間任せになっている米国の実態は、ムーア監督の「シッコ」の通りだ。

● とりわけ「シッコ」の中で悪質な米国の保険会社例は、保険会社の承諾がないままの手術は保険金が貰えない可能性が高いという点だ。現在の日本の医療保険の仕組みは「1日入院につき日額いくら、手術に関しては定められた手術であればいくら」とあらかじめ決められている保険金ということから余程のことがない限りは”支払われない”という事態は避けられるが、しかし、今後「実費対応型医療保険」や今の米国型医療保険が普及するようなことになってくると、現在の医療保険の仕組みが守られるかどうかは実に不透明だ。

● ところで、今日の問題点は、5月27日に「朝日新聞」が掲載した「高齢者のための緊急措置」の内容が、今日の「日本経済新聞」に”最終案”として掲載されているのだが、7項目の中の5番目にある「安心な長寿生活のための資産の活用」のところに、「医療、介護、年金の3保険を統合した民間保険導入」の記載が無いのである。
 果たして、「要旨」とあることから、記載されなかったのか、あるいは最終案そのものに記載が無かったのかは不明だが、もし最終案にあって「日本経済新聞」の記事に無かったとしたらこれは由々しきことだ。

● もちろん、既に27日にも書いたように、このような目先の手練手管に高齢者の多くが簡単に乗せられるとは到底思えないが、しかし、その裏にはとんでもない民間保険会社に高齢者の命を含めた財産までをも委託させようとする動きがあることだけは注視しておく必要がある。


■ 「保険・かわら版=第19号=」に「AIGに今何が起きているのか?AAAからの陥落!」

● かの不正経理がきっかけになったことを受けた「保険・かわら版」特集だったのだが、・・・<続く>


【メモ】三井生命の前期、2期ぶり赤字 サブプライム損失200億円
 三井生命保険の2008年3月期決算は、数十億円の最終赤字になったもようだ。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に絡み、証券化商品の損失が200億円超に膨らんだことが主因。同社は今夏以降に東京証券取引所第一部への上場を目指しているが、上場時期などに影響が出る可能性がある。
 三井生命の最終赤字は06年3月期以来、2期ぶりになる。07年3月期は258億円の黒字だった。
 07年9月中間決算ではサブプライム関連の債務担保証券(CDO)で16億円の損失を計上。その後の市場混乱で証券化商品の損失が拡大した。株式相場の下落で保有する国内株式でも損失が発生し、最終赤字に転落する見通しになった。(ニッケイネットニュース 29日 23:02)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月29日(木)

■ 熱くなった”ネガチィブ感情”を別世界にしばし!■

● かの「GyAO」で、6月1日迄、下記の映画をやっている。題名は「すべてはビートルズから始まった!」というものだが、これまで最後まで観ると1時間半は時間が取られると敬遠していたのだが、深夜スクラップの整理をしながら、何となくクリックしたら、何とも懐かしいメンバーがてんこ盛り!

● 政治と社会面だけを毎日気にしていると、これは確かに体に悪い。それに仕事柄最近の保険会社の実態を知れば知るほど、余計ネガチィブ情報が毒素のように体内に沈殿し、イライラ感だけが募ることになりかねない。
 もし、そのような時にはこんな映像で少々は癒されるのでは?

http://www.gyao.jp/sityou/catedetail/contents_id/cnt0057248/

■ 旧東邦生命契約に契約者配当金実施に! ■ 

● 時の経つのは早いもので、「旧東邦生命→旧GEエジソン生命→AIGエジソン生命」と推移し、08年3月末には、累損損失を解消し「早期解約控除」(早期の解約に対するペナルティ)も終了した。
 そして、約16万件の東邦生命保険契約について「契約者配当」を実施するという。今回の配当原資は約1億5千万円という額からすると、1件当たりの配当金額は決して大きな金額ではないが、しかし、それでもこれまで継続してきた契約者からすると一段落という感は強いのではないか。

● ところで、最近の「AIGエジソン生命」の営業現場の評判がすこぶる良い。これは偶然かも知れないが、保険の営業現場の3グループから耳にした話だ。その中にいた、国内生保S(電機メーカー)社の某氏は、「以前は、『ソニー、プルデンシャル、アリコ』と評価されたが、最近は『ソニー、プルデンシャル、AIGエジソン』」とまで言い切ったが、確かに最近の「アリコ」は元気が感じられない。

● とはいえ、「アリコ」が「かんぽ生命」の法人向け定期保険に「逓増定期保険と長期平準定期保険」を投入してきた。さらに、「無配当平準定期保険」の販売も予定しているという。
 どうやら、かんぽ生命、銀行窓販ともに「定期保険商品」の取扱を巡って混沌とした状況が生まれているが、少なくとも個人顧客には「契約できる主な定期保険商品」をしっかり説明してから保険設計をしてほしいものだ。
 
● 6月1日発行の「保険・かわら版」では、「収入(生活)保障保険の税金」について解説したが、「10%の源泉徴収の説明がない」とか、「死亡保険金年金からの税金負担に対する説明がない」というようでは、やはりこれは説明不足の指摘は避けられない。
 また、「日本生命」が「三井住友銀行」の窓販保険商品に100歳満期の長期定期保険を取りそろえたが、もしこれに「三井住友銀行」が「60歳・65歳・70歳満期」というような「解約返戻金あり定期保険」まで取りそろえるとなると、かなり定期保険商品のラインナップは充実することになる。



■「日本の保険業界の真実」=第90回=■

2008年05月28日 | 保険
5月28日(水)
■ 「日本生命の新規契約の大不振!」 ■

● 「日生、新契約高07年度3位・4割減、首位転落」のニュースが流れた。昨年の10.1兆円から約4割減の約6兆5,000億円に止まった、という。その結果「第一生命が第1位、住友生命が第2位」になるという。3位に転落したのである。「日生が通期で新契約高の首位を明け渡すのは戦後初とみられる。保険金の不払い問題などで、新規の顧客開拓が進まなかったことが影響した」と記事にもあるとおり、全契約の訪問をCMで流し続けた。

● ここまでを読むと「遂に日本生命も第1位の座を陥落か」と思われがちだが、それはかなり早計な捉え方だ。実は、20年以上も前から大手生保の中では「新契約を止めて保全だけでも十分に採算が成り立つ」とまことしやかに言われて来た時代があった。
 その理由は、「新契約ー解約・失効等」の金額がマイナスになることを意味していたからだ。つまり、「解約・失効等」を出来るだけ減らすことで無理な”新契約”を契約する必要がないということになる。

● 継続率の良い新契約を確実に契約しそれを積み上げていくことで生保経営は安定化する。例えば「日本生命」の「個人保険の保有契約高」は、18年度末で約223兆円だが、これは17年度末に比べ約14.7兆円も減っているのである。ちなみに「18年度の新契約高」は、約10.1兆円だ。もちろん約14.7兆円の中には「死亡保険金や満期保険金」等も含まれていることから”0”には出来ないものの「解約約12.4兆円、失効約4.3兆円」の合計約16.7兆円の約21%程度を継続させられれば、今回の新契約のマイナス分は帳尻が合うということになる。

● もちろん、21%という数字がそうたやすいことではないことと、さらにはこれから大量の「定期付き終身保険の払済年齢」を迎える。これは終身保険はそのままでもそれまで付加されていた「定期保険(特約)」は消滅することになる。これだけでも今後当分保有契約高のマイナス要因となる。
 
● とはいえ、もし全件訪問の効果が継続率に出るようになると、保有契約と資産運用優位の状況は強固なものになるのは間違いない。とりわけ、保険経営上の無駄とも言える「早期失効契約」が激減することで、それだけでも経営資源を大事にすることが出来るのである。
 実は「読売ウィークリー」(5月4日号)に「失効が少ない生保ランキング」を掲載したが、この数字に生保間格差が明確に現れている。
 
● 18年度の「失効件数」(個人保険)は、今回新契約高が第1位とされる「第一生命は25万7,947件」、第2位の「住友生命は20万4,000件」だ。そして「日本生命は21万9,437件」だが、当然のことながら,保有する契約件数から考えると「第一生命と住友生命の失効契約は、日本生命」よりもかなり多いといえる。つまり「契約ー失効」の繰り返しでは生保の経営体力は削がれることになる。
 ちなみにかの「保険金不払い」の件数・金額にも「第一生命と住友生命」は「失効契約」を計算に入れずに公表した。

● もちろん今後どのようになるかは、19年度については30日の決算発表を待つしかないが、単に表面化した数字だけで生保経営を評価すると思わぬ”落とし穴”に嵌ることになりかねない。
 やはり生保経営である以上、5年、10年先を見据えた経営力が求められるのだ。

 
保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆保険のプロ・FPの相談業務担当者必読!
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆ 地銀・信金関係者に特にお薦め!http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月27日(火)
■ 「自・公提言の、皆保険制度崩壊の危機!」 ■

● 自民、公明両党が「高齢者の”安心と活力”を強化するための緊急措置」をまとめ福田首相に提言するという。その概要を見ると、一体自公の国会議員は何を考えてこの国をどうしようとしているのか皆目わからない中身だ。

● 主な中身を並べるとこうだ。

① 高齢者医療制度の手直し
② 働ける機会作り
③ シルバー世代の資産活用
④ 相互扶助促進
⑤ 第二の人生の基盤作り

 このようになっている。

● どうにもこうにもこのレベルで、自民党と公明党の「高齢者離れ対策」というようでは、一般国民の感覚が全くわかっていない国会議員のお粗末さを感じる。①は”手直し”ではなく「廃止」でなくてはいけない。このように言うと、「財源がない暴論」と決めつけられがちだが、要は「悪法はすぐにでも廃案が妥当」なのだ。もちろん緊急を要する事案なら、悪法と並行して次の対応策を考える必要があるが、単に元に戻すだけで十分なのだ。
 再度、更地の状態から将来の医療保険制度を検討すべきだ。とかく、したり顔の司会者やコメンテーターが「民主党は代替案を示して反対すべき」などという愚問を発するものがいるが、悪法を廃案にするのになぜ代替案が必要なのかとんとわからない。

● ②の高齢者の働く環境作りは賛成だが、肝心の働く場所が60歳を過ぎると極めて少ない現実を国会議員はどれだけ理解しているのか、極めて疑問だ。

● ③は、かの「マル優」制度復活で、資金をどんどん金融機関に貯めましょう、ということらしいが、ここには2つの疑問点がある。一つは、大上段に”マル優”と叫んでも雀の涙の利息では、果たしてどれだけの魅力があるのか。そして2つめの疑問だが、仮に資産をある程度持つ高齢者層が、どんどん「マル優」に預金するようになると高齢者層の消費力を削ぐことにはならないか。
 ”貯金から投資へ”というのが、謳い文句だった金融政策と逆行し、資金を使える高齢者の懐がますます閉まってしまうのではないか。これでは、スタグフレーションになりかかっている、あるいは突入している現在、ますます消費意欲は削がれることになる。

