CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

CI療法に関するお問い合わせ

2007-03-31 22:23:18 | リハビリ
全国からCI療法に関するお問い合わせが相次いでおりますが、公開されているメールはスパムによってほとんど機能しておりません。番組の内容についてはNHKに、治療の御相談については兵庫医科大学病院に電話でお問い合わせ下さい。よろしくお願い致します。

まず要介護者から医療を奪い、命を奪う

2007-03-31 16:13:26 | リハビリ
通知によれば、
『要介護被保険者等である患者であって、特定施設入居者生活介護又は地域密着型特定施設入居者生活介護の受給者及びグループホームの入所者以外のものに対して行うリハビリテーションは、同一の疾患等について、医療保険における疾患別リハビリテーション料を算定するリハビリテーションを行った後、介護保険における通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、介護予防訪問リハビリテーション又は介護予防通所リハビリテーションに移行した日以降は、医療保険における疾患別リハビリテーション料は算定できない。』
とあります。

病気になって、急性期医療を受け、リハビリを受け、そして介護に移行する・・・そのようなステレオタイプな流れしかないと、本気で信じきっているようです。

介護保険を受けた途端に医療を受けられなくなる、そんなルールです。

まったく酷い!

今回の『術野を見ない術式の御指示』は、『手術が始まったら、どんな病巣が見つかっても、時間が来たら縫合せよ。』ということでした。厚労省の権限は大したものです。

『緩和』の名に隠されていた『まず要介護者から医療を奪い、命を奪う』という厚労省の本音が、ついに現れた形です。

日本臨床整形外科学会・緊急討論集会 4月のリハ再改定に反対決議

2007-03-31 15:07:52 | リハビリ
MMIニュースより 平成19年3月26日

~日医に決議文を提出へ~

日本臨床整形外科学会の緊急討論集会が21日に開かれ、『4月から施行されるリハビリテーション料の再改定に対して、反対決議を採択し』、反対決議文を日本医師会の唐澤祥人会長に提出する方針とのこと。

反対理由は、『昨年4月のリハビリテーション料の改定以降、医療現場の一部では、まだ混乱が続いており、再改定という新たな状況に対して現場の混乱を増長させる可能性をはらんでいることを挙げている。』

一方『リハ医療関連5団体協/4月の再改定は、苦肉の策と一定の評価 整形外科関連団体とは見解分かれ』、『日本リハビリテーション病院・施設協会の石川誠副会長は、「苦労したあとが見える苦肉の改定だ」との見方を示した。』そうです。


コメント:専門家団体が内輪もめをしている間に、患者切り捨て御免政策が、急激に進んでいます。『リハ医療関連5団体』というのは、リハ医学会、各療法士協会、病院施設協会の5団体ですが、私は『リハ医療関連8団体』として、整形外科関連学会と共に歩むべき時だと考えます。両者が綱引きをしているように見えるシナリオの中で、厚労省が漁夫の利を得るだけだからです。

日数制限撤廃しかない

2007-03-26 18:00:51 | リハビリ
非公式情報ですが、
 3月28日 社会保険事務局向け説明会
 3月30日 通知が出る予定
 4月 1日 施行(ちなみに、日曜日です・・・)
とのこと。診療報酬改定名物のバタバタ劇です。

今回、緩和と言っても、さらに複雑な規定になったため、どうしたら良いのか本当に迷います。
またまた、術野を見ないで術式を指示なさるのだと予想します。

真の『緩和』は、日数制限撤廃しかありません。撤廃というのは、全て長期にリハビリ医療を提供するのではなく、必要に応じて実施する、という意味です。

無駄を削るなら、どこがどう無駄なのか、どういう医療が無駄なのか、しっかり議論すべきです。

リハビリロボットの開発にはiPodの発想が必要

2007-03-25 07:52:01 | リハビリ
リハビリロボットの開発に関わっていて感じること。

それは・・・何かが違う。

『新規技術の研究開発』に工学系の研究者や企業は向かおうとしますが、私がいつも言うことは、「これから100年間開発を続けるつもりですか?」という質問。

今ある技術を集約して一つの形にするだけで、かなりのことができるはず。まずは既存技術+αで普及品を作ることが大切だと思うのです。

iPodが出たとき、何が新しいのだろう?と思っていました。個々の技術はすでにあったものだからです。でも、その後の普及はご存じの通り。もちろん、iPodとともにiTuneが優れたソフトウエアであることも特記すべきだと思います。

