CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

14日に中医協で日数制限の緩和案を公表予定

2007-03-13 12:16:38 | リハビリ
例えて言うなら、ガス中毒死が一切起こりえない設計変更をお願いします。

「100人死んだガス湯沸かし器の設計を変更して、10人しか死なないようにしました。」という制度変更では駄目なのです。

医療制度は命にかかわる問題です。

本日の朝日新聞 オピニオン 『どうする? リハビリ』

2007-03-13 08:34:46 | リハビリ
白紙撤回し患者の全体像みて
 東京大学名誉教授・免疫学者 多田富雄さん
 「まず白紙撤回。その後で計画を練り直すのが順序だ。私は命がけで戦い続ける。」


自立へ通所リハの質を高めよ
 初台リハビリテーション病院理事長 石川誠さん
 「日数制限を設け早期を手厚くする厚労省の方向は、正しいと考える。」


広がる混乱
 使えぬ足りぬ介護リハ
 打ち切りで症状悪化も

緩和へ課題
 専門職、今の4倍必要
 医師の裁量拡大がカギ

緩和案への個人的見解

2007-03-13 05:08:14 | リハビリ
緩和の骨子は前記事の通りですが、問題は『改善の見込みがあって医師が特に必要と認めた場合』などのように、あれだけ矛盾が噴出しても、『改善の見込み』という文言に固執していることです。

すでに取材が入っておりますので、ここまでの案を見ての個人的見解は以下の通りです。

1)「改善が期待できる場合」という文言に固執している限り、論理矛盾は解消せず、新たな混乱を招くだけ。
2)除外疾患が増えたことは悪くはないが、そもそも疾患別の考え方が間違っているため、線維筋痛症やCRPSなど、除外規定から漏れる疾患についての不安がつきまとう。除外疾患を設けるなら、『リハビリ医療が必要な全ての疾患』とすべき。
3)改善の見込みがないが、中止すれば必ず悪化する脳卒中等は、以前として打ち切りの対象となる。
4)政治的配慮で圧力を分断し、患者団体を切り崩すだけの緩和措置なのではないか?
5)もともと論理矛盾でつぎはぎもきかなくなっているのだから、「医学的に医師が必要と認め、患者が希望する場合」というリハビリ医療の本来の姿に「適応はリハビリ医療の必要性を考慮して適切に」という付記をつけるだけで良い。
6)日数制限も疾患別リハビリも全面撤回すべきだ。

リハビリ日数制限、心筋梗塞・肺気腫など除外へ 厚労省

2007-03-13 04:48:15 | リハビリ
リハビリ日数制限、心筋梗塞・肺気腫など除外へ
朝日新聞

http://www.asahi.com/life/update/0313/001.html

 12日の中医協に報告された実態調査では、一部の疾患で1割以上の患者が「改善の見込みがある」と診断されたのにリハビリを打ち切られるなど、制度の不備が明らかになった。

 これを受けて厚労省は(1)急性冠症候群(心筋梗塞など)、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫など)を新たに日数制限の対象から外す(2)日数制限の対象となる病気でも、改善の見込みがあって医師が特に必要と認めた場合は医療リハビリが継続できる(3)介護保険の対象とならない40歳未満の患者や、介護保険で適当な受け皿が見つからない人は、医療で維持期のリハビリが続けられる(4)回復が見込めない進行性の神経・筋肉疾患(筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症=ALSなど)も医療リハビリを継続する、などの見直しを行う。

まずは論評抜きで掲載します。

リハビリ打ち切り、狭心症や心筋梗塞の1割以上・厚労省

2007-03-13 03:45:39 | リハビリ
リハビリ打ち切り、狭心症や心筋梗塞の1割以上・厚労省

本日の日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070312AT3S1201I12032007.html

中医協の皆さん、大切なことは、心筋梗塞などの病名ではありません。制度自体に矛盾がある以上『必要なのに治療を受けられない患者さんが消えない』ということです。
除外規定をいじるだけの小手先の緩和であれば、打ち切られる患者さんがまだまだ残ります。
ガス湯沸かし器の構造に問題があるから、設計自体を変更すべき、ということと同じです。日数制限がある限り、ガス中毒死は、繰り返されます。医療制度の文言はそれほど重大なのです。ぬか喜びせず、14日の案を厳しい目で待ちます。