● さて④だが、主旨は「三世代同居減税」である。とするならば、医療保険は従前の息子たちの健康保険に高齢者を入れるべきなのが筋というものだ。高齢者で困る人々は年金生活でしかもその年金額が少なくしかも健康を害しているケースだ。三世代同居のために住居を買える高齢者ならいいが、とてもそんな余裕はない高齢者を機械的に捉えて、「保育ジジ、保育ババ」に組み込もうという実に貧弱な発想なのだ。断っておくが「保育ジジ、保育ババ」とあるのは、概要を「朝日新聞」が掲載したが、そこにある文字面をそのまま書いたまでだ。間違いなく自・公の国会議員が提案したことからお粗末な”ジジ、ババ”表記だ。

■ 要注意!⑤の「第二の人生の基盤作り」=医療、介護、年金の3保険を統合した民間保険導入=

● まさに目を疑うような内容だ。先日このブログでも書いた「皆保険制度の危機」が、このようなところで議論されていたとなると由々しきことだ。簡単なことだが「皆保険制度」は、現在の健康状態には関係なく加入・継続が出来る制度だ。これに比べ、民間保険の場合は誰でも無条件に加入できるわけではない。ややもすると、最近の保険会社の広告から”誰でも保険に加入出来るようになった”と誤解をしている方が少なくない。くどいようだが、100%契約できるわけではないことと、仮に契約となっても一般の健康体の人が加入する同じ保障内容の保険よりも保険料は相当高いのだ。

● もし、今回の提案の背景にいる保険会社の名前がわかったら即刻弾劾すべきだ。保険金不払いの根も絶たれない状況下で、あくどい国民騙しを画策していたとなるとこれは断じて許されない国賊行為だ。
 このようなことがもしまかり通るようになったら、現在の米国の医療保険制度のように「医療保険に加入し、しかも保険会社の承諾がないと治療も何も出来ない」という惨憺たる時代が来るかもしれないのだ。
 もちろん、ターゲットは団塊の世代にピッタリと照準が合っていることは言うまでもない。 



保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆保険のプロ・FPの相談業務担当者必読!
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆ 地銀・信金関係者に特にお薦め!http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月26日(月)
■ 「ネット生保の行方!」=その2= ■

● 正確に言うと、ネット生保2社のマスコミ報道は、営業開始前に各紙で取り上げられた。しかし、記事のほとんどはいわゆるニュースリリースを簡潔にまとめた程度の内容で中身を丁寧に解説するものではなかった。
 
● ところで、全国紙の中で積極的にこのネット生保を取り上げたのが「朝日新聞」だ。5月24日(土)の『be on Saturday』では、「ライフネット副社長 岩瀬大輔氏」の横顔を中心とした特集を2面にわたってしている。これだけでも知名度効果は相当ある。しかも記事の中でライフネット生命の大株主であるマネックス・ビーンズ・ホールディングの松本大氏の力強い後押しのエピソードもあるとなると、経営陣の生保業界の裏表を知り尽くしたノウハウもさることながら、これで人的パワーは万全と思われる。

● そして「朝日新聞」の今日の記事だ。「ネット専業生保 格安料金で勝負」の見出しは、ネット生保2社としては、マスコミにもっと踊って欲しい見出しだろう。ただ、見出しの”格安料金”というのは「格安保険料」と表記して欲しかったと思うが、記事のスペースから記者氏の落ち着く先は”格安料金”にしたのだろうが、何となく安っぽさは免れない。
 しかも見出しの下に「なりすまし懸念も」とあると、ややネガティブな記事にも思えてしまいかねない。

● この記事の中で読者が注意すべきところがいくつかある。

・「大手生保幹部は、特約などの複雑な説明には対面販売がもっとも適している、と説明する」とあるが、これは正しくない。文字通り「死亡保障の敵保険の説明には底面販売がもっとも適している」のであって、今回のネット生保の「定期保険」は「保険料の安さとネットで加入できる」ことのニーズに合った顧客には価値があることになる。しかし、顧客が「有利で安心できる」のは「解約返戻金がある長期の定期保険」であり、この説明には対面販売が不可欠なのだ。
 少々乱暴な言い方をすれば「医療保険」は、顧客ニーズに合った「定期保険」に加入しておけばそう慌てる必要もないし、加入するにしても「入院給付金と手術給付金」がしっかり保障されていれば、余程の大病やけがでない限り経済的に困窮することはない。

・ 記事中に表があるが、ここに「SBIアクサ生命」の「解約返戻金の有無」の欄に「あり」とあるが、これは正確には「0ではない」と理解した方がよい。つまり、大手生保Bの「解約返戻金あり」とは中身が大きく異なるのである。そもそも「10年満期の定期保険」では、大見得を切るほどの”解約返戻金”は保険料の仕組みからもあり得ないのだ。

・最後に、大手生保幹部は「消費者は保険会社の健全性を重視する。安いだけでは売れない、と話し、経営の安定感や信頼性で差を付ける構えだ」とある。この中の「安いだけでは売れない」というところは的を射ている。しかし、”健全性を重視”というところはピントがぼけた捉え方だ。この論理では「格付けとS・M比率」が高い生保は契約者に選ばれるということになるが、実際はそうはなっていない。むしろ、ネット生保がネット広告で知名度を上げていけば、「ライフネットは、5年で15万~20万件、SBIアクサ生命は1年で2万件」という数字はあながち非現実的な数字ではないと考えるが如何か。



保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆保険のプロ・FPの相談業務担当者必読!
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆ 地銀・信金関係者に特にお薦め!http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ

■「日本の保険業界の真実」=第89回=■

2008年05月25日 | 保険
5月25日(日)

■ 「ネット生保の行方!」 ■

● 「保険・ミニかわら版=第20号=」で「SBIアクサ生命・カチッと定期」と「ライフネット生命・かぞくへの保険」の保険料一覧表を掲載した。新規契約に限ると、「42歳までは『かぞくへの保険』」が保険料は安い。ちなみに女性は52歳まで同じく『家族への保険』が安い。
 但し、「カチッと定期」には『健康チャレンジ』という保険料がある。これだと「かぞくへの保険」よりも保険料が安くなる。

● ややもすると、自社保険商品よりも条件がよい保険商品が出ると保険会社は対抗策を考えるかあるいはとてもかなわないと考えると”無視”する行動に出る。おそらく、今回の2社のネット型定期保険は”無視”される保険商品と思われる。つまり「保険料競争」では歯が立たない野である。
 しかし、保険会社は無視できても営業現場ではそうはいかない。しかもその商品について確たる情報がないのでは、保険プロあるいはFPのプロとしてはお粗末だ。

● そのために「かわら版」では「保険・ミニかわら版」でも「保険・かわら版」でも特集を組んだ。現場やFPならこれだけを知っておけば大丈夫だろうという保険情報だ。もっとも、追加でもう1枚編集中なのが、「営業員・代理店・FPのネット型保険への対応の仕方!」だ。
 もちろん「営業員・代理店」と「FP」とではその対応は異なる。そこのやや微妙なところを解説した「かわら版」を近々発行する。これを読んでもらえば、「営業員・代理店」ならネット型保険への対応がわかるはずだ。
 一方「FP」の場合は、これまでの推奨保険商品により難しい立場に立たされることになる。特に「1年組立型・損保ジャパンDIY生命」を推奨していたFPの場合は、”安い・合理的”を吹聴してきただけに、それよりも保険料が安い「ネット型保険商品の出現」は頭が痛いところだ。



保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆保険のプロ・FPの相談業務担当者必読!
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆ 地銀・信金関係者に特にお薦め!http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

5月23日(金)

■ 「夕刊フジ・最近の斬れる記事連続!」 ■

● 「夕刊フジ」というと、「産経新聞」を親会社とする夕刊紙だ。その早刷りとしてネットでは「ZAKZAK」として流れる。どうしても企業としての考え方が邪魔しないでもないが、しかし最近の「夕刊フジ」の切り口は冴えている。ややもすると全国紙や既に報道されたニュースをわかりやすく再報道するのが夕刊紙の役割と安易に思われがちだが、最近は全国紙が報道しない、あるいは出来ない部分を丁寧に報道していることだ。

● 実は今急遽「保険・ミニかわら版」で、「中国四川大地震」の保険情報をまとめているが、そのきっかけとなったのが、この「ZAKZAK」の記事だった。8月15日に米国リスク管理会社「AIRワールドワイド」会社が被害総額見込みを公表したが、それ以外ではようやく22日になってS&P社や中国商務相が被害は限定的との見方を示している。

● とかくこれまでは中国の保険会社の動向は「好調一色」だったことを考えると、果たして今回の地震でどうなるか、という疑問があるのは当然だ。ところが先の「ZAKZAK」では、四川省の保険会社でもっとも大きなシェアーを持つ「中国人寿保険」のコメントや他の保険会社や専門家のコメントを織り交ぜて記事にしているのである。

● まだ日本とは市場規模が大きく違うことからも関心が薄かった中国の保険市場だが、やはり今回の地震をきっかけに改めて世界の保険マーーケットが関心を持ち当然のことながら富裕層は更に目覚めさせられたはずだ。
 そこで、簡単に中国の保険市場の現状をまとめようと、勢いづくことになる。そして結果わかったことは「市場のパイの巨大さ」だ。まだいろいろな制約があるとはいえ、間違いなく海外の保険会社からすると「日本より中国」に魅力を感じるのは当然だ。
 5.6分で読める内容にまとめたので、是非「保険・ミニかわら版」の特集号を読んで頂きたい。


■ 米国には4700万人もの無保険者がいるが、政府はそんな医療保険制度にしようとしている!■

● そして昨日【メモ】で残したのが、「医療保険制度」問題だ。これも一般紙ではお目にかからなかったが、かなり的を射た自見庄三郎元郵政相の意見だ。もし、先の参議院で民主党と他野党が半数を獲得していなかったら、問題ある法案も「賛成多数」で通過し、さらには後期高齢者医療保険制度もここまで問題視されなかったはずだ。
 
● いずれにしても「皆保険制度」から「任意保険制度」への足音がヒタヒタと聞こえてくるのは私だけなのか。間違いないことは「法案が決まってからでは間に合わない」ということだけは確かだ。




【メモ】

福田、今度は“医療改悪”で「サラリーマン」いじめ
中小企業対象「政管健保」公法人化

「僕には関係ないもんね」とでも言いたげな福田首相。いったい国民生活をどうするつもりなのか(クリックで拡大)
 福田康夫首相の下、「老人いじめ」の次は「サラリーマンいじめ」が始まる。今年10月から、中小企業の従業員と家族が加入する政府管掌健康保険(政管健保)が公法人化される。悪評高き後期高齢者医療制度とともに自公与党の強行採決で成立したもので、制度変更に伴い、保険料は最大で7万円アップするとされ、対象者は約3600万人に及ぶ。内科医で医療問題に取り組む国民新党の自見庄三郎元郵政相=写真左=が、制度の問題点と隠された悪意に切り込んだ。

 「後期高齢者医療制度は75歳以上という年齢で人の命を差別するが、政管健保の公法人化は職業や地域によって人の命を差別する。政府による責任放棄に他ならない。とんでもない医療制度改悪だ」と、自見氏は切って捨てる。

