CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

EBMアロマセラピー|(株)ホリスティックケアジャパン設立

2009-02-26 01:30:28 | リハビリ
リハビリテーション医療へのアロマセラピーの導入にも意欲を燃やされている相原由花さんが、独立して(株)ホリスティックケアジャパンを設立しました。アロマだけでも看護師等には大人気の治療ですが、この会社は、アロマに限らずホリスティックメディスン全般の普及をめざします。

(株)ホリスティックケアジャパン
http://www.hcpro.jp/index.html
では、HPS認定ホリスティックナースコース(臨床アロマセラピストを目指す看護師対象)、HPS認定ホリスティックセラピストコース(臨床アロマセラピストを目指す方対象)などが開講されるようです。

アロマのイメージから非科学的と言って嫌う人もいますが、香り成分の薬理効果などを考えると、医療分野でも今後十分にエビデンすを示すことができると思います。この記事のタイトル<EBMアロマセラピー>は、私が勝手につけたものです。http://medicalfinder.jp/ejournal/top-00068969-57-8.htmlのような特集も組まれ始めましたので、今後が楽しみです。

(株)ホリスティックケアジャパン代表の相原由花さんのブログは、
http://www.hcpro.sblo.jp/
「臨床アロマセラピストになる」 相原由花のブログ


です。

ETV特集「もう一度会いたかった~多田富雄、白洲正子の能を書く~」

2009-02-23 12:31:19 | リハビリ
リハビリ日数制限撤廃を先頭になって訴えておられる多田富雄先生の新作能の番組が放映されました。(NHK教育 ETV特集「もう一度会いたかった~多田富雄、白洲正子の能を書く~」 )

http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2009/0222.html

多田富雄先生作の新作能『一石仙人(アインシュタイン)』の素晴らしさは、http://blogs.yahoo.co.jp/craseedtigers/24449339.html
に書きましたが、この白洲正子没後十年追悼能公演「花供養」も生で拝見したかったなぁ、と思いました。

どんな状況でも新しいものを生み出していく多田富雄先生の不屈の精神には、いつも頭が下がる思いです。

ニューロリハビリテーション

2009-02-18 08:22:38 | リハビリ

ニューロリハビリテーションの定義やニューロリハビリテーションの具体的治療内容についてもっと知りたいという声が届きました。ゆっくり解説する時間がないので、とりいそぎリンク集を作りました。道免が執筆した論文、関連したサイトなどが中心です。

<CI療法>脳卒中後片麻痺上肢の集中訓練(世界的にエビデンスが十分に確認されたニューロリハビリテーション)
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/cim.html
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/image/cinewslow.jpg
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4521730272/craseedrehabl-22/ref=nosim/

脳の可塑性 シリーズ6 運動療法
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/plasticity.html

旧ニューロリハビリテーションホームページ
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/neurorehamenu.html

ニューロリハビリテーションの新展開
http://blog.goo.ne.jp/craseedblog/e/68687eb7fa9132ac5944331e9d7eac03

運動制御(金原出版教科書『現代リハビリテーション』より)
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/motorcontrol.html

運動反射と運動制御理論(バイオメカニズム学会誌より)
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/reflex.html

脳外傷のリハビリテーション (JAMA日本語版)
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/tbi.html

片麻痺上肢のフィードフォワード運動訓練
 (現代医療 特 集:『リハビリテーション医学の進歩と展開』より)
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/feedforward.html

『運動学習にかかわる小脳の働き』(体育の科学 特集:脳の活性化と運動)
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/cerebellummc.html

MOTOR CONTROL RESEARCH AND REHABILITATION MEDICINE HOME PAGE
http://www.bekkoame.ne.jp/~domen/motor.html

運動神経生理学講義(Mark Latash著、道免和久翻訳)
https://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4469264849.html

川人学習動態脳プロジェクト
http://www.jst.go.jp/erato/project/kgd_P/kgd_P-j.html

ASCONE2008<脳科学への数理的アプローチ>「脳科学とリハビリテーション医療」
http://spike.eng.tamagawa.ac.jp/ASCONE/
http://blog.goo.ne.jp/craseedblog/e/478695ec8d7fab9f5fcaee046ecf3dc2