もう一つは、経済産業省と厚生労働省の連携の悪さも気になります。NEDOのプロジェクトに携わっていたときも、同じ国の事業なのに、省同士の連絡は全くなく、個々の研究者が双方に問い合わせをしなければならない状況でした。

ロボットのハードもソフトも日本は最高水準だと思います。でも、今のままでは、ロボットの臨床応用は世界に遅れをとってしまうでしょう。

城山三郎さんのご冥福をお祈り申し上げます。

2007-03-25 00:18:11 | リハビリ
「落日燃ゆ」「男子の本懐」などでお馴染みの作家の城山三郎さんが22日にお亡くなりになりました。

城山三郎さんは、3月10日の『これからのリハビリを考える市民シンポジウム』の賛同者としてもお名前を連ねて頂き、これからいろいろと御意見も頂戴しようと期待していた矢先の訃報でした。関係者一同、大変ショックを受けております。

小泉純一郎元総理は、城山三郎さんの愛読者だったようですが、その城山さんが小泉改革(確か、個人情報保護法の頃)に意見をつきつけておられました。リハビリ制限についても、どのようなお考えであったのか、御意見を伺いたかったのですが、本当に残念でなりません。

慎んでご冥福をお祈り申し上げます。

診療報酬の決め方を根本から変える

2007-03-24 19:21:10 | リハビリ
いつものように繰り返されるドタバタ改定。

しかも、患者切り捨て改定は、医療機関だけが被るわけではない深刻な問題。3月に改定、4月から実施。そのたびに、現場は混乱。

今回の見直しも、白紙撤回なら良かったが、さらに複雑怪奇な制度になってしまった。

制度が複雑になる理由は、現場を知らない官僚が作るから。例えて言えば、術野を見ないで、術式を指示しているようなもの。しかも、患者さんの状態にあった臨機応変すら認めない。だから、多数の命が奪われる。

1+1=2の公式があったのに、突然それを否定して、微分や積分のような複雑な式を挿入(疾患別リハビリや除外規定や疑義解釈のこと)した挙げ句、答えが2にならない。

答えが1.6だからおかしい(患者会)と言えば、2に近いから文句を言うな(厚労省)と反論。

ここで提案。

診療報酬制度について、もっとじっくり議論するため、中医協の抜本的改革が必要。国民、患者会の代表者を常任委員とし、立場が異なる各専門家を、その都度呼んで議論するというもの。勝村さんは、医療事故被害者の代表として、一定の役割を果たしたが、患者会の代表ではない。また、国民の代表も入っていない。

今回のリハビリ改定について、昨年の中医協では、何と30分も議論していなかったそうです。しかも、異論なし。

そのために、これだけの大きな問題が持ち上がっているのです。

中医協を大改革して、国民中医協の創設を提案します。

相次いで社説5紙

2007-03-22 21:55:54 | リハビリ
地方新聞各紙の社説が相次いでいます。現場レベル(地方)での関心がいかに高いかがわかります。1)国民の声が国を動かした、2)見直しは当然、3)これで解決したわけではない、という論点が共通項かと思います。

熊本日日新聞 2007年3月16日 社説 リハビリ制限緩和 患者支援の原点忘れずに
http://kumanichi.com/iken/index.cfm?id=20070316

信濃毎日新聞 2007年3月18日 社説 リハビリ 制限の見直しは当然だ
http://www.shinmai.co.jp/news/20070318/KT070316ETI090004000022.htm

神戸新聞2007年3月19日 社説 リハビリ制限/患者の叫びが国に届いた
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/0000274659.shtml

京都新聞2007年3月19日 社説 リハビリ制限 緩和もまだ安心できぬ
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20070319.html

西日本新聞 2007年3月22日 社説 医療と介護の連携を密に リハビリ制限
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/column/syasetu/20070322/20070322_002.shtml

西日本新聞社説 3月22日

2007-03-22 08:06:22 | リハビリ
医療と介護の連携を密に リハビリ制限

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/column/syasetu/20070322/20070322_002.shtml

『「改善の見込み」や「医師が必要とする」判断基準は、はっきりとは示されていない。これでは、医療現場に混乱を招く恐れもある。患者側にとっても、これまでの不安を解消される内容とは言い難いだろう。』

コメント:リハビリ難民はゼロにはなりません。これで一件落着ではなく、山が動きかけた、というくらいが正確なところです。国民の声が、メンツを重んじる厚労省を動かした、という意義は充分にありますが、解決まではまだまだ遠い道のりがあります。
診療報酬を逓減することが、結果的にリハビリ医療提供施設の経営破綻を招くことが予想され、リハビリ施設の閉鎖が原因で別のリハビリ難民が増えることも指摘されている通りです。「除外規定」の患者会の方々を含めて、多くの患者さんが最も危惧しているところです。
いじめっ子がやっと非を認めたものの、「悪かったな!」といいながら、帰り際に石ころを投げ付けた、という喩えでおわかり頂けるでしょうか?