 政管健保とは、中小企業の従業員とその家族が加入する健康保険で、政府(社会保険庁)が事務手続きを含めた運営を行っている。後期高齢者医療制度の対象は約1300万人だが、政管健保の加入者は約3600万人で、全人口の約28%にあたる。

 この政管健保が10月から公法人の全国健康保険協会に移管され、47都道府県単位に分けて財政運営される。06年6月、郵政選挙で圧勝した小泉純一郎首相(当時)率いる自公与党が強行採決したもの。全国一律の保険料も廃止されるが、どんな事態が予想されるのか。

 自見氏は「東京など財政力のある都市部はいいが、財政力の弱い地方の保険協会は軒並み赤字に転落する。保険料率は高くなり、医療の質も悪化する。これは慢性ガンのようにジワジワと進行、日本が世界に誇ってきた国民皆保険制度を崩壊させる」と指摘する。

 現在、保険料率は全国一律で「8.2%」だが、公法人化されると、北海道や徳島、福岡、佐賀、秋田、石川、広島など12自治体で保険料アップが予想される。06年6月8日の参院厚労委員会で、厚労省は保険料率が上限の10%まで引き上げられた場合の試算として、04年度の平均保険料31万5237円から、約7万円アップの38万4435円という数字を示している。

 公法人化について、窓口である社会保険庁はHPで「保険財政運営の規模の適正化、地域の医療水準に見合った保険料水準の設定のため…」と解説するが、永田町事情通は「後期高齢者医療制度と同様、国民の命を犠牲にして医療費を削減するのが狙いだ」という。

 小泉内閣時代の06年7月に閣議決定された「骨太方針2006」では、11年に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化するため、社会保障費を今後5年間で1兆1000億円(一般会計ベース)抑制する方針を決め、毎年2200億円が削減されている。

 国民の間にも「高齢化社会の進行で医療費が爆発的に伸びている。医療費を抑制しないと日本の経済は崩壊する」といった政府宣伝が定着しているが、自見氏はこれにも異議を唱える。

 「政府によるプロパガンダだ。OECDの『ヘルスデータ07』では、日本の総医療費は対GDP比8.0%(平均9.0%)で、加盟30カ国中22番目と低く、G7の中では英国に抜かれて最下位。日本より上位の国の経済社会は崩壊していないのが証拠」

 「政府は自分たちに都合のいいデータを公表する。それに国民もメディアも政治家もダマされる。小泉内閣が進めた一連の医療制度改革は国民の生命や健康を考えたものではない。公的医療保険制度を壊して、外資中心の民間保険会社などにビジネスチャンスを広げようというものだ」

 前出の骨太方針が決定される前年(05年)、米国が日本に突き付けた「年次改革要望書」には「日本政府は医療制度の重要な改正を検討している。米政府は、日本が経済財政諮問会議やその他の政府及び諮問機関に対して十分に意見を述べる意味のある機会を米業界を含む業界に与えるよう求める」との一節がある。

 小泉元首相が強引に進めた郵政民営化が年次改革要望書の重要項目だったのは有名な話。今回の医療制度改革の背後にも、ビジネスチャンスを求める「業界」の思惑があるのか。

 自見氏は「医療をソロバン勘定で律するのは大間違い。子供が交通事故で病院に運ばれて『お金がないから10万円までで治療してください。10万円以上なら殺して結構です』と医者にいう親がいるのか。米国には4700万人もの無保険者がいるが、政府はそんな医療保険制度にしようとしている。小泉元首相は確信犯だろうが、福田首相がこれを放置するなら同罪だ」と総括している。

ZAKZAK 2008/05/22



5月22日(木)

■ 「07年度・損保決算発表!」 ■

● またしても全国紙のデータの取り方に違いがある。まずは「連結か単独のどちらか」次に「保険料収入金額の違い」、そしてもっとも困るのが「最終損益・純利益・税引き後利益・当期損益」というところだ。実はここはある科目を掲載しているのだが各紙で表現が異なる。まあ、字面からどこを指すかは想像はできるものの、これくらいは統一して欲しいものだ。

● さて、今回統一されていたのは「サブプライム損失金額」と「保険料取りすぎ金額」だ。本来の損保決算数値には関係ない項目だが、そうはいっても「保険料取り過ぎ」は3年目に入った。
 ただ記事を読む上で注意が必要なのは「サブプライムローン関連の損失」なのか「証券化商品関連の損失なのか」の違いだ。損失に変わりはないといわれればそれまでだが、例えば「サブプライムローン関連」だけに絞るとこうなる。

・ミレア         21億円
・損保ジャパン    300億円 
・三井住友海上     2億円
・あいおい      836億円
・日本興亜        0億円
・ニッセイ同和      0億円

<続く> 


【メモ】 巨額な損失を計上した「AIG」のS&Pによる「格下げ方向見直し」が注目されていたが、本日付でS&P社から「見直し対象から除外」の発表があった。これで、「AIGの格付けはAA-」のまま据置となる。
 またこれにより子会社となる「アリコジャパン、AIGエジソン、AIU,アメリカンホームのAA+」の格付け変更はないと思われることで、親会社と子会社が2ノッチ違う”ねじれ格付け”はそのままと言うことになる。




保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆保険のプロ・FPの相談業務担当者必読!
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆ 地銀・信金関係者に特にお薦め!http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月21日(水)

■ 「銀行窓販・三井住友銀行」一歩も二歩も先行確定! 「三菱東京UFJ銀行」では富裕層は有利な得する定期保険に入れない!■

● 「日本生命」の『定期保険EX』を生保商品ラインナップに追加した。これに鈍感な生保はダメだ。代理店なら速やかにドロブネからの脱出あるいは主力生保の変更を考えた方が賢明だ。

http://www.nissay.co.jp/okofficial/kojin/syouhin/madohan/teiki/smbc/index.html


● 結局、銀行窓販に関与した生保がもたついている間に、「三井住友銀行の定期保険」を「日本生命」が販売することが決まった。既に「保険・かわら版=第61号=」で、「不揃いの保障保険商品群!」として、「保障型保険商品”不揃いの銀行窓販”撤退必至?!」とまで、見出しにした。
 そして中央の図には「契約者に有利な定期保険」として、今回の「日本生命の定期保険EXタイプ」を推奨した。

● もっとも、銀行窓販全面解禁でメガバンクが採用した「保障型保険」(定期保険)は、こうなっていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・三菱東京UFJ銀行

 ジブラルタ生命ー家族収入保険

・三井住友銀行

 オリックス生命ー定期保険(解約返戻金無し)
 三井住友海上きらめき生命ー収入保障・逓減定期保険
 三井生命ー定期保険(98歳満期/解約返戻金抑制タイプ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
● このラインナップを見れば、顧客ニーズに応えられる「定期保険はない」と断定するのに時間はかからない。そこで「保険料が払えても入れない銀行窓販の”定期保険”!!」と「かわら版」では揶揄したのだが、遂に今回「三井住友銀行」は「日本生命の定期保険」、もちろん解約返戻金がある「定期保険EX」を投入してきた。この柔軟性は評価してよい。
 
● ところで、「解約返戻金がある定期保険」の銀行窓販商品投入の意味は実に大きい。間違いなく資金力がある顧客は「解約返戻金がある定期保険」を説明とある程度の説得があれば契約する可能性は高い。しかも「日本生命」のHPをみるとわかるが「解約返戻金」についてはかなり詳しく記載がある。「契約者貸付制度」の説明もある。
 当然のことながら「”保険料の安さ”を強調した”10年更新型・定期保険(解約返戻金無し)”とは相反する定期保険コンセプト」だが、もちろん保険料さえ払えるなら「解約返戻金がある定期保険」が安心で有利だ。一般的に銀行窓販で生命保険に契約しようとする顧客層の資金力は相当高いと見るのが当然だ。
 
● さて、問題は他の金融機関の動きだ。少なくともこのままだと「三井住友系の金融機関」は、三井住友銀行と同じ「日本生命の定期保険EX」をラインナップに取りそろえるようだと、少なくとも「三菱東京UFJ銀行」とは、生命保険販売では勝敗がはっきりすることになる。

● もっとも「三菱東京UFJ銀行」の窮余の一策としては「解約返戻金がある定期保険」について堪能な「ジブラルタ生命”出向者”」を「解約返戻金がある定期保険(契約者貸付・自動振替貸付が出来る)」の専門デスクを支店に設けてもよい。 もちろん”出向者”と書いたが、この中には元某社の男性メンバーも当然のことながら含まれる。これがうまくいくと片道切符だったはずが、銀行に骨を埋めることになるかも知れない。しかもこれから金利上昇があると、手数料としても実においしい状況に恵まれる可能性もある。(この点については昨年の「大阪・FPフェアー」の講演会で説明済。) 


【メモ】 昨日のアクセス数がもう少しで「1,000アクセス」というところまできた。このブログの内容には賛否両論だろうが、耳障りに聞こえる方は「こういう捉え方もあるのか、しかし自分は!」でも良いし、賛同の意が強い方なら少しでもプラスに活かしていただけたらこのブログも本望だ。

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ


■「日本の保険業界の真実」=第88回=■

2008年05月20日 | 保険
5月20日(火)=一部訂正=

■ 「ライフネット生命」への関心度!■

● 「保険料の見積もり」をすると、妙なメッセージが現れる、としてここに書き込んだのだが、いろいろ紆余曲折があったものの、当方のCPの設定変更で事なきを得た。それにしてもかつては保険料すら「外部には教えない」という生保があったことを考えると隔世の感だ。もっとも保険商品の中身を複雑にすることで、何にどれくらいの保険料が必要かすらうやむやにして販売していたわけだから、契約者は蚊帳の外で堪らない時代が長く続いた。

● さて、話を元に戻すと、まず、18日の開業は、ほとんど無視された格好だ。全国紙ではお目にかからなかった。とはいえ4月開業の「SBIアクサ生命」も同じような取扱いだったからマスコミ各社としては、「たいしたことはない」と特に経済部デスクは考えたのだろう。もちろん、記事にすることはイコール保険料を記事に掲載することになるわけで、これは既存生保からすると掲載されるより掲載されない方が良いことになる。

● 例えば30歳の新婚夫婦が、保険の相談窓口に行き「生活設計→必要保障額→保険設計」と納得して契約した、とする。当然、この中には「死亡保障のための生命保険」もあるわけで、その定期保険部分の保険料が今回のネット型保険よりも高かったとしたら・・・複雑な心境になることは間違いあるまい。
 おそらく「10年・更新型・定期保険」を選択した若夫婦にとって、毎月何百円の保険料差はそれが何年、何十年と継続する可能性が高いだけに契約の中身を慎重に検討したはずだったが・・・結局、多い保険料を支払う羽目になることになったのだ。