運動学習とリハビリテーション(運動学習)(日本バイオメカニズム学会誌)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110001096716/

脳卒中リハビリテーションにおける運動療法の新たな挑戦(特別講演,第40回日本理学療法士協会全国研修会(名古屋)テーマ:動作の探究-座る・立つ・歩く-)
http://www.aichi-pt.jp/40zenken/14-2.pdf
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004758598/


ニューロリハビリテーションの新展開

2009-02-17 13:03:47 | リハビリ
ニューロサイエンスセミナーを実施して強く感じたことは、現場の療法士、医師達は、治療医学としてのリハビリ医療を基礎から築き上げたいという強い熱意をもっていることです。

ADLに対するアプローチが大切なことは当然です。しかし、基礎研究と解離したリハビリ医療は大変基盤が弱いものです。私がCI療法に関する講演会で常々強調していることは、リハビリ医療は「ADLの医療」ではなく、「QOLの医療」だということ。ADLとQOLが相関していれば問題はないが、そもそも次元が違う。だから、QOLを高めるための手段として、ADLを高めることが重要であると同じように、あらゆるニューロリハビリテーションを駆使して、機能障害の改善を目指して良いはず。機能障害を改善させながらADLの場面にどう「汎化」させるか、ということも学習理論できちんと検討したらどうか?もちろん、装具や環境整備などリハビリとしてあらゆるresourceを利用すべきことは言うまでもありません。

脳の可塑性(plasticity)とuse-dependent plasticityの応用こそが、ニューロリハビリテーションの本質であると思います。Neuro-rehabilitationやNeuroscience seminarというネーミングも、今後リハビリの世界に浸透していくでしょう。私のアドレスが10年前から......@neuro-reha.orgになっているのは、そのことを予言してのことです。

Mark L Latash先生と川人光男先生という相対立する神経科学の巨人の元に留学して15年。兵庫医大に来てもうすぐ10年。Neurorehabilitationのホームページを立ち上げ、ここまで突っ走ってきましたが、いよいよこれからが本番という気がしてきました。

今回のニューロサイエンスセミナー参加者のアンケートを読みながら、わくわくしてきましたので、この記事をアップします。このような高い志のリハビリ医療提供者がいる限り、リハビリ医療の将来は明るいと信じます。次回のニューロサイエンスセミナーもさらにブラッシュアップして企画中です!

ニューロサイエンスセミナー終了/次回は10月10~11日(予定)

2009-02-16 13:55:27 | リハビリ
第2回ニューロサイエンスセミナーが無事終了しました。講義だけでなく、理論を体感する実習を組み込んだことで皆さんの理解が進んだと思います。また、オリジナルの運動シミュレーターソフトもすっかり使いこなし、運動の本質を学んだようでした。

今水寛先生の特別講演は、Natureのあの論文のことだけでなく、さらに最新の研究まで広くお話下さり、リハビリ医療への応用の新たなテーマを頂きました。

いわゆる「技術講習会」ではなく「知的講習会」でしたが、大変好評でした。受講者の皆さんから普通に、『仮想軌道』、『スティフネス』、『内部モデル』、『ニューラルネットワーク』、『運動学習』・・・という言葉が出てきたことが何よりも素晴らしかったと思います。きっと臨床でも、運動障害やその治療について深く考察するきっかけになったと思います。参加者の皆さん、お疲れさまでした。

次回は、2009年10月10日(土)、11日(日)の開催を予定しています。
(その後は、年1回の開催予定ですので、今年中に参加なさりたい方は、どうぞお見逃しなく。)

NHKスペシャル|闘うリハビリII・感想 ~その4~ 方針が揺れた?

