CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

障害者医療問題全国ネットワーク第8回シンポジウムで講演しました

2009-05-23 16:45:28 | リハビリ
【毎日新聞】より
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20090512ddlk13040293000c.html
2次障害シンポ:リハビリテーマに 17日に渋谷で /東京

 脳性まひなどで全身に障害のある人が加齢などに伴って患う「2次障害」と、それを予防する最新のリハビリテーションをテーマにしたシンポジウムが17日、渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれる。

 01年の設立以来、脳性まひの人の2次障害に注目し、問題提起をしてきた「障害者医療問題全国ネットワーク」の主催。

 シンポでは、損傷がある部分の役割を他の部分が補う「脳の柔軟性(可塑性)」に着目したリハビリ法の実践で知られる道免和久・兵庫医大教授が「損傷した脳内の再構築と脳に再学習を促すことの可能性について」と題して講演する。

 また、リハビリの保険診療が発症から最長180日間で打ち切られることになった06年の診療報酬改定に対する反対運動の現状報告もある。

 午後1時半開演。資料代1500円。問い合わせはNPO法人「自立の家」内の同ネットワーク(03・3327・0971)。【奥野敦史】



インフルエンザ対策(3)

2009-05-19 08:36:15 | 大学
近くの小学校にも写真のような休校の知らせが出ていました。この地域は、さしずめ1週間前のメキシコのような扱い。しかし、すでに全国的に新型インフルエンザが潜在していると思っています。「渡航歴」「発熱」という条件だけで、偽陰性は相当数あるはずで、誰が考えてもわかる事実から、「封じ込めは無意味」「渡航制限は意味がない」とWHOが言っていたわけです。

第105回日本精神神経学会学術総会(神戸)5月22日(金)~24日(日)は中止。
日本麻酔科学会第56回学術集会 5月22日(金)~5月24日(日) 神戸ポートピアホテル・神戸国際展示場 も延期。

国際学会の渡航制限も全国の大学に出ており、今度は、関西での学会への制限が出ていることでしょう。企業は関西への出張を禁止していると報道されています。

三菱東京UFJ銀行三宮支店の行員が新型インフルエンザ陽性だったということで、全行員が自宅待機になったそうですが、明らかに過剰反応ではないかと思います。最優先されたことは企業イメージであり、適切な対応を保健所等が指導していたわけではないでしょう。

今、「最初に名前が出されたくない」という企業、大学、病院などの不安がどんどん強くなっています。マスコミが大きくとらえるほど、その不安は一般市民にも蔓延します。蔓延しているのは新型インフルエンザだけでなく、不安感でありパニックであるわけです。

リーガロイヤルホテルでの講演会

2009-05-11 23:24:09 | リハビリ
リーガロイヤルホテル からだとこころの健康講座 第42回
     「リハビリ日数制限その後 
      ~多田富雄先生の思いを心に刻みつつ~」
診療報酬改定でリハビリ医療に日数制限が設けられて3年。多田富雄先生(免疫学者・能作家)を代表とする期限撤廃に向けた活動は、短期間で44万人の署名を厚労省へ。先生は脳梗塞の体験をもとに随筆「寡黙なる巨人」を発表し、第7回小林秀雄賞を受賞しました。先生の言葉をたどりながら、現状や今後のあり方をお話します。

講 師 : 道免 和久(兵庫医科大学リハビリテーション医学教授)
日 時 : 5月11日(月) 13:30~15:00
場 所 : 楓の間(ウエストウイング 2階)
会 費 : 会員無料、同伴ビジター・一般¥2,000

※今回の講演の準備で「寡黙なる巨人」を再度通読しました。リハビリ医療関連の方にこそ読んで頂きたいと思います。リハビリ医療を題材としたエッセーで「小林秀雄賞」という賞が与えられることは初めてです。内容的に考えても、これほど強力なリハビリ医療のサポーターはいないと思います。多田先生が学会に厳しい注文をつけるのも、それだけ先生の学会に対する期待が強いからであります。
寡黙なる巨人については、こちらを御参照下さい。

新型インフルエンザ対策(2)

2009-05-09 07:40:20 | その他
大阪府の高校生が成田空港で新型インフルエンザに感染していることが判明しました。冷静な報道機関がすでに伝えていたように、水際対策に偏ることなく、すでに感染者が国内に広がっていることを前提として、感染の拡大を防ぐような対策が必要でしょう。

全世界的な渡航禁止をWHOが決めれば別ですが、日本が「感染国」になったことを、これまでの方針と裏返しに考えると、鎖国でもしないと論理的に合なくなります。しかし、それによって得られるメリットよりも、デメリットが大きいと考えるべきでしょう。

渡航禁止はScienceの問題ではなく、Managementの問題と思われますので、淡々とWHOの方針を待ちつつ、目の前の対策(うがい、手洗い、マスク、症状出現時の対応、感染時のタミフル等)を全国民に啓発することが重要です。

新型インフルエンザ対策

2009-05-07 07:47:16 | その他
新型インフルエンザ対策として、病院や大学の中には、職員や学生の海外渡航原則禁止を方針として打ち出したところが少なくないようです。マスコミも「水際対策」で何とかなるという理由から、疑い例1例毎に報道が続いています。

UPIニュースによれば、WHOのコメントとして、渡航制限が新型インフルエンザの流行を止めることにはつながらない、とのこと。

私は、感染症や公衆衛生の専門家ではありませんので、いずれかを主張できる立場ではありません。ただ、渡航制限の有効性についてエビデンスがあれば、是非教えて頂きたいと思います。行動をとりつつも、正しい行動は何か、慎重に内容を科学的に吟味しないといけない、と思っています。