● もちろん、契約者が何も知らずに淡々と保険料を払い続けてくれるとある程度の期間が経過すると、大概の契約者は面倒なこととあきらめとでそのままになるケースが少なくない。要は自社に不利益な保険情報を、契約者に知られてはいけないのである。
 さて、となると「ライフネット生命の開業のニュース」も出来るだけ控えめが既存生保からすると有り難いことになる。もし過日苦言を呈した「日経ヴェリダス」に、私の指摘のような「ネットで保険料がこんなに安くなる!」というような記事を掲載でもしようものなら、「日経ヴェリダス・不買運動?」が起きていたかも知れない・・・(まあ、実際はそんなことはないだろうが!)。

● さて、これからどうなるか、見守りたい。 
 


保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆保険のプロ・FPの相談業務担当者必読!
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆ 地銀・信金関係者に特にお薦め!http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月19日(月)

■ 「日経ヴェリタス」が不振な訳!■

● 「日経金融新聞」が実質廃刊となり、毎日曜日に発行される「日経ヴェリタス」に変わった。しかし、どうも販売部数が伸びていないと言われる。金融機関関係者なら会社ででも購読すれば月曜日には読むことも可能だが、普通は月曜の朝から新聞を広げて見ている暇などないのがサラリーマンの常識だ。

● 例えば5月18日版に「AIG株下げ余地は限定的」という記事がある。ところが中身を見ると「米バロンズ・12日付け」の記事の再掲だ。しかもその中身は発行直後ならまだ鮮度もあっただろうが、1週間も立ってからでは文字通り”古新聞の記事”にすぎない。この程度の中身なら、なぜ編集部でオリジナルを書けないのか、極めて基本的な疑問が涌く。
 しかも笑えるのが「底値圏でAIG株を買えば利益を得られる可能性があるかも知れない」と締めくくった記事をなぜ掲載するか編集部の意図が全く不明だ。確かに「日経金融新聞」にも空きを埋めるような記事はあった。しかし、その多くは国内では中小金融機関の些細な記事であったり、海外なら現地の駐在記者がとても「日本経済新聞」では記事にはしないあるいは出来ないようなレア記事を2段とかあるいはだらだらと数段にわたり記事組みのあともないような実にお粗末な記事掲載をしていた。

● ところが、このような記事が結構面白かったりまた役にも立った。ところが「日経ヴェリタス」では、あまりにも無難な記事の羅列のため、読んでいて面白くないのである。とりわけ私の専門の保険分野については言うまでもない。

● 5月18日号に「保険を見直し 人生を見つめる」という記事が掲載された。ところが読んでみて「マネー誌以下」の記事にただただ唖然だ。もし、読者が時代の先端を行く読者層を意図しているとしたら、こんな陳腐な記事は載せるまい。
 このように書くと、マスコミの記事掲載の実情を知らない読者は、その記事に登場するコメント側の非力さを批判することが少なくない。しかし、詳細は略すがこのレベルの記事内容からすると、記者氏が大まかな記事の組み立てを先に立てそこに出来るだけ著名なFPのコメントを”はめ込んで”記事が出来たという寸法だ。

● もちろん、記者氏にレクチャーして「ちゃんとした記事を書く」ようにすることも必要かも知れないが、それはあまりにも現実離れした話だ。そのような記者の生命保険の価値感にまでつきあう暇なFPではコメントの重さの意味がなくなる。
 
● さてではどのような生保記事ならヒットだったのか。「日経ヴェリタス」の発行日は5月18日の日曜日発行である。つまりこの日に「ライフネット生命」が営業を開始したのである。新聞の大きな役割として「ニュースを知らせる」ことがある。もし、このニュースを事前に察知していれば、いろいろな生保記事が出来たはずだ。

● しかも既に「SBIアクサ生命」は、4月から営業を開始している。情報提供という面からは特落ちに近い記者の不勉強の記事だ。
  

● さて、このように「ネット完結型・定期保険」について書いてきたが、ここで保険業界人として重要なことは「事実から逃げることなく対応策を考えること」だ。ややもすると「自社に不利益な保険情報は隠蔽する傾向」がある保険会社だが、ここまで情報がオープンに流れる現代社会では、顧客に有利な情報を教えないことは「わざと教えなかった」というように保険情報の隠匿に思われてしまいかねない。
 
● とすれば、「ネット型・定期保険」に十分対応できる、攻略法を考えるのが人間の知恵だ。そこには何も「生命保険商品で100%」はあり得ない、という自信が必要になる。そのための知恵と情報をこれからも「保険・かわら版」を通して発信して生きたい。

● ちなみに「保険・ミニかわら版」では、「SBIアクサ生命の『カチッと定期』」と「ライフネット生命の『かぞくへの保険』」の両保険商品の保険料表一覧をまとめた。数字の再点検済み次第発行!これを見れば、保険料の安さもわかるが、現場からは攻略のポイントも見えてくるはずだ。


■ 「ソニー生命とライフネット生命」の関係? ■

保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆保険のプロ・FPの相談業務担当者必読!
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆ 地銀・信金関係者に特にお薦め!http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月18日(日)
■ 「銀行窓販」の死亡保障保険販売、破れたり! ■

● いよいよ今日から「ライフネット生命の定期保険と医療保険」が販売され始めた。
http://www.lifenet-seimei.co.jp/profile/index.html?cid=AW001136

● 20歳代や30歳代の保険料は確かに安い。とにかく4月に開業したばかりの「SBIアクサ生命の『カチッと定期』」よりも安いとあっては、「ライフネット生命」に列をなして契約者が殺到かと思われがちだが、そうはいかないところが生命保険の難しいところだ。じわじわ浸透していって、評価が高まると同時に契約量もじわじわと伸びていくのが一般的な売れる保険商品の例だ。

● もちろん、今回のネット型保険商品の2生保商品がどうなるかについては断定は出来ないものの、おそらく今後の広告等の影響で契約量が増加することはあっても全く停滞ということはない。しかも広告の手段もネットを中心としたものになると思われることから、例えば3,000万円の保険を勧められていた顧客が、ネットでいずれかのHPに辿り着くと「保険料の差額に驚愕!」ということは十分にあり得る。
 もちろん、その保険料差は「終身保険の組み入れ」による差額であったり「保険期間」の差であったり、さらには「特約」などの差ということも考えられるものの、とにかく「この保険料で同じ保障額なら一度検討してみようか」と思わないでもない。

● 「保険料が安い生命保険」に契約するのが”賢い生命保険選択”という価値観をいろいろな広告媒体を使ってこれまで大々的に宣伝してきた一部外資・国内生保と損保系生保は、ここに来て自らの首を皮肉にも絞めることになる。
 例えば「オリックス生命」の場合は、先日まで「30歳契約・10年満期・1500万円の死亡保障保険」の保険料を「月々2,760円」と広告していたが、「ライフネット生命」なら約28%も安い「1,992円」で契約できるのだ。

● もっと言えば「SBIアクサ生命の『カチッと定期』」の「健康チャレンジ」の30歳例では「1,785円」で済む。もちろんこの場合は20歳から『カチッと定期』に20歳から加入が条件で且つ「健康チャレンジ」をクリアーすることが条件とはなるが、「安い保険料」を金科玉条にした販売姿勢のとばっちりは、このようにして現場を窮地に追い込んでいくのである。

● はっきり言おう。かつて”国内生保悪玉説”がはびこった。そしてその通りいくつかの生保は実質破綻し、且つ現在営業を続けているいくつかの生保も経営内容は実に不安定な状態だ。その要員は何だったか。情報のクローズだった。正しい保険情報を教えなければ社内では”自社の保険商品が最も優れている”と信じ込ませ、明らかに契約者損失の大きい保険商品を大量販売してきたのである。否、まだ一部の国内”大手”生保には、自らが生き延びるために看板の”契約者第一主義”とは全く相反する”保険会社第一主義”で生保営業を居直るかのようにやっている生保もある。

● しかし、ここに来て同じようなことが起きているのが、新興生保群だ。とにかく「会社の推奨保険商品を売れ売れキャンペーン」で、それに応じたプレミアムや手数料の増減を図ることが社内では公然と行われてきた。結果、どうなったか。契約者無視の保険商品販売がまかり通るようになってしまったのである。
 正論を吐く営業員や代理店は、手数料の削減で兵糧攻めにし、会社の推奨保険商品を売る営業員や代理店はプレミアムを手にする、という仕組みだ。

● もちろん、ではなぜ国内”大手”生保の場合にはそれが表面化せずにそこそこうまくいったかのか?答えは簡単だ。大量導入・大量脱落があったからだ。中には組織の中で”村八分”にして自然淘汰していく。(実態を書き始めると超ロング名文章になるため省略)
 
● つまり、「契約者本意の生命保険販売」をしないあるいは出来ない、営業員・代理店は「契約者を騙し続けるか、自分が身を引くしかない」ことになりかねないのだ。少なくとも今回の2社のネット型生保の参入は「こんなに安くで生命保険に入れるのだ!」ということを20歳代、30歳代そして40歳代に教えたのである。

● そしてもう一点は「銀行窓販」では「保障型保険は保険料が高い契約者に損な保険を売る」という烙印が押されたことである。やはり悔やまれるのは「オリックス生命の『ダイレクト定期保険』」を通販で売り止めにし、しかもその代替品として「ファインセーブ」を銀行窓販に投入したかである。
 その大きな違いは「解約返戻金の有無」だが、「ダイレクト定期保険」なら、「さすが資産運用に長けた銀行の説明は理にかなう」と、結果どの保険商品を選択するかはわからないものの高い評価を得たに違いないが、これでは「すでにこんなに保険料が安い保険があったにも関わらず高い保険料の保険に入らさせられた」という評判を銀行は立てられることにもなりかなない。
 否、「こんな保険の銀行窓販に騙されるな!」という大見出しで週刊誌が記事にするのはない話ではない。実際「死亡保障分野」からは撤退をするか、あるいは死亡保障分野の学習を早急にするべきだと考えるが如何か。
 

 
保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆保険のプロ・FPの相談業務担当者必読!
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆ 地銀・信金関係者に特にお薦め!http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


【メモ】
● 現地で指揮する温家宝首相は「民に養われていることを分かっているのか!」と軍幹部を面罵したという。


● 老人医療の戦犯姿を消す

 日本中の老人から怨嗟の声が出ている後期高齢者医療制度。その制度設計に関わり「ミスター後期高齢」の異名をとるのが、厚労省国民健康保険課課長補佐の土佐和男氏(55)だ。「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただく」と言い放った男が、最近厚労省に姿を見せないという。「ここのところ、ずっと休んでいます。いつからなのか、どんな理由かは答えられません」(厚労省国民健康保険課)。都内の自宅を何度か直撃してみたが、チャイムを何度鳴らしても誰も出てこなかった。いったいどこで何をしているのか。心配だ。

■「日本の保険業界の真実」=第87回=■

2008年05月17日 | 保険
5月17日(土)

■ 「ライフネット生命」来るべき時代が遂に来た!しかし、勝敗はまだ全く見えない!・・・しかし、「SBIアクサ生命」も「ライフネット生命」も撤退はない!■

● 明日18日から「ライフネット生命」が営業を始める。インターネットを使いまた手続きを人を介さずネットだけで終わらせるいわば若者向けの生命保険加入の仕方とでも言おうか。目先の「保険料の安さ」だけを追うような保険営業の拡大には疑問と心配をしていたが、結局、これからは「保険料の安さ」では、ネット型生命保険がイニシアティブを取ることになる。