2009-02-09 00:16:31 | リハビリ
いくつかの疑問。
1)NHKのホームページでは、最初、リハビリ日数制限や成果主義について国と裁判をしている澤田石先生の写真が載っていたように記憶していましたが、それが藤田太寅さんの写真に変更されていました。これは、編集段階で、裁判問題がカットされたものと想像します。(厚労省側からのクレームがはいったと仮定すると、原告と被告双方の主張を入れなければという『中立性』を確保する必要が生まれ、それができない編集状況からカットされたのかもしれません。確認しようもありませんが。)

2)金曜日の朝のニュースで、『メンテナンスリハビリ』を紹介した後、キャスターが『このような取り組みを受けて、厚労省では、介護保険による短期集中リハビリを検討しています。』と結んだので、飲んでいたコーヒーを吹き出してしまいました。このような結びでは、特集で紹介したことが根本から崩れます。ただ、これも厚労省側から、『介護保険でやっていることをコメントせよ』と言われたとすると、内容的に支離滅裂なコメントになったとしても不思議ではありません。

3)それでも、藤田太寅氏は、自らの大変不自由な生活までさらけだして、いつまでも長期にリハビリが必要であることを訴えてくれました。また、『メンテナンスリハビリの取り組みを知った厚労省は、慢性期でも医療保険での短期リハビリができるように制度を検討する』という意味のことを言ったと、藤田氏が発言。これは大変重い事実です。結論を『介護保険によるリハ』にしなかったことは、NHK側が圧力に屈せず、最後の最後で頑張ったのではないかと想像します。

介護保険の短期集中リハではなく、『改善』をめざす、個別的医療としての、リコンディショニング入院の復活、そして診療報酬上の裏付けの確保が必要です。

NHKスペシャル|闘うリハビリII・感想 ~その3~ 慢性期のリコンディショニング入院

2009-02-08 23:58:24 | リハビリ
番組では慢性期になって機能低下を来した患者さんが、再度2週間の入院リハビリを行い、改善する姿が紹介されていました。

一方で、慢性期のリハビリが全く行われないために、リハビリのない施設で自費でリハビリを行っている大阪の男性が紹介されました。

つまり、従来からリハビリ専門病院で行われてきた『リコンディショニング入院』が、今の回復期の制度の中では実施されなくなっているということです。これを復活させるにあたり、川越の霞ヶ関病院の斉藤正身先生は、『メンテナンスリハ』という言葉を考えられたのでしょう。

私が知る限り、慢性期の『リコンディショニング入院』を受け付けているのは、大阪では豊中の関西リハビリテーション病院だけです。2週間という期間はまずまずの期間ですが、私は必要に応じて1か月くらいあっても良いと思います。

斉藤正身先生も長谷川幹先生も、慢性期の患者さんをきちんと診察され、立派に患者さんの水先案内をされていると感じながら拝見しました。私なりのキーワード『心が歩き始めたら、身体も歩けるようになり、ずっと生きていける気持ちになる』と共通する情熱を感じました。

全国各地にあのような立派なリハビリ科医師が活躍しているところを拝見すると嬉しくなります。まだまだ、不足していますが。

なお、吹田の施設にはいっておられた男性ですが、左片麻痺に対する治療とともに、右下肢の訓練を行い、さらに体幹機能に対する治療をしっかり行えば、今の状況よりも改善するのではないか、と専門家としての感想をもちました。関西リハビリテーション病院はお近くなので、検討してはどうか、と思った次第です。

NHKスペシャル|闘うリハビリII・感想 ~その2~ 成果主義の弊害

2009-02-08 23:45:32 | リハビリ
回復期リハビリ病棟の成果主義の問題が扱われました。

質の評価は自主的、学術的に慎重に実施するのは良いと思いますが、制度として診療報酬にからめた途端に、数字に振り回されるようになります。これは、経営的に余裕がない医療機関には、どうしようもないことです。医療崩壊の中、ぎりぎりに切り詰めている中で、自宅退院率が6割を切れば減収、という『制度』を作ってしまったのですから。

180日で打ち切りはおかしい、緩和措置は機能していない、成果主義でリハビリ難民がさらに生まれる・・・そのようなメッセージが伝わった番組でした。

番組でいくつかの成功例が紹介されていましたが、基盤に共通していることは『心も動かすリハビリ』ということ。

光があるから前を向いて歩ける、希望をもっていれば生きていける、ということも視聴者はしっかりと感じたのではないでしょうか?