リハビリ日数制限は『患者を切り捨てる機械』

2007-03-19 17:14:38 | リハビリ
日数制限がある限り、どんな見せかけの『緩和』も、効力を発揮しないでしょう。

患者切り捨ての機械は、回転し続けています。危険な機械の周囲にあれやこれやと小細工をするよりも、その機械を取り除けば、それで済むことです。

無駄な医療を切り捨てる機械は、日数制限ではありません。別の賢い機械を発明すべきです。それだけの頭脳をもった方が、官僚の中にいるはずです。

官僚はメンツより才覚で勝負して欲しいものです。

介護地獄アメリカ

2007-03-18 21:48:24 | リハビリ
介護地獄アメリカ 自己責任追求の果てに

日本評論社

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市民シンポジウムのメーリングリストで知った本です。

http://www.toshiba.co.jp/care/benri/books/book09/09book33.htm

医療も介護もアメリカは手本にはなりません。米国内で破産した人のおよそ半数が、医療費の高騰が原因で破産しており、病気のために自己破産に陥った人々の大半は中産階級で医療保険加入者であることが調査で判明したそうです。

ヒンデミット作曲 『画家マチス』

2007-03-18 12:35:12 | 音楽
ヒンデミット作品集
サロネン(エサ=ペッカ), ロスアンジェルス・フィルハーモニック, ヒンデミット, アックス(エマニュエル)
ソニーミュージックエンタテインメント

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ヒンデミットの『画家マチス』とは、有名なマチスのことではなく、16世紀の「イーゼンハイム祭壇画」を描いたマティス(マティアス)・グリューネヴァルトのことです。

第1楽章「天使の合奏」、第2楽章「埋葬」、第3楽章「聖アントニウスの誘惑」からなり、荘厳ながら親しみやすい曲になっています。初演はフルトベングラー。大学オケのときに演奏しましたが、あれはアマチュア初演だったのでしょうか?弾きがいがあっていつも練習が楽しみでした。

グリューネヴァルトの生涯、ヒンデミットの生涯・・・などを知るにつけ、社会と芸術家の関わりという難しい問題が根底にあることを実感します。

財政優先のひずみ表面化 国民に大きな不安広がり(産經新聞)

2007-03-17 01:44:20 | リハビリ
リハビリ制限見直し 財政優先のひずみ表面化 国民に大きな不安広がり(3月15日産經新聞)

『今回の見直しは、これまでの「財政一辺倒」の医療制度改革の転換点となる可能性もある。』

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070315-00000020-san-pol

リハビリ制限問題では、産經新聞は当初から的確に報道しています。

後世に残る芸術(2)

2007-03-17 00:56:05 | 音楽
前回述べたカールベームが後世に残るか残らないかは、さらに時間の経過を待つ必要があります。

では、永遠に高い評価を受け続けている音楽家はどんな人でしょうか?個人的には、フルトベングラー、ブルーノ・ワルター、シャルル・ミュンシュ、カラヤンあたりがすぐに思い浮かびます。小澤征爾、レナード・バーンスタインも好きですよ。変わったところでは、ピエール・ブーレーズ、ティルソントーマスも印象に残っています。ピアニストでは、やっぱりグレン・グールド。

しかし、50年以上前の音楽家は録音に残っていないので評価のしようがないですね。そう考えると、「作品」は永遠の芸術になり得ますが、「演奏」という芸術ははかないものです。録音が沢山残っていても、生演奏の迫力がない人や、生演奏こそが本物の芸術なので録音しないという指揮者も少なくないようです。チェリビダッケの録音嫌いは有名ですね。

ライブの感動や芸術性を考えると、もっとDVDが充実しても良いと思います。小澤征爾のライブのパンチは、スタジオ録音では消えてしまいますが、ライブ録音で、かつ映像がついていれば、かなりの部分伝わってくると思います。音楽は目で楽しむ部分も大きいので、さらに充実すると良いですね。自宅の5.1chサラウンド+大画面テレビで、クラシックを大音量で楽しむ、月に1回くらいはコンサートホールに行く・・・そんなことが夢です。ちなみに、うちのテレビはまだブラウン管でモノラルです。音楽はiPodか、BOSEの小さいシステムで聴いています。