● これまで「SBIアクサ生命」の保険料を引き会いに出してきたが、「新規契約」では、こうなる。

○ 20歳 1,310円  1,092円
○ 30歳 1,530円  1,328円
○ 40歳 2,690円  2,580円
○ 50歳 5,620円  5,898円

 前が「SBIアクサ生命の『カチッと定期』」で後ろが「ネットライフ生命の定期保険」の保険料だ。(1,000万円・男性・10年満期)

● もっとも「カチッと定期」の場合は、「健康チャレンジ」の保険料なら、

○ 30歳 1,190円
○ 40歳 2,360円
○ 50歳 5,300円

 と、ライフネットよりも保険料は安くなる。

● まず、業界人として覚悟しておく必要があることは、「SBIアクサ生命」と「ライフネット生命」がそうたやすく生命保険販売から撤退する可能性が低いことだ。

○ 「SBIアクサ生命」の株主は、こうなっている。

・SBIホールディングス株式会社 55%
・アクサ ジャパン ホールディング株式会社 40%
・ソフトバンク株式会社 5%

 あまりくどくどと説明する必要はあるまい。保険業界参入のまず形を作ったというのが正解だ。もちろん、すぐに攻撃に転じるとは思えないが、しかし、いずれ動き出すのは避けられない。

○ 「ライフネット生命」の株主は、こうだ。

・マネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社 18.54%
・あすかDBJ投資事業有限責任組合 18.54%
・三井物産株式会社 14.24%
・株式会社新生銀行 9.64%
・株式会社セブン&アイ・フィナンシャル・グループ 9.64%
・Farallon Capital Management, L.L.C. 4.94%
・資産管理サービス信託銀行株式会社 4.94%
・株式会社朝日ネット 4.94%
・株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ 4.94%
・株式会社リクルート 3.71%
・株式会社東京大学エッジキャピタル 1.98%
・三菱UFJキャピタル株式会社 1.48%
・株式会社ドリームインキュベータ 0.50%
・株式会社ジャフコ 0.50%
・エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社 0.50%
・りそなキャピタル株式会社 0.50%
・ngi capital株式会社 0.50%

 この株主もあえて個々に説明する必要はあるまい。記者会見を見たら、何とN氏がいるではないか。株主もそうだが、生保経営体験があるN氏のノウハウからすれば、文字通り生命保険のネット事業の基盤を構築するのは間違いあるまい。

● もちろん、かといって生保市場への新規参入がそうたやすいことではない。それなりの知恵と労力と我慢を強いられる日々が続くことにはなると思われる。
 タダ間違いないことは、このようなこれまでの生命保険の常識では考えられないような保険料率が公になってしまったことだ。果たして20歳代~30歳代そして40歳代までの契約者がどのような反応をするのか。

● 一方、「保険料の安さ」を吹聴してきた営業員・代理店は、これからの営業トレンドを見直しせざるを得ないことになる。そのためには、まず上記両社の「保険料率研究」から始めるべきだ。
 そのための保険料率資料を近々「保険・ミニかわら版」として緊急発行する。なお、「保険・かわら版」は、その仕組みを解説した。 
 


保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月16日(金)

■ 「オリックス生命・ファインセーブ」VS「SBIアクサ生命・カチッと定期」=その3=! ■

● 「SBIアクサ生命」の「カチッと定期」の保険料が如何に安いかを紹介するとこうだ。例えば「オリックス生命のファインセーブ(定期保険)」の30歳の場合、「死亡保障1,500万円」の保険料は「2,760円」だ。では同じ条件なら「カチッと定期」の場合はいくらかになるかだが、2,295円となる。

● そして10年後の40歳になると「ファインセーブが4,470円」であるのに対し「カチッと定期」は、4,305円なのだが、実はここが少々ややこしいところで、もし健康で「SBIアクサ生命の健康チャレンジ」をクリアー出来ると「3,540円」となる仕組みなのだ。もっとも新規に40歳で「1,500万円の死亡保険金」に加入すると4,035円となる。

● 死亡保障をインターネットで契約というパターンがどれだけ浸透するかは全くわからないが、おそらく「SBIアクサ生命」もそれなりのCMをしてくると思われることから、知名度が上がれば20歳代や30歳代には加入しやすい生命保険になる可能性はある。

● この「SBIアクサ生命のカチッと定期」の3つの保険料については「保険ミニかわら版」で作成中のため近々発行予定。もちろん、攻略法を考えるにもこれらの一覧でみれる保険料率は必要だ。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月14日(水)

■ 「オリックス生命・ファインセーブ」VS「SBIアクサ生命・カチッと定期」=その2=! ■

● 「カチッと定期」の顧客見込み層は、20歳代30歳代それに40歳代になる。確かに「10年更新型・定期保険」としては保険料は安い。しかし、契約者は「新規契約保険料・継続時保険料・健康チャレンジ保険料」の3種類の保険料を理解して契約しないと、先々自分が思っていた保険料とは異なる保険料を請求されることにもなりかねないから注意が必要だ。 
 もちろん、10年後の更新時の保険料率は「その更新時の保険料率により決まる仕組み」ということから、契約時の説明で用いられる保険料率はあくまでも参考ではある。

● ところで、多くの契約者が「SBIアクサ生命」のHPから、必要な情報をすらすら得られるかとなると、なかなか難しい、と思われる。特に3つの保険料については、これまでの保険業界の常識とは異なることから、その理解には少なくとも余計な時間がかかる。
 もし、今後もインターネット完結型で販売するとしたら、もう少し丁寧でわかりやすい保険料表が欲しいものだ。とにかく必要な情報を集めるまで何クリックもする必要があり、しかもすんなり理解とはいかない箇所が保険料となると、その保険料の安さだけで契約が大量に集まるとは残念ながら考えにくいできだ。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月13日(火)

■ 「オリックス生命・ファインセーブ」VS「SBIアクサ生命・カチッと定期」! ■

● 同じ「10年満期・定期保険」なら、文字通り保険料の戦いになる。この場合は解約返戻金や配当金の有無はほとんど関係ない。目的が「10年間の死亡保障」だからだ。もちろん安いにこしたことはないが、今回新規に市場参入した「SBIアクサ生命」の場合は、保険契約の申込みから契約までを全てネットで行うというコンセプトだ。

● 前にも少々この生保については書いたが、結論から言えば「保険料が安い」ことだ。特にネット人口が多いと思われる若い世代の保険料は特に安い。例えば「オリックスのファインセーブ」では20歳男性の1,000万円の場合「月払保険料は1,630円」だが、「カチッと定期は1,310円」だ。男性の場合を正確に言うと58歳までは「カチッと定期」が安い。つまり59歳と60歳では「ファインセーブが安くなる」保険料率だ。

● これだとほぼ手放しで「カチッと定期」の方が有利、と断言したいところだが、加入に当たっては「3つの保険料の存在」を知っておく必要があるのだ。実はこの説明が少々ややこしいため、「保険・かわら版」で特集を組むことにした。もちろん、「ファインセーブ」が銀行窓販で販売されていることを考えると、保険業界人だけではなく銀行窓販担当者も知っておくべき基礎知識だ。なおこの特集号の「保険・かわら版」は5月20日ころに発行予定。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月12日(月)

■ 「日本生命」の強かさ! ■

● 「かんぽ生命」との提携に続き「三井住友G」との提携も発表した。以前から三井住友Gとは大枠での提携をしているため、今回は再確認程度のインパクトしかないが、ただ銀行グループごとの仕分けとしては、色分けがこれではっきりしたことになる。
 さらに「日生、三菱UFJ銀と提携・中小企業融資の窓口に」というニュースが流れた。日本生命は、中小企業融資で、三菱東京UFJ銀行と提携し、日本生命が銀行代理店となり、希望する中小企業に三菱東京UFJ銀の無担保ローンを取り次ぐとある。もっとも規模的には小さなものになるが、確実に三菱東京UFJグループと適当な距離を保ちながら友好関係を維持できることになる。

● ところで、5月11日号の「日経ヴェリタス」に、武田嘉和・日本生命CIO(最高運用責任者)のインタビューが掲載されていた。
 記事の中の「上場株式の約2%を保有、上場企業だけで約2,000社の株式を保有、昨年の株式保有の企業との対話件数が1,120件、簿価に対する配当利回りが3.43%に上昇、保有株の含み益は前期末より半減して3兆2,200億円」というようなことが羅列してある。もちろん記事の骨子は「日本最大の投資家、株主総会に臨むスタンスはー」なのだが、企業側からすると「低配当続けば反対票」という見出しは心穏やかならぬものがあるに違いない。

● もっとも、やや過激な見出しとは裏腹に、中身はかなり玉虫色の「対話型」などという表現で抑えている。もちろんその背景には保険契約との絡みもあるわけで単純に利益追求型のファンドなどとは明らかに異なるスタンスだ。とはいえ、以前に比べ、保険契約が株式保有の条件というような”縛り”は弱くなったのは否めない。もっとも、相当数の銀行株を保有している現状からは、とりわけ地銀を中心とした銀行関係者は日本生命の自社株保有の動向に神経を使わざるを得ないのは避けられまい。


■ AIG株価、4,200円!最安値4,160円に近づく! ■

● ニューヨーク市場の終値からすると当然とも言える株価だが、しかし、最安値の4160円をも割るようなことになると、今日のニューヨーク市場が心配だ。もっともこれで、「売却はあっても買収はない」ことになり、日本市場での保険販売戦略も見直しが避けられない。


■メモ■
● 女子ゴルフ・ワールドレディスサロンパス大会で福嶋晃子が優勝した。プレーオフの18番ホールを5回も繰り返すタフさはさすがプロだが、にしてもあの18番ホールを難なくパーでクリアーするのはさすがに、さすがにプロだ。とはいえ試合の3日間では2人ともボギー(申は1回、福嶋は2回)とダブルボギー(福嶋1回)がある。結局試合はプレーオフ5ホール目(18番を5回)で決着が付き、福嶋の優勝が決まったが、素直に拍手だ。久しぶりに良い試合を見させてもらった。
 実は、もう10年以上も前だが今回の「東京よみうりCC」で3回ほどゴルフをしたことがある。当時は少々腰が悪くなりかけたころだった性もあるが、かの18番はワンオンはおろか、まぐれのダブルボギーが最高であとは散々だった。それほど難しいホールだ。TVではほとんどわからないが芝目も複雑で私などにはとても手も足も出ないコースだった。その18番を5回もプレーオフをするのだから、やはり凄いことだ。
 ところで、福嶋晃子の優勝賞金が2,200万円、男子のパインパレー北京オープンの優勝賞金が1,687万円と、今回はメジャー大会となった女子ゴルフの方が賞金額が多かった。しかし、日本の有力選手が少ない中、藤田寛之は。よくぞ優勝を果たした、とこれも拍手だ。また2位の甲斐、4位の増田、横田にも拍手を送りたい。文字通り参加して上位入賞した大会としたからだ。
 