NHKスペシャル|闘うリハビリII・感想 ~その1~

2009-02-08 21:37:32 | リハビリ
本日、NHK闘うリハビリIIが放送されました。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090208.html

今回の放送には私はからんでおりませんので、視聴者の一人として大変興味深く拝見しました。

闘うリハビリIの感想は、このブログの2008年2月の記事にありますのでご覧下さい。放送当時、制度の問題に全く触れなかったことに疑問をもたれた方も多かったようです。その意味で、今回はさらに問題点を掘り下げた内容で、大変重みがありました。

『制度改定に振り回される患者さんや医療機関の姿』(藤田太寅氏)、『どんな状況でもリハビリは有効だ』(斉藤正身先生)、『患者のやる気を引き出すきっかけ作り』(長谷川幹先生)等々の言葉の意味を、国はしっかりと受け止めるべきだと思います。

放送では、『慢性期でも必要に応じて医療保険でのリハビリを認めるべく再検討する』と厚労省が述べたと伝えられましたが、これが本当に実現されるかどうか、見定めなければなりません。

ここで注意すべきことは、『再検討』が、介護保険への移行をさらに進める言い訳にされること。個別性が命の医療保険のリハビリと介護保険のリハビリは意味合いが全く異なります。どちらにも重要な役割があります。

したがって、医療における診断や評価をもとに、患者さん一人一人の状態に見合ったリハビリ『医療』が、必要に応じて実施される制度に戻る日が来ることを願うばかりです。

FIMによる予後予測とADLの構造ポケット版作成

2009-02-02 17:22:57 | リハビリ
すっかり有名になった小山先生の対数曲線モデルによる脳卒中ADL予後予測法と、FIM運動項目合計点からみた自立確率分布を、ポケットサイズのプラスティックに印刷しました。ちょうど白衣のポケットに入るサイズです。これを見ながら病棟で仕事するリハビリ医や療法士さんが増えるといいですね。
かなりコストがかかったものなので、FA大会参加者とCRASEED会員のみに配布しました。私達が主催するセミナー参加者には資料として配布したいと考えています。

FA大会の御報告☆

2009-02-02 17:15:51 | リハビリ
FA(functional Assessment)大会では以下のような演題が発表されました。いずれも質が高い内容で、新たな問題提起がありました。
また、小山先生の講演は、リハビリ医学会専門医会での特別講演をさらにバージョンアップした内容で、聴衆の皆さんのリハビリマインドにもかなり響いたようです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
FA(Functional Assessment)大会プログラム
セッション1  
座長:寺山修史(北大阪警察病院 リハビリテーション科)
1.円滑なFIM実施を目指して一急性期総合病院の取組み
京都桂病院 宮崎博子(Dr.)
2.回復期リハビリテーション病棟に導入された日常生活機能評価の妥当性について
  関西リハビリテーション病院 石田浩一(PT)
3.急性期における脳卒中リハビリテーション治療の有効性 ―当院FIM分析結果よりー
  兵庫医科大学病院 牧口浩司(OT)
セッション2
座長:松本憲二(関西リハビリテーション病院 副院長)
1.当院リハビリテーション病棟における脳血管疾患患者の自宅退院を阻害する因子
  滋賀県立リハビリテーションセンター 内田ゆか (Ns)
2.当院における脳卒中患者の転帰に影響する因子の検討-入院時FIM合計得点の低い患者を対象に-
  兵庫県立西播磨総合リハビリテーションセンター 陣内裕成(PT)
3.在宅高齢者のADL状況~長野県泰阜村生活ニーズ実態調査結果を踏まえて~
  高齢者協同企業組合泰阜 高橋玖美子(MSW)
4.高齢者在宅生活維持のための大阪府モデル事業でのFIM使用の試み
  豊能圏域地域リハビリテーション支援センター
  (関西リハビリテーション病院)戸口基子(SW)

特別講演10:50~12:00
『脳卒中患者の日常生活動作と生活設計について』
  西宮協立脳神経外科病院リハビリテーション科部長
  小山哲男
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



FIM講習会およびFA大会無事終了☆

2009-02-02 10:38:22 | リハビリ
1月31日と2月1日に開催したFIM講習会およびFA(Functional Assessment)大会は無事に終了しました。講習会2回とFA大会の参加者は約500名。
今回のFIM講習会は、スライドを全面改訂し、認知項目を含むほぼ全ての項目に動画を取り入れました。
従来よりも具体的でわかりやすい内容になったと思います。
来年は、1月30日と31日の開催を予定しています。