 

保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ


★ 銀行員(証券)の生命保険販売入門書 ★

2008年05月11日 | 保険
■ 最近、保険業界関係者ではない方からの質問メールを頂戴するのですが、要は「生命保険がわからない」というもので、特に既契約についての質問が多いのですが、大概の場合、「生命保険入門書」として下記の2冊をお薦めしています。但し、「入門書」とはいえ、内容はかなり手強い内容です。しかし、これを理解しないまま「保障型保険の銀行窓販」をするとなると、昨年暮れに「銀行窓販全面解禁」で保険商品選択を誤った「三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行」のような誤りを犯すことになります。要注意です。

◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f


■「日本の保険業界の真実」=第86回=■

2008年05月10日 | 保険
5月11日(日)

■ 「AIG・サブプライムローン損失1兆5700億円」の影響!=その2=■

● 外国の株式情報もインターネットのお陰で、極めてスムーズに見ることが出来る時代になった。前にも書いたが、私がよく利用するのは「ロイター」だ。9日のニューヨーク市場の株価も少しタイムラグはあるが、終値を見るには不便はない。また、いろいろな企業情報も豊富だ。
 例えば、9日のニューヨーク市場について、「反落。アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)の第1・四半期
決算が過去最大の赤字となったことで金融セクターをめぐる懸念が再燃したほか、原油価格が過去最高値を更新したことが背景。モーゲージ投資などに絡む評価減が響いたAIGの弱い決算を受け、クレジット市場をめぐる問題は終息に向かっているとの見方が後退した。AIG株は8.8%安。AIGは125億ドルの資本調達計画も明らかにした。~(あとは省略)」と、このような記事がある。

● そして実際の株価を調べると「前日44.15ドルが40.28ドルと8.8%安」ということがわかる。東証にも上場してはいるが8日の終値は4,620円だったことから如何に値を下げたかがわかる。当然、12日からの東京での値動きは厳しいことが予想されるが、出来高が少ない銘柄のため、やはりニューヨーク市場を見た方が動きは把握しやすい。

● そして「日本経済新聞」の夕刊にある「ウォール街 ラウンドアップ」を読むと、ロイターの記事と比べ今回のように「AIG」に関する記事の内容が同じものならニューヨーク市場の関心事の中心だったことが確信できる。もっとも下落率がトップとなれば、当然といえば当然ではあるが。
 しかし、「ラウンドアップ」を読むと、ヘッジファンドの強かさにヘッジファンドとすれば当然の行動でもやはりさすがというほかない。つまり「増資」により一株利益の希薄化が嫌われ、引受先のヘッジファンドなどから空売りが入ったようだ、というところだ。

● ヘッジファンドとしては今回の「AIG」の決算は格好の材料と写るのだろうが、対象となる企業はたまったものではないが、しかしこれが株式を上場した条件でもあるわけで致し方ない。かのホリエモンが「株を買われたくない企業は上場しなければいい」とテレビで言っていたのを記憶しているが、このごく当たり前のことが当たり前に行われているわけで、一般企業の場合は異議を挟む余地はない。

● いずれにしても週明けに再度大きく値を下げるようだと、3月の金融危機のきっかけを作った再来ということにもなりかねない。つまり、何か好材料を発表して反転のきっかけを作りたいところだが、手っ取り早いのは、”保有資産の売却”による益出しとなるが、果たしてどうか。極めて微妙な決断を迫られていると思われる。
 


保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月10日(土)

■ 「AIG・サブプライムローン損失1兆5700億円」の影響!■

● 「米シティ、41兆円資産売却」のニュースにも驚かされたが、「AIGの8100億円赤字」のニュースも「またか」と驚くニュースだ。ところでこのニュースについて全国紙の報道内容にはいささか温度差がある。
 5月9日の夕刊で5段抜き程度にして報じたのは「日本経済新聞と毎日新聞」。そして同夕刊で10行ほどの小さな記事だったのが「読売新聞」。そして10日の朝刊では「読売新聞と朝日新聞」がともに10行ほどの記事として掲載している。つまり、読者はどの新聞を読むかによりこのニュースに対する情報量が大きく異なることになる。もちろん、これは私が手にした版によるものだが、あるいは最終版や都内版さらには地方版などで記事掲載内容が異なることがあるかも知れない。

● さて、本題は「なぜ保険会社の中でAIGだけがサブプライムローンで巨額損失を出したか」である。とにかくサブプライム関連の損失は、07年分を合わせた累計で約270億ドルとされる。これは、シティ(約438億ドル)やメリルリンチ(約322億ドル)にほぼ匹敵する金額だ。

● 実は、5月9日の「日経経済新聞・夕刊」の「十字路」というコラムに、三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部長の五十嵐敬喜氏が「証券化が国際金融危機の元凶か」として、「銀行システムの外に分散されたはずのリスクがそうはなっていなかった」と、わかりやすい解説をされている。つまり、リスクを分散したはずのリスク金融商品を銀行は抱え込みあるいはそれに対する信用リスクを保有するという、詰まるところそのリスクが表面化すると銀行自体にリスクが幾重にも被さる仕組みになっていたというのだ。
 もちろん、これらがうまく回転していくと二重三重の手数料マージンが転がり込むことになったのだが、今や欧米の巨大金融機関の根幹を揺るがす大問題になってしまった。

● さて、「AIG」だが、125億ドルの資本増強計画を発表した。今後の課題は3つ。一つは、これでサブプライムローン損失は打ち止めかどうか。二つ目は資金提供者は誰あるいは国(政府系ファンド含む)になるのか。三つめは保有資産の処理はする必要がないか、である。また、これらとは別に旧経営陣を訴えた裁判も気になるところだ。
 いずれにしても、二・四半期連続の赤字で、しかも生命保険、損害保険などの本業も不振となると、余程の本腰を入れた立て直しが急務だ。



保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月9日(金)

■ 生保決算前夜「配当金増配の訳?」=その3=!■

● ”一方「第一生命」の場合は、”の、昨日の続きから書き始めると、「利差益」ではなく「死差益」の配当原資が相当あったと思われる点だ。もちろん「定期保険」を主流に販売している「大同生命」は、昨年度「順ざや」に転じたが、「個人年金保険の保有契約」も少ないことも相まって逆ざや問題では他の国内生保より一歩先んじた。

● 但し、「大同生命と第一生命の定期保険」は、同じ”定期保険”でも中身が大きく異なる。いわゆる「10年更新型・定期保険」なのである。もちろん、他の大手生保でも同様の”更新型・定期保険”を主力販売しているが、第一生命の場合は”更新型しか売れない主力商品”だから始末が悪いことになる。
 ところが、契約者にすると都合が悪い”10年更新型”も生保からすると莫大な「死差益」を生み出す保険商品に化ける。このように、同じ「配当金」でもその原因は大きく異なるのである。

● しかし、今日の日経新聞の「生保4社増配192億円に」の記事は実に意味が不鮮明な記事だ。果たしてこの意味する内容とは?だ。せいぜい「大手生保は増配でいいぞ」というメッセージ記事にくらいにしか読み取れないのだが。まあ、とはいえ「三井生命と朝日生命」の苦戦はここでもはっきりしている。

 

保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月8日(木)

■ 生保決算前夜「配当金増配の訳?」=その2=(=その1・5月2日=)!■

● 「日本生命と第一生命の逆ざや解消」と「配当競争が激化」という見出しが各紙に出ている。額面通り読むと、いよいよ国内大手生保も「逆ざや」とは決別か、と思われがちだが個々の生保でその中身は大きく異なる。

● そもそも「逆ざや」の定義がここ10年あまりのうちにコロコロ変わり、外部からは実にわかりにくいものになっている。例えば「日本生命」を例に取ると、昨年度の逆ざや額は約300億円だったが、19年度(20年3月)では、これが順ざやに転じたと記事からは読み取れる。
 ところが、一般的には逆ざや解消になると、今後一転して順ざや傾向が続くと思われがちだが、運用収支等の利回りが悪化するようなことになると再び「逆ざや」に舞い戻る可能性がある計算方式なのだ。
 もっとも、「日本生命」の場合は、徒に配当金競争に走らず、社内の留保金の積立に注力したため、かなり強固な経営体質になっていることは間違いない。

(以下、再掲)

● いずれにしても、「保険・かわら版=第57号=」でも指摘したが、生保の配当の質をみるためには、「保険・かわら版の表④A・B・C=」くらいは知っておいた方が賢明だ。いくら「配当金が増額された」といってもその多くが「団体保険」であるようだと、個人契約の配当金は微々たるものということになるのだ。もちろん、見方としては、「個人保険の配当金」がどうかをみる必要がある。
 その意味では、このような記事では各生保の評価をするのはまだ無理だ。少なくとも18年度「個人保険」配当金では、国内生保9社の配当金金額はこうなっていた。

・日本生命     31,240百万円 
・大同生命     21,407百万円
・第一生命     11,168百万円
・住友生命      4,668百万円
・明治安田生命   4,152百万円
・太陽生命      2,993百万円 
・富国生命      2,205百万円
・三井生命      1,540百万円
・朝日生命        340百万円

● なお、既に19年10月21日号の「読売ウィークリー」の中で「配当格差時代の損しない生保選び」というコラムを掲載した。どの生保も経営体力に問題なく間違っても”横並びの経営”が出来るようになったことではないことを十分契約者は周知して保険会社、保険商品選びをするべきだ。


保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ

■「日本の保険業界の真実」=第85回=■

2008年05月07日 | 保険
5月7日(水)

■ 「保険・かわら版のネタ」が天こ盛り!■

● この連休中にいわゆる破綻生保の資料を延々と見続けることになった。目的はここではあえて伏すことにするが、実はその前後にはとにかく奇妙な事件が起きていたものである。すっかり保険会社に関する”怪情報”の量は激減したが、当時はいろいろな”モノ”が飛んできたものだ。

● その中の一つが、「旧大正生命」を手玉に取った、古倉義彦被告(当時)の話だ。旧大正生命を買い取るとして逆に旧大正生命から185億円の資金をだまし取ったという事件だが、その古倉被告を紹介してまわったのが、かのミスター円こと榊原英資氏だと言われた。当時のマスコミ記事を見ると、そのことが断定的に書かれているものが少なくないが、結局、この事件は古倉被告だけが有罪判決を受けた。

● まさか、あのような生保破綻がこれから起きるとは考えにくいが、ではなぜ起きたのか?と問われると、やはり「保険業界への監視の目がゆるかった」ということだ。とにかく今では業界人ならずとも知っている「予定利率」などという言葉も営業現場では「それは何?」という状態だったことは事実だ。また、破綻第1号となった「旧日産生命」の破綻原因が「予定利率の高い個人年金保険」だと説明してもなかなか理解をして貰えなかったのも時の多くの生命保険の常識だった。



■ 「ネット完結型・定期保険」の評価?!「保険・かわら版」特集決定!!■

● 4月に営業を開始した「SBIアクサ生命保険」のHPが↓だが、いくつかこれまでの生保とは異なるビジネスモデルを用いている。http://www.sbi-axa.co.jp/index.html

● まず、「インターネット完結型・生命保険」という点だ。そして保険料が相当安い。となると、ベタ褒めということになるが、しかし、年齢が高くなると他の通販保険商品より高いところが出てくる。
 つまり、年代が若い層には「安い保険料で加入できる」ことになるが、要は高い年齢層はインターネット完結型ではやや荷が重いことを考えると、これはこれでニーズを満たしているのかも知れない。

● もっとも、定期保険の基本形は「10年更新型」なのだが、これまでの10年ごとに更新していく仕組みではないところがこの保険の新しいところだ。つまり、次回の更新時に「健康」であれば、契約時に予想された保険料よりも安く更新できる仕組みなのだ。
 
● ただ、ここまで説明してきて、立ち往生したのは、「2000万円の保険金・30歳契約・10年更新型」の例で保険料を調べると、月払い保険料例では「30歳3,060円、40歳5,380円」となっていることから、40歳の時に「健康チャレンジ!」をして結果がOKの場合は、5,380円がある程度安くなる、と考えていたが、この説明の図を見ると「40歳時の更新b保険料が5,740円」となっている。もちろん図によると、「5740円が1020円安くなって4720円になる」と説明があるのだが、果たして、どうも保険料の推移が良く分からない。
 もし、表にあるように「40歳の保険料が5,380円なら、4,720円との差である660円」が安くなるということになるのだが・・・?!


● このPDFの3頁と4頁だ。
http://www.sbi-axa.co.jp/pdf/pamph_l.pdf


● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月6日(火)

■ 「何かおかしい、日本の保険医療制度の行方?!」■

● 「後者高齢者医療制度」の評判が芳しくない。福田首相などは「仕組みは必要で良いもの」というような説明に躍起だ。最近、パットしないというか歯切れが悪い、桝添大臣が「7,8割は保険料が安くなる」という一言を政府あるいは自民党幹部が、我が意を得たりとばかりに使ったが、結局その根拠が曖昧なことがわかりトーンダウンしてしまった。

● もちろんこの「後者高齢者医療制度」の大きな目的は、団塊世代が65歳以上になった以降の医療費削減が目的なのだが、実はこの裏にはとんでもないカラクリがあるという話を聞いた。一言で言えば「皆医療保険制度の崩壊」だ。つまり、いずれこのままの推移では医療費が持たない。医療費が不足する皆保険制度は遠からず自然消滅を余儀なくされる、というのだ。

● 確かに、今後の医療費の予想を考えると、少子高齢者が顕著になる一方の日本では、このような考え方にも妙に納得するところがないこともない。そして怖いところはここからなのだが、皆保険制度の崩壊に伴い「自分の医療は自分で守る」というのがスタンダードな常識になるという。
 つまり、「自分で必要な”医療保険”に加入し、自分の身は自分で守る」のが当たり前の時代がくるというのだ。

● おわかりだろうか。現在の米国の日本バージョンだ。良い医療を受けたければ、十分な「民間の医療保険」に加入し、もし加入できない場合は「医療」を諦めるしかないことになる時代だ。
 過日観た「マイケルムーア監督の『シッコ』」は、”米国の医療保険問題”としてやや他人事として観ていたところはあるが、しかし、それが近い将来日本の医療保険制度にオーバーラップすることがあってもおかしくない時代が来るかも知れないのだ。

● もちろん、この流れを米国の保険会社のロビー活動と同一視するわけにはいかないが、しかし、最近のようにあたかも”誰でも医療保険に加入できる”と勘違いするような風潮は要注意だ。健康な人までが「簡単に加入出来る」として、保険料がかなり高い無告知型あるいは簡易告知型医療保険を選択するとしたらこれはゆゆしきことだ。

● しかも、このは背景には、かの「メタボ対策」があるという。おそらくメタボの検診を受けた多くに異常”があるとなると、「正確な告知をしていただかないと告知義務違反となります。」と言われ、保険医学的には無条件の人でも不安に感じ容易に契約できる”簡易あるいは無告知型・医療保険”を選択する人が増加するのは避けられまい。
 こうなると、一部の生保の思うつぼである。とにかく、入院・手術でもらう保険金よりも支払う保険料が多い医療保険に入らされる訳だから、これではこのような生保は笑いが止まらないことになる。  
 


● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

5月5日(月)

■ 「何かおかしい、日本の常識?!」■

● 「船場吉兆」の”食べ残し”問題が発覚したが、その裏にはあの”ささやき女将”の存在があると思った人は少なくあるまい。というのも、日本料理長が自ら前の客の食べ残しを次の客に出すと言うような感覚は、その修行の中ではタブーだからだ。
 もちろん”料理長”といってもピンキリだ。しかし、少なくとも「船場吉兆」とくれば、日本の料理店では間違いなく上位にランクされる店だ。

● 私の頭の中にはかなり以前、東京・白金の某高級料亭にある取材でその割烹を覗いたことがあるがその記憶が離れない。正確に言うと、マスコミ取材は頑なに断り続けてきたその料亭だったが、ひょんないきさつから料理長の写真だけという約束でそこの割烹で写真を撮ることになり、その交渉に当たった私も同席した。
 カメラマン氏は、このような場合のたった1枚のための写真でも、驚くくらいの枚数を撮る。このときも料理長が「まだ、撮るんですか?」と、やや諦めるほど撮り続けていた。そしてどうにか写真を撮り終えたころ、一人の若い板前さんが、卵を煮た器(銀色の深さ4,5センチの四角い器)を持ってきた。それを一目見るなり、手を横に振ったのだが、すると近くにあったゴミ箱に全部を捨てたのだ。

● 一瞬「アッ!」と思ったが、何のためらいもなく捨てたその光景が今でも脳裏から離れない。実はこの頃、ある調理師組合の会長の紹介で何人かに会ったのだがとても料理に対する哲学を感じた。間違っても自分が出した料理の食べ残しを時間をおいて別の客に出すなどと言うことは夢にも思えない雰囲気があった。    
 もっとも、ある料理長が「先輩たちの味を知るためにお客の残した料理のたれなどをスクって舌に覚えさせた」などという話はあったし、これは一般的によく聞く話でもある。
 いずれにしてもこれから「船場吉兆」を接待で使う企業はあるまい。

■ 「和歌山カレー事件」について ■

● この事件については私見を書こうと幾度となく思いながら、どうしても書けないでいる。もちろん私見を書いたからといって何か影響があるわけではない。しかし、どうしても「激高してヒ素を入れた」という行動には結びつかないのだ。それを説明するには、それまでの「保険金詐欺事件」を粛々と説明する必要があるが、そもそもヒ素を使った犯罪には必ずといってよいほど「保険金=お金」が関係している。実は、9年前に私のPB(プライベートブックス)の「生保の真実」(絶版)に約20頁にわたる「保険金詐欺事件の経緯」をまとめた。これを改めて読み直してみると、やはり「激高」という感情でカレー鍋にヒ素を入れるという行動には結びつかない。それまでの行動から読み取れるのは、保険金をだまし取るための冷静沈着な判断力がうかがえるのだ。


● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

5月4日(日)

■ 「朝日新聞の天皇賞」記事の不可解さ?!■

● 前にも書いたが、ここ最近「朝日新聞」のスポーツ面から「日本中央競馬の配当金記事」が掲載されなくなった。私が知る限りでは紙面から配当金報道を削除した理由について解説なり説明をみた記憶がないので、「朝日新聞」としての見解を知るよしもないが、しかし、かといって「天皇賞」(毎年春と秋に計2回実施される)の報道はどうするのか興味を持って待っていたら、金曜日には「予想記事」が掲載されていた。もっとも、予想といってもあくまでも「天皇賞」だけの予測記事であり、他の競馬についての記事は一切ない。

● 憶測するに、競馬=ギャンブル=悪・・・という捉え方から、紙面から削除したと思われるのだが、もしそうだとすればあまりにも狭義なものの捉え方である。この理屈が通るならば「宝くじ・ロト、トト」などの記事掲載も必要ないことになる。人生にギャンブルは付き物である。これを”運”と考える人もいれば、より高い確率で当たるように考える人たちもいる。つまり「結果が見えない人生と同じ」なのだ。

● 少なくとも「朝日新聞」が全国大衆紙という位置づけならば、「日本中央競馬会の情報」も可能な限り詳細に情報提供するのがその役割だ。何もこのようなことにだけ”清廉潔癖を装う”必要などない。それほどまでに「朝日新聞のブランドは一般大衆から乖離」したのか?!これでは、「一般国民の目線」とは異なる「福田内閣」を批判することなどは到底できないはずだ。


■ 「あいおい損保」のふがいなさ!!■

● サブプライム損失を大手損保の中では唯一大きく被った損保会社だ。ネガティブな経営は以前から指摘されてはいたが、どうやら社内の緊張感が現在の世界の金融マーケットに着いて行き切れていないというところか。
 
● もし、実質親会社を「トヨタ自動車」と考えてシビアな経営感覚が失われているとするなら、これはゆゆしき問題だ。いうまでもないがこれだけいろいろな失態をしでかす会社をトヨタもその尻ぬぐいをいつまでもしてくれるとは限らない。そもそも、大手損保の中では、情報開示がもっとも遅れている損保、という評判が定着しているところが根本的な問題だ。
 まあ、”飲みにケーション”も良いが、それでこのようなちょんぼを繰り返すようでは救えない話で、文字通り経営者の経営感覚の問題だ。



保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月3日(土)=憲法記念日=

■ 大手損保株の外国人比率が上昇の余計な心配?!■

● 17年9月末の2年半前の損保6社平均が「30.2%」だったことを考えると、20年3月末の「35.0%」は急増の部類だ。中でも「三井住友海上」は、2年半前の37.7%から47.3%へとほぼ10%の急増だ。2年半前は、損保6社で「39.3%」とトップだった「損保ジャパン」は、「三井住友海上」とは逆に外国人持ち株比率を減らしている。

● もちろん、外国人持ち株比率の増減を短絡的に決めつける訳にはいかないが、大きな2つのリスクは、「株価暴落と買収の可能性」だ。この「株価暴落」には、日本の株式市場のこともあるが、今回のように世界のマーケットの暴落も含まれる。「割安株を長期保有する海外勢が受け皿になった」と、日経新聞は今回の持ち株比率の増加を分析しているが、もしこれが事実とすると、極めて脆弱な基盤での株式保有ということになる。

● しかもその先に見え隠れするのは、海外ファンドが純然たる投資ならまだしも、高値で買い取るなどと言われて売却しないとも限らない。こうなると、2つめのリスクとなる「買収の可能性」が浮上してくる。<続く>


保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

★ 「保険・ミニかわら版」購読のお薦め ★

2008年05月03日 | 保険
■ 既に「保険・ミニかわら版」を購読されている方には、「保険・ミニかわら版=第17号・第18号=」に同封して特別企画のご案内をさせていただきましたが、いよいよ、行動開始です!もちろん、諸事情からその内容を大々的にPRする段階ではないと判断しているため、極めて地味な立ち上げですが、皆様のご支援のほどよろしくお願い致します。

■ なお、「保険・ミニかわら版」につきましては、現在購読者募集を再開していますので、是非ご検討のほどよろしくお願い致します。なお、上記企画のご案内は新規「保険・ミニかわら版」購読の方にも差し上げていますので、ご検討のほどよろしくお願い致します。 

◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c

■「日本の保険業界の真実」=第84回=■

2008年05月02日 | 保険
5月2日(金)

■ 生保決算前夜「配当金増配の訳?」!■

● 「大手生保、4年連続増配・前期個人向け、顧客つなぎ留め」のニュースがニッケイネットで流された。ただ、「大手生保」というのがどこまでを指すのかは不明だが、少なくとも「日本生命と第一生命」を指すようだ。
 ところが、この記事を鵜呑みに出来ないのは”日本生命保険や第一生命保険など大手生命保険会社は2008年3月期分の個人契約者向けの配当を引き上げる方針を固めた。運用資産の利息・配当金収入が堅調だったためで、増配は4年連続となる。”とした内容の不確かさだ。

● 素直に読むと、”個人契約者向けの配当を引き上げる”と”増配は4年連続となる”が連動して捉えられがちだ。関心のある方は「保険・かわら版=第57号=」をみていただきたいが、4年増配の意味は実に不鮮明なのである。つまり、個人保険や個人年金保険、さらには団体保険や団体年金保険なども含めた「配当準備金合計」を指すのかあるいは、記事にある個人契約者向けの配当を指すのかは該当しないのである。

● もし、「配当準備金」の全体が、”4年連続”とすると、「日本生命と第一生命は5年連続」が正しい。一方「個人保険が4年連続」とすると、「日本生命」は、最近では17年度の配当金が多かったことから、連続とは言い難い。また「第一生命」も16年度の配当金が多かったがためにこちらも4年連続とは言い難い。 そもそも不可思議なのは「明治安田生命」の取扱だ。もちろん今回の配当が減額となるなら対象外だが、ここ数年以上「第一生命」よりも多い配当金であることを考えると、配当金全体の金額が”4年連続増配”でないことから、愚弟的生保名は控えたのでは?とややうがった見方も出来る。ただ、その中身はというと、16年度分が対前期の配当実績を少しだけ下回ったことによる”4年連続”といえない内容であり、もし全体の配当金での評価であれば、そう目くじらを立てるようなものでもない。

● いずれにしても、「保険・かわら版」でも指摘したが、生保の配当の質をみるためには、「保険・かわら版=第57号の表④A・B・C=」くらいは知っておいた方が賢明だ。いくら「配当金が増額された」といってもその多くが「団体保険」であるようだと、個人契約の配当金は微々たるものということになるのだ。もちろん、見方としては、「個人保険の配当金」がどうかをみる必要がある。
 その意味では、このような記事では各生保の評価をするのはまだ無理だ。少なくとも18年度「個人保険」配当金では、国内生保9社の配当金金額はこうなっていた。

・日本生命     31,240百万円 
・大同生命     21,407百万円
・第一生命     11,168百万円
・住友生命      4,668百万円
・明治安田生命   4,152百万円
・太陽生命      2,993百万円 
・富国生命      2,205百万円
・三井生命      1,540百万円
・朝日生命        340百万円



保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5月1日(木)

■ 6年前の「ソニー生命」騒動!■

● 「ソニー、ソニー生命の株、売却検討」の話題が注目を集めた。当時の「ソニー」は、「ソニー銀行:80%、ソニー損害保険100%、ソニー生命100%、ソニーファイナンシャルインター0ナショナル100%、マネックス証券31%」というような金融子会社を持っていた。

● ところが「選択と集中を掲げる出井伸之会長(当時)」は、ソニー生命の株式の一部を売却し、ネット関連事業へのてこ入れを図ろうとした。もっとも当時のソニーの経営内容からすると、インターネットで家電製品、パソコン、ゲーム機器をつなげ、音楽・映像・金融などのソフトをネットでビジネスにつなげるという考え方は、ごく自然なものだったといってよい。

● そこで浮上したのが「ソニー生命の売却先」だったが、「GEエジソン生命、プルデンシャル生命、エイゴン(オランダ)」(いずれもそのグループ企業)の3社だった。もちろんこの「ソニー生命売却」については社内が決して一枚岩ではなく、いろいろな情報が流出することになる。
 一例を挙げると「GEエジソン生命への売却」が伝えられると、ソニー生命内部からの反発が起こりやむなく話は頓挫してしまった。また「エイゴン」への売却話も肝心なときに本国の株価暴落からとても買収をやるような資金的余裕がなくなりこれも頓挫してしまった。
 また「プルデンシャル生命」の場合は元々の根幹が同じと言うことからもっともすんなりと運ぶ売却先に思われたが、個別の生保になってからのそれぞれの保険販売を含め経営内容には大きな隔たりがあったことから、プルデンシャル生命内部で積極的に買収を検討した形跡はない。

● 結局、「ソニー生命、ソニー損保、ソニー銀行」をぶら下げる形での「ソニーFHD」という持ち株会社を立ち上げ上場した。<続く>
 


保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
4月30日(水)

■ 結局「ソニー生命」がソニー本体の業績圧迫!■

● 「日経ヴァリスタ(4.27号)」によると、「ソニーの前期連結営業利益は全体で4100億円程度の見通しだったが、下振れの公算が大きくなっている。元凶は金融だ。」とある。その内容は「ソニー生命が一般勘定で運用する新株予約権付社債に、株安で300億円前後の評価損が追加発生したとみられるだめだ。」とするものだ。

● 「保険・ミニかわら版=第18号=(5月1日発行号)」では、「読売ウィークリー」の記事を受けて「生保38社の有価証券の時価情報」の一覧にした。表をみると一目瞭然だが、国内大手生保群を除いた生保の中で「ソニー生命、マニュライフ生命、大和生命、損保ジャパンDIY生命」のところに注意が必要だ。
 
● 中でも「ソニー生命」の場合は、下手に12.1%の株式保有があることで、「株安」に弱い経営体質を露呈してしまった。少なくとも「株式保有」だけでみると、「アリコジャパン:1.3%、アメリカンファミリー:0.1%、プルデンシャル生命:0」という内容からしても「ソニー生命」の株式保有が如何に多いかがわかる。
 もっとも、かつての「損保系生保」の立ち上げの際、損保系生保は親会社からそこそこの株式を持たされたが、いくら持参金とはいえその保有する株式が”評価損”となるのでは、本末転倒となることから、18年度末の実績はこうなっている。

・東京海上日動あんしん生命    ー
・損保ジャパンひまわり生命    ー
・三井住友海上きらめき生命  0.1%
・あいおい生命          0.8%
・日本興亜生命          4.0%
・富士生命             5.0%
・フコクしんらい生命(参考)    3.8%
・損保ジャパンDIY        95.6%

● これだけみても、個々の生保の経営体質が垣間見えてくる。そもそも利差配保険商品がメインなら推奨はしないもののやむを得ない資産運用という捉え方も出来なくはないが、しかし、各社の販売保険商品のメインは無配当保険商品だ。
 その意味では、設立当初株式運用(リスク性運用)に前向きだった「三井住友きらめき生命」などは、公社債運用(97.4%)に徹している。
 ただ、惜しむらくは”保険料廉価競争”に本腰を入れた点だ。これでは「東京海上日動あんしん生命」に追いつくどころか、話されずに追いかけていくのが精一杯となる。もちろん、生保市場で一角を占めるには、今の保険商品のラインナップではあるいは中核保険商品では難しい、というのが本音だ。


保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
4月28日(月)

■ 民主、山口補選に大勝利!!

● 選挙当初から民主優勢ということは言われていたが、しかし、蓋を開けてみるまではわからないのが選挙だ。”自民党議員が続々と山口入り”と書かれると、かなり昔、某暴力団が確か博多の攻防でどんどん汽車で駅に降り立つ姿を映画のニュースで見たことと映像がダブる。
● こう書くと怒られそうだが、今の自民党首脳とりわけ道路族議員のまとめ役を並べると、いかにも悪代官ヅラが多い。表面は「世のため人のため」と神妙な顔をしているが、その腹の中は「(業者に向かって)そちも悪よのう~」と私財を溜め込む姿がオーバーラップする。

● ようやくマスコミ報道も「小泉”改革”の”痛み”」について書き始めたが、その典型が”後期高齢者医療制度”だ。このような”痛み”が高齢者を襲うことは十分に予測できたにもかかわらず、その根拠となる医療費等の根拠を厚生労働省は出さないがためにうやむやにされてまま突然実施となってしまった。もちろん、十分な審議を尽くせばぼろが出る内容なだけに、国としては「法律」として確定させてしまえば、「保険料は年金からの天引き」となるために、取りっぱぐれがないことと、いずれ払えない高齢者には「他の高齢者は払っている。公平性を欠くために必ず払え。」と迫ることになる。

● 実は、このような保険料を徴収する側の言い分として必ず使われる言葉が「公平に徴収する」だ。しかも納付が遅れるようだと10数%の遅延利息を取る仕組みだ。つまり、一歩人生を踏み外すと、棺桶の中まで手を突っ込んで回収を図るのが役所の仕事なのである。今や、消費者金融の金利よりも高くなった遅延利息を取ることにより、財政の一部を補填しているのでは、とうがった見方もしたくなる。

● つまり、少子高齢者に突入したことがわかった日本では、これまでのような漠然とした既得権益を守るための政治とは決別しなければいけないのだが、いまだに”我が世の春”を謳歌したい族議員が自民党には相当数いる、ということだ。文字通り予算も緊縮性を持たせた筋肉質にすべきなのだが、今の自民党ではそのような10年後、20年後あるいは30年後を見据えた政治力を持った逸材がでてこない。

● いずれにしても、山口の票差はやや意外だった。保守王国の山口県で2万1944票差というのは「自民党、完敗」を明確にした票差だ。同じ負けるでも1万票以内というのがもっぱらだったことを考えると、本当に高齢者がそっくりこれまでの自民党から民主党に流れたのかも知れない。
 結局、後期高齢者医療制度がある限り、高齢者の自民党離れは拡大するわけで、これではギリギリ来年の6月に総選挙をやろうものなら野党が2/3の議席を取ることになるかも知れない。

  
ついでにここもクリック・・・!ご協力、感謝です!
人気blogランキングへ
クリックした方はここもクリックして「新宿・歌舞伎町物語」をお読み下さい・・・!
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/d/20070101

【メモ】
● 


保険・かわら版 案内版 
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/63b1d1c571e01ce1acfd1bed64e6df13
◆ 保険・ミニかわら版 案内版 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/ed7256b64abb77d8a651154486be682c
◆ 大地一成のPB(プライベートブックス)案内板 ◆
http://blog.goo.ne.jp/daichi2--6/e/e358bd31d8fbf614cce778fb79fdfa9f

● どんどん書け書け応援は、下記をクリック!!
★「ブログ村・ランキング」支援クリック!にほんブログ村 経済ブログ
★「ブログ・保険かわら版」支援クリック! → 人気blogランキングへ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■